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公開番号2025082640
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023196111
出願日2023-11-17
発明の名称ポンプ装置およびポンプ装置の製造方法
出願人ニデックインスツルメンツ株式会社
代理人個人
主分類F04D 29/30 20060101AFI20250522BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】複数枚の羽根が形成される第1羽根部材と、第1羽根部材と別体で形成され第1羽根部材に固定される第2羽根部材とを有する羽根車を備えるポンプ装置において、ロータの径方向における第1羽根部材と第2羽根部材との相対位置精度を従来よりも高めることが可能なポンプ装置を提供する。
【解決手段】このポンプ装置では、第1羽根部材21は、第1羽根部材21に対して第2羽根部材22を位置決めするための位置決め突起21cを備えており、第2羽根部材22には、位置決め突起21cが係合する位置決め凹部22eが形成されている。ロータの径方向における位置決め突起21cの内側の面は、ロータの径方向で第1羽根部材21に対して第2羽根部材22を位置決めするための位置決め面となっており、この位置決め面は、ロータの軸方向から見たときの形状が羽根車2の軸心を曲率中心とする円弧状をなす凹曲面となっている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ロータおよびステータを有するモータと、前記ロータと一緒に回転する羽根車とを備え、
前記羽根車は、前記ロータの周方向に一定のピッチで配置される3枚以上の複数枚の羽根を有する樹脂製の第1羽根部材と、前記第1羽根部材と別体で形成されるとともに前記第1羽根部材に固定される樹脂製の第2羽根部材とを備え、
前記羽根車の軸心は、前記ロータの軸心と一致しており、
前記ロータの軸方向の一方側を第1方向側とし、前記第1方向側の反対側を第2方向側とすると、
前記第2羽根部材は、前記第1羽根部材の前記第1方向側に配置され、
前記第1羽根部材は、複数枚の前記羽根の前記第2方向側の端部が繋がる基部と、前記ロータの周方向および前記ロータの径方向で前記第1羽根部材に対して前記第2羽根部材を位置決めするための3個以上の複数の位置決め突起とを備え、
前記位置決め突起は、3枚以上の前記羽根の前記第1方向側の面に形成されるとともに前記羽根から前記第1方向側に突出し、
前記第2羽根部材には、前記位置決め突起が係合する位置決め凹部が形成され、
前記ロータの径方向における前記位置決め突起の内側の面は、前記ロータの径方向で前記第1羽根部材に対して前記第2羽根部材を位置決めするための位置決め面となっており、
前記位置決め面は、前記ロータの径方向の外側に向かって窪む凹曲面または平面であり、
前記位置決め面が凹曲面である場合、前記ロータの軸方向から見たときの前記位置決め面の形状は、前記羽根車の軸心を曲率中心とする円弧状となっており、
前記位置決め凹部には、前記位置決め面が当接する当接面が形成されていることを特徴とするポンプ装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記位置決め面は、凹曲面であり、
前記ロータの軸方向から見たときに、複数の前記位置決め面の全ての曲率半径が等しくなっていることを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記位置決め面は、平面であり、
前記ロータの軸方向から見たときに、前記位置決め面の垂直二等分線が前記羽根車の軸心を通過していることを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記ロータの径方向における前記位置決め突起の外側の面は、前記第1羽根部材の外周面の一部分を構成していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記羽根の、前記第1方向側には、複数枚の前記羽根に前記第2羽根部材を溶着して固定するときに溶融した溶着用の突起の根本部分である溶着用突起跡が形成され、
前記位置決め面は、前記ロータの径方向における前記溶着用突起跡の外側端との間に間隔をあけた状態で、前記ロータの径方向において前記溶着用突起跡よりも外側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記羽根の、前記第1方向側には、複数枚の前記羽根に前記第2羽根部材を溶着して固定するときに溶融した溶着用の突起の根本部分である溶着用突起跡が形成され、
前記位置決め面は、前記ロータの径方向において前記溶着用突起跡よりも外側に配置され、
前記ロータの周方向における前記位置決め突起の幅は、前記ロータの周方向における前記溶着用突起跡の幅よりも広くなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
【請求項7】
前記ロータの軸方向から見たときの前記羽根の形成方向における前記位置決め突起の幅は、前記ロータの周方向における前記位置決め突起の幅よりも広くなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
【請求項8】
前記ロータの周方向における前記位置決め突起の幅は、前記ロータの周方向における前記羽根の幅と等しくなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
【請求項9】
前記ロータの軸方向から見たときの前記位置決め突起の形状は、多角形状となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
【請求項10】
前記羽根は、前記基部に繋がる羽根本体と、前記羽根本体に沿って前記羽根本体の前記第1方向側の面に形成されるとともに前記羽根本体から前記第1方向側に突出する突出部とを備え、
前記第2羽根部材の前記第2方向側の面には、前記第1方向側に窪むとともに前記突出部が入り込む溝部が形成され、
前記位置決め突起は、前記ロータの径方向において前記突出部よりも外側に配置され、前記羽根本体の前記第1方向側の面に形成されるとともに前記羽根本体から前記第1方向側に突出し、
前記ロータの軸方向における前記位置決め突起の高さは、前記ロータの軸方向における前記突出部の高さよりも高くなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポンプ装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根車と、羽根車を回転させるモータとを備えるポンプ装置に関する。また、本発明は、かかるポンプ装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポンプ室の中に配置される樹脂製の羽根車(インペラ)と、羽根車を回転駆動するモータとを備えるポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のポンプ装置では、モータは、駆動用磁石を有するロータと、駆動用コイルを有するステータとを備えている。羽根車は、複数枚の羽根と、複数枚の羽根と一体で形成される基部と、羽根および基部と別体で形成されるカバー部(インペラカバー)とを備えている。羽根車の基部は、駆動用磁石を保持する磁石保持部材と一体で形成されており、羽根車は、ロータと一緒に回転する。羽根車の軸心は、ロータの軸心と一致している。
【0003】
特許文献1に記載のポンプ装置では、カバー部は、複数枚の羽根の端面(具体的には、ロータの軸方向における複数枚の羽根の一方の端面)に超音波溶着によって固定されている。カバー部が固定される前の複数枚の羽根の端面には、複数枚の羽根にカバー部を溶着して固定するための溶着用の突起が形成されている。また、複数枚の羽根の端面には、ロータの径方向およびロータの周方向において羽根および基部に対してカバー部を位置決めするための円柱状の位置決めピンが形成されている。
【0004】
特許文献1に記載のポンプ装置では、複数の位置決めピンは、たとえば、ロータの軸方向から見たときに羽根車の軸心を曲率中心とする仮想円上に配列されている。カバー部には、位置決めピンが係合する複数の係合穴が形成されている。特許文献1に記載のポンプ装置では、位置決めピンの外周面によって、ロータの径方向およびロータの周方向において羽根および基部に対してカバー部が位置決めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
中国特許出願公開第113790161号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者は、ポンプ室の中に配置される羽根車と、羽根車を回転させるモータとを備えるポンプ装置を開発している。このポンプ装置では、羽根車は、樹脂製の第1羽根部材と、第1羽根部材と別体で形成される樹脂製の第2羽根部材とを備えている。特許文献1に記載の羽根車と同様に、第1羽根部材は、ロータの周方向に一定のピッチで配置される複数枚の羽根と、複数枚の羽根の基端が繋がる基部とを備えている。第2羽根部材は、ロータの軸方向における複数枚の羽根の一方の端面に溶着等によって固定されている。開発中のポンプ装置において、ポンプ装置の性能を確保するためには、ロータの径方向における第1羽根部材と第2羽根部材との相対位置精度が高くなっていることが好ましい。
【0007】
そこで、本発明の課題は、複数枚の羽根が形成される樹脂製の第1羽根部材と、第1羽根部材と別体で形成されるとともに第1羽根部材に固定される樹脂製の第2羽根部材とを有する羽根車を備えるポンプ装置において、羽根車と一緒に回転するロータの径方向における第1羽根部材と第2羽根部材との相対位置精度を従来よりも高めることが可能なポンプ装置を提供することにある。また、本発明の課題は、かかるポンプ装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のポンプ装置は、ロータおよびステータを有するモータと、ロータと一緒に回転する羽根車とを備え、羽根車は、ロータの周方向に一定のピッチで配置される3枚以上の複数枚の羽根を有する樹脂製の第1羽根部材と、第1羽根部材と別体で形成されるとともに第1羽根部材に固定される樹脂製の第2羽根部材とを備え、羽根車の軸心は、ロータの軸心と一致しており、ロータの軸方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、第2羽根部材は、第1羽根部材の第1方向側に配置され、第1羽根部材は、複数枚の羽根の第2方向側の端部が繋がる基部と、ロータの周方向およびロータの径方向で第1羽根部材に対して第2羽根部材を位置決めするための3個以上の複数の位置決め突起とを備え、位置決め突起は、3枚以上の羽根の第1方向側の面に形成されるとともに羽根から第1方向側に突出し、第2羽根部材には、位置決め突起が係合する位置決め凹部が形成され、ロータの径方向における位置決め突起の内側の面は、ロータの径方向で第1羽根部材に対して第2羽根部材を位置決めするための位置決め面となっており、位置決め面は、ロータの径方向の外側に向かって窪む凹曲面または平面であり、位置決め面が凹曲面である場合、ロータの軸方向から見たときの位置決め面の形状は、羽根車の軸心を曲率中心とする円弧状となっており、位置決め凹部には、位置決め面が当接する当接面が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のポンプ装置では、第1羽根部材は、ロータの周方向およびロータの径方向で第1羽根部材に対して第2羽根部材を位置決めするための複数の位置決め突起を備えており、第2羽根部材には、位置決め突起が係合する位置決め凹部が形成されている。また、本発明では、ロータの径方向における位置決め突起の内側の面は、ロータの径方向で第1羽根部材に対して第2羽根部材を位置決めするための位置決め面となっており、位置決め凹部には、位置決め面が当接する当接面が形成されている。さらに、本発明では、位置決め面は、ロータの径方向の外側に向かって窪む凹曲面または平面であり、位置決め面が凹曲面である場合、ロータの軸方向から見たときの位置決め面の形状は、羽根車の軸心を曲率中心とする円弧状となっている。
【0010】
そのため、本発明では、羽根車の軸心に対する位置決め面の寸法公差を直接規定することが可能になる。これに対して、特許文献1に記載のポンプ装置では、位置決めピンの外周面によってロータの径方向において羽根および基部に対してカバー部が位置決めされており、羽根車の軸心に対する位置決めピンの外周面の寸法公差は、羽根車の軸心に対する位置決めピンの中心の寸法公差と位置決めピンの外径の寸法公差との和になる。したがって、本発明では、羽根車の軸心に対する位置決め面のばらつきを、特許文献1に記載のポンプ装置における、羽根車の軸心に対する位置決めピンの外周面の位置のばらつきよりも抑制することが可能になる。その結果、本発明では、ロータの径方向における第1羽根部材と第2羽根部材との相対位置精度を従来よりも高めることが可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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