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公開番号2025090626
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025029102,2023114399
出願日2025-02-26,2020-02-07
発明の名称微小液滴の操作方法
出願人ライトキャスト ディスカバリー リミテッド,LIGHTCAST DISCOVERY LTD
代理人個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20250610BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】0.5フェムトリットルから10ナノリットルの範囲の平均体積を有し、少なくとも1つの生物学的成分と、1未満の水分活性aw1を有する第1の水性媒体とを含む微小液滴を操作する方法を提供する。
【解決手段】微小液滴を、微小液滴の平均体積の25%未満の平均体積を有し、最大4フェムトリットルまでの二次液滴をさらに含む水非混和性の担体液中に維持するステップを特徴とし、全体の単位体積あたりの微小液滴の合計体積に対する担体液の体積の比が2:1より大きい。該方法は、例えば、液滴ベースの核酸配列決定装置において調製されるような生物学的細胞を含む微小液滴又は単一ヌクレオシドリン酸を含む微小液滴とともに使用されてもよい。該方法は、例えば、微小液滴又は単一ヌクレオチド核酸配列決定における細胞、化学、若しくは酵素プロセス及び/又は微小液滴サイズの制御に適している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つの生物学的成分と、1未満の水分活性a
w1
を有する第1の水性媒体と
を含み、0.5フェムトリットルから10ナノリットルの範囲の平均体積を有する微小液
滴を操作する方法であり、前記微小液滴を、第2の水性媒体を含み、前記微小液滴の平均
体積の25%未満の平均体積を有し、最大4フェムトリットルまでの二次液滴をさらに含
む水非混和性の担体液中に維持するステップを特徴とし、全体の単位体積あたりの微小液
滴の合計体積に対する担体液の体積の比が2:1より大きい、方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
0.5フェムトリットルから10ナノリットルの範囲の平均体積を有する微小液滴の内
容物のサイズ及び/又は化学反応性若しくは酵素反応性を操作する方法であり、前記微小
液滴は、少なくとも1つの生物学的成分と、1未満の水分活性a
w1
を有する生物学的細
胞を含まない第1の水性媒体とを含み、前記微小液滴を、第2の水性媒体を含み、前記微
小液滴の平均体積の25%未満の平均体積を有し、最大0.5フェムトリットルまでの二
次液滴をさらに含む水非混和性の担体液中に維持するステップを特徴とし、全体の単位体
積あたりの微小液滴の合計体積に対する担体液の体積の比が2:1より大きい、請求項1
に記載の方法。
【請求項3】
4フェムトリットルから10ナノリットルの範囲の平均体積を有する微小液滴における
化学反応性若しくは酵素反応性及び/又は微小液滴サイズを制御する方法であり、前記微
小液滴は、少なくとも1つの生物学的細胞と、1未満の水分活性a
w1
を有する第1の水
性媒体とを含み、前記微小液滴を、第2の水性を含み、前記微小液滴の平均体積の25%
未満の平均体積を有し、最大4フェムトリットルまでの二次液滴をさらに含む水非混和性
の担体液中に維持するステップを特徴とし、全体の単位体積あたりの微小液滴の合計体積
に対する担体液の体積の比が2:1より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記二次液滴がa
w1
よりも大きい水分活性a
w2
を有することを特徴とする、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記二次液滴がa
w1
よりも小さい水分活性a
w2
を有することを特徴とする、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記水分活性a
w1
及びa
w2
が同じであることを特徴とする、請求項1~3のいずれ
か一項に記載の方法。
【請求項7】

w1
及びa
w2
が独立して0.9~1の範囲にあることを特徴とする、請求項1~6
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の水性媒体のイオン強度が、前記第1の水性媒体のイオン強度の1~5倍の範
囲にあることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の媒体のイオン強度が、前記第2の水性媒体のイオン強度の1~5倍の範囲に
あることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記二次液滴の平均体積が前記微小液滴の平均体積の10%未満であることを特徴とす
る、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油等の非混和性の担体液において、任意で生物学的細胞を含む水性微小液滴
を操作する改良された方法に関する。それは、微小液滴のサイズを制御又は調整すること
を可能にし、そこで生じる任意の酵素反応又は化学反応を、所定時間の間、維持又は最適
化することを可能にする。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
我々の以前の特許出願、例えば、国際公開第2014/167323号、国際公開第2
015/121675号、国際公開第2016/012789号、国際公開第2017/
140839号、及びPCT/EP2018/066574において、DNA及びRNA
の配列決定、並びに細胞及びウイルスの検出及び特徴付けを含む一連の分析を実施する目
的で、細胞、酵素、オリゴヌクレオチド、さらには単一ヌクレオチド等の生物学的成分を
微小液滴内で操作する方法を記載した。いくつかの実施形態において、これらの方法は、
エレクトロウェッティング推進力を用いるか、又は担体液でコーティングされた基板上に
微小液滴を直接印刷することによって、分析装置内のマイクロ流体経路に沿って非混和性
の担体液中に分散した微小液滴を移動させることを含む。微小液滴の体積分率が比較的低
い多くの例において、これらの微小液滴は時間の経過とともに大幅に収縮する傾向にあり
、これは、時に、内部で進行する酵素プロセスの一部又はすべてを妨げる可能性があるこ
とを我々は見出した。また、他の例では、所与の分析が実行されるときに、デバイスの一
部において微小液滴のサイズを意図的に収縮又は拡大させることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0003】
今回、我々は、これらの問題を克服する微小液滴の操作方法を開発した。それは、例え
ば、微小液滴の内容物のサイズ及び/又は反応性を操作するために、又はそこで生じる化
学反応又は酵素反応を制御するために使用されてもよい。本発明は、添付の特許請求の範
囲に定義されるとおりである。本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの生物学的
成分と1未満の水分活性a
w1
を有する第1の水性媒体とを含む0.5フェムトリットル
から10ナノリットルの範囲の平均体積を有する微小液滴を操作する(微小液滴の内容物
のサイズ及び/又は化学組成を制御する)包括的な方法であり、微小液滴を、微小液滴の
平均体積の25%未満の平均体積を有し、最大4フェムトリットルまでの第2の水性媒体
の二次液滴をさらに含む水非混和性の担体液中に維持するステップを特徴とし、全体の単
位体積あたりの微小液滴の合計体積に対する担体液の体積の比が2:1より大きい方法が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1は、油の水和なしの0時間及び24時間でのベースライン測定に対して、24時間培養後に得られた結果を比較している。
図2にヒストグラムとして示されるデータは、水和していない油(「ドライオイル」)、水で水和した油(「水のみ」)、又は液滴の緩衝液濃度の3倍で水和した油(「3×緩衝液」)でインキュベートした6μm液滴の平均蛍光強度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の範囲を限定することを望まないが、本発明は、微小液滴の全体的な特性又は微
小液滴に適用される任意の検出方法の有効性に悪影響を及ぼすことなく微小液滴と相互作
用することができる非常に小さな二次液滴を含む担体液を用いることにより、課題を解決
すると考えられる。担体媒体が油である場合、このような複合媒体を「水和油」と称する
ことがある。この点で重要な特徴は、微小液滴と二次液滴との相対的な水分活性が特定の
パラメーター内で制御されていることであり、任意で、継続的な監視及び/又はフィード
バックループにより制御されている。ここで、水性媒体の水分活性(a

)は、STP条
件下での純水の部分蒸気圧に対する調査中の水性媒体の部分蒸気圧の比率として定義され
る。水は、高水分活性から低水分活性への勾配に沿って拡散する傾向があるため、我々の
システムの制約内で、第2の水性媒体の水分活性(a
w2
)が第1の水性媒体の水分活性
(a
w1
)よりも高い場合、正味の効果は、2つの成分の水分活性が等しくなるまで微小
液滴が膨張することであることを我々は見出した。逆に、第2の水性媒体の水分活性が第
1の水性媒体の水分活性よりも高い場合、微小液滴は、これらの水分活性が等しくなるま
で収縮する傾向にある。1つの有用な実施形態において、第1及び第2の水性媒体の水分
活性は、微小液滴が収縮又は膨張する任意の傾向が連続的に打ち消されるように、同じ又
は実質的に同じであってもよい。したがって、微小液滴のサイズは常に維持されていても
よい。また、これらの二次液滴を用いることによって、例えば、この方法を採用する任意
の装置の1つ又は複数の点で細胞増殖成分を微小液滴に供給するために二次液滴を用いる
ことによって、微小液滴中で生じるあらゆる酵素反応又は化学反応を保存する又はさらに
強化するのを補助できることを、我々はこれらの手段により見出した。第1及び第2の水
性媒体は、一実施形態では同一である組成物を有していてもよい。
【0006】
したがって、本発明の1つの実施形態において、第1及び第2の水性媒体の水分活性は
、独立して、0.9~1の範囲にある。別の実施形態では、第1の水性媒体の水分活性は
、0.9以上1未満である。さらに別の実施形態では、第1及び第2の水性媒体の水分活
性の比(a
w1
:a
w2
)は、0.9:1~1:0.9の範囲にある。
【0007】
操作を行う便利な方法の1つは、緩衝液である第1及び第2の媒体を用いることであり
、必要に応じて、2つの相対組成を変えることによって行う。例えば、1つの適用では、
第1の水性媒体のイオン強度は、第2の水性媒体のイオン強度から1~5の範囲にあり、
好ましくは3~5倍である。別の適用では、第2の水性媒体のイオン強度は、第1の水性
媒体のイオン強度の1~5倍の範囲にあり、好ましくは3~5倍である。さらに別の適用
では、イオン強度は同じか又は実質的に同じであり、イオン強度の比は3:1~1:3の
範囲にある。1つの特に有用な実施形態では、第1及び第2の水性媒体のいずれか又は両
方が、成分としてグリセロールを、例えば異なる濃度で含んでいてもよい。別の実施形態
では、第1及び第2の水性媒体のpHは同じか又は類似しており、6.5~8の範囲内で
ある。
【0008】
二次液滴に関しては、これらは微小液滴の平均値よりもはるかに小さい平均体積を有し
、限界においては、担体液内で乳化され、非イオン性界面活性剤等の相溶性の界面活性剤
分子の鞘(sheath)によって安定化された第2の水性媒体のフェムトサイズの液滴
又はミセルからなっていてもよい。1つの実施形態において、これらの二次液滴のサイズ
は、使用される微小液滴の体積の10%未満であり、好ましくは5%未満である。別の実
施形態では、二次液滴の平均体積は、微小液滴の平均体積の10~1%の範囲内にある。
適切には、二次液滴は、1つの実施形態では非混和性油である担体液中で安定なエマルジ
ョンの一部を形成する。適切には、担体液は、鉱油、シリコーン油、又はフルオロカーボ
ン油から選択される。油には、必要に応じてさらに界面活性剤及び安定剤が含まれていて
もよい。適切には、微小液滴の合計体積に対する担体液の体積の比は、3:1より大きく
、好ましくは5:1以上である。
【0009】
本発明の方法は、生物学的細胞が分析されているいくつかの用途に有用である。一例は
、タンパク質発現又は特定の遺伝形質等の望ましい特性について細胞の個々のクローンコ
ピーをスクリーニングする目的で、不死化された哺乳動物細胞の培養物を微小液滴内で増
殖させている場合である。したがって、本発明の第2の態様では、1つの実施形態におい
て、4フェムトリットルから10ナノリットルの範囲の平均体積を有し、水性緩衝液を含
む微小液滴内に含まれる1つ又は複数の細胞型の細胞増殖を引き起こす方法であり、液滴
内の細胞を適切な環境条件でインキュベートし、その後、各液滴内の細胞数を検出するス
テップを含み、微小液滴が、微小液滴の平均体積の25%未満の平均体積を有し、最大4
フェムトリットルまでの二次液滴をさらに含む非混和性の担体液に懸濁されていることを
特徴とし、全体の単位体積あたりの微小液滴の合計体積に対する担体液の体積の比が2:
1より大きい方法が提供される。
【0010】
別の実施形態では、検討中の細胞の1つ又は複数の表現型形質、遺伝形質、又はタンパ
ク質発現プロファイルを検出する方法であり、細胞は、4フェムトリットルから10ナノ
リットルの範囲の平均体積を有し、水性増殖培地を含む微小液滴内に含まれており、細胞
に由来する標的を蛍光プローブで標識し、その後、プローブからの出力を検出するステッ
プを含み、細胞含有微小液滴が、微小液滴の平均体積の25%未満の平均体積を有し、最
大4フェムトリットルまでの二次液滴をさらに含む非混和性の担体液に懸濁されているこ
とを特徴とし、全体の単位体積あたりの微小液滴の合計体積に対する担体液の体積の比が
2:1より大きい方法も提供される。この目的に適した蛍光プローブ分子はよく知られて
おり、標的タンパク質の存在下で分解される蛍光標識抗体、FRETレポータープローブ
、及び酵素標識抗原が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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