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公開番号2025077071
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023188990
出願日2023-11-05
発明の名称分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法
出願人個人
代理人個人
主分類A01K 57/00 20060101AFI20250512BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】養蜂産業において、煩雑でなく、できる限り簡易な方法で養蜂家の労力をかけず、蜜蜂の飛散逃亡である分蜂を制御抑止し且つ一定数以上の蜜蜂群を常時確保し、従来方法にも増して大量の純粋な蜂蜜を採集するための養蜂技術を開発し提供すること。
【解決手段】蜜蜂群を産卵・育児群の巣箱と無蜂児採蜜群の巣箱との2タイプに分けて飼育し、その2タイプの組み合わせにより分蜂を抑えつつ採蜜量を上げるための分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法であって、産卵・育児群の巣箱と前記無蜂児採蜜群の巣箱の記載のステップに示す飼育方法による分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
蜜蜂群を産卵・育児群(産卵する女王蜂と育児を専門とする働き蜂の蜜蜂群)の巣箱と無蜂児採蜜群(蜜蜂の幼虫である蜂児がいない状態、つまり育児蜂である働き蜂が育児作業から解放され、多くの働き蜂が採蜜作業に参加するようになった蜜蜂群)の巣箱との2タイプに分けて飼育(飼養)し、前記2タイプの組み合わせにより分蜂を抑えつつ採蜜量を上げるための分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法であって、前記産卵・育児群の巣箱と前記無蜂児採蜜群の巣箱の各々の以下のステップに示す飼育方法(飼養方法)による分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法。
「産卵・育児群の巣箱のステップ」
ステップ1.
産卵・育児群の巣箱では、巣箱内の巣板(巣板及び巣枠及び巣礎枠を含めて巣板と称する。)の数を、満板の50%から80%に抑え、好ましくは10枚用のラングストロース式の巣箱の単箱又は同規模の巣箱で満板の50%から80%に抑え、巣板間及び巣板巣箱内壁間のビースペースである蜂の必要とする一定以上の巣板間隔約6.5mmから9.5mmを的確に確保した態様とし、できる限り多くの額面蜂児枠(額面蜂児枠とは、巣箱内の巣板が両面共に蜂児巣房で満たされた巣板及び巣枠を言う。)を作らせる。
ステップ2.
ステップ1でできた前記額面蜂児枠が出蜂児枠(出蜂児枠(でほうじわく)とは、蜂児が羽化する直前の巣板及び巣枠を言う。)になった時点で、前記出蜂児枠を抜き出して、前記出蜂児枠に王台(女王蜂の巣房)がある場合は前記王台を削除して、無蜂児採蜜群の巣箱に移動する。
ステップ3.
前記スッテプ2の後、抜き出した前記出蜂児枠の数だけ新しい巣板を前記産卵・育児群の巣箱に加える。
ステップ4.
前記ステップ2から前記ステップ3までを繰り返す。
「無蜂児採蜜群の巣箱のステップ」
ステップ1.
無蜂児採蜜群の巣箱内部の貯蜜部である巣板の間隔を、貯蜜間隔の約12mmから15mmに配置する。
ステップ2.
前記無蜂児採蜜群の巣箱内に、女王蜂を隔離した隔王かご若しくは王かご、又は女王蜂フェロモンを設置する。
ステップ3.
前記産卵・育児群の巣箱から移動した前記出蜂児枠を前記産卵・育児群の巣箱のステップ2の繰り返しに従い増やしていき、前記無蜂児採蜜群を増やし、採蜜に専念させる。
ステップ4.
前記無蜂児採蜜群の巣箱内の巣板に蜜がたまり、成熟した時点で前記巣板を抜き取り採蜜する。前記採蜜が終わった前記巣板は整理処理して元の前記無蜂児採蜜群の巣箱に戻す。
ステップ5.
前記ステップ3から前記ステップ4を繰り返す。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
蜜蜂群を産卵・育児群の巣箱と無蜂児採蜜群の巣箱との2タイプに分けて飼育し、前記2タイプの組み合わせにより分蜂を抑えつつ採蜜量を上げるための分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法であって、前記産卵・育児群の巣箱と前記無蜂児採蜜群の巣箱の各々の以下のステップに示す飼育方法による分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法。
「産卵・育児群の巣箱のステップ」
ステップ1.
産卵・育児群の巣箱は上下2段の巣箱とし、下段の巣箱と上段の巣箱(底板が無い密閉式継箱(つぎばこ)である。)の間に隔王板(女王蜂だけが通過できない巾の出入り枠である板)を設置する。
ステップ2.
前記産卵・育児群の下段の巣箱では、巣箱内の巣板の数を、満板の50%から80%に抑え、好ましくは10枚用のラングストロース式の巣箱の単箱又は同規模の巣箱で満板の50%から80%に抑え、巣板間及び巣板巣箱内壁間のビースペースである蜂の必要とする一定以上の巣板間隔約6.5mmから9.5mmを的確に確保した態様とし、女王蜂には前記下段の巣箱のみで産卵させ、できる限り多くの額面蜂児枠を作らせる。
ステップ3.
前記下段の巣箱の前記額面蜂児枠は、出蜂児枠になる前の蓋蜂児枠(蜂幼虫が蛹になり各巣房に蓋がかけられた状態の巣板及び巣枠)になった時点で上段の巣箱に移す。
ステップ4.
前記スッテプ3の後、移した前記蓋蜂児枠の数だけ新しい巣板を前記産卵・育児群の前記下段の巣箱に加える。
ステップ5.
前記上段の巣箱の前記額面蜂児枠が出蜂児枠になった時点、若しくは前記額面蜂児枠を前記上段に移動してから一週間経った時点で、その前記出蜂児枠を抜き出し、前記出蜂児枠に王台がある場合は前記王台を削除して、無蜂児採蜜群の巣箱に移動する。
ステップ6.
前記ステップ3から前記ステップ5までを繰り返す。
「無蜂児採蜜群の巣箱のステップ」
ステップ1.
無蜂児採蜜群の巣箱内部の貯蜜部である巣板の間隔を、貯蜜間隔である約12mmから15mm)に配置する。
ステップ2.
前記無蜂児採蜜群の巣箱を上下2段又は3段にする。
ステップ3.
前記無蜂児採蜜群の巣箱内及び/若しくは上下巣箱の間に、女王蜂を隔離した隔王かご若しくは王かご、又は女王蜂フェロモンを設置する。
ステップ4.
前記産卵・育児群の巣箱から移動した前記出蜂児枠を、前記産卵・育児群の巣箱の前記ステップ5に従い、前記無蜂児採蜜群の下段の巣箱から増やしていき、前記無蜂児採蜜群を増やし、採蜜に専念させる。
ステップ5.
前記無蜂児採蜜群の巣箱に入れた前記産卵・育児群からの前記出蜂児枠は、若い蜂が巣房から出終わった時点で、前記無蜂児採蜜群の下段の巣箱から抜き取り、上段の巣箱に移し、採蜜枠にする。
ステップ6.
前記無蜂児採蜜群の最上段の巣箱に蜜がたまり成熟した時点で、前記最上段の巣箱の巣板を抜き取り採蜜する。採蜜が終わった前記巣板は整理処理して元の前記巣箱に戻す。採蜜後の前記巣箱は、2段巣箱の場合は上段に置き、3段巣箱の場合は2段目に置き、元の2段目の巣箱を最上段に置く。
ステップ7.
前記ステップ4から前記ステップ6を繰り返す。
【請求項3】
蜜蜂群を産卵・育児群の巣箱と無蜂児採蜜群の巣箱との2タイプに分けて飼育し、前記2タイプの組み合わせにより分蜂を抑えつつ採蜜量を上げるための分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法である請求項2に記載の方法に用いる産卵・育児群の巣箱であって、
且つ、巣箱内の巣板の数を、満板の50%から80%に抑え、好ましくは10枚用のラングストロース式の巣箱の単箱又は同規模の巣箱で満板の50%から80%に抑え、巣板間及び巣板巣箱内壁間のビースペースである蜂の必要とする一定以上の巣板間隔約6.5mmから9.5mmを的確に確保した態様である産卵・育児群の巣箱を下段とし、その上段の巣箱を巣門の無い蓋蜂児育成用継箱とした請求項2に記載の2段重ねの巣箱であり、
女王蜂を前記産卵・育児群の下段の巣箱に隔離するために、前記産卵・育児群の巣箱と前記蓋蜂児育成用継箱との間に女王蜂だけが通過できない巾の出入り枠である隔王板を設置したこと、
に特徴を有する分蜂制御及び蜜量倍増養蜂の方法のための2段式産卵・育児群用巣箱。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蜜蜂(ミツバチ)を飼育し採蜜する養蜂産業における技術発明であり、特に蜜蜂の自然習性を利用して、採蜜に不利な分蜂などを制御し、特殊な養蜂箱及び配置を行い、蜜蜂による採蜜量(収蜜量・集蜜量とも言う。)を増加させる技術に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
蜜蜂は、ミツバチ科ミツバチ属に属する昆虫であり、巣内に蜂蜜(ハチミツ)を生成・貯蔵することが知られ、巣から蜂蜜や他の生産物(蜜ロウ、蜂ロウなど)を採取することができ、養蜂業として、巣箱(飼育箱)などの人工巣を用いて蜜蜂を飼育し、蜂蜜などを回収することが広く行われている。
【0003】
蜜蜂の巣箱では、出入り口である巣門を除いて略閉鎖された内部空間を備え、そこに複数枚の巣枠などが並べて配置され、蜜蜂は巣枠にハニカム状の巣である巣板を形成する構成になっている。本発明の説明においては、養蜂における巣箱内の特殊な構造物の名称や蜜蜂に関する特殊な名称を記載するため、その都度、説明記載する。
【0004】
養蜂には、日本を含む世界において、西洋蜜蜂(セイヨウミツバチ)が最も多く用いられている。養蜂で用いられる西洋蜜蜂には、大量の蜂蜜を採集でき、大きな個体群を維持しやすいなどの特徴がある。なお、日本蜜蜂(ニホンミツバチ)は 、西洋蜜蜂と比較して収蜜量が少なく、また、逃亡しやすいため、中規模以上の養蜂に用いられることは少ないが、日本蜜蜂の蜂蜜の味・品質などを好む人も多い ため、日本蜜蜂の養蜂も、主に個人又は小規模の単位で行われている。
【0005】
一般的に、蜜蜂は、1匹の女王蜂と多数の働き蜂とで群を形成する。女王蜂は巣内で産卵を続け、それらは主に働き蜂となり、働き蜂は、それぞれ役割の分担があり、育児蜂は蜜ロウを分泌して巣板・巣房を構築し、巣の手入れ、幼虫の世話などを行い、他の蜜蜂(採蜜蜂)は、花粉・花蜜の収集、蜂蜜への加工とその貯蔵などを行う。また、働き蜂は、巣板に王台と呼ばれる部屋を作り、そこで、幼虫にローヤルゼリーを与え、次代の女王蜂を育成する。
【0006】
例えば、働き蜂が増え、蜜蜂群の規模が拡大した場合、次代の女王蜂が誕生する時期に、蜜蜂群の分蜂が行われる。女王蜂と約半数の働き蜂が、今まで用いていた巣から出て、新しい営巣場所を探す。残りの約半数の働き蜂は今までの巣に残り、誕生する新しい女王蜂とともに、その巣を維持する。
【0007】
春一番の建勢給餌(建勢給餌とは、女王蜂が産卵し、蜜蜂の個体数を増やすために幼虫に餌を与えること)から2ヶ月ほどして、流蜜期(流蜜期とは、蜜源植物が開花し、一年内で、いちばんの収蜜期間で、これは地域によって異なる。)を迎える頃は、働き蜂の成虫・卵・幼虫・蛹が順調に増える時期でもある。この少し前から女王蜂は、オス蜂の産卵を開始し、蜂群内では分蜂(分蜂とは、上記のように女王蜂が、蜂群の約半分と一緒に、今の巣箱を離れて新天地を求めて引っ越しをすること。)の準備が始まっている。
【0008】
女王蜂は、流蜜期のピーク時には1日に3,000個以上も産卵するため、このピーク時には分蜂も盛んに起こる。女王蜂が分蜂すると、巣箱の働き蜂も約半数が減少するため、蜜蜂による採蜜が減り、巣箱での採蜜量が減少することになり、養蜂家にとっては好ましい現象ではない。多くの養蜂家にとって、分蜂させずに蜜をしっかり収集する蜜蜂の飼い方があれば上記の大きな損害を回避することができる。
【0009】
分蜂が始まる原因は、蜂群への複数の刺激が影響すると考えられており、以下にその主なものを示す。
1. 蜂群内の混雑(個体数が増加し、巣を拡張する余地がないため。)
2. 女王蜂フェロモンの濃度の低下(女王蜂の状態や蜂群の大きさに関係する。)
3. 周囲の花蜜源や花粉源になる植物が増えてくる。
4. 日照時間の延長
5. 女王蜂の年齢
6. 産卵スペースの不足
【0010】
その他にも蜂群が大きくなり、蜂密度が高くなると分蜂する傾向がみられ、巣箱の大きさに対する蜂の数が関わっている。つまり蜂の個体数が巣箱として利用可能なスペースを上回れば、分蜂するように促される。養蜂での通常の巣箱(単箱)は、10枚の巣板があり、巣板は両面で約6,400の巣房(六角形の蜂の巣)ができるため、64,000個の産卵スペースになる。しかし、女王蜂が毎日3,000個以上産卵するため、通常の巣箱(単箱)では、約21日で満杯になってしまう。実際には、花粉や貯蜜に使われる巣房もあるため、産卵可能巣房数は相当少なくなり、単箱では産卵スペースを十分に確保できない。よって、分蜂が促される。単箱を2段群にして確保した場合でも、今度は蜂群内の蜂の密度が高まり、いずれの場合も分蜂が起こる。最盛期には外部から蜜も多く入るので、巣板が不足し、産卵スペースは更に確保しにくくなり、分蜂が促される。本発明は、上記の蜂の個体数の多さ、つまり蜜蜂群の大きさが、分蜂を促す大きな要因であることに着目し、分蜂制御及び分蜂管理の方法を考案として提示するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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