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公開番号2025083761
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197335
出願日2023-11-21
発明の名称処理システム及びその制御方法
出願人株式会社神鋼環境ソリューション,株式会社北りょう
代理人個人
主分類C02F 11/14 20190101AFI20250526BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】被処理物に対して凝集剤を添加した上でスクリュープレス式の固液分離部にて固液分離する処理システムにおいて、凝集剤添加率を適切な範囲内に維持して、凝集剤の過剰添加によるLCCの悪化や固液分離部での過負荷を抑制しつつ、不足のない適切な量の凝集剤の添加により凝集物における凝集フロック性状を良化させて、固液分離部において凝集物を良好且つ安定して固液分離する。
【解決手段】固液分離部10におけるスクリュー12の回転負荷を示すスクリュー負荷値lsを検出し、スクリュー負荷値lsに基づいて凝集剤添加部2による被処理物S1に対する凝集剤Fの添加率である凝集剤添加率xを制御する凝集剤添加率制御を実行する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
被処理物に凝集剤を添加して凝集物とする添加部と、前記凝集物を固液分離して濃縮物とする固液分離部と、を備え、前記固液分離部が、スクリューの回転駆動により前記凝集物を固液分離するスクリュープレス式に構成されている処理システムであって、
前記固液分離部におけるスクリューの回転負荷を示すスクリュー負荷値を検出するスクリュー負荷値検出部と、
前記スクリュー負荷値に基づいて前記凝集剤添加部による前記被処理物に対する凝集剤添加率を制御する凝集剤添加率制御を実行する制御部と、を備えた処理システム。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記制御部が、前記凝集剤添加率制御において、前記スクリュー負荷値が所定の一時減少用判定値を上回ってから前記スクリュー負荷値が所定の復帰用判定値になるまでの間、前記凝集剤添加率を一時的に減少させる添加率一時減少処理を実行する請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記制御部が、前記凝集剤添加率制御において、前記スクリュー負荷値が所定の設定時間の間継続して前記復帰用判定値未満である所定の増加補正用判定値を下回ったときに、前記凝集剤添加率を所定の増加補正幅で増加させる添加率補正処理を実行する請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
被処理物に凝集剤を添加して凝集物とする添加部と、前記凝集物を固液分離して濃縮物とする固液分離部と、を備え、
前記固液分離部が、スクリューの回転駆動により前記凝集物を固液分離するスクリュープレス式に構成されている処理システムの制御方法であって、
前記固液分離部におけるスクリューの回転負荷を示すスクリュー負荷値を検出し、
前記スクリュー負荷値に基づいて前記凝集剤添加部による前記被処理物に対する凝集剤添加率を制御する凝集剤添加率制御を実行することを特徴とする処理システムの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物に凝集剤を添加して凝集物とする添加部と、前記凝集物を固液分離して濃縮物とする固液分離部と、を備え、前記固液分離部が、スクリューの回転駆動により前記凝集物を固液分離するスクリュープレス式に構成されている処理システム及びその制御方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
下水汚泥やバイオマスなどの被処理物を減容化するための処理システムとして、被処理物に対して高分子凝集剤などの凝集剤を添加することで、被処理物に含まれる被処理物の固形分を凝集させて凝集フロック(または「粗大フロック」とも呼ばれる)を形成させ、このような凝集フロックを含む凝集物を固液分離することで、含水率を低下させた濃縮物を生成するものが知られている。このような処理システムでは、被処理物に対する凝集剤の添加率(本願では「凝集剤添加率」とも呼ぶ。)が低くなると、凝集物において凝集剤が不足し、凝集フロックの形成が不十分となって、固液分離部において凝集物を適切に固液分離することができなくなり、濃縮物の含水率が目標値まで低下できなくなる場合がある。逆に、凝集剤添加率が高くなると、凝集物において凝集剤が過剰に添加され、一部の凝集剤が被処理物の凝集に利用されずに未反応のまま固液分離部にて分離液として排出されることになりLCC(ライフサイクルコスト)が悪化する上に、固液分離部において過負荷の問題が生じる場合がある。また、未反応の凝集剤を含む分離液が活性汚泥法等の好気処理を行っている生物処理設備へ返送された場合、生物処理設備に悪影響を与える可能性がある。よって、処理システムでは、被処理物に対する凝集剤添加率を適切な範囲内に制御することが望ましい。
【0003】
そこで、固液分離部から排出された濃縮物の固形分濃度を検出し、その検出結果に基づいて凝集剤添加率を制御する技術が提案されている(例えば特許文献1を参照。)。上記特許文献1記載の処理システムでは、受槽に貯留された濃縮物中で検出体を回転駆動させて、その検出体の回転抵抗(駆動モータの電流値)を、濃縮物の固形分濃度を示す値として測定する。また、特許文献1記載の処理システムでは、固液分離部は、スクリューの回転駆動により凝集物を固液分離するスクリュープレス式に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-274250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のように、濃縮物の固形分濃度を検出してその検出結果を凝集剤添加率の制御に用いる構成では、濃縮物の固形分濃度の検出に一定の時間が必要になるので、凝集剤添加率の制御に遅れが生じる。よって、濃縮物の固形分濃度の比較的急な変動に対して凝集剤添加率を追従させることができず、実際の凝集剤添加率が適切な範囲から外れてしまう恐れがある。更に、濃縮物の固形分濃度の検出精度は、その検出に用いる各パラメータの測定精度等に大きく依存していることから、それほど高くはない。よって、その精度が低い検出結果に基づいて凝集剤添加率を制御することで、実際の凝集剤添加率が適切な範囲内から外れる場合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、被処理物に対して凝集剤を添加した上でスクリュープレス式の固液分離部にて固液分離する処理システムにおいて、凝集剤添加率を適切な範囲内に維持して、凝集剤の過剰添加によるLCCの悪化や固液分離部での過負荷を抑制しつつ、不足のない適切な量の凝集剤の添加により凝集物における凝集フロック性状を良化させて、固液分離部において凝集物を良好且つ安定して固液分離することができる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る処理システムの第1特徴構成は、被処理物に凝集剤を添加して凝集物とする添加部と、前記凝集物を固液分離して濃縮物とする固液分離部と、を備え、前記固液分離部が、スクリューの回転駆動により前記凝集物を固液分離するスクリュープレス式に構成されている処理システムであって、
前記固液分離部におけるスクリューの回転負荷を示すスクリュー負荷値を検出するスクリュー負荷値検出部と、
前記スクリュー負荷値に基づいて前記凝集剤添加部による前記被処理物に対する凝集剤添加率を制御する凝集剤添加率制御を実行する制御部と、を備えた点にある。
また、本発明に係る処理システムの制御方法の特徴構成は、被処理物に凝集剤を添加して凝集物とする添加部と、前記凝集物を固液分離して濃縮物とする固液分離部と、を備え、
前記固液分離部が、スクリューの回転駆動により前記凝集物を固液分離するスクリュープレス式に構成されている処理システムの制御方法であって、
前記固液分離部におけるスクリューの回転負荷を示すスクリュー負荷値を検出し、
前記スクリュー負荷値に基づいて前記凝集剤添加部による前記被処理物に対する凝集剤添加率を制御する凝集剤添加率制御を実行する点にある。
【0007】
本構成によれば、被処理物に対する凝集剤添加率が変化すると、当該凝集剤が添加された凝集物において形成される凝集フロックの粘性や大きさや強度などの性状(以下「凝集フロック性状」と呼ぶ。)が変化し、その結果、スクリュープレス式に構成された固液分離部におけるスクリューの回転負荷が変化する。よって、上記スクリュー負荷値検出部で検出された上記スクリュー負荷値から凝集剤添加率の過不足を判断することができる。そして、上記制御部が、上記凝集剤添加率制御を実行して、スクリュー負荷値に基づいて凝集剤添加率を制御することにより、スクリューの回転負荷をできるだけ適切な範囲内に維持することができる。
従って、本発明により、汚泥に対して凝集剤を添加した上で固液分離する処理システムにおいて、凝集剤添加率を適切な範囲内に維持して、凝集剤の過剰添加によるLCCの悪化や固液分離部での過負荷を抑制しつつ、不足のない適切な量の凝集剤の添加により凝集物における凝集フロック性状を良化させて、スクリュープレス式の固液分離部において凝集物を良好且つ安定して固液分離することができる技術を提供することができる。
【0008】
本発明に係る処理システムの第2特徴構成は、前記制御部が、前記凝集剤添加率制御において、前記スクリュー負荷値が所定の一時減少用判定値を上回ってから前記スクリュー負荷値が所定の復帰用判定値になるまでの間、前記凝集剤添加率を一時的に減少させる添加率一時減少処理を実行する点にある。
【0009】
本構成によれば、スクリュー負荷値が上記一時減少用判定値を上回ったときには、凝集物において凝集剤が過剰添加されていると判断して、上記添加率一時減少処理の実行が開始され、凝集剤添加率が減少される。このことで、凝集物における凝集剤の過剰添加による凝集フロックの粘性増加や細分化などのような凝集フロック性状の悪化が抑制されて、スクリューの回転負荷の過剰な上昇を回避することができる。そして、上記添加率一時減少処理の実行が開始されてから、凝集剤添加率の減少に伴ってスクリューの駆動負荷が低下して、当該スクリュー負荷値が低下して上記復帰用判定値になったときには、当該添加率一時減少処理の実行が終了され、凝集剤添加率は上記減少前のものに戻される。このことで、凝集剤添加率の減少に起因する固液分離部における水分の分離のし易さの悪化をできるだけ抑制して、濃縮物の固形分濃度をできるだけ高い状態に保つことができる。
【0010】
本発明に係る処理システムの第3特徴構成は、前記制御部が、前記凝集剤添加率制御において、前記スクリュー負荷値が所定の設定時間の間継続して前記復帰用判定値未満である所定の増加補正用判定値を下回ったときに、前記凝集剤添加率を所定の増加補正幅で増加させる添加率補正処理を実行する点にある。
(【0011】以降は省略されています)

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