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公開番号2025089003
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2023203915
出願日2023-12-01
発明の名称不織布、不織布積層体及び衛生用品
出願人エム・エーライフマテリアルズ株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類D04H 3/018 20120101AFI20250605BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】接着成分の裏抜けの抑制と風合いとが両立される不織布の提供。
【解決手段】不織布は、熱可塑性樹脂の繊維を含み、エンボス加工された不織布であって、前記不織布の一方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する外接円の直径Rと前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する内接円の直径rとから規定される異形度(R/r、異形度A)と、前記不織布の他方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての前記異形度(異形度B)との異形度比(異形度A/異形度B)が、1.5~2.5とされたものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂の繊維を含み、エンボス加工された不織布であって、
前記不織布の一方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度A)と、前記不織布の他方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度B)との異形度比(異形度A/異形度B)が、1.5~2.5である不織布。
異形度=R/r (式)
(上記式において、Rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する外接円の直径をいい、rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する内接円の直径をいう。)
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂の繊維が、ポリオレフィンを含む請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂の繊維が、中空繊維である請求項1に記載の不織布。
【請求項4】
目付が、5g/m

~20g/m

である請求項1に記載の不織布。
【請求項5】
通気度が、30cm

/cm

/sec~300cm

/cm

/secである請求項1に記載の不織布。
【請求項6】
請求項1に記載の不織布である不織布層を備える不織布積層体。
【請求項7】
熱可塑性樹脂の繊維を含む少なくとも2層の不織布層を備え、エンボス加工された不織布積層体であって、
前記不織布積層体の一方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度A)と、前記不織布積層体の他方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度B)との異形度比(異形度A/異形度B)が、1.5~2.5である不織布積層体。
異形度=R/r (式)
(上記式において、Rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する外接円の直径をいい、rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する内接円の直径をいう。)
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂の繊維が、ポリオレフィンを含む請求項7に記載の不織布積層体。
【請求項9】
前記不織布層のうちの少なくとも1層に含まれる熱可塑性樹脂の繊維が、中空繊維である請求項7に記載の不織布積層体。
【請求項10】
目付が、5g/m

~20g/m

である請求項7に記載の不織布積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、不織布、不織布積層体及び衛生用品に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン(例えばポリプロピレン)を用いた不織布は通気性、風合い等に優れていることから、紙おむつや生理用品等の衛生用品を構成する材料として利用されている。
衛生用品を製造する際に、不織布同士や不織布と他の部材とをホットメルト接着剤等の接着成分を用いて貼り合わせる工程において、接着成分が不織布を透過して裏抜けし、製造ラインを汚染することがある。
ホットメルト接着剤の裏抜けを抑制するため、特許文献1には、熱可塑性樹脂からなる長繊維不織布であって、該不織布の少なくとも片方の表面の、接触面積率が30%以上60%以下であり、かつ、該不織布厚みに対する最小凹凸差割合が15%以上50%以下であることを特徴とする前記長繊維不織布が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/067516号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の長繊維不織布には、非エンボス部に単糸が離れた粗密な構造があるため、密度の低い部分から接着成分の裏抜けが生ずる可能性があり、特許文献1に記載の長繊維不織布をもってしても、接着成分の裏抜けを十分に抑止することができない場合がある。
本開示は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、接着成分の裏抜けの抑制と風合いとが両立される不織布及び不織布積層体、並びに、これらを用いた衛生用品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 熱可塑性樹脂の繊維を含み、エンボス加工された不織布であって、
前記不織布の一方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度A)と、前記不織布の他方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度B)との異形度比(異形度A/異形度B)が、1.5~2.5である不織布。
異形度=R/r (式)
(上記式において、Rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する外接円の直径をいい、rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する内接円の直径をいう。)
<2> 前記熱可塑性樹脂の繊維が、ポリオレフィンを含む<1>に記載の不織布。
<3> 前記熱可塑性樹脂の繊維が、中空繊維である<1>又は<2>に記載の不織布。
<4> 目付が、5g/m

~20g/m

である<1>~<3>のいずれか1項に記載の不織布。
<5> 通気度が、30cm

/cm

/sec~300cm

/cm

/secである<1>~<4>のいずれか1項に記載の不織布。
<6> <1>~<5>のいずれか1項に記載の不織布である不織布層を備える不織布積層体。
<7> 熱可塑性樹脂の繊維を含む少なくとも2層の不織布層を備え、エンボス加工された不織布積層体であって、
前記不織布積層体の一方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度A)と、前記不織布積層体の他方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度B)との異形度比(異形度A/異形度B)が、1.5~2.5である不織布積層体。
異形度=R/r (式)
(上記式において、Rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する外接円の直径をいい、rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する内接円の直径をいう。)
<8> 前記熱可塑性樹脂の繊維が、ポリオレフィンを含む<7>に記載の不織布積層体。
<9> 前記不織布層のうちの少なくとも1層に含まれる熱可塑性樹脂の繊維が、中空繊維である<7>又は<8>に記載の不織布積層体。
<10> 目付が、5g/m

~20g/m

である<7>~<9>のいずれか1項に記載の不織布積層体。
<11> 通気度が、30cm

/cm

/sec~300cm

/cm

/secである<7>~<10>のいずれか1項に記載の不織布積層体。
<12> 前記不織布積層体についての一方の面側の表面に位置する不織布層と他方の面側の表面に位置する不織布層とが、共にスパンボンド不織布層である<7>~<11>のいずれか1項に記載の不織布積層体。
<13> 中間層としてメルトブローン不織布層をさらに備える<12>に記載の不織布積層体。
<14> <1>~<5>のいずれか1項に記載の不織布又は<6>~<13>のいずれか1項に記載の不織布積層体を有する衛生用品。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、接着成分の裏抜けの抑制と風合いとが両立される不織布及び不織布積層体、並びに、これらを用いた衛生用品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
繊維の単糸断面を示す図であり、図1(A)は異形度Aを示す繊維の単糸断面であり、図1(B)は異形度Bを示す繊維の単糸断面である。
走査型電子顕微鏡により撮影された不織布の断面写真の一例を示す。
中空繊維の形成時に使用するノズル孔形状の模式図である。
図3のノズル孔形状を用いたスパンボンド不織布の繊維断面の模式図である。
中空繊維の形成時に用いるノズル孔形状の他の模式図である。
図5のノズル孔形状を用いたスパンボンド不織布の繊維断面の模式図である。
スパンボンド不織布製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
【0009】
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
【0010】
<不織布>
本開示の不織布は、熱可塑性樹脂の繊維を含み、エンボス加工された不織布であって、前記不織布の一方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度A)と、前記不織布の他方の面におけるエンボス加工されていない箇所の前記繊維についての下記式で規定される異形度(異形度B)との異形度比(異形度A/異形度B)が、1.5~2.5とされたものである。
異形度=R/r (式)
上記式において、Rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する外接円の直径をいい、rは、前記繊維の単糸についての長さ方向と直交する断面に対する内接円の直径をいう。
本開示の不織布によれば、接着成分の裏抜けの抑制と風合いとが両立される。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
(【0011】以降は省略されています)

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