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公開番号2025083330
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2024202007
出願日2024-11-20
発明の名称正極活物質とその製造方法、これを含む正極、およびリチウム二次電池
出願人三星エスディアイ株式会社,SAMSUNG SDI Co., LTD.
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類H01M 4/525 20100101AFI20250523BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】アルカリ系粒成長促進剤を用いることなく、比較的低い焼成温度で効果的に単粒子形態の高ニッケル系正極活物質を製造する方法を提案し、粒子間の凝集が減少して全体的な製造過程が簡単で経済的な方法を提案し、これにより構造的に安定して不純物が残留せず、抵抗が増加せず、長寿命を実現できる正極活物質を提案すること。
【解決手段】リチウムを除く金属全体100モル%に対して、ニッケルの含有量が60モル%以上であり、アルミニウムの含有量が0.8モル%ないし1.5モル%であり、ジルコニウムの含有量が0.1モル%ないし0.3モル%であり、ジルコニウム含有量に対するアルミニウム含有量の比率(Al/Zr)が5以上である層状型のリチウムニッケル系複合酸化物を含み、平均粒径D50が1μmないし4μmの単粒子形態の正極活物質、並びにその製造方法とこれを含む正極およびリチウム二次電池に関するものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムを除く金属全体100モル%に対して、ニッケルの含有量が60モル%以上であり、アルミニウムの含有量が0.8モル%ないし1.5モル%であり、ジルコニウムの含有量が0.1モル%ないし0.3モル%であり、ジルコニウム含有量に対するアルミニウム含有量の比率(Al/Zr)が5以上である層状型のリチウムニッケル系複合酸化物を含み、
平均粒径D
50
が1μmないし4μmの単粒子形態である、正極活物質。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記正極活物質は、1個の単粒子が分離しているか、2個ないし9個の単粒子が付着している形態である、請求項1に記載の正極活物質。
【請求項3】
前記層状型のリチウムニッケル系複合酸化物は、化学式1で表されるものである、請求項1に記載の正極活物質。
[化学式1]
Li
a1
Ni
x1

1
y1
Al
z1
Zr
w1

2-b1

b1
(前記の化学式1で、0.9≦a1≦1.2、0.6≦x1≦0.991、0≦y1≦0.391、0.008≦z1≦0.015、0.001≦w1≦0.003、0.9≦x1+y1+z1+w1≦1.1、および0≦b1≦0.1であり、M
1
は、B、Ba、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Nb、Si、Sn、Sr、Ti、V、W、およびZnより選択される一つ以上の元素であり、Xは、F、PおよびSより選択される一つ以上の元素である。)
【請求項4】
正極集電体と、
前記正極集電体上に位置し、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の正極活物質を含む正極活物質層と、を含む、正極。
【請求項5】
前記正極活物質層は、
複数の1次粒子が凝集してなる2次粒子形態の第2正極活物質をさらに含み、
第2正極活物質は、リチウムを除く金属全体100モル%に対して、ニッケルの含有量が60モル%以上であり、アルミニウム含有量が0.8モル%ないし1.5モル%であり、ジルコニウム含有量が0.1モル%ないし0.3モル%であり、ジルコニウム含有量に対するアルミニウム含有量の比率(Al/Zr)が5以上である層状型のリチウムニッケル系複合酸化物を含み、前記2次粒子は、内部に気孔を有する中空型構造であり、前記2次粒子をなしている1次粒子の平均粒径D
50
は、1μmないし4μmである、請求項4に記載の正極。
【請求項6】
第2正極活物質の前記層状型のリチウムニッケル系複合酸化物は、化学式1で表されるものである、請求項5に記載の正極。
[化学式1]
Li
a1
Ni
x1

1
y1
Al
z1
Zr
w1

2-b1

b1
(前記の化学式1で、0.9≦a1≦1.2、0.6≦x1≦0.991、0≦y1≦0.391、0.008≦z1≦0.015、0.001≦w1≦0.003、0.9≦x1+y1+z1+w1≦1.1、および0≦b1≦0.1であり、M
1
は、B、Ba、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Nb、Si、Sn、Sr、Ti、V、W、およびZnより選択される一つ以上の元素であり、Xは、F、PおよびSより選択される一つ以上の元素である。)
【請求項7】
第2正極活物質の前記2次粒子の平均粒径D
50
は、10μmないし20μmである、請求項5に記載の正極。
【請求項8】
第2正極活物質の前記2次粒子の内部気孔の大きさは、1μmないし9μmである、請求項7に記載の正極。
【請求項9】
第1正極活物質と第2正極活物質の総100重量%に対して、第1正極活物質は、5重量%ないし60重量%で含まれ、第2正極活物質は、40重量%ないし95重量%で含まれる、請求項5に記載の正極。
【請求項10】
ニッケル前駆体とM
1
前駆体の共沈反応を施して粒子の内部に微細気孔を有するニッケル系複合水酸化物を準備し、
前記ニッケル系複合水酸化物、リチウム原料、アルミニウム原料、およびジルコニウム原料を混合して熱処理して、層状型のリチウムニッケル系複合酸化物を含み、複数の1次粒子が凝集してなる2次粒子として内部に気孔を有する中空型の2次粒子を製造し、
前記2次粒子を粉砕し、
正極活物質を得ることを含む正極活物質の製造方法であって、
前記M
1
は、B、Ba、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Nb、Si、Sn、Sr、Ti、V、W、およびZnより選択される一つ以上の元素であり、
前記ニッケル系複合水酸化物の金属全体、前記アルミニウム原料のアルミニウム、および前記ジルコニウム原料のジルコニウムの総合計100重量%に対して、アルミニウム原料のアルミニウム含有量は、0.8モル%ないし1.5モル%であり、ジルコニウム原料のジルコニウム含有量は、0.1モル%ないし0.3モル%であり、ジルコニウム含有量に対するアルミニウム含有量の比率(Al/Zr)は、5以上である、正極活物質の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
正極活物質とその製造方法、これを含む正極、およびリチウム二次電池に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノートパソコン、スマートホンなどの移動情報端末器の駆動電源として高いエネルギー密度を有するとともに、携帯が容易なリチウム二次電池が主に用いられている。最近は、エネルギー密度が高いリチウム二次電池をハイブリッド自動車や電気自動車の駆動用電源または電力貯蔵用電源として用いるための研究が活発に行われている。
【0003】
このような用途に適したリチウム二次電池を実現するために多様な正極活物質が検討されている。このうち、リチウムニッケル系酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物、リチウムコバルト酸化物などが主に正極活物質として用いられる。ニッケル含有量が約80モル%以上である高ニッケル系正極活物質は、高エネルギー密度を実現することができ、最近、活発に開発されているが、充放電による構造劣化、電解質との表面副反応、粒子クラックによる劣化などの色々な問題点を伴うという限界がある。これにより、高エネルギー密度および長寿命特性を実現する正極活物質に対する開発が要求される。
【0004】
高容量を実現する高ニッケル系正極活物質としては、一般に複数の1次粒子が凝集してなる2次粒子形態が主に用いられたが、最近は長寿命を実現し、ガス発生量を低減するために単粒子(single particle)形態が検討されている。しかし、単粒子を製造するために焼成温度を高めることにより、粒子間の凝集現象が増加し、生産性が減少するという問題が発生する。粒子間の凝集を解消し、焼成温度を下げるために単粒子合成時にアルカリ系粒成長促進剤を投入する研究が提案されたが、焼成後に残余の粒成長促進剤が正極内で抵抗として作用して寿命を減少させるという問題があって、残余の粒成長促進剤や残留塩を除去するために洗浄工程を経る場合には、製造費用が上昇し、過程が複雑になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルカリ系粒成長促進剤を用いることなく、比較的低い焼成温度で効果的に単粒子形態の高ニッケル系正極活物質を製造する方法を提案し、粒子間の凝集が減少して全体的な製造過程が簡単で経済的な方法を提案し、これにより構造的に安定して不純物が残留せず、抵抗が増加せず、長寿命を実現できる正極活物質を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態実施形態では、リチウムを除く金属全体100モル%に対して、ニッケルの含有量が60モル%以上であり、アルミニウムの含有量が0.8モル%ないし1.5モル%であり、ジルコニウムの含有量が0.1モル%ないし0.3モル%であり、ジルコニウム含有量に対するアルミニウム含有量の比率(Al/Zr)が5以上である層状型のリチウムニッケル系複合酸化物を含み、平均粒径D
50
が1μmないし4μmの単粒子形態の正極活物質を提供する。
【0007】
他の一実施形態実施形態では、ニッケル前駆体とM
1
前駆体の共沈反応を施して粒子の内部に微細気孔を有するニッケル系複合水酸化物を準備し、前記ニッケル系複合水酸化物、リチウム原料、アルミニウム原料、およびジルコニウム原料を混合して熱処理して、層状型のリチウムニッケル系複合酸化物を含み、複数の1次粒子が凝集してなる2次粒子として内部に気孔を有する中空型の2次粒子を製造し、前記2次粒子を粉砕し、正極活物質を得ることを含む正極活物質の製造方法であって、前記M
1
は、B、Ba、Ca、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Nb、Si、Sn、Sr、Ti、V、W、およびZnより選択される一つ以上の元素であり、前記ニッケル系複合水酸化物の金属全体、前記アルミニウム原料のアルミニウム、および前記ジルコニウム原料のジルコニウムの総合計100重量%に対して、アルミニウム原料のアルミニウム含有量は、0.8モル%ないし1.5モル%であり、ジルコニウム原料のジルコニウム含有量は、0.1モル%ないし0.3モル%であり、ジルコニウム含有量に対するアルミニウム含有量の比率(Al/Zr)は、5以上である、正極活物質の製造方法を提供する。
【0008】
他の一実施形態実施形態では、前述した正極活物質を含むリチウム二次電池用正極を提供する。
【0009】
他の一実施形態実施形態では、前記正極と、負極と、電解質と、を含むリチウム二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0010】
一実施形態実施形態に係る単粒子形態の高ニッケル系正極活物質は、比較的低い熱処理温度で簡単な方法で合成が可能であり、合成過程でアルキルリ系粒成長促進剤などを用いないため残留物が残らず、抵抗が増加せず、構造的に安定してリチウム二次電池の長寿命特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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