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公開番号
2025081493
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-27
出願番号
2025024528,2023163077
出願日
2025-02-18,2019-12-26
発明の名称
コドン拡張のための変異tRNA
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/11 20060101AFI20250520BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】tRNAおよび翻訳系、ならびにその使用方法を提供する。
【解決手段】tRNAを改変することにより作製されている変異tRNAであって、当該改変が、N1N2N3で表されるアンチコドンの改変後の1文字目のヌクレオシドN1がライシジン(k2C)、ライシジン誘導体、アグマチジン(agm2C)、またはアグマチジン誘導体のいずれかである改変を含み、N2およびN3は、それぞれ該アンチコドンの2文字目および3文字目の任意のヌクレオシドである、変異tRNAが提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、tRNAおよび翻訳系、ならびにその使用方法に関する。
続きを表示(約 13,000 文字)
【背景技術】
【0002】
ディスプレイライブラリーは、標的タンパク質に結合する分子を進化工学的に効率よく取得できる、大変有用な技術である。ディスプレイライブラリーを用いて、任意の標的分子に対し高結合能を示す分子を取得したり、あるいは複数のエピトープに対してそれぞれ結合する分子を多種類取得したりするためには、高い多様性をもつライブラリーからのパニングが必要である。多様性の高いライブラリーを構築するためには、その構成単位(building block)の数を増やす、あるいは種類を増やすことが考えられるが、膜透過性の観点から分子量に制限がある場合、building blockの数にも制限がかかる。よって、ライブラリーの多様性を高めるためにbuilding blockの種類を増やすという手段は重要な意味を持つ。
【0003】
PURESYSTEM(非特許文献1)のような再構成された無細胞翻訳系は、アミノ酸、tRNA、アミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl-tRNA synthetase; ARS)等の構成成分の濃度調整が可能であるため、天然のコドン-アミノ酸の対応付けを変更できる。このような翻訳系を用いることにより、任意のbuilding blockを20種類以上導入したディスプレイライブラリーを構築することも可能となっているが、3塩基コドンを用いた大腸菌の翻訳系においては、ウォブル(wobble)則の存在により、原理上は32種類が導入できるbuilding blockの上限であると考えられる。より具体的に説明すると、コドンの3文字目とアンチコドンの1文字目の対合には、“遊び”が存在し、ワトソン-クリック(Watson-Crick)塩基対以外にも、wobble塩基対と呼ばれるG・U間の対合が可能となっている。そのため、アンチコドンGNNはNNUおよびNNCのコドンを、アンチコドンUNNはNNAおよびNNGのコドンを解読(decode)してしまうため、これらのコドンを読み分けることができず、1つのコドンボックスに導入できるアミノ酸の種類は最大2アミノ酸に制限されてしまう(非特許文献2)。
【0004】
一方、自然界では、AUAおよびAUGのコドンの読み分けを可能にする手段が存在する。大腸菌のtRNA Ile2の34位(アンチコドン1文字目)に導入されているライシジン(Lysidine)修飾がその一例であり、この修飾によりtRNA Ile2はAUAコドンのみを解読し、AUGコドンは解読しないことが分かっている(非特許文献3)。この修飾は、イソロイシンtRNA-ライシジン合成酵素(tRNA
Ile
-lysidine synthetase;TilS)によって導入されるが(非特許文献4)、その基質となるtRNAはtRNA Ile2に限定されるため、それ以外のtRNAにライシジンを導入することは容易ではない(非特許文献5)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Shimizu et al.,Nat Biotechnol.,2001 Aug;19(8):751-755.
Iwane et al.,Nat Chem.,2016 Apr;8(4):317-325.
Grosjean et al.,Trends Biochem Sci.,2004 Apr;29(4):165-168.
Suzuki T et al.,FEBS Lett.,2010 Jan 21;584(2):272-277.
Lajoie et al.,J Mol Biol.,2016 Feb 27;428(5 Pt B):1004-1021.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、tRNA Ile2では34位(アンチコドン1文字目)にライシジンが導入されることによって、AUAおよびAUGのコドンが読み分けられているが、天然において、それ以外のtRNAにライシジン修飾が行われている例は見出されていない。また、何らかの人工的な手段によって、NNAおよびNNGのコドンが読み分けられた例も報告されていない。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、NNAおよびNNGのコドンの読み分けを可能とする新たな手段を提供することを本開示の目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
今回本発明者らは、化学合成したtRNA断片とライシジン(別名2-リシルシチジン)を酵素反応により連結させることで、34位にライシジンが導入され、なおかつ35位および36位(アンチコドン2文字目および3文字目)に様々な配列を有するtRNAを調製した。それらのtRNAを含む翻訳系を再構成して、アミノ酸の翻訳を行ったところ、いずれの翻訳系においてもNNAおよびNNGコドンの読み分けが可能であることが見出された。また、これらの検討過程において、UNNのアンチコドンを有するtRNAは、NNAやNNGのコドンだけでなくNNUのコドンも解読してしまうことが見出されたが、ライシジン導入tRNAの使用により、このNNUコドンのミスリードも大幅に低減された。
【0008】
本開示はこのような知見に基づくものであり、具体的には以下に例示的に記載する実施態様を包含するものである。
〔1〕tRNAを改変することにより作製されている変異tRNAであって、当該改変が、N
1
N
2
N
3
で表されるアンチコドンの改変後の1文字目のヌクレオシドN
1
がライシジン(k2C)、ライシジン誘導体、アグマチジン(agm2C)、またはアグマチジン誘導体のいずれかである改変を含み、N
2
およびN
3
はそれぞれ、該アンチコドンの2文字目および3文字目の任意のヌクレオシドである、変異tRNA。
〔2〕改変前のN
1
がシチジン(C)であって、かつ当該シチジン(C)からライシジン(k2C)への改変が、配列番号:51のアミノ酸配列を有するライシジン合成酵素(tRNA
Ile
-lysidine synthetase;TilS)では触媒され得ない、〔1〕に記載の変異tRNA。
〔3〕改変前のN
1
がシチジン(C)であって、かつ当該シチジン(C)からアグマチジン(agm2C)への改変が、配列番号:52のアミノ酸配列を有するアグマチジン合成酵素(tRNA
Ile
-agmatidine synthetase;TiaS)では触媒され得ない、〔1〕に記載の変異tRNA。
〔4〕M
1
M
2
Aで表されるコドン(ここで、M
1
およびM
2
はそれぞれコドンの1文字目および2文字目のヌクレオシドを表し、M
1
およびM
2
はそれぞれアデノシン(A)、グアノシン(G)、シチジン(C)、ウリジン(U)のいずれかから選択され、3文字目のヌクレオシドはアデノシンである)に相補的なアンチコドンを有する、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔5〕アンチコドンがk2CN
2
N
3
またはagm2CN
2
N
3
(ここで、アンチコドンの1文字目のヌクレオシドはライシジン(k2C)またはアグマチジン(agm2C)であり、2文字目のヌクレオシド(N
2
)、3文字目のヌクレオシド(N
3
)はそれぞれM
2
、M
1
に相補的である)で表される、〔4〕に記載の変異tRNA。
〔6〕N
2
およびN
3
がそれぞれアデノシン(A)、グアノシン(G)、シチジン(C)、ウリジン(U)のいずれかから選択される、〔5〕に記載の変異tRNA。
〔7〕tRNAが開始tRNAまたは伸長tRNAである、〔1〕から〔6〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔8〕tRNAが原核または真核生物由来のtRNAである、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔9〕天然の遺伝暗号表において、3文字目のヌクレオシドがAであるコドンとGであるコドンがともに同じアミノ酸をコードしているコドンボックスを構成するコドンから、M
1
およびM
2
が選択される、〔4〕から〔8〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔10〕天然の遺伝暗号表において、3文字目のヌクレオシドがUであるコドンとAであるコドンがともに同じアミノ酸をコードしているコドンボックスを構成するコドンから、M
1
およびM
2
が選択される、〔4〕から〔8〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔11〕天然の遺伝暗号表において、3文字目のヌクレオシドがUであるコドン、Cであるコドン、Aであるコドン、およびGであるコドンがいずれも同じアミノ酸をコードしているコドンボックスを構成するコドンから、M
1
およびM
2
が選択される、〔4〕から〔8〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔12〕天然の遺伝暗号表において、3文字目のヌクレオシドがAであるコドンとGであるコドンが互いに異なるアミノ酸をコードしているコドンボックスを構成するコドンから、M
1
およびM
2
が選択される、〔4〕から〔8〕のいずれかに記載の変異tRNA。
〔13〕天然の遺伝暗号表において、3文字目のヌクレオシドがAであるコドンおよび/またはGであるコドンが終止コドンであるコドンボックスを構成するコドンから、M
1
およびM
2
が選択される、〔4〕から〔8〕のいずれかに記載の変異tRNA。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)uga-CA(UR-1)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCUUGpの配列を有する断片、下段はCCCUGpの配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図2は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)Lga-CA(LR-1)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCULGpの配列を有する断片、中段はCCCUGpの配列を有する断片、下段はCCCUUGpの配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図3は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)Lag-CA(LR-2)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCULAGpの配列を有する断片、中段はCCCUAGpの配列を有する断片、下段はCCCUUAGpの配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図4は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)Lac-CA(LR-3)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCULACACGp(配列番号:197)の配列を有する断片、中段はCCCUACACGpの配列を有する断片、下段はCCCUUACACGp(配列番号:198)の配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図5は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)Lcc-CA(LR-4)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCULCCACGp(配列番号:199)の配列を有する断片、中段はCCCUCCACGpの配列を有する断片、下段はCCCUUCCACGp(配列番号:200)の配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図6は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Asp)Lag-CA(LR-5)のマスクロマトグラムを示す図である。上段はpGGAGCGGUAGUUCAGUCGGUUAGAAUACCUGCUULAGGUGCAGGGGGUCGCGGGUUCGAGUCCCGUCCGUUCCGC(配列番号:134)の配列を有する核酸(目的物)、中段はpGGAGCGGUAGUUCAGUCGGUUAGAAUACCUGCUUAGGUGCAGGGGGUCGCGGGUUCGAGUCCCGUCCGUUCCGC(配列番号:201)の配列を有する核酸(pLpがライゲーションされなかった場合の副生成物)、下段はpGGAGCGGUAGUUCAGUCGGUUAGAAUACCUGCUUUAGGUGCAGGGGGUCGCGGGUUCGAGUCCCGUCCGUUCCGC(配列番号:154)の配列を有する核酸(pLpの代わりにpUpがライゲーションされた場合の副生成物)の結果をそれぞれ示す。
図7は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(AsnE2)Lag-CA(LR-6)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はAUULAGpの配列を有する断片、中段はAUUAGpの配列を有する断片、下段はAUUUAGpの配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図8は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)Lcg-CA(LR-7)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCULCGpの配列を有する断片、中段はCCCUCGpの配列を有する断片、下段はCCCUUCGpの配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図9は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)Lau-CA(LR-8)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCULAUACGp(配列番号:202)の配列を有する断片、中段はCCCUAUACGpの配列を有する断片、下段はCCCUUAUACGp(配列番号:203)の配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図10は、実施例10に記載されるように、ライゲーション反応を利用して調製されたtRNA(Glu)(Agm)ag-CA(AR-1)をRNaseで断片化したもののマスクロマトグラムを示す図である。上段はCCCU(Agm)AGpの配列を有する断片、中段はCCCUAGpの配列を有する断片、下段はCCCUUAGpの配列を有する断片の結果をそれぞれ示す。
図11は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはUCU、UCA、UCGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表12を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-1(アンチコドン:aga、アミノ酸:dA) 化合物AAtR-2(アンチコドン:uga、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-5(アンチコドン:cga、アミノ酸:nBuG)mRNA:mR-1(UCUのコドンを含む) mR-2(UCAのコドンを含む) mR-3(UCGのコドンを含む)(図中)tRNA:化合物AAtR-1(アンチコドン:aga、アミノ酸:dA) 化合物AAtR-3(アンチコドン:uga、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-5(アンチコドン:cga、アミノ酸:nBuG)mRNA:mR-1(UCUのコドンを含む) mR-2(UCAのコドンを含む) mR-3(UCGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-1(アンチコドン:aga、アミノ酸:dA) 化合物AAtR-4(アンチコドン:Lga、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-5(アンチコドン:cga、アミノ酸:nBuG)mRNA:mR-1(UCUのコドンを含む) mR-2(UCAのコドンを含む) mR-3(UCGのコドンを含む)
図12は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表13を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-7(アンチコドン:uag、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-8(アンチコドン:Lag、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
図13は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはGUU、GUA、GUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表14を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-10(アンチコドン:aac、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-11(アンチコドン:uac、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-13(アンチコドン:cac、アミノ酸:dA)mRNA:mR-7(GUUのコドンを含む) mR-8(GUAのコドンを含む) mR-9(GUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-10(アンチコドン:aac、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-12(アンチコドン:Lac、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-13(アンチコドン:cac、アミノ酸:dA)mRNA:mR-7(GUUのコドンを含む) mR-8(GUAのコドンを含む) mR-9(GUGのコドンを含む)
図14は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはGGU、GGA、GGGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表15を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-14(アンチコドン:gcc、アミノ酸:dA) 化合物AAtR-15(アンチコドン:ucc、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-17(アンチコドン:ccc、アミノ酸:MeHph)mRNA:mR-10(GGUのコドンを含む) mR-11(GGAのコドンを含む) mR-12(GGGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-14(アンチコドン:gcc、アミノ酸:dA) 化合物AAtR-16(アンチコドン:Lcc、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-17(アンチコドン:ccc、アミノ酸:MeHph)mRNA:mR-10(GGUのコドンを含む) mR-11(GGAのコドンを含む) mR-12(GGGのコドンを含む)
図15は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表16を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-19(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-20(アンチコドン:uag、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-22(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-19(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-21(アンチコドン:Lag、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-22(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
図16は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表17を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-23(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-24(アンチコドン:uag、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-26(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-23(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-25(アンチコドン:Lag、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-26(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
図17は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表18を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-27(アンチコドン:uag、アミノ酸:MeHph) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-28(アンチコドン:Lag、アミノ酸:MeHph) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
図18は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表19を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-29(アンチコドン:uag、アミノ酸:F3Cl) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-30(アンチコドン:Lag、アミノ酸:F3Cl) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
図19は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表20を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-31(アンチコドン:uag、アミノ酸:SiPen) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-32(アンチコドン:Lag、アミノ酸:SiPen) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
図20は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCGU、CGA、CGGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表21を参照)。tRNA:化合物AAtR-33(アンチコドン:gcg、アミノ酸:dA) 化合物AAtR-34(アンチコドン:Lcg、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-35(アンチコドン:ccg、アミノ酸:nBuG)mRNA:mR-13(CGUのコドンを含む) mR-14(CGAのコドンを含む) mR-15(CGGのコドンを含む)
図21は、実施例12~13に記載されるように、Lysidine修飾による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはAUU、AUA、AUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表22を参照)。tRNA:化合物AAtR-36(アンチコドン:aau、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-37(アンチコドン:Lau、アミノ酸:Pic2) 化合物AAtR-38(アンチコドン:cau、アミノ酸:dA)mRNA:mR-16(AUUのコドンを含む) mR-17(AUAのコドンを含む) mR-18(AUGのコドンを含む)
図22は、実施例12~13に記載されるように、Agmatidine修飾の有無による、1コドンボックスにおける3アミノ酸読み分けの翻訳評価の結果を示す図である。評価したコドンはCUU、CUA、CUGである。以下に記載のtRNAおよびmRNAのそれぞれの組合せで翻訳を行った場合に得られるペプチドの翻訳量をグラフの縦軸に示す(具体的な測定値は表23を参照)。(図左)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-39(アンチコドン:uag、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)(図右)tRNA:化合物AAtR-6(アンチコドン:aag、アミノ酸:nBuG) 化合物AAtR-40(アンチコドン:(Agm)ag、アミノ酸:SPh2Cl) 化合物AAtR-9(アンチコドン:cag、アミノ酸:dA)mRNA:mR-4(CUUのコドンを含む) mR-5(CUAのコドンを含む) mR-6(CUGのコドンを含む)
【発明を実施するための形態】
【0010】
I.定義
本明細書を解釈する目的のために、以下の定義が適用され、該当する場合はいつでも、単数形で使用された用語は複数形をも含み、その逆もまた同様である。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定を意図したものではないことが、理解されるべきである。下記の定義のいずれかが、参照により本明細書に組み入れられた任意の文書と矛盾する場合には、下記の定義が優先するものとする。
(【0011】以降は省略されています)
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