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公開番号2025058541
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168534
出願日2023-09-28
発明の名称車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両
出願人株式会社SUBARU
代理人個人,個人,個人
主分類B60N 2/42 20060101AFI20250402BHJP(車両一般)
要約【課題】車両における乗員保護を改善する。
【解決手段】車両用シート装置を有する車両は、車両用シート装置の前側にエアバッグを展開するエアバッグ装置を有する。車両用シート装置は、着座する乗員の下肢が乗るシートクッションと、乗員の上体が寄りかかるシートバックと、シートバックの上側のヘッドレストと、シートクッションの前後方向へ延在する一対のメインフレームと、一対のメインフレームの間に設けられるサブフレームと、サブフレームを一対のメインフレームに軸支する一対の軸部材と、一対のメインフレームに対してサブフレームが前下がりとなるようにサブフレームの回動を制御する制御部材と、を有する。
【選択図】図11

特許請求の範囲【請求項１】
車両の乗員が着座するための車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両であって、
前記車両用シート装置の前側においてエアバッグを展開可能なエアバッグ装置、を有し、
前記車両用シート装置は、
前記車両用シート装置に着座する乗員の下肢が乗るシートクッションと、
前記シートクッションに着座する前記乗員の上体が寄りかかるシートバックと、
前記シートバックについての前記車両の上側に設けられるヘッドレストと、
前記シートクッションについての前記車両の左右両側において前記車両の前後方向へ延在する一対のメインフレームと、
左右一対の前記メインフレームの間に設けられ、車両用シート装置に着座する前記乗員の下肢を支持するサブフレームと、
前記サブフレームを、左右一対の前記メインフレームに軸支する左右一対の軸部材と、
左右一対の前記メインフレームに対して前記サブフレームの全体が前下がりとなり得るように前記サブフレームについての左右一対の前記軸部材の周囲での回転を制御する制御部材と、を有する、
車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
左右一対の前記軸部材は、
前記車両用シート装置に着座している前記乗員の骨盤の前部と前記車両の上下方向に並ぶ前後位置において、前記サブフレームを、左右一対の前記メインフレームに軸支する、
請求項１記載の、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両。
【請求項３】
前記シートバックについての前記車両の上下左右の縁に沿う枠状のシートバックフレームと、
枠状の前記シートバックフレームの上部を、前記車両の左右方向において接続するシートバッククロスメンバと、
を有する、
請求項２記載の、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両。
【請求項４】
前記サブフレームは、一対の前記メインフレームと比べて前記車両の前後方向において長く形成され、一対の前記メインフレームの前端より前へ突出している、
請求項３記載の、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両。
【請求項５】
前記制御部材は、
左右一対の前記軸部材の周囲で回転可能な前記サブフレームを、左右一対の前記メインフレームに沿う状態に固定するロック部材と、
前記ロック部材による左右一対の前記メインフレームに対する前記サブフレームの固定を解除するアクチュエータと、を有し、
前記アクチュエータの作動を制御する制御部と、
前記車両の車外を検出する車外センサと、
前記車両用シート装置に着座する乗員の状態を検出する車内センサ、または前記車両用シート装置に着座する乗員が足で操作するペダルの操作を検出する操作センサと、
を有し、
前記制御部は、
前記車外センサの検出結果に基づいて前記車両の前突を予測すると、前記車内センサまたは前記操作センサの検出結果に基づいて前記車両用シート装置に着座する乗員の下肢が力を入れている緊張状態にあるか否かを判断し、
乗員の下肢が緊張状態にある場合に、前記車両の前突を検出する前に前記アクチュエータを作動させて、前記ロック部材による左右一対の前記メインフレームに対する前記サブフレームの固定を解除する、
請求項１から４のいずれか一項記載の、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両。
【請求項６】
前記車両用シート装置に着座する乗員を拘束するためのシートベルト装置、を有し、
前記制御部は、
前記車両の前突を予測して前記アクチュエータを作動する場合、前記アクチュエータを作動させてから、前記シートベルト装置を作動させる、
請求項５記載の、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
自動車といった車両には、特許文献１から３のように、乗員が着座するための車両用シート装置が設けられる。
また、車両には、乗員の保護のために、シートベルト装置、エアバッグ装置などが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００７－０３８９２６号公報
特開２００７－１０６３７７号公報
特開２０１３－２４９０３６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、シートベルト装置、エアバッグ装置などの乗員保護装置の性能試験は、一般的に人間を模したダミー人形を用いて実施されている。
しかしながら、車両が前突した際の乗員の実際の挙動は、性能試験でのダミー人形の挙動とは、必ずしも一致しない。
【０００５】
たとえば、乗員は、単に車両用シート装置に載せているダミー人形とは異なり、車両の前突時に、車両のペダルを足で操作していたり、車両の床に足を踏ん張っていたりしようとする可能性がある。
しかしながら、車両によっては、車両用シート装置のシートクッションにより、乗員の太腿が下がる動きが阻害されてしまう可能性がある。
乗員が太腿を下げようとする動きが阻害されてしまうと、乗員が足を強く踏ん張るために下肢を伸ばして力を入れようとしても、乗員は強い力で足を踏ん張ることができない。
【０００６】
この他にもたとえば、車両のペダルを足で操作したり、車両の床に足を踏ん張っていたりする場合、乗員の下肢は、力が入って緊張した状態になる。この状態で前突が発生すると、乗員は、下肢が緊張していない場合のように体全体が前へ移動することが起き難くなり、替わりに、上体および頭部が、瞬時的に前下方向へ大きく回転し易くなる。特に、上体がシートベルト装置のプリテンションなどにより前下方向への回転を抑えられている場合には、乗員の頭部のみが、瞬時的に前下方向へ過大に回転し易くなる。乗員の首部には、負担がかかる可能性がある。
【０００７】
また、その後に、乗員の上体および頭部が、展開しているエアバッグに対して突入すると、乗員の首部には、頭部が回転しながらエアバッグに当たる力が作用し易くなる。
【０００８】
このように車両における乗員保護については改善が求められる。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の実施の一形態に係る、車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両は、車両の乗員が着座するための車両用シート装置による乗員保護機能を有する車両であって、前記車両用シート装置の前側においてエアバッグを展開可能なエアバッグ装置、を有し、前記車両用シート装置は、前記車両用シート装置に着座する乗員の下肢が乗るシートクッションと、前記シートクッションに着座する前記乗員の上体が寄りかかるシートバックと、前記シートバックについての前記車両の上側に設けられるヘッドレストと、前記シートクッションについての前記車両の左右両側において前記車両の前後方向へ延在する一対のメインフレームと、左右一対の前記メインフレームの間に設けられ、車両用シート装置に着座する前記乗員の下肢を支持するサブフレームと、前記サブフレームを、左右一対の前記メインフレームに軸支する左右一対の軸部材と、左右一対の前記メインフレームに対して前記サブフレームの全体が前下がりとなり得るように前記サブフレームについての左右一対の前記軸部材の周囲での回転を制御する制御部材と、を有する、ものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明では、シートクッションは、車両の前後方向へ延在する一対のメインフレームと、その間に設けられるサブフレームと、を有する。そして、サブフレームは、左右一対の軸部材により、左右一対のメインフレームに軸支される。これにより、車両用シート装置のシートクッションに着座する乗員の下肢は、サブフレームにより支持することができる。しかも、制御部材は、左右一対のメインフレームに対してサブフレームの全体が前下がりとなり得るように、サブフレームについての左右一対の軸部材の周囲での回転を制御する。これにより、サブフレームは、左右一対のメインフレームに沿う通常時の姿勢から、その全体が前下がりとなるように回転し得る。この場合、乗員が足を踏ん張るために下肢を伸ばして力を入れようとする際に、乗員の太腿が下がる動きをシートクッションのサブフレームにより阻害し難くなる。乗員は、下肢を伸ばして、強い力で足を踏ん張ることができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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