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公開番号
2025091235
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-18
出願番号
2023206391
出願日
2023-12-06
発明の名称
バキュロウイルス発現系を用いて豚熱ウイルスのE2サブユニットを発現するためのコンストラクト、およびその利用
出願人
株式会社微生物化学研究所
,
国立大学法人九州大学
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C12N
15/866 20060101AFI20250611BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】豚において豚熱ウイルス(Classical Swine Fever Virus;CSFV)に対する免疫を誘導することに利用できるポリペプチドを効率的に生産する技術の提供を課題とする。
【解決手段】所定のアミノ酸配列からなるポリペプチドを、バキュロウイルス発現系を用いて発現するための、該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含むコンストラクトを用いて、当該ポリペプチドを効率的に生産する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(1)、(2)、または(3)のアミノ酸配列からなるポリペプチドを、バキュロウイルス発現系を用いて発現するための、該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含むコンストラクト:
(1)豚熱ウイルス(CSFV)流行野外株に見出されるE2サブユニットのアミノ酸配列(配列番号2);
(2)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1~45個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を含み、かつ、CSFVに対して中和活性を有する抗体を産生させる機能を有するアミノ酸配列;
(3)配列番号2に示すアミノ酸配列に対して85%以上の同一性を有し、かつ、CSFVに対して中和活性を有する抗体を産生させる機能を有するアミノ酸配列。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記コンストラクトが、分泌シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、
前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドに分泌シグナルペプチドが付加されたものである、
請求項1に記載のコンストラクト。
【請求項3】
前記分泌シグナルペプチドが、CSFV流行野外株に見出されるE2サブユニットの分泌シグナルペプチド、またはカイコ30Kタンパク質の分泌シグナルペプチドである、請求項2に記載のコンストラクト。
【請求項4】
前記コンストラクトが、可溶性タグペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、
前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドに可溶性タグペプチドが付加されたものである、
請求項1に記載のコンストラクト。
【請求項5】
前記可溶性タグペプチドが、ZZまたはSUMOである、請求項4に記載のコンストラクト。
【請求項6】
前記コンストラクトが、タンパク質精製用タグペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、
前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドにタンパク質精製用タグペプチドが付加されたものである、
請求項1に記載のコンストラクト。
【請求項7】
前記タンパク質精製用タグペプチドが、HisタグまたはStrepタグである、請求項6に記載のコンストラクト。
【請求項8】
請求項1に記載のコンストラクトが導入された組換えバキュロウイルス。
【請求項9】
ポリペプチドの製造方法であって、
該ポリペプチドが、下記(1)、(2)、または(3)のアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、
請求項8に記載の組換えバキュロウイルスが感染したバキュロウイルス感受性の昆虫の体内で発現した該ポリペプチドを、該昆虫から回収する回収工程を含む、
製造方法:
(1)豚熱ウイルス(CSFV)流行野外株に見出されるE2サブユニットのアミノ酸配列(配列番号2);
(2)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1~45個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を含み、かつ、CSFVに対して中和活性を有する抗体を産生
させる機能を有するアミノ酸配列;
(3)配列番号2に示すアミノ酸配列に対して85%以上の同一性を有し、かつ、CSFVに対して中和活性を有する抗体を産生させる機能を有するアミノ酸配列。
【請求項10】
前記回収工程が、前記ポリペプチドを前記昆虫の血清から回収する工程である、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バキュロウイルス発現系を用いて豚熱ウイルスのE2サブユニットを発現するためのコンストラクト、およびその利用に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ワクチンによる疾病管理は、最小限のコストで最大の効果が期待されるため、感染症の理想的な対策と考えられている。
【0003】
現時点ではワクチンの主流は、依然として病原体ウイルス自体を使用する不活化ワクチンまたは弱毒生ワクチンである。他方で、特定のウイルス由来タンパク質を組換えタンパク質として産生し、ワクチン抗原として使用するサブユニットワクチンは、病原ウイルスのゲノムを含まないため、より安全なワクチンとして期待されているが、組換えタンパク質として大量生産が困難な抗原の多くは、製造・開発が進んでいない。
【0004】
組換えタンパク質の生産には、細菌、酵母のほか、哺乳類や昆虫の培養細胞など多様な宿主系が用いられるが、どれも一長一短がある。例えば、研究で一般的に利用されている大腸菌では、しばしば生産タンパク質が不溶化し、翻訳後修飾が起こらないために本来の機能を有さないなどの問題点が挙げられる。
【0005】
その中で難発現タンパク質の大量発現系の一つとして期待されているのが、バキュロウイルス発現系である。バキュロウイルス発現系としては、世界的には昆虫培養細胞を宿主として用いる発現系が一般に広く用いられている。昆虫培養細胞は、組換えタンパク質発現系として優れた宿主であり、比較的簡単に無菌的環境で大量生産できるため、汎用されている。
【0006】
カイコは簡単に大量に飼育できる完全家畜化昆虫であり、その組換えタンパク質発現系は一個体内で完成する。したがって、大規模な設備投資をすることなく、カイコの飼育回数を増やすだけでスケールアップを達成でき、そのための飼育条件を検討する必要がないなどメリットが多い。組換えタンパク質の生産量については、特に分泌性タンパク質の生産量は、昆虫培養細胞と比べて、カイコ個体系の方が圧倒的に多い。
【0007】
組換えタンパク質発現系にカイコ-バキュロウイルス発現系を用いることの利点として、カイコは、家畜化された昆虫であり大量飼育が可能なこと、高い感染力・増殖性を持つバキュロウイルスを用いることによる高いタンパク質合成能力を有すること、哺乳類に近いタンパク質翻訳後修飾が可能である点などが挙げられる。更に、既に成長した個体にウイルスを接種するため、細胞分裂を伴う成長をその後にさせる必要がなく、細胞増殖に悪影響を与えるような強い生理活性を示すタンパク質も生産可能な点が挙げられる。カイコは、孵化から最後の齢幼虫まで約4週間で成長し、その間に体重が約10,000倍に増加することから、大量のタンパク質を合成する可能性がある。
【0008】
豚熱(Classical Swine Fever, CSF)は、CSFウイルス(CSFV)の感染による豚とイノシシの疾患である。CSFは、強い伝染力と高い致死率が特徴であり、家畜伝染病予防法において家畜伝染病に指定されている。このため、CSFが発生した農場では、飼養豚等を対象にCSFの防疫措置を行うことが定められている。
【0009】
2018年にわが国で再流行した豚熱の感染拡大防止のため、ワクチン接種推奨地域で、CS
Fの弱毒生ワクチンCSFV GPE-株が豚に使用されている。海外では豚熱清浄化のためのツールとして、生ワクチンに加え、遺伝子組換えCSFV E2サプユニットワクチンが実用化されている。
【0010】
特許文献1および特許文献2には、遺伝子組換えCSFV E2サブユニットワクチンが開示されている。特許文献3には、昆虫細胞を用いたバキュロウイルス発現系による、遺伝子組換えCSFV E2タンパク質を含むワクチンの製造方法が開示されている。非特許文献1では、カイコ-バキュロウイルス発現系を活用したワクチン・診断薬の生産技術開発が報告されている。非特許文献2では、大量生産が困難なワクチン抗原(特にウイルス様粒子)の産生の点で有利な、カイコを用いた組換えタンパク質ワクチンの開発が報告されている。
(【0011】以降は省略されています)
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