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公開番号2025071344
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2025029656,2021126119
出願日2025-02-27,2021-07-30
発明の名称樹脂組成物、絶縁電線および樹脂組成物の製造方法
出願人株式会社プロテリアル
代理人
主分類C08L 27/06 20060101AFI20250424BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】アンチモンおよびビスフェノールAを含有しないことによる環境性能の向上を図
りながら、変色を抑制し、難燃性およびゲル分率の向上を図ることができる樹脂組成物を
提供する。
【解決手段】塩化ビニル樹脂と、第1添加物群と、第2添加物群と、架橋助剤と、を有する、樹脂組成物であって、前記第1添加物群は、酸化チタンと、ステアリン酸亜鉛と、を含み、前記第2添加物群は、水酸化アルミニウムと、クレーと、シリカと、を含み、ゲル分率が45質量%以上であり、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対する前記第1添加物群の合計添加量を前記樹脂組成物の総量で除した分率値Aは、1質量%以上2質量%以下であり、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対する前記第2添加物群の合計添加量を前記樹脂組成物の総量で除した分率値Bは、6.51質量%以上15質量%以下であり、アンチモンおよびビスフェノールAが非含有である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩化ビニル樹脂と、第1添加物群と、第2添加物群と、架橋助剤と、を有する、樹脂組成物であって、
前記第1添加物群は、酸化チタンと、ステアリン酸亜鉛と、を含み、
前記第2添加物群は、水酸化アルミニウムと、クレーと、シリカと、を含み、
ゲル分率が45質量%以上であり、
前記塩化ビニル樹脂100質量部に対する前記第1添加物群の合計添加量を前記樹脂組成物の総量で除した分率値Aは、1質量%以上2質量%以下であり、
前記塩化ビニル樹脂100質量部に対する前記第2添加物群の合計添加量を前記樹脂組成物の総量で除した分率値Bは、6.51質量%以上15質量%以下であり、
アンチモンおよびビスフェノールAが非含有である、樹脂組成物。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
請求項1に記載の樹脂組成物において、
前記第1添加物群は、
ステアロイルベンゾイルメタンと、
トリヒドロキシエチルイソシアネートと、
を含む、樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物は、ハイドロタルサイトを含む、樹脂組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の樹脂組成物において、
前記ハイドロタルサイトは、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、5質量部以上15質量部未満含まれている、樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記酸化チタンは、
前記酸化チタンを覆う第1被覆層と、
前記第1被覆層を覆う第2被覆層と、
によって覆われている、樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の樹脂組成物において、
前記第1被覆層は、酸化アルミニウムから構成され、
前記第2被覆層は、ポリオールから構成されている、樹脂組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の樹脂組成物において、
前記ポリオールは、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのいずれかを含む、樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物は、酸化防止剤を含む可塑剤を有し、
前記酸化防止剤は、1分子中にヒドロキシ基を3つ以上有する構造の物質から構成され、
前記酸化防止剤の添加量は、前記可塑剤の総添加量のうちの0.5質量%以下である、樹脂組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の樹脂組成物において、
前記可塑剤は、トリメリット酸エステルを含み、
前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤である、樹脂組成物。
【請求項10】
請求項8に記載の樹脂組成物において、
前記可塑剤は、
トリメリット酸エステルと、
塩素化ポリエチレンと、
を含む、樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、絶縁電線および樹脂組成物の製造技術に関し、例えば、UL規格にしたがった絶縁電線およびこの絶縁電線に適用可能な樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電子機器類の内部配線に使用される絶縁電線は、電子機器類の故障や不具合などに起因する発火現象に際して、絶縁電線を伝わって炎が広がらないようにするため、難燃性を有することが求められている。例えば、絶縁電線の難燃性の基準は、米国のUL758規格などで定められている。UL758規格が要求する項目には、垂直燃焼試験(以下、「VW-1試験」という)がオプションとして設けられている。ただし、ほとんどの絶縁電線が、この「VW-1試験」に合格してUL規格に認定されていることから、オプション規格とはいえ「VW-1試験」は、必須項目に近い項目である。
【0003】
このような絶縁電線の被覆材の主原料としては、塩化ビニル樹脂(PVC)が使用されている。塩化ビニル樹脂は、化学構造中にハロゲン元素である塩素を含んでいるため、塩化ビニル樹脂自体の難燃性は高い。ところが、塩化ビニル樹脂は硬質であることから、絶縁電線の被覆材として使用する場合には軟化させる必要がある。このため、塩化ビニル樹脂に対して可燃性の可塑剤を多量に添加している。この結果、塩化ビニル樹脂を使用した絶縁電線では、難燃剤を添加しないと、上述した難燃性の基準を満たすことができない。
【0004】
難燃剤としては、一般的に三酸化アンチモンが使用されてきた。ただし、三酸化アンチモンは、劇薬であるため、製造にあたっては厳格な管理が必要となり使用することを回避したい材料である。さらに、アンチモンは希少な金属でもあり、価格も上昇傾向にあることから、絶縁電線の製造コストの上昇を抑制する観点からも使用を避けたい材料である。
【0005】
このことから、三酸化アンチモンに替わる難燃剤として、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物が用いられてきている。
【0006】
例えば、特開2011-26427号公報(特許文献1)には、塩化ビニル樹脂と、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムと、可塑剤と、非鉛系安定剤とを含む塩化ビニル樹脂組成物であって、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムの含有量が、塩化ビニル樹脂の含有量100質量部に対して、8質量部以上22質量部以下で、かつ、アンチモンの含有量が1000ppm未満である塩化ビニル樹脂組成物に関する技術が記載されている。
【0007】
また、塩化ビニル樹脂組成物には、可塑剤として、トリメリット酸エステルが使用されることが多い。このトリメリット酸エステルには、酸化防止剤として、ビスフェノールAが添加されているものがある。この点に関し、近年では、環境対応および環境法規制の観点から、ビスフェノールAを使用しない、いわゆる「ノンビス化」が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-26427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、例えば、絶縁電線に使用される樹脂組成物には、アンチモンおよびビスフェノールAを含有しない、いわゆる「アンチモンフリー化」および「ノンビス化」が進められている。この点に関し、本発明者は、樹脂組成物の「アンチモンフリー化」および「ノンビス化」を進めると、以下に示す改善の余地が顕在化することを新規に見出した。
(1)アンチモンに替わる難燃剤を使用することによる樹脂組成物の変色現象
(2)ゲル分率(架橋度)が向上しない現象
(3)難燃性が低下する現象
このような現象が生じる結果、例えば、電子線で架橋した樹脂組成物の「アンチモンフリー化」および「ノンビス化」が進まない現状がある。したがって、電子線で架橋した樹脂組成物の「アンチモンフリー化」および「ノンビス化」を進めるために、上述した改善の余地を克服する工夫が望まれている。
【0010】
本発明の目的は、アンチモンおよびビスフェノールAを含有しないことによる環境性能の向上を図りながら、変色を抑制し、難燃性およびゲル分率の向上を図ることができる樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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