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公開番号2025088670
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023214307
出願日2023-11-30
発明の名称流体除菌機器
出願人株式会社バンブーケミカル研究所,個人
代理人
主分類A61L 2/10 20060101AFI20250604BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】流体の中に含まれて管内を流れる感染力の強いウイルスに対しては、その不活化の効果が十分に発揮でき、また、一般の菌に対しても、すべての菌に対して除菌の効果が発揮できる除菌機器を提供する。
【解決手段】流体除菌機器は、箱型をした本体ケース1と、その内部の除菌空間2と、前記除菌空間の内壁に取付けられた鏡板3と、流入側接続部4と、流出側接続部5とがフランジ接続部6、7とで連結された構造になっている。前記流入側接続部4と本体ケース1の間に羽根駆動部8が、また、前記本体ケース内の流出側接続部の間に流路に直交する姿勢の高性能フィルター9が、また前記羽根駆動部8の下流側に整流部材10が、それぞれ取り付けられている。更に、前記本体ケース1の外側の傾斜面に深紫外LED11が開口部の窓から内部に向かって照射できる様に取り付けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
箱型をした中が空洞部をもち、流入側と流出側がそれぞれ流通可能な開口部をもつ本体ケースと、流入側パイプ接続部と、流出側パイプ接続部で構成される機器において、前記本体ケースと流入側パイプ接続部との間の内側に羽根付き駆動体,前記本体ケースと流出側パイプ接続部の内側に流路に対して直交する姿勢をもつ高性能フィルターと、前記本体ケースの内部空間及び高性能フィルターの流入面に向かって光を発する除菌手段としてのLEDと、前記本体ケースの内側全周の壁面に取り付けられた鏡板と、前記箱型の本体ケース内の羽根付き駆動体の下流側に流速を均一化するための整流部材とをもって構成されていることを特徴とする流体除菌機器
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記の本体ケース内の空洞部と高性能フィルターの流入側に向かって照射される除菌手段のLEDが波長220~300nmの範囲の光を発する深紫外LEDであることを特徴とする請求項1に記載の流体除菌機器
【請求項3】
前記の本体ケースの内部空間の断面積が、前記流入側パイプ接続部及び、流出側パイプ接続部の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載の流体除菌機器

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製造工場、各種施設、事務所や一般住宅内に設置されているパイプ内を流れる空気や水などの流体に対して、流路の途中で空気や水などに対して、ウイルスの不活性化と、一般の菌の除菌機能をもつと同時に、流体内に含まれる微細な異物などを捕集することができる流体除菌機器である。本機器の使い方として、対象の流体が空気の場合、建物の室外の空気を室内に取り込む天井配管の途中に本流体除菌機器を接続することにより、機器の中で、ウイルスの不活化、除菌、及び除塵が効果的に行われ、室内に清潔で安全な空気を取込むことができる。また、対象の流体が水の場合、配管内を流れる水に対して、給水配管の途中に本流体除菌機器を組み込むことにより、パイプ内を流れる水の除菌と除塵が行われて浄化された清潔な水を給水することができる。
一般的に、換気扇は室内の空気を室外に排気する機能と、室外の空気を室内に給気する機能の機器がある。その室外の空気を室内に取り込む際に、ウイルスや菌、花粉、PM2.5などを含んでいる可能性のある空気をそのまま、室内に取り込むことが一般的である。しかし、ウイルスへの感染や、各種の菌や花粉などによって健康を害することもある。また、多人数が集まる大型施設、食品工場、医療介護施設、精密機器工場、各種研究所、一般の事務室、家庭の部屋など、清潔な給排気による換気が必要な場所が数多く有る。また、対象の流体が水の場合は、浄水場や工場の貯水タンクなどから送水する際には、塩素剤などの化学的な除菌以外に、物理的な除菌と、微小な異物の除去は重要な管理項目となっている。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、パイプ内を流れる空気や水に対して、配管の途中で除菌と除塵を行うことは、余り実施されてこなかった。またこれまでは、付帯機能をもつ室内への給気機器はあまり存在しなかった。数年前から新型コロナウイルスの世界的な感染の拡大があり、世界中の人々の生活様式が一変し、感染予防に一段と気を付ける習慣が身について来ている。その新型コロナウウイルス以外にも、インフルエンザウイルスや各種ウイルスの感染が今後も心配される状況となっている。本発明は、対象が空気の場合は、この室内空間の給気に重点的な対策を施した発明となっている。また、対象の流体が水の場合においても、一般の飲料水や、食品・飲料工場などで、安全な水の確保は重要なインフラの要素の一つとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-141292号公報
特開2017-87104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、流体殺菌装置1は、殺菌対象の流体が軸方向に流れる流路を有する筒体5と、流体に対して紫外光を出射する紫外LEDを有する光源3と、筒体5の内部に流体が流入する流入口5a側に設けられて、流体を整流する整流部8とを備えている。整流部8は、軸方向に互いに離間して配置され、流体が通過する複数の孔を各々が有する複数の整流板8A,8Bにより構成されている。また、前記整流部は、少なくとも前記流入口に最も近い位置に設けられた第1の整流板と、前記第1の整流板よりも前記流路の下流側に設けられた第2の整流板とで構成され、前記第2の整流板が有する各々の孔の大きさは、前記1の整流板が有する各々の孔の大きさ以下であることを特徴とする流体殺菌装置とある。この引用特許文献1は前記の整流板の構成が主要な訴求点となっている。しかしながら、本引用特許文献1の問題点として、流体の圧力が高く流速が速い場合、流体の流れに逆らってLEDが前方の流体のみに向かって照射する発光出力の積算で除菌効果が決まるため、その効果が十分に発揮できない問題がある。また、流体の管内を流れる時の流速は菅の内壁の付近が最も遅く、菅の中心部が最速となる放物線状になっていることは知られている。流入口直後に設けた第1と第2の整流板を通過した直後の流体は整流となるが、整流板から離れたLED光源の照射位置付近では、特に直角に流出方向を変える時は層流状態が乱れて、均一な流速にならず、この管内の流速の差による除菌性能の差が大きくなるという問題もある。また、流体の中に浮遊している可能性のある状態の菌に対してのみにLEDの照射が行われるため、確実に高い確率で除菌できる保証は無い。即ち、本特許文献1の場合、流体の中に含まれている可能性のあるウイルスや菌や異物などの捕集機能が無いため、LEDの照射が面に付着して静止状態での不活性化と除菌ができず、その除菌性能には限界がある。
また、特許文献2では、浄化能力を高めた流体殺菌装置を提供するため流体殺菌装置10は、長手方向に延びる流路13を区画する筐体12と、筐体12内に設けられ、長手方向に延在するフィルタ40と、紫外光を発する発光素子52を有し、フィルタ40を通過して層流状態で流れる流体に向けて紫外光を照射する光源50と、を備える。またフィルタ40は、中空糸膜フィルタであってもよい。光源50は、長手方向に紫外光を照射するように設けられてもよいとある。上記特許文献2の場合、管内の長手7方向に延在するフィルターを通過した後に、流路内を流れる流体に対して、流れに平行に紫外光を発する発光素子が照射する構成となっているため、流体に対する整流機能が無く、管内の断面位置による流速の均等化ができず除菌性能が劣る問題がある。また、流体そのものに対する照射のみであり、フィルターの表面に捕集される菌などに対して、紫外光を発する発光素子から照射する構成となっておらず、除菌効果が限定的であるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、この様なことに鑑みてなされたものであり、先行技術文献の各問題点を解決する内容となっている。即ち、流体の中に含まれて管内を流れる感染力の強いウイルスに対しては、その不活化の効果が十分に発揮でき、また、一般の菌に対しても、すべての菌に対して除菌の効果が発揮できる除菌機器を提供できる。本発明に使用される深紫外LEDは波長220~300nmで、大学の研究機関や企業等によって、新型コロナウイルス、及びすべての一般的な菌に対する不活性化と除菌の効果が特定の条件下で99%の除菌効果の実証がされて、論文などで発表されている。これらのウイルスの不活化と、除菌の実証は、空気中に漂うエアーゾルに対する効果と同時に、ウイルスや菌が物に付着している状態の対物に対しても、その不活化と除菌の効果が実証されている。本発明の流体除菌機器の利用者は、管内を流れる流体の配管経路の中間に本流体除菌機器を追加接続することで、新しい除菌と除塵機能をもつ除菌機器が提供できる。例えば、天井裏の配管によって屋外の空気を室内に給気する時は、その配管の途中に接続された本流体除菌機器の内部で除菌と除塵が行われる。また水の場合、貯水タンクから給水して所定の場所まで配管されている配管の途中に、本流体除菌機器を追加接続すれば、目的の場所に、除菌済みの微細な異物も除去された清潔で安心な水を供給することができる。更に、本発明の流体除菌機器は、例えば室内の空気を天井裏のダクト配管で一旦排気して、本流体除菌機器に接続して、再度室内に除菌と除塵が施された清潔な空気を給気する、いわゆる室内空気の空気清浄機としての機能も発揮することができる。また、本発明の流体除菌機器は、上記の様にその組み合わせによって、多目的に、多くの業種と場所において手軽に利用できる様になっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の流体除菌機器は、対象の流体が空気の場合は、大型施設の部屋、食品工場、精密機器工場、医療介護機関、養鶏等の家畜舎、一般の事務室、家庭内の室内などで、換気をしながら除菌と除塵の機能が発揮できる機器として利用できる。また、対象の流体が水の場合、食品工場への水の供給、浄水場、医療介護施設等での水の利用の場合、本流体除菌機器を配管の途中に追加接続することによって、容易に除菌と集塵機能が発揮できる。本発明の流体除菌機器は、感染力の強いウイルスや、一般の菌などに対する確実な不活性化と除菌、及び除塵の対策が求められる課題解決の手段として有効に利用できる。
本発明の流体除菌機器の実施例について説明する。
本発明の流体除菌機器は、箱型をした中が空洞部をもち、流入側と流出側が流通可能な開口部をもつ本体ケース1と、その内部の除菌空間2と、前記除菌空間の内壁面に取付けられた鏡板3と、流入側接続部4と、流出側接続部5とがフランジ接続部6、7とで連結された構造になっている。前記流入側接続部4と本体ケース1の間の内側に羽根駆動部8が、また、前記本体ケース内の流出側接続部の間に流路に対して直交する姿勢で高性能フィルター9が、また前記羽根駆動部8の下流側に整流部材10が前記本体ケース1に固定されて、それぞれ取り付けられている。更に、前記本体ケース1の外側の傾斜面に深紫外LED11が開口部の窓から内部に向かって照射できる様に取り付けられている。更に図示していないが、前記羽根駆動部、及び深紫外LEDを制御する電気制御部12も構成としてある。感染力の強い新型コロナウイルスの大きさは、0.1μmであるが、空気飛沫で空気中に漂っているときは、0.5μm前後になると言われている。高性能フィルター9のHEPAフィルターは0.3μmの大きさの対象物まで捕集が可能であり、コロナウイルスが、除菌空間内2の流体に浮遊中、及び高性能フィルター9の面に捕集されている状態で、前記深紫外LED11の照射によって、各種ウイルスの不活化と、一般の菌に対する除菌が行われる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、対象の流体か空気の場合、流入側接続部4から配管内を通過して来た空気が、羽根駆動8の回転によって本体ケース1内の除菌空間2の中に取付けられた整流部材10によって管内断面の流速の差を均一化して流れる。この流れの途中で深紫外LED11の照射光が鏡板3による反射効果でLED光が増長され除菌空間の空気が除菌される。更に空気は高性能フィルター9に進んでウイルスや菌や微小な異物をフィルター面で捕集し、この面上に捕集されたウイルスや菌を深紫外LED11の照射で不活化と除菌が行われる。高性能フィルター9を通過し浄化された空気は、下流の流出側接続部5から配管によって目的の場所に給気される。対象の流体が水の場合も、上記の空気の場合と同様の工程を経て、水に含まれるウイルスや菌の不活化と除菌、及び水の中に含まれる微小な異物の除塵が行われる。
上記の流体の動作によって、深紫外LEDによる流体への除菌が、除菌空間内に浮遊している流体の中のウイルスや菌に対する不活化、除菌と、並行して、高性能フィルターの表面に捕集されているウイルスや菌も除菌できる二重の効果が期待でき、その除菌性能が大幅に向上する。また、流入側接続部、及び流出側接続部の断面積よりも、大きい断面をもつ本体ケース内では、流体の速度が断面積に逆比例して低速になり、深紫外LEDによる除菌の効果が向上する。また、本体ケース内の羽根駆動部の直後に取り付けられた整流部材によって除菌空間内の断面内での流速が均等化されて、通過する断面の位置による除菌効果の差を均等化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態による流体除菌機器の正面断面図
本発明の実施形態による流体除菌機器の平面図
本発明の実施形態による流体除菌の右側面図
本発明の実施形態による流体除菌機器の応用例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図1~図4を用いて、本発明の実施形態による流体除菌機器を説明する。尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【実施例】
【0010】
図1~図4に示すように、本発明の流体除菌機器の本実施形態は、例えば、対象の流体か空気の場合、流入側接続部4から配管内を通過して来た空気が、羽根駆動部8の回転によって本体ケース1内の除菌空間2の中に取付けられた整流部材10によって管内断面上の流速の差を均等化して流れる。流れの途中で深紫外LED11の照射で除菌され、更に空気は高性能フィルター9に進んでウイルスや菌や微小な異物をフィルター表面で捕集し、この面上に捕集されたウイルスや菌に深紫外LED11を照射することで不活化と除菌行われる。高性能フィルター9を通過し浄化された空気は、下流の流出側接続部5から配管によって目的の場所まで送られる。また、対象の流体が水の場合も、上記の空気の場合と同様の工程を経て、水に含まれるウイルスや菌の不活化と除菌、及び水の中に含まれる微小な異物の除塵が行われる。
図4に示す、本発明の実施形態による流体除菌機器の応用例を示す図において、屋外から通常の空気を取り込み、屋根裏を配管で接続して、本発明の流体除菌機器を接続して、この機器の中でウイルスや菌に対して不活化と除菌、及び空気に含まれる花粉やPM2.5などを除塵して、配管によって室内に清浄化された空気が給気できる。
【産業上の利用可能性】
(【0011】以降は省略されています)

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