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公開番号2025075336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186417
出願日2023-10-31
発明の名称放射冷却膜及び放射冷却部材、これを用いた熱制御装置
出願人キヤノン電子株式会社
代理人
主分類C09K 5/08 20060101AFI20250508BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】高温時の放射冷却効率を上げることができる放射冷却膜を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の放射冷却膜4は、所定温度より高温では絶縁体相をとり高放射率で、低温では金属相をとり低放射率であり、放射率が連続的に変化する放射率遷移温度内に、173~373Kにおける最大放射率と最小放射率の中間の放射率を有する放射率半値温度を持つ相変化物質からなる主放射体層2と、太陽光を反射し、且つ光波長3~15μmにおいて、前記放射率半値温度における黒体放射のピーク波長よりも短波長側に放射率最大ピーク波長を有する放射補助積層体3と、を有し、放射補助積層体3は主放射体層2よりも太陽光側に配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
所定温度より高温では絶縁体相をとり高放射率で、低温では金属相をとり低放射率であり、放射率が連続的に変化する放射率遷移温度内に、173~373Kにおける最大放射率と最小放射率の中間の放射率を有する放射率半値温度を持つ相変化物質からなる主放射体層と、
太陽光を反射し、且つ光波長3~15μmにおいて、前記放射率半値温度における黒体放射のピーク波長よりも短波長側に放射率最大ピーク波長を有する放射補助積層体と、
を有し、
前記放射補助積層体は前記主放射体層よりも太陽光側に配置されていることを特徴とする放射冷却膜。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記放射補助積層体の光波長3~15μmにおける放射率ピーク波長の少なくとも一部が、前記放射率遷移温度の内、最も高温時の黒体放射のピーク波長よりも長波長側に存在することを特徴とする請求項1に記載の放射冷却膜。
【請求項3】
前記相変化物質が、ペロブスカイト型マンガン酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の放射冷却膜。
【請求項4】
前記放射補助積層体が、
少なくともSiO

、SiO、MgOを含むことを特徴とする請求項1に記載の放射冷却膜。
【請求項5】
前記放射補助積層体が、
光波長3~15μmにおいて有意な吸収を有する有機層を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射冷却膜。
【請求項6】
前記放射補助積層体が、
光波長0.4~0.7μmにおいて、平均反射率70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の放射冷却膜。
【請求項7】
前記放射補助積層体が、
光波長3~15μmにおいて放射率が50%以上となる放射率最大ピーク波長を有することを特徴とする請求項1に記載の放射冷却膜。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に形成された、
請求項1~7のいずれか一項に記載の放射冷却膜を有することを特徴とした放射冷却部材。
【請求項9】
請求項8に記載の放射冷却部材を有する熱制御装置。
【請求項10】
宇宙空間を航行する航行体の表面に形成されたことを特徴とする請求項9に記載の熱制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は赤外放射を利用した放射冷却膜及び放射冷却部材、これらを搭載した熱制御装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
絶対温度が0Kでない物質は、その表面から電磁波を放射している。この電磁波の放射により物体の温度が下がる現象は放射冷却と呼ばれる。放射冷却現象を効率的に利用するために、赤外波長領域に高い放射率を有する放射冷却膜を冷却対象物に設け、電気などのエネルギーを用いない冷却手法が開発されている。
【0003】
近年、高温時には放射率が高く、低温時には放射率が低くなるような、温度により放射率が変化する放射冷却膜も検討されており、例えば、相転移温度を境に金属-絶縁体に相変化する相変化物質を使用した放射冷却膜及び熱制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3221412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ペロブスカイト型マンガン酸化物を使用することで、相転移温度よりも高い温度では絶縁体相をとり高放射率で、相転移温度よりも低い温度では金属相であり低放射率である相転移材料を使用した熱制御装置が開示されている。しかしながら、このような相転移物質は、絶縁体相であっても、一般的な温度で放射冷却に有効と考えられる3~15μm程度の波長領域において数十%程度の反射率を有し、放射率は70%程度に抑制され、高温時の放射冷却効果が十分に得られないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の放射冷却膜は、所定温度より高温では絶縁体相をとり高放射率で、低温では金属相をとり低放射率であり、放射率が連続的に変化する放射率遷移温度内に、173~373Kにおける最大放射率と最小放射率の中間の放射率を有する放射率半値温度を持つ相変化物質からなる主放射体層と、
太陽光を反射し、且つ光波長3~15μmにおいて、前記放射率半値温度における黒体放射のピーク波長よりも短波長側に放射率最大ピーク波長を有する放射補助積層体と、を有し、
前記放射補助積層体は前記主放射体層よりも太陽光側に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、主放射体層の放射率半値温度よりも高い温度で放射率を効果的に上昇させることができ、高温時の放射冷却効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係る放射冷却膜及び放射冷却部材
太陽光の放射エネルギースペクトル
実施例1に係る放射冷却膜及び放射冷却部材
実施例1に係る主放射体層の放射率温度依存特性
実施例1に係る放射補助積層体の反射率特性
実施例1に係る放射補助積層体の放射特性
実施例2に係る放射冷却膜及び放射冷却部材
実施例2及び実施例3に係る主放射体層の放射率温度依存特性
実施例2に係る放射補助積層体の反射率特性
実施例2に係る放射補助積層体の放射特性
実施例3に係る放射冷却膜及び放射冷却部材
実施例3に係る放射補助積層体の反射率特性
実施例3に係る放射補助積層体の放射特性
本発明に係る熱制御装置
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を基に本発明の放射冷却膜について説明する。
【0010】
本発明の放射冷却膜及び放射冷却膜を有する放射冷却部材を図1に示す。図1より、本発明の放射冷却膜4は相変化物質からなる主放射体層2と、主放射体層2上に形成された放射補助積層体3とからなる。放射冷却膜4は基材1上に形成して、放射冷却部材5とすることもできる。
(【0011】以降は省略されています)

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