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公開番号2025076327
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024180448
出願日2024-10-16
発明の名称メトロニダゾールの完全連続化学合成装置及び方法
出願人復旦大学,Fundan University
代理人個人
主分類C07D 233/94 20060101AFI20250508BHJP(有機化学)
要約【課題】生産効率が高く、製品品質が良好で、3廃(工業生産で生じる廃液・廃ガス・固形廃棄物)排出が少ないメトロニダゾールの完全連続化学合成装置及び方法を提供する。
【解決手段】2-メチルイミダゾールを出発原料として、複数の順に連通する、設計が改良されたマイクロミキサー、マイクロリアクタ、オンライン溶媒交換、試薬回収、低沸点試薬供給などの設備からなる完全連続装置を用い、3段階化学反応及び連続的操作により合成して高純度のメトロニダゾール製品を得るとともに、硫酸及びギ酸の回収再利用が実現され、エチレンオキシドの正確な連続供給の問題が解決される。得られた粗製品メトロニダゾールを脱色、再結晶、濾過、乾燥してメトロニダゾール精製品が得られ、純度が99.9%を超え、硫酸使用量は80%以上減少し、廃酸・廃塩の産生が効果的に減少し、生産コストが削減される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
順に連通する複数のマイクロミキサーと、マイクロリアクタと、オンライン溶媒交換及び試薬回収、低沸点試薬供給設備とからなる完全連続装置を使用するメトロニダゾールの完全連続化学合成装置及び方法であって、具体的なステップは、
(a)グリオキサール水溶液及びアセトアルデヒド水溶液を原料として混合したものを原料液Aとし、アンモニア水を原料液Bとし、原料液Aと原料液Bとを第1ミキサー内で十分に混合した後、第1マイクロリアクタに導入して2-メチルイミダゾールを含む反応液を生成し、反応液が第1溶媒交換システムに入り、そこで未反応のアルデヒド、アンモニア及び溶媒である水を速やかに除去し、生成物である2-メチルイミダゾールと硝酸溶液とを混合して原料液Cとし、
(b)原料液Cと濃硫酸とを第2ミキサー内で十分に混合し、その後、第2マイクロリアクタに導入して2-メチル-5-ニトロイミダゾールを生成し、反応液が負圧タンクに入り、そこで未反応の硝酸を除去して生成物である2-メチル-5-ニトロイミダゾールの硫酸溶液が得られ、この溶液を分流器により分流した一部を原料液Dとして次の反応に投入し、他部を再利用して濃硫酸と2-メチルイミダゾールとの反応液の代わりに混合し、反応して濃度がより高い2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液を生成し、これによって、原料液D中の2-メチル-5-ニトロイミダゾールの濃度が向上し、硫酸の消耗量が減少し、
(c)原料液Dとギ酸とを混合し、その後、エチレンオキシド輸送システムから定量的に輸送されるエチレンオキシドと混合し、マイクロリアクタ内で開環反応が発生して最終生成物であるメトロニダゾール溶液を生成し、メトロニダゾールの反応液が溶媒交換システム内に入り、ギ酸を除去してギ酸を回収して再利用し、残りの反応液が精製プロセスに入り、
(d)反応液精製:ギ酸が除去された前記反応液を溶媒交換システムにおける多機能撹拌釜においてpH2-6に調整し、濾過して2-メチル-5-ニトロイミダゾールが得られ、回収して再利用し、引き続きpH8-14に調整し、濾過して粗製品のメトロニダゾールが得られ、脱色、再結晶、濾過、乾燥により、純度が99.9%よりも高いメトロニダゾール精製品が得られる、
ことであることを特徴とする、メトロニダゾールの完全連続化学合成装置及び方法。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
ステップ(a)、(b)における前記ミキサーは、プレート型回字状通路構造を使用し、通路の幅が100μm-20mmであり、長さが1-2000mであり、適用流量が1mL-3000mL/minであることを特徴とする、請求項1に記載のメトロニダゾールの完全連続化学合成方法。
【請求項3】
ステップ(a)、(b)、(c)における前記マイクロリアクタは、プレート型X字状通路構造であり、流体通路のサイズが100μm-20mmであり、或いは、管状そらせ板充填式通路構造であり、流体通路のサイズが300μm-50mmであることを特徴とする、請求項1に記載のメトロニダゾールの完全連続化学合成方法。
【請求項4】
ステップ(a)、(c)における前記溶媒交換システムは、下記の2つの態様を含み、
態様1:具体的には、真空システム、冷却システム及び加熱循環システムが接続された多機能撹拌釜であり、前記冷却システムは、ジムロート冷却管であり、真空システムは、真空ポンプであり、加熱循環システムは、高低温複合機又は循環加熱オイルバスであり、管路を介して接続され、接続箇所としてフランジを使用し、前記多機能撹拌釜は、その釜体としてジャケット式熱交換構造を使用し、熱交換流体は下から導入されて上から排出され、熱交換通路内には蛇行スポイラーが設けられ、これによって、熱交換が均一になり、熱交換不感帯が回避され、多機能撹拌釜体の頂部には、材料入口が設けられ、ステップ(a)において2-メチルイミダゾールを含む反応液、ステップ(c)においてメトロニダゾールの反応液は、この材料入口より多機能撹拌釜に入り、入口の下端口は、釜体の下部から1/4高さまで延び入り、釜体の頂部には、出口が設けられ、この出口は、管路を介してジムロート冷却管の底部に接続され、ジムロート冷却管の底部には、別の出口が設けられ、この別の出口は、管路を介して凝縮回収した液体を回収するための液溜めタンクに接続され、ジムロート冷却管内の蛇行管路において冷流体は下から導入されて上から排出され、即ち、下部には冷却流体入口が設けられ、上部には冷却流体出口が設けられ、また、ジムロート冷却管の頂部は、管路を介して順に真空度調整バルブ及び真空ポンプに接続され、真空ポンプは、負圧源を提供し、真空度調整バルブは、多機能撹拌釜及び凝縮管内の負圧を調整し、低沸点化合物の気化速度を制御し、気化物が凝縮管で完全に凝縮できないことを防止するために使用され、高低温複合機又は循環加熱オイルバスは、管路を介して多機能撹拌釜に接続され、接続箇所としてフランジを使用し、熱流は循環ポンプにより導入され、低沸点物を除去した後、硝酸を加え、即ち、反応液中の低沸点化合物を除去した後、溶媒を硝酸溶液に交換し、途切れることのない連続操作を実現するために、2セットの多機能撹拌釜を並列に接続して交互に使用し、これによって、原料液Cの連続調製と次のニトロ化反応の連続応用を達成され、
態様2:窒素パージ機能を有する之字状スポイラーで充填された鉛直通路を使用し、マイクロリアクタから流出した2-メチルイミダゾールを含む反応液をこの通路内で濃縮し、この鉛直通路は、6組の字状スポイラーを有し、鉛直通路の外部に熱交換ジャケットが設けられ、底部に窒素ガス入口が設けられ、上部に窒素ガス出口が設けられ、これによって、窒素ガスが低沸点化合物を運んで鉛直通路から排出されるのに便利であり、之字状スポイラーは、液体の分散面積を増加させ、低沸点化合物の気化速度を向上させるために使用され、鉛直通路の外壁には、熱交換ジャケットが設けられ、これによって、通路における液体の温度及び低沸点化合物が気化した後に再度凝縮しないことが保証され、低沸点化合物の除去効率を向上させるために、濃縮される液体を予熱してから鉛直通路に導入すると同時に、不活性ガスである窒素ガスでパージして揮発物を速やかに除去し、蒸発効率を向上させ、材料入口は、鉛直通路の頂部から1/10延び入った位置であり、窒素ガス入口は、鉛直通路の底部であり、窒素ガスと液体がスポイラー上で十分に接触することで、低沸点化合物の気化が速くなり、窒素ガスの流動につれて鉛直通路から速やかに排出され、低沸点化合物の再液化が回避されるとともに、低沸点化合物の沸点温度以下で速やかな蒸発が実現され、反応液における温度に敏感で不安定な化合物の溶媒交換に適用され、窒素ガス出口は、鉛直通路の頂部に設けられ、さらに多機能撹拌釜における同様なジムロート冷却管に接続されて低沸点化合物を回収する
ことを特徴とする、請求項1に記載のメトロニダゾールの完全連続化学合成方法。
【請求項5】
ステップ(b)における前記分流器は、バルブに接続される調整可能な液体流量制御計であり、下記のように操作され、即ち、
マイクロリアクタにおける第1次反応により得られた2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液を蒸留して未反応の硝酸を回収した後、ニトロ化反応の濃硫酸の代わりに、新しい原料液Cと混合した後、マイクロリアクタに導入してニトロ化反応させ、第2次の2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液が得られ、この硫酸溶液を原料液Dとして、分流器を開放して次の反応に投入し、或いは、第2次の2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液を引き続き新しい原料液Cと混合してからマイクロリアクタに導入してニトロ化反応させ、第3次の2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液が得られ、2-メチル-5-ニトロイミダゾールの飽和硫酸溶液になった後、分流器を介して次の反応に投入し、これによって、ニトロ化反応における濃硫酸の消耗量が節約され、1バッチの硫酸を複数回使用して複数バッチの2-メチルイミダゾールをニトロ化することが実現されることを特徴とする、請求項1に記載のメトロニダゾールの完全連続化学合成方法。
【請求項6】
ステップ(c)における前記エチレンオキシド輸送システムは、具体的な構造がバッファタンクであり、バッファタンクにおいて、エチレンオキシドの管路入口はタンクの1/2位置に設けられ、出口管路は下部からタンク内の1/5-1/4位置まで延び入り、バッファタンクが満たされた後、窒素ガスで5-10barまで加圧し、これによって、室温下でのエチレンオキシドの気化による材料供給の不安定性が防止され、さらにシリンジポンプでエチレンオキシドを吸い取って1つのミキサー内に定量的に輸送して2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸/ギ酸溶液と混合し、目的生成物であるメトロニダゾールを調製することを特徴とする、請求項1に記載のメトロニダゾールの完全連続化学合成方法。
【請求項7】
ステップ(d)における反応液精製の具体的な操作プロセスは、
ギ酸を回収した後、メトロニダゾール(6)の反応液に対してオンラインpHメーターを用いて反応のpH値を監視し、アンモニア水又は液体アンモニアを加えてpH値を調整し、プランジャポンプを用いて反応液をオンラインフィルターに輸送し、pHが2-5で安定するまで濾液をpH値調整釜に戻し、
ステップ(c)におけるpHが2-6の前記メトロニダゾール溶液に対して、第2pH値調整釜にアンモニア水又は液体アンモニアを加えてpH値を調整し、プランジャポンプを用いて反応液をオンラインフィルターに輸送し、pHが8-12で安定するまで濾液をpH値調整釜に戻し、オンラインフィルターの濾過ケーキに対して回転式ブレードを用いて粗製品のメトロニダゾールを連続的に掻き出し、脱色及び再結晶により、純度が99.9%よりも高い精製品メトロニダゾールが得られる、
ことであることを特徴とする、請求項1に記載のメトロニダゾールの完全連続化学合成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学技術分野に関し、具体的には、メトロニダゾールの完全連続化学合成装置及び方法に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
メトロニダゾール(Metronidazole,分子式:C







,CAS番号:443-48-1;化学名称:1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-ニトロイミダゾール)は、白色または淡黄色の結晶または結晶性粉末である。メトロニダゾールはニトロイミダゾール系抗原虫薬であり、嫌気性細菌によって引き起こされる感染症の予防と治療に主に臨床的に使用されている。1978年、メトロニダゾールは世界保健機関によって嫌気性感染症に対する必須薬剤として選ばれた。
【0003】
現在、メトロニダゾールの生産は、通常、バッチ式釜型反応プロセスを使用しており、反応時間が長く、エネルギー消耗が多く、主な原料である2-メチル-5-ニトロイミダゾールの転化率が低く、エチレンオキシド副反応がひどく、大量の廃酸・廃塩が生成されるなどの問題がある。特許CN110669011Aには、メトロニダゾール原薬を合成する新しいマイクロチューブリアクタが開示されている。この方法では、2-メチル-5-ニトロイミダゾールを原料とし、フィラーが充填された市販のコイルリアクタの混合セグメントで混合した後、内径4-20mmのコイルリアクタ内に導入してヒドロキシエチル化反応が発生し、これによって、低沸点エチレンオキシドの揮発が回避され、エチレンオキシドの利用効率が向上する。しかし、エチレンオキシドを事前に低温液体に下げる必要があるため、エネルギー消耗が増加し、エチレンオキシドの沸点が低いため、異なる室温条件下でエチレンオキシドの蒸気圧の変化が大きいことで、計量ポンプの正確性が低下し、反応の転化率及び選択性に影響を与える問題がある。特許CN111574459Aにはメトロニダゾールの製造方法が開示されている。同様に2-メチル-5-ニトロイミダゾールを原料とし、エチレンオキシドの多段階でのマルチバッチの添加によりエチレンオキシドの利用率を向上させ、エチレンオキシドの揮発を減少させる。しかし、釜式リアクタにおいて行われ、多段階のエチレンオキシド添加にかかる時間が長く、操作が複雑で、生産効率が低い。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の問題に対して、本発明の目的は、生産効率が高く、製品品質が良好で、3廃(工業生産で生じる廃液・廃ガス・固形廃棄物)排出が少ないメトロニダゾールの完全連続化学合成装置及び方法を提供することにある。
【0005】
本発明で提供されるメトロニダゾールの完全連続化学合成方法において、2-メチルイミダゾールを出発原料として、マイクロミキサー、マイクロリアクタ、自社で設計された溶媒交換システム、自社で設計されたエチレンオキシド輸送システムを用い、3段階化学反応及び連続的操作により合成して高純度のメトロニダゾール製品を得るとともに、硫酸及びギ酸の回収再利用が実現され、エチレンオキシドの正確な連続供給の問題が解決され、3廃の排出が顕著に減少し、連続的な合成により生産効率及びプロセス制御の正確さが大幅に向上し、製品品質の安定性が保証される。
【0006】
本発明で提供されるメトロニダゾールの完全連続化学合成方法において、順に連通する複数のマイクロミキサーと、マイクロリアクタと、オンライン溶媒交換及び試薬回収、低沸点試薬供給などの設備とからなる完全連続装置を使用する。具体的なステップは、
(a)グリオキサール水溶液及びアセトアルデヒド水溶液を原料として混合したものを原料液Aとし、アンモニア水を原料液Bとし、原料液Aと原料液Bとを第1ミキサー内で十分に混合した後、第1マイクロリアクタに導入して2-メチルイミダゾールを含む反応液を生成し、反応液が第1溶媒交換システムに入り、そこで未反応のアルデヒド、アンモニア及び溶媒である水を速やかに除去し、生成物である2-メチルイミダゾールと硝酸溶液とを混合して原料液Cとし、
(b)原料液Cと濃硫酸とを第2ミキサー内で十分に混合し、その後、第2マイクロリアクタに導入して2-メチル-5-ニトロイミダゾールを生成し、反応液が負圧タンクに入り、そこで未反応の硝酸を除去して生成物である2-メチル-5-ニトロイミダゾールの硫酸溶液が得られ、この溶液を分流器により分流した一部を原料液Dとして次の反応に投入し、他部を再利用して濃硫酸と2-メチルイミダゾール(4)との反応液の代わりに混合し、反応して濃度がより高い2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液を生成し、これによって、原料液D中の2-メチル-5-ニトロイミダゾールの濃度が向上し、硫酸の消耗量が大幅に減少し、
(c)原料液Dとギ酸とを混合し、その後、自社製のエチレンオキシド輸送システムから定量的に輸送されるエチレンオキシドと混合し、マイクロリアクタ内で開環反応が発生して最終生成物であるメトロニダゾール溶液を生成し、メトロニダゾールの反応液が自社で設計された溶媒交換システム内に入り、ギ酸を除去してギ酸を回収して再利用し、残りの反応液が精製プロセスに入り、
(d)反応液精製:ギ酸が除去された前記反応液を溶媒交換システムにおける多機能撹拌釜においてpH2-6に調整し、濾過して2-メチル-5-ニトロイミダゾールが得られ、回収して再利用し、引き続きpH8-14に調整し、濾過して粗製品のメトロニダゾールが得られ、脱色、再結晶、濾過、乾燥により、純度が99.9%よりも高いメトロニダゾール精製品が得られる、
ことである。
【0007】
好ましくは、ステップ(a)、(b)における前記ミキサーは、本発明で特別に設計されたものであり、その構造は、図4に示されるように、具体的には、プレート型回字状通路(channel)構造であり、通路の幅が100μm-20mmであり、長さが1-2000mであり、適用流量が1mL-3000mL/minである。
【0008】
好ましくは、ステップ(a)、(b)、(c)における前記マイクロリアクタは、プレート型X字状通路構造であり、流体通路のサイズが100μm-20mmであり、或いは、管状そらせ板充填式通路構造であり、流体通路のサイズが300μm-50mmである(図5を参照)。
【0009】
好ましくは、ステップ(a)、(c)における前記溶媒交換システムは、本発明で特別に設計されたものであり、2つの態様を含む。
態様1:その構造は、図2に示されるように、具体的には、真空システム、冷却システム及び加熱循環システムが接続された多機能撹拌釜であり、前記冷却システムは、ジムロート冷却管であり、真空システムは、真空ポンプであり、加熱循環システムは、高低温複合機又は循環加熱オイルバスであり、管路を介して接続され、接続箇所としてフランジを使用し、前記多機能撹拌釜は、その釜体としてジャケット式熱交換構造を使用し、熱交換流体は下から導入されて上から排出され、熱交換通路内には蛇行スポイラーが設けられ、これによって、熱交換が均一になり、熱交換不感帯が回避され、多機能撹拌釜体の頂部には、材料入口が設けられ、ステップ(a)において2-メチルイミダゾールを含む反応液、ステップ(c)においてメトロニダゾールの反応液は、この材料入口より多機能撹拌釜に入り、入口の下端口は、釜体の下部から1/4高さまで延び入り、釜体の頂部には、出口が設けられ、この出口は、管路を介してジムロート冷却管の底部に接続され、ジムロート冷却管の底部には、別の出口が設けられ、この別の出口は、管路を介して凝縮回収した液体を回収するための液溜めタンクに接続され、ジムロート冷却管内の蛇行管路において冷流体は下から導入されて上から排出され、即ち、下部には冷却流体入口が設けられ、上部には冷却流体出口が設けられ、また、ジムロート冷却管の頂部は、管路を介して順に真空度調整バルブ及び真空ポンプに接続され、真空ポンプは、負圧源を提供し、真空度調整バルブは、多機能撹拌釜及び凝縮管内の負圧を調整し、低沸点化合物の気化速度を制御し、気化物が凝縮管で完全に凝縮できないことを防止するために使用され、高低温複合機又は循環加熱オイルバスは、管路を介して多機能撹拌釜に接続され、接続箇所としてフランジを使用し、熱流は循環ポンプにより導入され、低沸点物を除去した後、硝酸を加え、即ち、反応液中の水などの低沸点化合物を除去した後、溶媒を硝酸溶液に交換し、途切れることのない連続操作を実現するために、2セットの多機能撹拌釜を並列に接続して交互に使用し、これによって、原料液Cの連続調製と次のニトロ化反応の連続応用を達成される。
態様2:窒素パージ機能を有する之字状スポイラーで充填された鉛直通路を使用し(図3を参照)、マイクロリアクタから流出した2-メチルイミダゾールを含む反応液をこの通路内で濃縮し、この鉛直通路は、6組の字状スポイラーを有し、鉛直通路の外部に熱交換ジャケットが設けられ、底部に窒素ガス入口が設けられ、上部に窒素ガス出口が設けられ、これによって、窒素ガスが低沸点化合物を運んで鉛直通路から排出されるのに便利であり、之字状スポイラーは、液体の分散面積を増加させ、低沸点化合物の気化速度を向上させるために使用され、鉛直通路の外壁には、熱交換ジャケットが設けられ、これによって、通路における液体の温度及び低沸点化合物が気化した後に再度凝縮しないことが保証され、低沸点化合物の除去効率を向上させるために、濃縮される液体を予熱してから鉛直通路に導入すると同時に、窒素ガスのような不活性ガスでパージして揮発物を速やかに除去し、蒸発効率を向上させ、材料入口は、鉛直通路の頂部から1/10延び入った位置であり、窒素ガス入口は、鉛直通路の底部であり、窒素ガスと液体がスポイラー上で十分に接触することで、低沸点化合物の気化が大幅に速くなり、窒素ガスの流動につれて鉛直通路から速やかに排出され、低沸点化合物の再液化が回避されるとともに、低沸点化合物の沸点温度以下で速やかな蒸発が実現され、反応液における温度に敏感で不安定な化合物の溶媒交換に適用され、窒素ガス出口は、鉛直通路の頂部に設けられ、さらに多機能撹拌釜における同様なジムロート冷却管に接続されて低沸点化合物を回収する。
【0010】
好ましくは、ステップ(b)における前記分流器は、バルブに接続される調整可能な液体流量制御計であり、下記のように操作され、即ち、マイクロリアクタにおける第1次反応により得られた2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液を蒸留して未反応の硝酸を回収した後、ニトロ化反応の濃硫酸の代わりに、新しい原料液Cと混合した後、マイクロリアクタに導入してニトロ化反応させ、第2次の2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液が得られ、この硫酸溶液を原料液Dとして分流器を開放して次の反応に投入してもよく、或いは、第2次の2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液を引き続き新しい原料液Cと混合してからマイクロリアクタに導入してニトロ化反応させ、第3次の2-メチル-5-ニトロイミダゾール硫酸溶液が得られ、2-メチル-5-ニトロイミダゾールの飽和硫酸溶液になった後、分流器を介して次の反応に投入し、これによって、ニトロ化反応における濃硫酸の消耗量が節約され、1バッチの硫酸を複数回使用して複数バッチの2-メチルイミダゾールをニトロ化することが実現される。
(【0011】以降は省略されています)

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