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公開番号
2025067571
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023177660
出願日
2023-10-13
発明の名称
転がり軸受用冠形保持器、及び転がり軸受
出願人
日本精工株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
F16C
33/41 20060101AFI20250417BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】ポケットの内部での潤滑性を高めながら保持器強度の低下を抑制することが可能な転がり軸受用冠形保持器、及び転がり軸受を提供する。
【解決手段】樹脂製の転がり軸受用冠形保持器1Aは、円環状の基部10と、基部10の軸方向一端側面12から、周方向に所定の間隔で軸方向に突出する奇数個の柱部20と、隣り合う一対の柱部20の互いに対向する内面22と軸方向一端側面12とによって形成され、玉を保持する奇数個のポケット30と、柱部20における基部10の軸方向他端側面14からポケット30の内面22に貫通する肉抜き部70,74と、を備える。いずれか一つの柱部20の表面には溶融樹脂が充填された1つのゲート痕50を有し、ゲート痕50を有する柱部20以外の複数の柱部20における1箇所の肉抜き部74は、他の肉抜き部70よりも大きさが小さくされる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
円環状の基部と、
前記基部の軸方向一端側面から、周方向に所定の間隔で軸方向に突出する奇数個の柱部と、
隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する内面と前記軸方向一端側面とによって形成され、軸受の転動体を保持する奇数個のポケットと、
前記柱部における前記基部の軸方向他端側面から前記ポケットの内面に貫通する肉抜き部と、
を備える樹脂製の転がり軸受用冠形保持器であって、
いずれか一つの前記柱部の表面には溶融樹脂が充填された1つのゲート痕を有し、
前記ゲート痕と前記転がり軸受用冠形保持器の中心軸とを通る仮想平面に対して非対称の形状となり、且つ体積が異なるように構成されている、
ことを特徴とする転がり軸受用冠形保持器。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
前記ゲート痕を有する前記柱部以外の複数の前記柱部における1箇所の前記肉抜き部は、他の前記肉抜き部よりも大きさが小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用冠形保持器。
【請求項3】
前記ゲート痕を有する前記柱部以外の複数の前記柱部における1箇所には、前記肉抜き部が形成されていない、
ことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用冠形保持器。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載された転がり軸受用冠形保持器が組み込まれた転がり軸受であって、
前記肉抜き部にはグリースが充填される、
ことを特徴とする転がり軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受用冠形保持器、及び転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、転がり軸受用冠形保持器は、円筒形に形成されており、その周方向数箇所には転動体を収容するポケットが形成されている。各ポケットは、回転軸方向の一側が開放されており、その内面は転動体である玉に沿って湾曲した曲面となっている。そして、このような転がり軸受用冠形保持器は、内輪、外輪及び玉を備えた転がり軸受に設けられている。この転がり軸受の内部には、グリースなどの潤滑剤が充填される。
【0003】
ところで、転がり軸受用冠形保持器(以後、単に冠形保持器と呼ぶことがある。)は、軸受装着状態において、軸受内部の環状空間での保持器背面側のスペースが狭くなる。そのため、冠形保持器のポケット内部への潤滑剤の流入は、主としてポケットの開放側からだけとなり、ポケットの内部での潤滑性が不十分になりやすい。
【0004】
そこで、特許文献1記載のラジアル玉軸受では、冠形保持器における円環状の基部の軸方向一端側面(保持器正面)に、円周に沿うように均等配置された複数のポケットが設けられると共に、隣接するポケットの間の部分における基部の軸方向他端側面(保持器背面)には、複数の溝が設けられている。そして、冠形保持器の各ポケットに対称に設けられた2個の貫通孔が、基部の軸方向他端側面に設けられた隣接する溝にそれぞれ連通することで、冠形保持器はポケットの内部での潤滑性が高められている。
【0005】
一般的に、樹脂製の冠形保持器は、射出成形により製造される。具体的には、図8に示すように、成形金型100に成形体である転がり軸受用樹脂製保持器に対応する環状のキャビティ140を形成し、このキャビティ140の周縁部に設けた樹脂射出ゲート150から溶融された樹脂材料を注入し、冷却固化することによって製造される。通常、樹脂射出ゲート150は、円環状の基部と共にポケットを形成している軸方向に延びた柱部に設けられる。
【0006】
キャビティ140に注入された溶融樹脂は、図8中の矢印で示すように、環状のキャビティ140内を左右に二つの流れとなって流動し、樹脂射出ゲート150の対角位置で再び合流し、相互に接合されてウェルド部160が形成される。一般に、この様に射出成形された軸受用樹脂製保持器は、溶融樹脂が融着一体化しただけのものであるため、溶融樹脂の均一な混合が起こらず、ウェルド部160において強度が低下することがよく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
中国実用新案登録第208900540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、奇数個のポケットを有する上記特許文献1等に記載の冠形保持器においては、射出成形時に生じるウェルド部が、ゲート位置から180°隔たった位置(対角位置)にある保持器の応力集中部であるポケット底に位置してしまう。そこで、保持器に応力が掛かった際には、ウェルド部のあるポケット底から破損する可能性がある。
【0009】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ポケットの内部での潤滑性を高めながら保持器強度の低下を抑制することが可能な転がり軸受用冠形保持器、及び転がり軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明に係る転がり軸受用冠形保持器、及び転がり軸受は、下記を特徴としている。
(1) 円環状の基部と、
前記基部の軸方向一端側面から、周方向に所定の間隔で軸方向に突出する奇数個の柱部と、
隣り合う一対の前記柱部の互いに対向する内面と前記軸方向一端側面とによって形成され、軸受の転動体を保持する奇数個のポケットと、
前記柱部における前記基部の軸方向他端側面から前記ポケットの内面に貫通する肉抜き部と、
を備える樹脂製の転がり軸受用冠形保持器であって、
いずれか一つの前記柱部の表面には溶融樹脂が充填された1つのゲート痕を有し、
前記ゲート痕と前記転がり軸受用冠形保持器の中心軸とを通る仮想平面に対して非対称の形状となり、且つ体積が異なるように構成されている、
ことを特徴とする転がり軸受用冠形保持器。
(【0011】以降は省略されています)
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