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公開番号2025060824
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2024228117,2022516103
出願日2024-12-25,2020-09-10
発明の名称アーチファクトを低減したダイナミックレンジ圧縮
出願人ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
代理人弁理士法人ITOH
主分類H03G 7/00 20060101AFI20250403BHJP(基本電子回路)
要約【課題】出力オーディオにおける望ましくないアーチファクトである、たとえばポンピングやブリージングを低減または防止することを意図した仕方で、オーディオに対してダイナミックレンジ圧縮(DRC)を実行する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】DRCシステムは、再生中に平均ラウドネスを最大にし、かつ、歪みを低減または防止するためにDRCを実行する。入力オーディオの平均ラウドネスがターゲットである、DRCのためのニー・ポイントまたは意図された再生システムの最大再生レベルに近い信号レベルに近づくか、一致するか又は超える場合、そのような入力オーディオはすでに圧縮されていると想定されるので、低減されたDRCを適用するかあるいは完全なDRCを入力オーディオに適用する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
入力オーディオ信号に対してダイナミックレンジ圧縮(DRC)を実行して、出力オーディオ信号を生成するための方法であって:
(a)前記入力オーディオ信号の平均ラウドネスを決定する段階であって、ラウドネスは前記入力オーディオ信号のレベルまたはパワーを表し、前記平均ラウドネスは、前記DRCのDRC適用時間よりも長い時間にわたって決定され、前記DRC適用時間は、アタック時間後かつリリース時間前の、1でない利得を適用する、またはDRC利得曲線が1でない利得を決定する、前記DRCの適用のインスタンスのアタック時間もしくはリリース時間、または前記アタック時間および前記リリース時間を含む前記DRCの適用のインスタンスの継続時間である、段階と;
(b)前記入力オーディオ信号の前記平均ラウドネスがターゲットに近づくか、一致するか、または前記ターゲットを超えるときに、DRC利得を利得1に近づくよう制御することによって、前記入力オーディオ信号に対して、低減されたDRCを適用して前記出力オーディオ信号を生成し、さもなければ前記入力オーディオ信号に対して前記DRC利得を適用して前記出力オーディオ信号を生成する段階とを含み、前記ターゲットが、前記DRCのためのニー・ポイントである、
方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記入力オーディオ信号が複数の周波数帯域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階(b)が、前記複数の周波数帯域のうちの少なくとも1つの周波数帯域についてのDRC利得を決定し、前記DRC利得を前記周波数帯域に適用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
段階(b)が、前記周波数帯域の個々のものについてのDRC利得を決定し、前記周波数帯域の前記個々のものに対してそれらのDRC利得を適用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記DRC利得を決定することが、音色を改善するために、前記周波数帯域の個々の周波数帯域を横切って前記周波数帯域の個々の周波数帯域についての利得を平滑化することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
段階(a)が前記入力オーディオ信号の広帯域平均ラウドネスを決定することを含み、ステップ(b)が、広帯域平均ラウドネスがターゲットに近づくか、または一致するか、またはそれを超えるときに、前記低減されたDRCを各周波数帯域に適用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
段階(a)が前記周波数帯域のそれぞれについてのそれぞれの平均ラウドネスを決定することを含み、段階(b)が、平均ラウドネスが前記ターゲットに近づくか、または一致する、またはそれを超える各周波数帯域に、前記低減されたDRCを適用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
段階(b)は:
DRC利得gDRCを決定する段階と;
前記DRC利得gDRCを平滑化して、平滑化された動的利得gDRCsmoothedを生成する段階と;
動的利得gを生成する段階であって、前記DRC利得gDRCが前記平滑化された動的利得gDRCsmoothedより小さい場合は前記動的利得gは前記DRC利得gDRCであり、さもなければ前記動的利得gはgDRCとgDRCsmoothedの重み付けされた平均である、段階と;
前記入力オーディオ信号に前記動的利得gを適用する段階とを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記動的利得gは:
g=p*gDRC+(1-p)*min(gDRC,gDRCsmoothed)
であり、ここで、"p"は0から1の範囲内の値をもつポンピング・パラメータである、方法。
【請求項10】
0から1の範囲内の前記ポンピング・パラメータの値はユーザーによって選択可能である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2019年9月13日に出願された欧州特許出願第19197154.8号および2019年9月13日に出願された米国仮特許出願第62/899,769号に対する優先権を主張し、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,200 文字)【0002】
技術分野
本開示は、オーディオ信号のダイナミックレンジ圧縮に関する。
【背景技術】
【0003】
ここでは、ダイナミックレンジ圧縮が「DRC」と呼ばれることがあり、ダイナミックレンジ圧縮器も「DRC」と呼ばれることがある。
【0004】
図1に示されるように、伝統的なダイナミックレンジ圧縮器(「DRC」)は、レベル推定器1と、ダイナミックレンジ圧縮(DRC)利得決定サブシステム6と、利得適用サブシステム7とが図示のように結合されたものを含む。いくつかの実施形態では、利得決定サブシステム6は、平滑化器3と、ダイナミックレンジ圧縮(DRC)利得曲線サブシステム5とが図示のように結合されたものを含む。サブシステム7は、サブシステム6から(たとえば、図1に示されるように、サブシステム6のサブシステム5から)出力される時間変化する利得g(t)(たとえば、一連の利得値)を入力オーディオ信号に適用して、オーディオ出力信号を生成するように結合され、構成される。
【0005】
入力オーディオ信号に適用されるダイナミックレンジ圧縮は、平滑化されたレベル(平滑化器3からの出力)が閾値(第1のニー・ポイント(knee point))を上回る入力オーディオ信号のセグメントのパワーを減少させ(すなわち、サブシステム7は、利得1(単数または複数)を下回るサブシステム6によって決定されるセグメント利得(単数または複数)に適用される)、平滑化されたレベル(平滑化器3からの出力)が第2の閾値(「より低い」ニー・ポイント)を下回る入力オーディオ信号のセグメントのパワーを増加させてもよい(すなわち、サブシステム7は、そのようなセグメントに、サブシステム6によって決定される1より大きい利得を適用してもよい)。
【0006】
ダイナミックレンジ圧縮(DRC)は、アタック(入力オーディオレベル(たとえば、レベル推定器1の出力によって示される)がニー・ポイントまで上昇する各時点で、またはその近傍で始まり、アタック時間として知られる継続時間を有するアタック区間)と、リリース(入力オーディオレベルがニー・ポイントまで低下する各時点で、またはその近傍で始まり、リリース時間として知られる継続時間を有するリリース区間)を有する。完全なDRCは、アタック後、リリース前の区間の間に適用される。適用されるDRCの量は、アタック中にゼロ(サブシステム6が利得1を出力するとき)から全量に増加し、その後、リリース中にゼロに戻ることができる。
【0007】
DRCにおいて、1つの重要な可能性は、ニー・ポイントの下の低レベル入力オーディオについては大きな利得があり、次いで、入力信号レベルがその最大レベルに近づくにつれて、利得が単調に利得1まで減少するということである。よって、DRCは、実際には入力オーディオの高いレベルを減少させることはなく、代わりに、入力オーディオのより低いレベルを増加させるだけである。そのようなケースは、低パワー・システムから最大のラウドネスを得ようとしてDRCが使用される場合に発生する。
【0008】
入力オーディオ信号が最大または最小レベルにジャンプする場合、この変化は、図1のレベル推定器1の出力によって示されるが、DRC利得(サブシステム6から出力される)は、典型的には、すぐにはその完全な値〔フルの値〕(すなわち、入力オーディオ信号レベルが最大または最小レベルに固定されていて、該最大または最小レベルにジャンプしたのではなかったとした場合に有するであろう値)に変化しない。その代わりに、DRC利得は(たとえば、図1における平滑化器3の存在のために)スムーズにその完全な値に変化する。DRC利得がその完全な値に達する(入力信号レベルが最大レベルにジャンプした後)のに必要な時間は、アタック時間であり、DRC利得がその完全な値に達する(入力信号レベルが最小レベルにジャンプした後)のに必要な時間は、リリース時間である。DRC利得は典型的にはその完全な値に指数関数的に近づくので、アタックおよびリリース時間が引用される場合(たとえば、システム仕様において)、引用されるアタック(またはリリース)時間は、DRC利得がその完全な値に向かう中間に到達するのに必要な時間であることが多い。
【0009】
図1に示される実装では、平滑化器3(すなわち、平滑化器3が使用する平滑化時定数)がアタック時間とリリース時間を決定する(アタック時間はリリース時間と等しくても、異なっていてもよく、一方または両方がゼロであってもよい)。
【0010】
サブシステム6の他の実装(図1には特に示されていない)では、平滑化器3は、別の要素(たとえば、DRC利得曲線サブシステム5から出力される利得値に対して作用する平滑化器)またはサブシステム6によってDRC適用の各区間についてのアタックおよびリリース時間を決定するサブシステムによって置き換えられる。一般に、サブシステム6は、サブシステム6がDRCを適用する各区間(すなわち、サブシステム6が1でない利得を出力する各区間)について、アタック時間およびリリース時間を(たとえば、ユーザー選択に応答して)決定するように構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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