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公開番号2025108688
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025070095,2023130579
出願日2025-04-22,2017-09-15
発明の名称抗デングウイルス抗体、変異型Fc領域を含むポリペプチド、およびその使用方法
出願人中外製薬株式会社,エージェンシー フォー サイエンス, テクノロジー アンド リサーチ
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/10 20060101AFI20250715BHJP(有機化学)
要約【課題】抗デングウイルス(DENV)抗体、ならびにそれを作製する方法、及びDENV抗体を用いるDENV感染を治療する方法を提供する。
【解決手段】DENVのEタンパク質に結合する特定のアミノ酸配列を有する単離された抗体、及び親Fc領域と比較して、低下したFcγR結合活性を有し、かつ低下したC1q結合活性を有しない変異型Fc領域を含むDENV抗体、DENV抗体の作製方法、及びDENV感染の治療方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
デングウイルス(DENV)Eタンパク質に結合する単離された抗体であって、
(a) (i)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000032.tif
4
128
(ここでX
1
はRまたはEであり、X
2
はRまたはFであり、X
3
はG、DまたはLである)(SEQ ID NO: 42)を含むHVR-H3、
(ii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000033.tif
4
128
(ここでX
1
はD、SまたはEであり、X
2
はDまたはAである)(SEQ ID NO: 45)を含むHVR-L3、および
(iii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000034.tif
4
128
(ここでX
1
はTまたはRであり、X
2
はAまたはRである)(SEQ ID NO: 41)を含むHVR-H2;
(b) (i)アミノ酸配列:
SX
1
YX
2
H
(ここでX
1
はNまたはYであり、X
2
はIまたはMである)(SEQ ID NO: 40)を含むHVR-H1、
(ii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000035.tif
4
128
(ここでX
1
はTまたはRであり、X
2
はAまたはRである)(SEQ ID NO: 41)を含むHVR-H2、および
(iii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000036.tif
4
128
(ここでX
1
はRまたはEであり、X
2
はRまたはFであり、X
3
はG、DまたはLである)(SEQ ID NO: 42)を含むHVR-H3;
(c) (i)アミノ酸配列:
SX
1
YX
2
H
(ここでX
1
はNまたはYであり、X
2
はIまたはMである)(SEQ ID NO: 40)を含むHVR-H1、
(ii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000037.tif
4
128
(ここでX
1
はTまたはRであり、X
2
はAまたはRである)(SEQ ID NO: 41)を含むHVR-H2、
(iii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000038.tif
4
128
(ここでX
1
はRまたはEであり、X
2
はRまたはFであり、X
3
はG、DまたはLである)(SEQ ID NO: 42)を含むHVR-H3、
(iv)アミノ酸配列:
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
SEQ ID NO: 31のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインフレームワークFR1、SEQ ID NO: 32のアミノ酸配列を含むFR2、SEQ ID NO: 33または34のアミノ酸配列を含むFR3、SEQ ID NO: 35のアミノ酸配列を含むFR4
をさらに含む、請求項1 (b)に記載の抗体。
【請求項3】
SEQ ID NO: 36のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインフレームワークFR1、SEQ ID NO: 37のアミノ酸配列を含むFR2、SEQ ID NO: 38のアミノ酸配列を含むFR3、SEQ ID NO: 39のアミノ酸配列を含むFR4
をさらに含む、請求項1 (d)に記載の抗体。
【請求項4】
(a) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVH配列;(b) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するVL配列;または(c) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列およびSEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列
を含む、単離された抗体。
【請求項5】
(a) SEQ ID NO: 12のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b) SEQ ID NO: 15のアミノ酸配列を含むHVR-H2、(c) SEQ ID NO: 20のアミノ酸配列を含むHVR-H3、(d) SEQ ID NO: 21のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(e) SEQ ID NO: 24のアミノ酸配列を含むHVR-L2、および(f) SEQ ID NO: 27のアミノ酸配列を含むHVR-L3
を含む、デングウイルス(DENV)Eタンパク質に結合する単離された抗体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含有する、薬学的製剤。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体の有効量を個体に投与する工程を含む、個体におけるDENV感染を治療する方法。
【請求項8】
親Fc領域中に少なくとも1つのアミノ酸改変を含む変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、
変異型Fc領域が、親Fc領域と比較した場合に、実質的に低下したFcγR結合活性を有し、かつ実質的に低下したC1q結合活性を有しない、
前記ポリペプチド。
【請求項9】
変異型Fc領域が、EUナンバリングに従って、234位のAlaと、235位のAlaと、以下の(a)~(c):
(a) 267、268、および324位;
(b) 236、267、268、324、および332位;ならびに
(c) 326および333位
のいずれか1つのさらなるアミノ酸改変とを含む、請求項8に記載のポリペプチド。
【請求項10】
変異型Fc領域が、EUナンバリングに従って、
(a) 267位のGlu;
(b) 268位のPhe;
(c) 324位のThr;
(d) 236位のAla;
(e) 332位のGlu;
(f) 326位のAla、Asp、Glu、MetまたはTrp;および
(g) 333位のSer
からなる群より選択されるアミノ酸を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗デングウイルス抗体およびその使用方法に関する。本発明はまた、変異型Fc領域を含むポリペプチドおよびその使用方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
背景
デング熱は、世界中で最も一般的な節足動物媒介性のウイルス疾患である。デング熱を引き起こすウイルス(本明細書ではDENVと呼ばれる)は、DENV-1、DENV-2、DENV-3、およびDENV-4などの4つの異なる感染性の血清型に分類することができる。デング熱感染症の症状には、発熱、筋肉痛、頭痛、血小板数の減少、白血球数の減少、血液凝固障害、出血、血管漏出などがあり、これらはデングショック症候群を引き起こす可能性がある。人が以前にデング熱に感染した後でデングウイルスにさらされると、抗ウイルス抗体が宿主細胞へのウイルスの取り込みを促進することがあり、その患者は重症型のデング熱を発症する危険性が高くなる。しかし、重症型のデング熱は最初の感染の際にも起こり得る。
【0003】
最も一般的な節足動物媒介性のウイルス疾患であるのに、今日まで、デング熱を治療するために利用可能な薬物は存在しない。疾患としてのデング熱に関するアプローチは、主に感染の予防および/または症状を緩和するための治療に向けられてきた。
【0004】
したがって、少なくとも1つのデング血清型を中和し、かつ/またはそれに結合することができる薬剤を提供する必要がある。最近、いくつかのグループが抗DENV中和抗体について報告している(例えば、WO2012/082073、WO2013/089647、WO2013/151764、WO2013/173348、WO2014/025546、WO2015/123362、WO2015/122995、およびWO2016/012800(特許文献1~8)を参照されたい)。しかしながら、優れた治療特性を有する抗体は依然として必要とされている。
【0005】
ワクチンおよび抗体治療薬がウイルス感染を予防および治療するために現在開発中である。しかしながら、抗体ベースの治療はリスクがないわけではない。そのようなリスクの1つは抗体依存性感染増強(antibody-dependent enhancement: ADE)であり、これは非中和抗ウイルス抗体が宿主細胞へのウイルス侵入を促進して、細胞内での感染力の増加をもたらす場合に起こる(Expert Rev Anti Infect Ther (2013) 11, 1147-1157(非特許文献1))。ADEの最も一般的なメカニズムは、抗体のFc部分を介したウイルス-抗体複合体と細胞表面のFc受容体(FcR)との相互作用である。通常は軽いウイルス感染がADEによって増強されて、命を脅かす疾患になる。FcγRへの結合を妨げる突然変異をFc領域に有する抗DENV抗体は、DENV感染を増強しなかったことが報告されている(WO2010/043977(特許文献9))。しかし、抗体依存性感染増強のリスクを高めることのない抗体治療薬の必要性が依然として存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2012/082073
WO2013/089647
WO2013/151764
WO2013/173348
WO2014/025546
WO2015/123362
WO2015/122995
WO2016/012800
WO2010/043977
【非特許文献】
【0007】
Expert Rev Anti Infect Ther (2013) 11, 1147-1157
【発明の概要】
【0008】
概要
本発明は、抗DENV抗体、変異型Fc領域を含むポリペプチド、およびそれらの使用方法を提供する。
【0009】
いくつかの態様において、本発明の単離された抗DENV抗体はDENV Eタンパク質に結合する。いくつかの態様では、本発明の抗DENV抗体は、以下を含む:
(a) (i)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000001.tif
4
128
(ここでX
1
はRまたはEであり、X
2
はRまたはFであり、X
3
はG、DまたはLである)(SEQ ID NO: 42)を含むHVR-H3、
(ii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000002.tif
4
128
(ここでX
1
はD、SまたはEであり、X
2
はDまたはAである)(SEQ ID NO: 45)を含むHVR-L3、および
(iii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000003.tif
4
128
(ここでX
1
はTまたはRであり、X
2
はAまたはRである)(SEQ ID NO: 41)を含むHVR-H2;
(b) (i)アミノ酸配列:
SX
1
YX
2
H
(ここでX
1
はNまたはYであり、X
2
はIまたはMである)(SEQ ID NO: 40)を含むHVR-H1、
(ii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000004.tif
4
128
(ここでX
1
はTまたはRであり、X
2
はAまたはRである)(SEQ ID NO: 41)を含むHVR-H2、および
(iii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000005.tif
4
128
(ここでX
1
はRまたはEであり、X
2
はRまたはFであり、X
3
はG、DまたはLである)(SEQ ID NO: 42)を含むHVR-H3;
(c) (i)アミノ酸配列:
SX
1
YX
2
H
(ここでX
1
はNまたはYであり、X
2
はIまたはMである)(SEQ ID NO: 40)を含むHVR-H1、
(ii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000006.tif
4
128
(ここでX
1
はTまたはRであり、X
2
はAまたはRである)(SEQ ID NO: 41)を含むHVR-H2、
(iii)アミノ酸配列:
TIFF
2025108688000007.tif
4
128
(ここでX
1
はRまたはEであり、X
2
はRまたはFであり、X
3
はG、DまたはLである)(SEQ ID NO: 42)を含むHVR-H3、
(iv)アミノ酸配列:
【0010】
いくつかの態様では、本発明の単離された抗DENV抗体は、以下を含む:
(a) (i) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H3、(ii) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L3、および(iii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H2;
(b) (i) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H1、(ii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H2、および(iii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H3;
(c) (i) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H1、(ii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H2、(iii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H3、(iv) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L1、(v) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L2、および(vi) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L3;
(d) (i) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L1、(ii) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L2、および(iii) SEQ ID NO: 8~10のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L3;または
(e) (i) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H1、(ii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H2、(iii) SEQ ID NO: 2~6のいずれか1つのVH配列由来のHVR-H3、(iv) SEQ ID NO: 7のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L1、(v) SEQ ID NO: 7のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L2、および(vi) SEQ ID NO: 7のいずれか1つのVL配列由来のHVR-L3。
いくつかの態様では、本発明の抗体は、(i) SEQ ID NO: 1のVH配列由来のHVR-H1、(ii) SEQ ID NO: 1のVH配列由来のHVR-H2、(iii) SEQ ID NO: 1のVH配列由来のHVR-H3、(iv) SEQ ID NO: 7のVL配列由来のHVR-L1、(v) SEQ ID NO: 7のVL配列由来のHVR-L2、および(vi) SEQ ID NO: 7のVL配列由来のHVR-L3を含む抗体ではない。
(【0011】以降は省略されています)

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