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公開番号2025056652
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023166255
出願日2023-09-27
発明の名称既設構造物の打音検査方法及び打音検査システム
出願人東亜グラウト工業株式会社
代理人個人
主分類G01N 29/12 20060101AFI20250401BHJP(測定;試験)
要約【課題】既設構造物のある現場から離れた場所にいながら、現場にいるような感覚で検査者が精度の高い打音検査を実施することが可能な打音検査方法及び打音検査システムを提供すること。
【解決手段】既設構造物40の検査対象領域に対する打撃により生じる打音を用いて前記既設構造物の劣化状況を検査する打音検査方法において、打撃位置データと紐付けて前記打音の録音データを記録する打音記録工程S12と、前記既設構造物の各位置を特定する座標系及び前記記録された打音の録音データが紐付けられた前記検査対象領域の画像を表示部26にて表示する検査対象領域の画像表示工程S14と、表示された前記検査対象領域の画像上で打音の出力を希望するポイントを使用者が選択指定する打音出力ポイント指定工程S15と、指定されたポイントから最も近い位置における前記打音の録音データが出力される打音出力工程S16と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
既設構造物の検査対象領域に対する打撃により生じる打音を用いて前記既設構造物の劣化状況を検査する打音検査方法において、
前記打撃した位置を特定する打撃位置データと紐付けて前記打音の録音データを記録する打音記録工程と、
前記検査対象領域の画像であって、前記既設構造物の各位置を特定する座標系及び前記記録された打音の録音データが紐付けられた画像を表示部にて表示する検査対象領域の画像表示工程と、
前記表示部に表示された前記検査対象領域の画像上で打音の出力を希望するポイントを使用者が選択指定する打音出力ポイント指定工程と、
前記打音出力ポイント指定工程にて指定動作が行われたときに、指定されたポイントから最も近い位置における前記打音の録音データが出力される打音出力工程と、
を含むことを特徴とする打音検査方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記画像表示工程にて、打音の記録された打撃位置を前記検査対象領域の画像上に表示させることを特徴とする請求項1に記載の打音検査方法。
【請求項3】
前記打音記録工程にて、前記打音を記録した際に取得した検査対象領域の画像を記録し、
前記画像表示工程にて、前記打音を録音した際の前記検査対象領域の画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の打音検査方法。
【請求項4】
前記画像表示工程では、前記表示部に、前記検査対象領域を一部に含む前記既設構造物の広域画像と、当該広域画像上における前記検査対象領域の場所を示す目印とを表示させ、前記使用者が前記目印を選択することにより、選択された前記検査対象領域の画像を前記表示部に拡大表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の打音検査方法。
【請求項5】
前記打音記録工程にて、前記記録された打音が異常音であるか否かを機械解析又は当該打音を現場で聴取した検査者によって評価された一次評価の結果を前記打音毎に記録し、
前記画像表示工程では、前記検査対象領域の画像上に表示される打撃位置に、前記一次評価の結果が表示されることを特徴とする請求項2に記載の打音検査方法。
【請求項6】
前記打音の前記一次評価の結果の表示は、前記検査対象領域の画像上で前記打撃位置を前記打音が異常音か否かで色分けすることにより行われることを特徴とする請求項5に記載の打音検査方法。
【請求項7】
前記打音記録工程の後、所定期間経過後に、前記検査対象領域を打撃した打音を記録し、該打撃した位置を特定する打撃位置データと紐付けて該打音を記録する打音再記録工程と、
前記座標系において最も近い位置座標に紐付けされた、前記打音記録工程における第1の打音と、前記打音再記録工程における第2の打音とを比較して前記劣化状況を判断する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の打音検査方法。
【請求項8】
前記劣化状況の判断では、前記第1の打音と前記第2の打音との周波数を比較することを特徴とする請求項7に記載の打音検査方法。
【請求項9】
請求項1に記載の打音検査方法に用いられる打音検査システムにおいて、
既設構造物の検査対象領域を打撃器具で打撃した位置を検出する打撃位置検出部と、
前記打撃した位置にて生じた打音を録音する録音部と、
前記打撃位置検出部により検出された前記打撃した位置を特定する打撃位置データと紐付けて前記打音の録音データを記録するとともに、前記既設構造物の各位置を特定する座標系が紐付けられた前記検査対象領域の画像を記録する記憶部と、
使用者からのデータの入力を受け付ける入力部と、
前記記憶部に記録された前記検査対象領域の画像を表示する表示部と、
前記記憶部に記録された前記打音の録音データを出力する音出力部と、
前記入力部によって、前記表示部に表示された検査対象領域の画像から、打音の出力を希望するポイントが選択指定された際に、指定されたポイントから最も近い位置における前記打音の録音データを前記音出力部に出力させる制御部と、
を備えたことを特徴とする打音検査システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は打音検査方法及び打音検査システムに関し、特に、打音と打撃位置とを関連付けて記憶し、検査対象の構造物の状態を検査する既設構造物の打音検査方法及び打音検査システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
トンネルや橋梁等の既設構造物は、長年の使用により劣化することは不可避である。例えば、コンクリート構造物では、経年によりコンクリートの性状が変化して、剥落やクラック、漏水等が生じることから、このような損傷個所を把握して管理し、適切に補修作業を行うことは剥落事故等を防止するために重要である。
【0003】
既設構造物の劣化状況を検査する方法としては、打音検査、赤外線検査、超音波探傷等の非破壊検査が存在しており、特に、打音検査は、既設構造物を直接打撃する接触検査であって信頼性が高いため、様々な現場で採用されている。打音検査は、検査者が現場にて既設構造物をハンマ等で打撃することにより発せられた打音を聞いて劣化度合いを評価する。聞き取った打音に異常を感じた場合、検査者は、その位置を点検台帳に記録する。
【0004】
打音検査に用いられる装置として、特許文献1には、ハンマによる打音と打撃位置とをコンピュータに記録させる打音検査記録装置が記載されている。この打音検査記録装置は、ハンマによる打音を検出する接触式振動センサと、レーザ光を利用してハンマによる打撃位置を検出する測域センサと、を備えている。そして、ハンマによって既設構造物を打撃することで発生する打音とその打撃位置とが関連付けられて自動的に装置内のメモリに記録される。既設構造物を打撃する検査者は、検査中に打音検査装置のディスプレイに表示される打撃位置の履歴をリアルタイムに見ることができ、叩き残しを無くすことができる。このように打音と打撃位置とが自動で記録されることで、人が手作業で点検台帳に記録する手間をなくして検査労力を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6846742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の打音検査記録装置では、使用者がメモリに記録された既設構造物の打撃位置を指定することにより、この打撃位置で生じた打音を再生して聴くことができるが、既設構造物における任意の位置を指定したとしても、当該指定位置の打音の記録が存在しない場合には、打音を再生することができない。
【0007】
それ故、現場から離れた場所で、事後的に記録された打音を聴取する場合には、現場で打音検査を行うように、打撃位置を任意かつ連続的に選択して、連続する打音の変化を聴取することはできなかった。すなわち、打音の記録されている打撃位置を選択指定して打音を聴取することから、任意の位置を移動させながら連続して打音の変化を聴取するなどの効果的な検査法を取ることができなかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、既設構造物の在る現場から離れた場所にいながら、現場において実際に打撃を行いながら打音を聴取する状況に近い手法で効果的な打音検査を実施することが可能な打音検査方法及び打音検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の打音検査方法は、
既設構造物の検査対象領域に対する打撃により生じる打音を用いて前記既設構造物の劣化状況を検査する打音検査方法において、
前記打撃した位置を特定する打撃位置データと紐付けて前記打音の録音データを記録する打音記録工程と、
前記検査対象領域の画像であって、前記既設構造物の各位置を特定する座標系及び前記記録された打音の録音データが紐付けられた画像を表示部にて表示する検査対象領域の画像表示工程と、
前記表示部に表示された前記検査対象領域の画像上で打音の出力を希望するポイントを使用者が選択指定する打音出力ポイント指定工程と、
前記打音出力ポイント指定工程にて指定動作が行われたときに、指定されたポイントから最も近い位置における前記打音の録音データが出力される打音出力工程と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、既設構造物の存在する現場にて、作業者又は自走式の打撃装置等によって既設構造物の検査対象領域を打撃器具で打撃して得られる打音の録音データと、打撃された位置を特定する打撃位置データを用いて、現場から離れた場所で、検査者が現場において打音を聴きながら検査を行う状況に近い手法で検査を行うことが可能となる。
すなわち、現場における打音のチェックにおいては、打撃位置を変化させながら連続して打撃を行うことでその打音の変化を聞くことが効果的な検査に繋がる。上記構成によれば、現場における打撃作業と同様に打音の聴取を希望する任意の位置を連続的に選択指定(画像上でクリックするなど)して、出力されたその打音を聴くことができる。すなわち、打音の記録された位置を探して選択する動作を行う必要が無いことから、打撃したい位置をずらしながら連続して打音を聴くことができ、その打音の変化を的確に聴くことが可能となる。
出力される打音は、最も近い位置における打音であり、打音検査の精度を大きく下げる恐れはなく、打音のデータを密に記録しておくことで、簡単に精度の向上も図ることができる。上記の様に任意の位置においての打音の出力が可能であり、且つ画像上のクリック動作などで打音の出力を行うことができることから、現場における位置移動しながらの打撃動作よりも高速での打音出力が可能となり、検査精度はより高いものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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