TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025084889
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-03
出願番号
2025031330,2024100911
出願日
2025-02-28,2011-11-17
発明の名称
血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
16/46 20060101AFI20250527BHJP(有機化学)
要約
【課題】血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子の提供。
【解決手段】血液凝固第IX因子/活性化血液凝固第IX因子及び血液凝固第X因子の双方に特異的に結合し、血液凝固第VIII因子の補因子機能、すなわち活性化血液凝固第IX因子による血液凝固第X因子活性化を促進する機能を代替する機能を有する種々の二重特異性抗体を作製し、これらの抗体の中から、見出した血液凝固第VIII因子の機能を代替する活性の高い多重特異性抗原結合分子。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素反応を増強する補因子である血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子および該分子を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
続きを表示(約 5,600 文字)
【背景技術】
【0002】
血友病Aは、先天性の血液凝固第VIII因子(F.VIII)の機能低下または欠損による出血異常症である。血友病A患者の出血に対しては、F.VIII製剤が通常投与される(on-demand投与)。また、近年は、出血イベントを防ぐために、予防的に、F.VIII製剤が投与される(予防投与、非特許文献1及び2)。F.VIII製剤の血中半減期は、約12~16時間程度である。それ故、継続的な予防のためには、週に3回、F.VIII製剤が、患者に投与される(非特許文献3及び4)。また、on-demand投与においては、再出血を防ぐため、F.VIII製剤を、必要に応じ、一定間隔で追加投与する。また、F.VIII製剤の投与は静脈内に実施される。従って、F.VIII製剤と比べて投与の負担が少ない薬剤が、強く求められていた。
【0003】
時折、F.VIIIに対する抗体(インヒビター)が、血友病患者に発生する。インヒビターは、F.VIII製剤の効果を打ち消す。インヒビターが発生した患者(インヒビター患者)の出血に対しては、バイパス製剤が投与される。それらの作用機序は、F.VIIIの機能、すなわち活性化血液凝固第IX因子(F.IXa)による血液凝固第X因子(F.X)の活性化を触媒する機能に非依存である。そのため、バイパス製剤が、出血を十分止められないケースがある。従って、インヒビターの存在に左右されず、且つF.VIIIの機能を代替する薬剤が、強く求められていた。
【0004】
最近、その解決手段として、F.VIIIの機能を代替する抗体及びその使用が開示された(特許文献1、2及び3)。該抗体は、抗F.VIII自己抗体を有する後天性血友病、およびフォンビルブランド因子(vWF)の機能異常または欠損に起因するフォンビルブランド病にも有効と考えられるが、必ずしもF.VIIIの機能を代替する活性は十分ではなかった。そこでより高い止血効果を示す薬剤として、該抗体よりもさらにF.VIIIの機能を代替する活性が高い抗体が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO 2005/035754
WO 2005/035756
WO 2006/109592
【非特許文献】
【0006】
Blood 58, 1-13 (1981)
Nature 312, 330-337(1984)
Nature 312, 337-342(1984)
Biochim.Biophys.Acta 871, 268-278(1986)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、酵素反応を増強する補因子であるF.VIIIの機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、F.IX/F.IXa及びF.Xの双方に特異的に結合し、F.VIIIの補因子機能、すなわちF.IXaによるF.X活性化を促進する機能を代替する機能(F.Xa産生促進機能)を有する種々の二重特異性抗体の中から、公知のものよりも優れたF.Xa産生促進活性を有する二重特異性抗体を見出すことに成功した。
【0009】
さらに、F.VIIIの機能を代替する活性を有する二重特異性抗体のF.Xa産生促進活性の向上に重要な当該抗体のアミノ酸配列の位置を見出すことに成功し、当該アミノ酸を置換することにより、F.VIII機能を代替する活性がさらに上昇した二重特異性抗体を取得することに成功した。また、F.VIIIの機能を代替する活性が高いだけでなく、F.Xase阻害作用が低いという、両方の性質を満たすことが非常に困難である二重特異性抗体を取得することに成功した。
【0010】
即ち本発明は、酵素反応を増強する補因子であるF.VIIIの機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子および該分子を有効成分として含む医薬組成物に関し、より具体的には以下に関する。
〔1〕 血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第一の抗原結合部位、および血液凝固第X因子を認識する第二の抗原結合部位を含む、血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子であって、該血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能が、配列番号:165と166からなるH鎖および配列番号:167からなる共通L鎖を有する二重特異性抗体(hA69-KQ/hB26-PF/hAL-AQ)と比較して高い活性化血液凝固第X因子(F.Xa)産生促進活性に起因する機能である、多重特異性抗原結合分子。
〔2〕 血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第一の抗原結合部位を含む第一のポリペプチドおよび血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第三の抗原結合部位を含む第三のポリペプチド、並びに、血液凝固第X因子を認識する第二の抗原結合部位を含む第二のポリペプチドおよび血液凝固第X因子を認識する第四の抗原結合部位を含む第四のポリペプチドを含む、〔1〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔3〕 第一のポリペプチドと第三のポリペプチドがそれぞれ血液凝固第IX因子または活性化血液凝固第IX因子に対する抗体のH鎖またはL鎖の抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドと第四のポリペプチドがそれぞれ血液凝固第X因子に対する抗体のH鎖またはL鎖の抗原結合部位を含む、〔2〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔4〕 第一のポリペプチドの抗原結合部位が下記(a1)~(a11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖CDRを含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドの抗原結合部位が下記(b1)~(b11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖CDRを含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を有する〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(a1) 配列番号:75、76、77(Q1のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a2) 配列番号:78、79、80(Q31のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a3) 配列番号:81、82、83(Q64のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a4) 配列番号:84、85、86(Q85のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a5) 配列番号:87、88、89(Q153のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a6) 配列番号:90、91、92(Q354のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a7) 配列番号:93、94、95(Q360のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a8) 配列番号:96、97、98(Q405のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a9) 配列番号:99、100、101(Q458のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a10) 配列番号:102、103、104(Q460のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a11) 配列番号:105、106、107(Q499のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b1) 配列番号:108、109、110(J232のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b2) 配列番号:111、112、113(J259のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b3) 配列番号:114、115、116(J268のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b4) 配列番号:117、118、119(J300のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b5) 配列番号:120、121、122(J321のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b6) 配列番号:123、124、125(J326のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b7) 配列番号:126、127、128(J327のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b8) 配列番号:129、130、131(J339のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b9) 配列番号:132、133、134(J344のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b10) 配列番号:135、136、137(J346のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b11) 配列番号:174、175、176(J142のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位。
〔5〕 第一のポリペプチドの抗原結合部位が下記(a1)~(a11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖可変領域を含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドの抗原結合部位が下記(b1)~(b11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖可変領域を含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を有する〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(a1) 配列番号:35(Q1のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a2) 配列番号:36(Q31のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a3) 配列番号:37(Q1のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a4) 配列番号:38(Q85のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a5) 配列番号:39(Q153のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a6) 配列番号:40(Q354のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a7) 配列番号:41(Q360のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有す
る抗原結合部位、
(a8) 配列番号:42(Q405のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a9)配列番号:43(Q458のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a10) 配列番号:44(Q460のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a11) 配列番号:45(Q499のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b1) 配列番号:46(J232のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b2) 配列番号:47(J259のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b3) 配列番号:48(J268のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b4) 配列番号:49(J300のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b5) 配列番号:50(J321のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b6) 配列番号:51(J326のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b7) 配列番号:52(J327のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b8) 配列番号:53(J339のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b9) 配列番号:54(J344のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b10) 配列番号:55(J346のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
中外製薬株式会社
コドン拡張のための変異tRNA
9日前
中外製薬株式会社
プレフィルドシリンジ製剤の調製方法
27日前
中外製薬株式会社
難溶性の塩基性薬剤を含有する医薬組成物
9日前
中外製薬株式会社
抗原の消失を促進する、FcRnに対するアフィニティーが変更された抗体
9日前
中外製薬株式会社
血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子
2日前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体
1か月前
花王株式会社
ポリアミド系ポリマー
2か月前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
1か月前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
1か月前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
23日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
1か月前
花王株式会社
新規ピリジニウム化合物
1か月前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体の製造方法
1か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミドおよびその製造方法
3日前
四国化成工業株式会社
エポキシ化合物およびその利用
17日前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
6日前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
2か月前
国立大学法人京都大学
細胞質送達ペプチド
1か月前
石原産業株式会社
シアノイミダゾール系化合物の製造方法
2か月前
四国化成工業株式会社
イソフタル酸化合物およびその利用
17日前
四国化成工業株式会社
テレフタル酸化合物およびその利用
17日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、発光デバイス
2か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
3日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
3日前
ダイキン工業株式会社
SF5含有シラン化合物
1か月前
株式会社カネカ
プロピレンオキサイド(PO)製造システム
16日前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
22日前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
1か月前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
1か月前
石原産業株式会社
シクラニリプロールの製造中間体の製造方法
2か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
7日前
JFEスチール株式会社
メタノール合成方法
8日前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
2日前
オリザ油化株式会社
新規化合物及びその用途
2か月前
株式会社トクヤマ
精製第4級アンモニウム化合物水溶液の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
9日前
続きを見る
他の特許を見る