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公開番号2025084779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2025019065,2022175336
出願日2025-02-07,2017-09-29
発明の名称認知症ではない患者における神経保護薬としての、ω3脂肪酸及びコリン
出願人ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 31/14 20060101AFI20250527BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】認知症を有さない個体における認知的加齢を低減、治療又は予防する方法を提供する。
【解決手段】方法は、ω3脂肪酸及びコリンを含む組成物を治療的に有効な量で個体に投与するステップを含む。この方法により、認知症ではない個体における、脳萎縮の減少、シナプシス数の増加若しくは維持、アミロイド-β食作用の増加、又は、神経炎症の減少若しくは維持、の1つ以上の利益を得ることができる。この方法は、認知症のリスクを有する個体、例えば老齢のヒトにおいて認知症を予防することができる。この組成物は、5.5mg/日~5,500mg/日のコリン、例えば85mg/日~3,500mg/日のコリンを提供する一日用量で個体に投与することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
認知的加齢の低減、治療又は予防を必要とするか、あるいは認知的加齢のリスクがある認知症ではない個体の認知的加齢を低減、治療又は予防する方法であって、ω3脂肪酸及びコリンを含む組成物を治療的に有効な量で前記個体に投与するステップを含む方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記個体が、高齢成体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個体が、老齢のヒトである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、前記個体に少なくとも1ヶ月間、毎日経口投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、一酸化窒素放出化合物を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記一酸化窒素放出化合物が、シトルリンを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ω3脂肪酸が、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される脂肪酸を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記コリンが、塩化コリン、コリン重酒石酸塩、シチコリン、L-α-グリセロホスホコリン、レシチン、ホスファチジルコリン及びそれらの混合物からなる群から選択される、前記組成物の成分によって提供される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9及びビタミンB12からなる群から選択される1種以上のビタミンB類を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE及びセレンからなる群から選択される1つ以上の抗酸化剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
[0001]本開示は、全体的に、認知症でない個体における認知的加齢を低減させる組成物及び方法に関する。より具体的には、本開示は、ω3脂肪酸とコリンとの組み合わせを含む組成物を投与することによる、認知的加齢の低減に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【0002】
[0002]人口の高齢化は、顕著な人口統計的事象である。寿命の長期化により、高齢者人口の増加が総人口の増加を上回るにつれて、高齢者人口の残り人口に対する割合は、出生率の低下もあって大幅に増加している。例えば、1950年代には60歳以上の高齢者は12人に1人であったのが、2000年代の終わりには60歳以上の高齢者は10人に1人となっていた。2050年代の終わりまでには、世界的に5人に1人が60歳以上の高齢者となると予測されている。
【0003】
[0003]高齢者や老化している個体は、しばしば加齢に伴う認知機能の低下などといった認知障害をある程度有しており、また加齢に伴う脳の形態的及び脳血管機能的な変化が一般的に観察される。認知機能低下は、処理スピード、注意、エピソード記憶、空間能力及び実行機能などを含む、認知ドメインの範囲全体の老化を伴うものとしてこれまで報告されている。脳の画像解析により、これらの通常の加齢に関連する認知機能の低下は、脳の灰白質及び白質の両方の体積減少と関連しており、加齢に伴い前頭線条体系が最も重く損傷を受けることが判明している。皮質体積のこのような減少は、例えば、時間経過に伴い酸化的損傷をもたらすフリーラジカルによる損傷の蓄積、慢性的な軽度の炎症、ホモシステインの蓄積(ホモシステイン量が多くなると、認知障害及び認知症に対するリスク因子となる)、及びミトコンドリア機能の低下などの、通常の老化による多くの有害な細胞プロセスに起因し得る。直接的な細胞の損傷に加え、脳は、微小血管構造の傷害からも間接的な損傷を受ける。老化、更には認知症の病理が、これらの因子間の複雑な相互作用を内包することは明らかであり、また各作用は相関するものである。例えば、ミトコンドリアの機能不全は結果として酸化ストレスを増加させ、酸化ストレスは炎症及び血管損傷のトリガーとなり得る。
【0004】
[0004]更に、認知機能の低下はアルツハイマー病理の初期の予測因子であり、認知症の発症前に始まる。この場合、認知についての総合得点が、認知症前の認知機能の低下を評価するための信頼性の高い手段となる。多くのエビデンスから、脳の健康を維持し、加齢による認知機能低下を予防することで、アルツハイマー病及び他の加齢関連の神経病理による認知症の進行を予防又は遅延させることができることが示唆されている。
【0005】
[0005]加齢による認知機能の低下を予防し得る介入方法として、近年、栄養摂取、学習、運動及び認知エクササイズが注目されている。認知症リスク及び加齢関連の神経変性を低減させる個々の栄養因子の存在を裏付ける臨床的、疫学的及び個別的なエビデンスは数多くある。しかしながら、栄養学的な介入に関する正式な試験では、結果が錯綜している(Schmitt et al.,Nutrition Reviews 68:S2~S5(2010)。
【0006】
[0006]いくつかの長期試験が行われたが、B6と、B12と葉酸塩との組み合わせを使用した介入では、認知機能に対するいかなる利益も観察できなかった。McMahon et al.(2006)N Engl J Med,354(26),2764~2772によると、65歳以上の成人に、葉酸塩(1000μg)と、ビタミンB12(500μg)と、ビタミンB6(10mg)とを含有するサプリメントを2年間摂取させた後であっても、認知機能への効果が確認できなかった。同様に、Hankey et al.(2013)(Stroke,44(8),2232~2239)によると、脳卒中又は一過性脳虚血発作を起こしたことがあるものの認知機能が損なわれていない患者に対し、葉酸(2000μg)と、ビタミンB6(25mg)と、ビタミンB12(500μg)とを毎日摂取させた場合、2.8年間(中央値)にわたりMMSEにより測定されたとおり、平均tHcyは低下したが、認知障害又は認知機能低下の発生率に対する効果はなかった。
【0007】
[0007]いくつかの短期試験においてもまた、認知機能を改善するために、B6と、B12と、葉酸塩とを組み合わせて効果を示すことができなかった。Lewerin et al.(2005)Am J Clin Nutr,81(5),1155~1162によると、葉酸(800μg)と、ビタミンB12(500μg)と、ビタミンB6(3mg)とを4ヶ月間補給しても、高齢成体(年齢中央値76歳)の認知機能に効果はなかった。
【発明の概要】
【0008】
[0008]理論に拘束されるものではないが、本発明らは、認知症リスク及び加齢関連の神経変性の低減を試みる従来の栄養的介入は、栄養分を単独で投与することに目を向けており、それらを賢く(intelligently)組み合わせて、栄養素の相互作用により効果の程度を増強させるものではなかったものと考える。更に、認知機能に対する混合成分の効果を試験した研究では、全て同じ機序を標的とする成分の混合物を使用しており(例えば、Hcy濃度を標的とする葉酸塩、B12、B6混合物の混合物、又は酸化的損傷を標的とするビタミンC及びEの混合物)、この点が、このエビデンスが単一成分による研究と同様の矛盾を示す理由である可能性がある。したがって、本開示は、広義には、各栄養的介入が、認知機能低下に関連する異なるリスク因子を標的とする複数の介入アプローチに関する。
【0009】
[0009]したがって、広義の実施態様において、本開示は、認知的加齢の低減、治療又は予防を必要とするか、あるいは認知的加齢のリスクがある認知症ではない個体において、認知的加齢を低減、治療又は予防する方法を提供する。この方法は、ω3脂肪酸及びコリンを含む組成物を治療的に有効な量で個体に投与するステップを含む。この組成物は、5.5mg/日~5,500mg/日のコリンを提供する一日用量で投与することができる。
【0010】
[0010]一実施形態では、個体は例えば老齢のヒトなどの高齢成体である。
(【0011】以降は省略されています)

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