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公開番号2025084833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2025028476,2024000105
出願日2025-02-26,2018-03-06
発明の名称チオ硫酸ナトリウムの透析中の使用
出願人ホープ メディカル エンタープライズ インコーポレイテッド ディー.ビー.エー. ホープ ファーマシューティカルズ
代理人個人
主分類A61K 33/04 20060101AFI20250527BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】血液透析を受けている対象における、チオ硫酸イオンの生理学的なレベルを維持するための医薬透析液、および医薬透析液を作製するための方法を提供する。
【解決手段】チオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮溶液を含むチオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液であって、約7.0超のpHを有し、かつ該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイクロモル濃度以下であり、かつ該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上とともに投与されるように用いられる、医薬透析液である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
血液透析を受けている対象における、チオ硫酸イオンの生理学的なレベルを維持するた
めの方法における使用のためのチオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮
溶液を含むチオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
透析を受けている対象における、心筋梗塞を予防するための方法における使用のための
チオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮溶液を含むチオ硫酸イオンでス
パイクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
【請求項3】
透析を受けている対象における、突発性の心臓死を予防するための方法における使用の
ためのチオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮溶液を含むチオ硫酸イオ
ンでスパイクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
【請求項4】
透析を受けている対象における、脳卒中を予防するための方法における使用のためのチ
オ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮溶液を含むチオ硫酸イオンでスパ
イクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
【請求項5】
透析を受けている対象における、狭心症、脳血管攣縮、跛行、重症虚血肢、末梢血管疾
患、及び鎌状赤血球クリーゼを含む組織虚血を特徴とする心血管系疾患を予防するための
方法における使用のためのチオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮溶液
を含むチオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
【請求項6】
透析を受けている対象における、高血圧症、肺高血圧症、及び腎性高血圧症を予防する
ための方法における使用のためのチオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃
縮溶液を含むチオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
【請求項7】
透析を受けている対象における、アテローム性動脈硬化症を予防するための方法におけ
る使用のためのチオ硫酸ナトリウム、水、酸濃縮溶液、及び重炭酸塩濃縮溶液を含むチオ
硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液であって、
該方法が、該対象の血液を、該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液とも接触し
ている透析膜と透析中に接触させることを含み、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、約7.0超のpHを有し、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液中のチオ硫酸イオンの濃度が100マイク
ロモル濃度以下であり、かつ
該チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液が、該対象へ、銅、フッ化物イオン、ヨ
ウ素、鉄、マンガン、マグネシウム、亜硝酸イオン、リン、セレン、及び亜鉛の1つ以上
とともに投与されるように用いられる、
前記チオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
【請求項8】
前記対象における前記チオ硫酸イオンの生理学的なレベルが、約10マイクロモル濃度以
下である、請求項1~7のいずれか1項記載のチオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液

【請求項9】
前記対象における前記チオ硫酸イオンの生理学的なレベルが、約500ナノモル濃度~約5
マイクロモル濃度である、請求項1~7のいずれか1項記載のチオ硫酸イオンでスパイクさ
れた医薬透析液。
【請求項10】
前記対象における前記チオ硫酸イオンの生理学的なレベルが、約3マイクロモル濃度で
ある、請求項1~7のいずれか1項記載のチオ硫酸イオンでスパイクされた医薬透析液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2017年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/468,871号の優先権の利益を
主張し、その内容は全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,500 文字)【0002】
本明細書で提供されるものは、血液透析を受けている対象において、チオ硫酸イオンの
生理学的なレベルを維持するための方法である。また、本明細書で提供されるものは、医
薬として許容し得るチオ硫酸ナトリウムを、血液透析を受けている対象に投与する方法で
ある。
【背景技術】
【0003】
(背景)
慢性腎疾患(CKD)の患者は、腎機能の劣化を被っており、それは代謝老廃物の排泄の減
少をもたらす。代謝老廃物の蓄積は、数日以内に生命を脅かすようになることもある。腎
機能がほとんど又は全く残っていない患者は、「末期腎疾患」であるとみなされる。従っ
て、そのような患者は、生き延びるために老廃物を排泄する代替手段を必要とする。透析
は、後に廃棄されることとなる外部液体への、血液からの老廃物の移送を伴う老廃物を排
泄する手段である(Am. J. Kidney Dis. 2002, 39(Suppl. 1), S1-266)。
【0004】
透析は、半透過性の「透析膜」で分離された2つの液体の間での溶質及び水の移動と定
義される。血液透析においては、血液が透析膜の片側を流れ、透析液と呼ばれる水ベース
の溶液が反対側を流れる。透析膜は、溶質が通過することができる細孔を含む。これら2
つの液体中に存在する溶質の濃度は、浸透力のために、該溶質が高濃度液体から出て、透
析膜細孔を通って、低濃度液体に入るように強いられるために、平衡化する。
【0005】
透析膜は、種々の細孔サイズで設計され、血液透析の間に通過することができる溶質を
限定する。血液透析の間に、透析膜を通って拡散することができる小分子溶質の過度の量
を血液から除去することが有害であることもある。
【0006】
血液は、チオ硫酸イオン(S
2
O
3
2-
)などの低分子量の溶質を含有する。チオ硫酸アニオン
は、約112.13ダルトンの分子量を有する。体内では、チオ硫酸イオンは、少量のシアニド
イオンを無害な産物へと変換する。チオ硫酸イオンは、硫酸イオン(SO
4
2-
)に代謝される
こともある(Gunnisonらの文献, Environ. Res. 1981, 24, 432-443; Skarzynskiらの文献
, Nature 1959, 184, 994-995)。
【0007】
米国医療機器振興協会(the Association for the Advancement of Medical Instrument
ation; AAMI)は、透析に用いられる水の中の硫酸イオン含量の品質仕様限度を確立した(1
リットルあたり最高で100mg、すなわち100ppm)(#ANSI/AAMI/ISO 13959:2009)。また、AA
MIは、水中の硫酸イオン含量が、「比濁法」を用いて測定されるべきであると規定した。
この方法では、硫酸イオンは、均一なサイズの硫酸バリウム結晶を形成するように、酢酸
媒体中で塩化バリウムを用いて沈殿させられる。硫酸バリウム懸濁剤の吸光度が、光度計
によって測定され、硫酸アニオン濃度が、読み取り値と標準曲線との比較によって決定さ
れる(アメリカ公衆衛生学会、https://law.resource.org/pub/us/cfr/ibr/002/apha.meth
od.4500-so42.1992.pdfでオンライン入手可能)。本試験法では、硫酸イオンとチオ硫酸イ
オンとが区別されない。その代わりに、該試験法は、実際には、硫酸イオン及びチオ硫酸
イオン双方の測定である。従って、AAMIの硫酸イオンの品質仕様は、実際には、透析に用
いられる水の中の硫酸イオン及びチオ硫酸イオンの和の限度である。
【0008】
冠動脈バイパス患者は、低下した血漿チオ硫酸イオンレベルを有する(Ivankovichらの
文献, Anesthesiology 1983, 58, 11-17)。冠動脈バイパス手術は、アテローム性動脈硬
化症によって引き起こされる心臓動脈の著しい狭小化及び閉塞を特徴とする心血管系疾患
の患者によく勧められる。アテローム性動脈硬化症は、大型及び中型の動脈内の血管壁の
内部での石灰化したプラークの形成で始まる慢性の炎症状態である。アテローム硬化動脈
内のルーメンのカルシウム鉱化は、プラーク形成を促進しかつ強固なものとし、血管の狭
小化を引き起こす(Kalampogiasらの文献, Med. Chem. 2016, 12, 103-113)。アテローム
硬化プラークは、1つ以上の冠動脈において著しい狭小化を引き起こすことがある。冠動
脈内での血流が、アテローム硬化プラークによって完全に遮断されたときに、心筋梗塞が
生じる。
【0009】
心血管系疾患は、慢性血液透析を必要とする患者の全ての死のうちの半数超を占める(G
oらの文献, N. Eng. J. Med. 2004, 351, 1296-1305)。
【0010】
透析治療から始まる12時間の期間において、突然死イベントのリスクが、1.7倍率増加
した。突然死イベントは、透析処置それ自体の間及び治療後の双方で増加した(Bleyerら
の文献, Kidney Int. 2006, 12, 2268-2273)。
(【0011】以降は省略されています)

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