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公開番号
2025070201
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2023180348
出願日
2023-10-19
発明の名称
管理型海面処分場の安定化方法及び安定化設備
出願人
東洋建設株式会社
代理人
弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類
B09B
1/00 20060101AFI20250424BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】管理型海面処分場を廃止に向けて早期に安定化させる管理型海面処分場の安定化方法を提供する。
【解決手段】管理型海面処分場の安定化方法では、集排水管55を経由して井戸56内に流入して貯溜されたアルカリ水中に二酸化炭素を含む気体を曝気して中和処理するので、管理型海面処分場50内において、該管理型海面処分場50を廃棄に向けて早期に安定化させることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
管理型海面処分場の埋立地盤内には、該埋立地盤の地表面から浸透する浸透水を集排水する集排水管が配置され、当該集排水管と連通する井戸が備えられ、
前記集排水管を経由して前記井戸内に流入して貯溜されたアルカリ水中に二酸化炭素を含む気体を曝気して中和処理することを特徴とする管理型海面処分場の安定化方法。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
二酸化炭素の濃度、及び前記井戸内への二酸化炭素を含む気体の曝気量は、井戸内のアルカリ水のpH値に基づいて設定され、
前記井戸内のアルカリ水のpH値が低くなるにしたがって、前記二酸化炭素の濃度を低く、また前記曝気量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の管理型海面処分場の安定化方法。
【請求項3】
前記井戸内における、二酸化炭素を含む気体をアルカリ水内に曝気する水深は、前記井戸の深さ、及び前記井戸内への二酸化炭素を含む気体の曝気量に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の管理型海面処分場の安定化方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素を含む気体は気泡化され、該気泡の気泡径は、5.0mm未満に設定されることを特徴とする請求項1に記載の管理型海面処分場の安定化方法。
【請求項5】
管理型海面処分場内には、その埋立地盤内に配置され該埋立地盤の地表面から浸透する浸透水を集排水する集排水管と、該集排水管と連通する井戸と、が備えられ、該井戸内には、前記集排水管を経由して流入したアルカリ水が貯溜されており、
二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段と、
該二酸化炭素供給手段から供給された二酸化炭素を空気と共に、前記井戸内のアルカリ水中に曝気させる圧送ブロアと、
を備えること特徴とする管理型海面処分場の安定化設備。
【請求項6】
前記圧送ブロアにより前記井戸内のアルカリ水中に圧送される二酸化炭素を含む気体を、井戸内から汲み上げた水中に気泡化させるバブル生成手段を備えること特徴とする請求項5に記載の管理型海面処分場の安定化設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理型海面処分場を廃止に向けて早期に安定化させるための安定化方法及び安定化設備に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
管理型海面処分場は、焼却灰や石炭灰等の廃棄物で埋め立てられる港湾域に築造された施設である。埋立初期においては、管理型海面処分場内は海水(保有水という)で満たされているが、埋立完了時には、廃棄物で満たされ、最終的には覆土させて土地となる。埋立が進むにつれて、管理型海面処分場内の保有水におけるpH値は、廃棄物由来によりアルカリ化が進行し、また、埋立が完了すると埋立地盤中の間隙水(浸透水)のpH値が9.0以上のアルカリ性となる場合が多い。そして、管理型海面処分場の埋立地盤内には、一定水位となるように管理(管理水位)されており、法令上、管理型海面処分場を廃止するためには、管理型海面処分場内への降雨等により余剰となる浸出水を外海に放流する際、その余剰分の浸出水のpH値が(5.0以上)9.0以下でなければならない。
【0003】
しかしながら、埋立地盤内の間隙水(浸透水)のpH値が9.0以上であることから、降雨等が埋立地盤中に浸透した後に、埋立地盤内を流動して浸出する水を、pH9.0以下に維持することは困難となっている。すなわち、埋立地盤中に浸透して流動する浸透水をpH9.0以下に維持し、浸出水(外海への放出水)としてその排水基準を満たすためには、非常に長期間の対策やモニタリング、水処理施設の運営が必要となり、その結果、維持管理コストが膨らみ、さらに早期の跡地利用につながっていないという課題がある。言い換えれば、高アルカリ化した埋立地盤に浸透した降雨による水は、排水部まで流下する浸透水となり、その間に高アルカリ化し、排水部では排水基準を超過した状態となる。この場合、水処理施設により、集水した高アルカリ水(浸透水)を中和処理するなど、薬剤等を用いた浄水処理を実施する必要があり、埋立完了後においても数十年にわたり水処理を実施する事例がおおく、多くの経費を要している現状である。
【0004】
そこで、水処理施設の負担軽減のため、このような管理型海面処分場では内水ポンドを設置する事例がある。内水ポンドとは、管理型海面処分場の一区画を埋め立てずに水面を有した状態にしている区画である。この内水ポンドの主な機能としては、降雨等により増加する管理型処分場内の水位を管理することと、その余剰水を水処理施設への汲み上げる前に貯留することである。また、内水ポンド内の水面を一定の面積とすることで大気中の二酸化炭素が水面から溶解して中和反応させて、pH値を低下させる効果があることも確認されている。
【0005】
また、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」における処分場の廃止にあたっては、それ以前に閉鎖手続きをする必要がある。管理型海面処分場の閉鎖とは、「公有水面埋立法」に基づく竣工届が出された状態であり、すなわち管理型海面処分場の敷地がすべて埋め立てられた状態となることである。したがって水処理施設の負担軽減のために設けられている内水ポンドが残置した状態では、竣工および閉鎖できないことが現法上の制約となっている。閉鎖ができなければ廃止手続きに進めず、埋立地としての跡地利用においては、内水ポンドを除いた埋立完了部の表層利用にとどまっているのが現状である。
【0006】
そして、管理型海面処分場の廃止に向けた早期安定化対策は、確立されたものはないものの、各管理型海面処分場の特性に応じていくつの方法が採用されている。その方法のひとつとして、集排水管を設置する方法が挙げられる。すなわち、集排水管を管理型海面処分場内の管理する地下水位(埋立地盤内の管理水位)と同じ高さに設置することで、地表面から浸透した降雨等の浸透水が、管理水位近傍の集排水管に向けて流下して集排水される方法である。これにより、一定期間、管理水位以浅の埋立地盤を通過する浸透水はpH値が高い状態となる。しかしながら、集排水管により、地表面から浸透した浸透水が、管理水位以深のまだアルカリ分が多く残っている埋立地盤内に浸透することはない。その結果、多くの降雨等(浸透水)により集排水管以浅の埋立地盤の大部分のアルカリ分が洗い出されたのちは、浸透水のpH値は低下した状態で安定することが期待できる。
【0007】
この集排水管の端末には、井戸(例えばコンクリート製であって、内径約1.8m、深さが地表面から6m程度)が設置される。井戸には、排水ポンプが設置され、一定水量が集排水管から井戸内に集水された段階で、井戸内の水を内水ポンドに汲み入れ、pH値を自然低下させた後に、内水ポンドから水処理施設に送水している。しかしながら、従来から、管理型海面処分場内に内水ポンドが残っていると公有水面埋立法に基づく竣工届が提出できないため、管理型海面処分場を閉鎖することができない。内水ポンドを埋め立て、竣工手続きを完了させるためには、井戸から水処理施設に直接送水できるようにする必要があり、かつ、その送水した水は水処理施設により浄化処理されて排水基準を満足している必要がある。しかも、水処理施設による浄水処理に対する負担を軽減させる必要もある。また、水処理施設で浄化処理をせずに基準を満足した状態が維持でき、排水できれば水処理施設が不要とできる。このように、廃止(閉鎖)に向けた管理型海面処分場を早期に安定化させるべく課題を解決する必要がある。
【0008】
なお、管理型海面処分場を浄化できる従来技術として、特許文献1には、既設管理型廃棄物処分場の安定化方法として、廃棄物が堆積した廃棄物堆積層の保有水水位下限の近傍に排気口が位置するように給気管を埋設し、該給気管から二酸化炭素を含む中和用ガスを供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2019-166504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の既設管理型廃棄物処分場の安定化方法では、給気管の排気口からの中和用ガスが、給気管の排気口周辺の極めて近い範囲に位置する間隙水に溶け込み、当該間隙水中のアルカリ成分と中和反応することしかできず、またその二酸化炭素が溶け込んだ水は基本的には流動せず、その位置に留まるために、浄化範囲は排気口周辺の極めて狭い範囲となり、浄化効率が非常に悪い。そのために、浄化範囲を拡げるには、給気管を複数備え、各給気管の設置作業及び除去作業を何度も繰り返す必要があるが、その施工に対して、特に、工期、施工コスト等の観点から効率的ではない。この特許文献1に記載の既設管理型廃棄物処分場の安定化方法では、上述した、廃止に向けた管理型海面処分場を早期に安定化させる課題を解決することは困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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