TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025085588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2024107000
出願日2024-07-02
発明の名称管理型処分場での二酸化炭素固定方法
出願人東洋建設株式会社
代理人弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類B09B 1/00 20060101AFI20250529BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】効率的に、カーボンニュートラルに向けて大気中の二酸化炭素を削減できる共に、管理型処分場を廃止に向けて早期に浸出水が排水基準を満たすように安定化させる管理型処分場での二酸化炭素固定方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素固定方法では、例えば、管理型海面処分場1の陸上部3に、湿潤状態の対象廃棄物Wを埋め立て、所定期間養生することで、対象廃棄物Wに二酸化炭素を固定すると共に、対象廃棄物Wを中和処理する。これにより、効率的に、カーボンニュートラルに向けて大気中の二酸化炭素を削減できる共に、管理型海面処分場1を廃止に向けて浸出水が排水基準を満たすように安定化させることができる。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
管理型処分場に、湿潤状態の廃棄物を埋め立て、所定期間養生することで、当該廃棄物に二酸化炭素を固定すると共に、廃棄物を中和処理することを特徴とする管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
管理型処分場に、湿潤状態の廃棄物を、20cm以下の薄層の盛土層として埋め立て、所定期間養生することで、当該廃棄物に二酸化炭素を固定すると共に、廃棄物を中和処理することを特徴とする管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項3】
管理型処分場に、湿潤状態の廃棄物を、転圧せず自然な投入状態のまま通気可能な粗い盛土層として埋め立て、所定期間養生することで、当該廃棄物に二酸化炭素を固定すると共に、廃棄物を中和処理することを特徴とする管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項4】
管理型処分場に埋め立てられた廃棄物に散水処理して、所定期間養生することで、当該廃棄物に二酸化炭素を固定すると共に、廃棄物を中和処理することを特徴とする管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項5】
管理型処分場に埋め立てられた前記廃棄物の盛土層表面に凹凸部を形成することを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項6】
管理型処分場に埋め立てられた前記廃棄物の盛土層を攪拌することを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項7】
管理型処分場に埋め立てられた前記廃棄物を、1日~10日間養生することを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項8】
管理型処分場に、前記廃棄物に二酸化炭素が固定された後の盛土層を複数積層することを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項9】
管理型処分場において、前記廃棄物に二酸化炭素が固定された後の盛土層を転圧して密実性を高めることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
【請求項10】
前記管理型処分場は管理型海面処分場であり、その陸上部に埋め立てられた前記廃棄物に二酸化炭素が固定された後、当該廃棄物を前記管理型海面処分場の保有水中に投入して埋め立てることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の管理型処分場での二酸化炭素固定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、管理型処分場に埋め立てられた廃棄物に対して二酸化炭素を固定すると共に、廃棄物を中和処理する管理型処分場での二酸化炭素固定方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から懸案の地球温暖化対策としてカーボンニュートラルに向けて大気中の二酸化炭素を削減する必要がある。一方で、一般廃棄物や産業廃棄物である焼却灰や石炭灰、その他廃棄物は、陸上もしくは海面の管理型処分場に埋め立てられている。例えば、管理型海面処分場は、一般廃棄物や産業廃棄物で埋め立てられる海域に築造された施設である。埋立初期においては、管理型海面処分場内は海水(保有水という)で満たされているが、埋立完了時には、廃棄物で満たされ、最終的には覆土されて土地となる。埋立が進むにつれて、管理型海面処分場内の保有水のpH値は、廃棄物由来によりアルカリ化が進行し、また、埋立が完了する時点では、埋立地盤中の間隙水のpH値が9.0以上のアルカリ性となる場合が多い。
【0003】
管理型海面処分場の埋立地盤内には、一定水位となるように管理(管理水位)されており、法令上、管理型海面処分場を廃止するためには、管理型海面処分場内への降雨等により余剰となる浸出水を外海に放流する際、その余剰分の浸出水のpH値が5.0以上9.0以下でなければならない。要するに、管理型海面処分場に搬入され、埋め立てられる廃棄物は多種にわたっており、そのうち一部の品目の廃棄物は、埋立時に管理型海面処分場の埋立地盤や保有水内に水酸化物イオン(OH

)を生成・放出し、廃棄物に由来して高アルカリ性になっている。
【0004】
この管理型海面処分場は、特に大都市圏の港湾域に築造された廃棄物資源循環分野の重要なインフラであり、工業や物流等には好立地の場所であることから埋立完了後は早期に跡地利用が可能となることが望まれている。しかしながら、埋立廃棄物に由来して浸出水が排水基準を満たさない等の事由により、早期廃止が適っていない現状である。そのため、各地の処分場事業者では、様々な検討のもと対策が講じられているが、課題解決には至っていない。よって、埋立過程から早期安定化、早期廃止につながる対策を講じる必要がある。
【0005】
そこで、上述した課題を解決すべく提案された従来技術として、特許文献1には、既設管理型廃棄物処分場の安定化方法として、廃棄物が堆積した廃棄物堆積層の保有水水位下限の近傍に排気口が位置するように給気管を埋設し、該給気管から二酸化炭素を含む中和用ガスを供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-166504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の既設管理型廃棄物処分場の安定化方法では、給気管の排気口からの中和用ガスが、給気管の排気口周辺の極めて近い範囲に位置する間隙水に溶け込み、当該間隙水中のアルカリ成分と中和反応することしかできず、またその二酸化炭素が溶け込んだ水は基本的には流動せず、その位置に留まるために、浄化範囲は排気口周辺の極めて狭い範囲となり、浄化効率が上がらない。そのために、浄化範囲を拡げるには、給気管を複数備え、各給気管の設置作業及び除去作業を何度も繰り返す必要があるが、その施工に対して、特に、工期、施工コスト等の観点から効率的ではない。この特許文献1に記載の既設管理型廃棄物処分場の安定化方法では、効率的に、カーボンニュートラルに向けて大気中の二酸化炭素を削減すると共に、管理型海面処分場の廃止に向けて浸出水が排水基準を満たすように安定化させることは困難である。
【0008】
そして、本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、効率的に、カーボンニュートラルに向けて大気中の二酸化炭素を削減できる共に、管理型処分場を廃止に向けて浸出水が排水基準を満たすように安定化させる管理型処分場での二酸化炭素固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、管理型処分場に、湿潤状態の廃棄物を埋め立て、所定期間養生することで、当該廃棄物に二酸化炭素を固定すると共に、廃棄物を中和処理することを特徴とするものである。
請求項1の発明では、管理型処分場に、廃棄物が湿潤状態、例えば含水比が5%以上である場合には、当該廃棄物をそのまま埋め立てて(盛土の態様を含む)、所定期間養生することで、大気中の二酸化炭素を、廃棄物に含有するカルシウム由来の炭酸カルシウムとして廃棄物の粒子表面に付着させて固定すると共に、廃棄物を中和処理することができる。その結果、大気中の二酸化炭素を削減できると共に、当該廃棄物を、例えば管理型海面処分場内の保有水中に投入、埋立した後に、廃棄物から供給される水酸化物イオン(OH

)の量を低減させ、その結果、管理型海面処分場内のアルカリ化を抑制することができる。以下の記載において、管理型処分場の陸上部への「埋め立て」とは、「盛土」の態様を含むものである。
【0010】
すなわち、湿潤状態の廃棄物を埋め立てて、所定期間養生することで、CO

(大気中)+H

O(含水)→2H
+
+CO

2-
、及びCaO(廃棄物)+H

O(含水)→Ca
2+
+2OH

と反応しつつ、陸上にて、2H

+2OH

→2H

Oと中和反応し、Ca
2+
+CO

2-
→CaCO

と反応して、当該炭酸カルシウム(CaCO

)が廃棄物の粒子表面に付着しつつ、廃棄物が中和処理される。その結果、大気中の二酸化炭素を削減できると共に、廃棄物の、例えば管理型海面処分場内の保有水中への埋立後、廃棄物から供給される水酸化物イオン(OH

)の量を低減させることができ、管理型処分場を廃止に向けて浸出水を安定化させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東洋建設株式会社
管理型処分場での二酸化炭素固定方法
2日前
東洋建設株式会社
タイロッド施工方法及びタイロッド構造
2か月前
東洋建設株式会社
管理型海面処分場の安定化方法及び安定化設備
1か月前
東洋建設株式会社
コンクリート打設装置及びコンクリートポンプ工法
22日前
株式会社土と野菜
消化液処理方法
2か月前
花王株式会社
土壌洗浄方法
3か月前
有限会社川崎エンジ
生ごみ処理装置
24日前
群馬県
塊状割りガラスの剥離装置
26日前
GOLDEN通商株式会社
灰バンカの清掃方法
1か月前
アルメック 株式会社
非鉄金属回収ライン
2か月前
五洋建設株式会社
廃棄物処分場の脱窒方法
1か月前
本田技研工業株式会社
樹脂回収方法
2か月前
個人
有機廃棄物から即効性有機肥料を製造する方法
2か月前
東洋アルミニウム株式会社
アルミ複合材料の分別回収方法
2か月前
有限会社ジャパンガスセパレーション
メタンガス発生装置
4日前
株式会社ミダック
覆土材料
2日前
清水建設株式会社
土壌浄化装置
25日前
株式会社トクヤマ
改質木質バイオマス灰の製造方法
1か月前
清水建設株式会社
土壌浄化装置
25日前
大口電子株式会社
廃基板の前処理方法及び前処理設備
2か月前
SINKPIA・JAPAN株式会社
資源化装置
2か月前
太平洋セメント株式会社
廃石膏ボードの処理方法
1か月前
個人
ワイヤーロープ抜き取り装置及びワイヤーロープの抜き取り方法
3か月前
国立大学法人東海国立大学機構
有機物処理装置
1日前
株式会社サムズ
固形原料の製造方法
1か月前
株式会社神鋼環境ソリューション
希釈液添加システム
2か月前
国立大学法人神戸大学
有機性廃棄物のメタン発酵処理方法
2か月前
ヤンマーホールディングス株式会社
発酵処理装置
4日前
太平洋セメント株式会社
塩素除去方法及び塩素除去システム
1か月前
鹿島建設株式会社
遮水シート固定方法及び遮水シート固定構造
2か月前
ナショナル ユニバーシティ オブ タイナン
リサイクル装置
2か月前
鹿島建設株式会社
炭酸カルシウムの回収システム、炭酸カルシウムの回収方法
4日前
株式会社豊田中央研究所
分離方法及び分離装置
8日前
大和ハウス工業株式会社
バイオガス発電システム
2か月前
YKK株式会社
スライダー分離機構及びスライダー分離方法
25日前
株式会社 ノサカテック
メタン発酵に際して発生する泡の処理方法及び処理装置
11日前
続きを見る