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公開番号2025087110
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201535
出願日2023-11-29
発明の名称玉軸受の製造方法
出願人株式会社ジェイテクト
代理人弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
主分類F16C 43/06 20060101AFI20250603BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ラジアル内部すきまが0である玉軸受に適用できる製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、ラジアル内部すきまが0である玉軸受の製造方法であり、内輪軌道溝と外輪軌道溝との径方向の間に複数の玉を挿入する第1ステップ、外輪の中心軸を中心とする180度未満の劣角で周方向に離れた2位置において外輪の軸受外径面を支持する第2ステップ、2位置の間に位置する外輪の内周面に向けて内輪を径方向に相対的に移動させ、かつ2位置の間に位置する玉を介して外輪を弾性変形させることで、外輪の中心軸を中心とする180度を超える優角の範囲に、内輪の中心軸を含む断面における内輪軌道溝と外輪軌道溝とに接する内接円が玉の直径を超える周方向の範囲を形成する第3ステップ、玉を範囲に移動させる第4ステップ、範囲に配置された玉と、隣接する玉との間に間隔を形成する第5ステップ、を含む。
【選択図】図6E
特許請求の範囲【請求項1】
内輪軌道溝を有する内輪と、外輪軌道溝を有する外輪と、前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝との径方向の間に配置された複数の玉と、を備え、ラジアル内部すきまが0である玉軸受の製造方法であって、
複数の玉は第1の玉と第2の玉と第3の玉とを含み、
前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝との径方向の間に複数の玉を挿入する第1ステップと、
前記外輪の中心軸を中心とする180度未満の劣角で周方向に第1の間隔をあけた2位置において前記外輪の軸受外径面を支持する第2ステップと、
前記2位置の前記第1の間隔に位置する前記外輪の内周面に向けて前記内輪を径方向に相対的に移動させ、かつ前記2位置の前記第1の間隔に位置する前記内輪軌道溝と前記第1の玉と前記外輪軌道溝とを介して前記外輪を弾性変形させることで、前記外輪の中心軸を中心とする180度を超える優角の範囲に、前記内輪の中心軸を含む断面における前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝とに接する内接円が前記第2の玉の直径より大きい周方向の第1の範囲を形成する第3ステップと、
前記内輪と前記外輪とを相対回転させて前記第2の玉を前記第1の範囲に移動させる第4ステップと、
前記第1の範囲に配置された前記第2の玉と、前記第2の玉に隣接する前記第3の玉との間に間隔を形成する第5ステップと、を含む、玉軸受の製造方法。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記第3ステップにおける前記第1の範囲は、前記第4ステップの前記第2の玉の移動方向に関して前方側よりも後方側が鉛直方向に高位となるような高低差を有する部分を備える、請求項1に記載の玉軸受の製造方法。
【請求項3】
前記玉軸受の中心軸が水平に配置される、請求項2に記載の玉軸受の製造方法。
【請求項4】
前記第5ステップにおいて、前記第1の範囲に配置された前記第2の玉と、これに隣接する前記第3の玉との間に間隔保持部材が挿入される、請求項1~3のいずれか1項に記載の玉軸受の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、玉軸受の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、玉軸受の製造方法、特に内輪と外輪との間における玉の配列方法を開示する。この配列方法は、内輪と外輪との間のリング状の空間に複数の玉を入れた後、内輪及び外輪のいずれか一方を他方に対して偏心させた状態で回転させることで、複数の玉を前記空間内で周方向に沿って分散移動させ、分散移動させた玉の間にエアーを吹き付けることで複数の玉を等間隔に配列する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-161926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の配列方法は、玉軸受のラジアル内部すきまの範囲で内輪と外輪とを偏心させて周方向の一部で内外輪の径方向の間隔を広げ、当該間隔において玉の分散移動を可能にしている方法である。そのため、玉軸受が正のラジアル内部すきま(以下、「正のすきま」ともいう)を有していることが必要であり、ラジアル内部すきまが0である(以下、「負のすきま」ともいう)、玉軸受に特許文献1の配列方法を適用することが困難である。負のすきまは、玉軸受の全ての玉が、玉と外輪軌道溝との全ての接触部で接触し、玉と内輪軌道溝との全ての接触部で接触し、全ての接触部において、玉や内輪軌道溝、外輪軌道溝に弾性変形が生じ、内部予圧が生じている玉軸受の状態である。
【0005】
本開示は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、ラジアル内部すきまが0である玉軸受にも適用可能な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の玉軸受の製造方法は、
内輪軌道溝を有する内輪と、外輪軌道溝を有する外輪と、前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝との径方向の間に配置された複数の玉と、を備え、ラジアル内部すきまが0である玉軸受の製造方法であって、
複数の玉は第1の玉と第2の玉と第3の玉とを含み、
前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝との径方向の間に複数の玉を挿入する第1ステップと、
前記外輪の中心軸を中心とする180度未満の劣角で周方向に第1の間隔をあけた2位置において前記外輪の軸受外径面を支持する第2ステップと、
前記2位置の前記第1の間隔に位置する前記外輪の内周面に向けて前記内輪を径方向に相対的に移動させ、かつ前記2位置の前記第1の間隔に位置する前記内輪軌道溝と前記第1の玉と前記外輪軌道溝とを介して前記外輪を弾性変形させることで、前記外輪の中心軸を中心とする180度を超える優角の範囲に、前記内輪の中心軸を含む断面における前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝とに接する内接円が前記第2の玉の直径より大きい周方向の第1の範囲を形成する第3ステップと、
前記内輪と前記外輪とを相対回転させて前記第2の玉を前記第1の範囲に移動させる第4ステップと、
前記第1の範囲に配置された前記第2の玉と、前記第2の玉に隣接する前記第3の玉との間に間隔を形成する第5ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の製造方法は、ラジアル内部すきまが0である玉軸受にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の一実施形態における玉軸受を備えたデュアルピニオンタイプ電動パワーステアリング装置の一例を模式的に示す構成図である。
図1のA-A断面図である。
図1のB-B断面図である。
本開示の一実施形態における玉軸受を備えたコラムタイプ電動パワーステアリング装置の一例を模式的に示す構成図である。
図4のA-A断面図である。
玉軸受の製造方法の手順を説明する図である。
玉軸受の製造方法の手順を説明する図である。
玉軸受の製造方法の手順を説明する図である。
玉軸受の製造方法の手順を説明する図である。
玉軸受の製造方法の手順を説明する図である。
玉軸受の製造方法の手順を説明する図である。
間隔保持部材の斜視図である。
玉軸受の製造装置を示す概略図である。
本開示の製造方法が適用される玉軸受を例示する断面図である。
本開示の製造方法が適用される玉軸受を例示する断面図である。
本開示の製造方法が適用される玉軸受を例示する断面図である。
本開示の製造方法が適用される玉軸受を例示する断面図である。
玉軸受の他の製造装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態における玉軸受の製造方法は、
内輪軌道溝を有する内輪と、外輪軌道溝を有する外輪と、前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝との径方向の間に配置された複数の玉と、を備え、ラジアル内部すきまが0である玉軸受の製造方法であって、
複数の玉は第1の玉と第2の玉と第3の玉とを含み、
前記内輪軌道溝と前記外輪軌道溝との径方向の間に複数の玉を挿入する第1ステップと、
外輪の中心軸を中心とする180度未満の劣角で周方向に第1の間隔をあけた2位置において前記外輪の軸受外径面を支持する第2ステップと、
前記2位置の前記第1の間隔に位置する前記外輪の内周面に向けて前記内輪を径方向に相対的に移動させ、かつ前記2位置の前記第1の間隔に位置する前記内輪軌道溝と前記第1の玉と前記外輪軌道溝とを介して前記外輪を弾性変形させることで、外輪の中心軸を中心とする180度を超える優角の範囲に、内輪の中心軸を含む断面における内輪軌道溝と外輪軌道溝とに接する内接円が第2の玉の直径より大きい周方向の第1の範囲を形成する第3ステップと、
前記内輪と前記外輪とを相対回転させて前記第2の玉を前記第1の範囲に移動させる第4ステップと、
前記第1の範囲に配置された前記第2の玉と、前記第2の玉に隣接する第3の玉との間に間隔を形成する第5ステップと、を含む。
【0010】
この製造方法によれば、ラジアル内部すきまが0である(負のすきま)の玉軸受であっても、外輪を強制的に弾性変形させることによって、内輪の中心軸を含む断面における内輪軌道溝と外輪軌道溝とに接する内接円が第2の玉の直径より大きい周方向の第1の範囲を形成することができる。この周方向の第1の範囲において、第2の玉は、内輪軌道溝と外輪軌道溝とに強く擦れることなく周方向に移動できるので、第2の玉と第3の玉との間に容易に間隔を形成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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