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公開番号
2025072514
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2025017506,2023552944
出願日
2025-02-05,2022-10-06
発明の名称
プレフィルドシリンジ製剤の調製方法
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
39/395 20060101AFI20250430BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】タンパク質を含む溶液が容器に充填された注射用製剤において、目視により検出可能な粒子の形成を低減する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】溶液中にタンパク質を有効成分として含有する医薬製剤において、溶液中で粒子を形成するリスクの高いタンパク質を判定する方法であって、ホモロジーモデリング又は抗体モデリングによりアミノ酸配列からタンパク質の立体構造モデルを作成すること、得られたモデルの表面の疎水性残基のクラスター及び電荷を有する残基のクラスターに対応する部分をそれぞれ疎水性パッチ及び電荷パッチとして特定し、それぞれの面積を算出すること、面積が上位5位までの疎水性パッチの面積の和(X(Å
2
))、及び電荷パッチ総面積(Y(Å
2
))を算出すること、及びX+Y×1.5が1700以上となるタンパク質の粒子形成リスクの高いタンパク質と判定することを含み、粒子が40μm以上の粒径を有する、方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶液中にタンパク質を有効成分として含有する医薬製剤において、溶液中で粒子を形成するリスクの高いタンパク質を判定する方法、であって、
ホモロジーモデリング又は抗体モデリングによりタンパク質のアミノ酸配列からタンパク質の立体構造モデルを作成すること、
得られたモデルの表面の疎水性残基のクラスター及び電荷を有する残基のクラスターに対応する部分をそれぞれ疎水性パッチ及び電荷パッチとして特定し、それぞれの面積を算出すること、
面積の大きさによるランキングで上位5位までの疎水性パッチの面積の和(X(Å
2
))、及び電荷パッチ総面積(Y(Å
2
))を算出すること、及び
X+Y×1.5が1700以上となるタンパク質を溶液中で粒子を形成するリスクの高いタンパク質と判定することを含み、
粒子が40μm以上の粒径を有する、前記方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
X+Y×1.5が2000以上となるタンパク質を溶液中で粒子を形成するリスクの高いタンパク質と判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶液中にタンパク質を有効成分として含有する医薬製剤において、溶液中で粒子を形成するリスクの高いタンパク質を判定する方法、であって、
ホモロジ-モデリング又は抗体モデリングによりタンパク質のアミノ酸配列からタンパク質の立体構造モデルを作成すること、
得られたモデルの表面の電荷を有する残基のクラスターに対応する部分を電荷パッチとして特定して、電荷パッチ総面積(Y(Å
2
))を算出すること、及び
Yが600以上となるタンパク質を溶液中で粒子を形成するリスクの高いタンパク質と判定することを含み、
粒子が40μm以上の粒径を有する、前記方法。
【請求項4】
溶液が水溶液である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
タンパク質がモノクローナル抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
モノクローナル抗体がモノスペシフィック抗体、又はバイスペシフィック抗体のいずれかである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ホモロジーモデリング又は抗体モデリングが、Molecular Operating Environment(MOE)ソフトウェアを用いて行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
タンパク質を有効成分として含有する溶液が容器に充填された注射用製剤において、溶液中での粒子の発生を低減させる方法、であって、
容器内の気泡の容量を40μL以下とすることを含み、
容器がシリンジ又はカートリッジであり、
タンパク質が、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法によって溶液中で粒子を形成するリスクが高いと判定されるタンパク質である、方法。
【請求項9】
容器内の気泡の容量を10μL以下とすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
タンパク質を有効成分として含有する溶液が容器に充填された注射用製剤を調製する方法、であって、
得られる注射用製剤において容器内の気泡の容量が40μL以下となるように、容器内に溶液を充填することを含み、
容器がシリンジ又はカートリッジであり、
タンパク質が、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法によって溶液中で粒子を形成するリスクが高いと判定されるタンパク質である、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液中にタンパク質を有効成分として含有する、容器に充填された医薬製剤に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、種々の抗体製剤が開発され実用に供されているが、多くの抗体製剤は静脈注射用製剤として用いられている。一方、医療現場のニーズにより、抗体含有製剤を自己注射可能な皮下注射用製剤として開発する要望が高くなっている。特に、プレフィルドシリンジに封入された溶液製剤が、その利便性からその開発の要望が高い。
【0003】
皮下注射用の抗体含有製剤を設計するにあたっては、1回あたりの抗体投与量が大量となる一方で(80~200mg程度)、皮下注射では一般的に注射液量の制限があることから、投与液中の抗体の高濃度化が必須となっている。
【0004】
近年、自己注射用のプレフィルドシリンジ製剤として、内部に薬剤が充填された筒状の注射器本体と、前記注射器本体の先端に取り付けられた注射針と、着脱可能に取り付けられた注射針を覆うシリンジキャップと、前記注射器本体内に挿入され、該注射器本体の軸芯方向にスライド移動可能なプランジャとを備えたプレフィルドシリンジが医療現場で使用されるようになってきた。
【0005】
プレフィルドシリンジを使用する際には、シリンジキャップを取り外し、投与部位に針を挿入後、プランジャロッドでプランジャを前方に移動させることで、薬液を排出・投与する。一般的に、本プランジャの摺動性を確保するために、プレフィルドシリンジの内壁及びプランジャに潤滑剤であるシリコーンオイル等を塗布することが行われている。
【0006】
抗体含有製剤においては、水溶液中での粒子の形成が問題となる。形成する粒子としては、二量体や三量体といった多量体よりも大きい凝集体であるが、一般的に目で見るのは困難とされる、1.5μm~50μm未満までの粒径の微粒子であるサブビジブル粒子(sub-visible particle、SVP)や、標準照度(2,000-3,000 lx程度)で目視により検出可能な可視粒子(visible particle:VP、100μmより大きい)が知られている。なお、医薬製剤における可視粒子の目視による検出率は実施者による間差が大きいが、薬局方に規定されている標準照度(2,000-3,000lx程度)においては100μmの粒径の粒子の検出感度が40%程度、150μmの粒径の粒子の検出感度が70%程度、200μmの粒径の粒子の検出感度がほぼ100%となることが報告されている(非特許文献1)。また、医薬製剤を観察する照度を上げたり、観察時間を長くしたりすることで、実際には最小40μm程度の更に小さな粒径の粒子まで目視で検出することも可能である。本明細書では、特にこのような40μm~100μmの粒子を高照度でのみ目視により検出可能な粒子と呼ぶ。また、40μm以上の粒径を有する粒子は、高照度で目視により検出可能な粒子であり、目視により検出可能な粒子と称する。
【0007】
一般的に抗体は気液界面や固液界面といった界面に吸着し、凝集する性質を有している。これら界面の存在が上記目視により検出可能な粒子の形成に寄与している可能性がある。抗体溶液を充填したシリンジにメカニカルストレスを与えることで、界面の存在に起因する微粒子の顕著な増加が報告されている(非特許文献2)。シリンジに充填された抗体溶液は、気泡が存在することで気液界面を形成し、プランジャ及びシリンジバレルと接触することで、固液界面を形成する。また、プレフィルドシリンジのプランジャ及びバレルがシリコーン塗布されている場合、抗体溶液は固相表面のシリコーンと接触し、新たな固液界面を形成する。また、固液界面に吸着し、凝集したタンパク質はプレフィルドシリンジ中の空気の移動により、液中に剥がれ落ち、可視粒子として現れることも報告されている(非特許文献3)。
【0008】
各種界面で受けるストレスを低減する方法として、プレフィルドシリンジ内の気泡の量を減らすことが挙げられる。気泡の量を減らすことで、プレフィルドシリンジ中を移動する空気の量を減らすことでき、その結果として、気液界面や固液界面への吸着や凝集体の脱着を抑制することができると考えられる。
【0009】
これまで、特定の抗体を含むプレフィルドシリンジについて、溶液中の気泡の量を減らすことで、界面活性剤が含まれていない溶液中の目では見えない粒子や可視粒子の量を低減できることが報告されているが、いずれも分子各論的な結果かつ極めて不安定な条件での評価結果である(特許文献1、2)。
【0010】
タンパク質の構成要素であるアミノ酸残基は側鎖に含まれる官能基の違いにより残基ごとに物性が異なっている。側鎖の物性の特徴としては、側鎖に電荷を有する官能基を持っているか、及び側鎖がどれだけ疎水的かという点で、大きく2種類に分類可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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