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公開番号
2025048575
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2023157458
出願日
2023-09-22
発明の名称
積層シートの製造方法および積層体の製造方法
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C09D
201/00 20060101AFI20250327BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】繊維層と樹脂層の層間密着性に優れる積層シートの製造方法および当該積層シートの製造方法により得られる積層シートを用いた積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の面に、樹脂層(1A)および繊維層をこの順に有する積層シートの製造方法であって、下記工程1~3を有する積層シートの製造方法。
工程1:熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の面に、樹脂と、ブロックイソシアネート化合物とを含む樹脂層(1A)形成用塗工液を塗工し、特定の温度で乾燥して、樹脂層(1a)を形成する工程
工程2:樹脂層(1a)の熱可塑性樹脂基材とは反対側の面に、樹脂と、繊維幅1nm以上1,000nm以下の微細繊維状セルロースとを含む繊維層形成用塗工液を塗工し、特定の温度で乾燥して、繊維層を形成する工程
工程3:繊維層が形成されたシートを特定の温度で加熱して樹脂層(1A)を形成する工程
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の面に、樹脂層(1A)および繊維層をこの順に有する積層シートの製造方法であって、
下記工程1~3を有し、
工程1:熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の面に、樹脂と、ブロックイソシアネート化合物とを含む樹脂層(1A)形成用塗工液を塗工乾燥して、樹脂層(1a)を形成する工程
工程2:樹脂層(1a)の熱可塑性樹脂基材とは反対側の面に、樹脂と、繊維幅1nm以上1,000nm以下の微細繊維状セルロースとを含む繊維層形成用塗工液を塗工乾燥して、繊維層を形成する工程
工程3:繊維層が形成されたシートを加熱して樹脂層(1A)を形成する工程
工程1および2の乾燥温度が、ブロックイソシアネート化合物のブロック剤の解離温度未満であり、かつ、工程3の加熱温度がブロックイソシアネート化合物のブロック剤の解離温度以上である、
積層シートの製造方法。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
工程1の乾燥温度が70℃以上95℃以下である、請求項1に記載の積層シートの製造方法。
【請求項3】
工程2の乾燥温度が70℃以上100℃以下である、請求項1または2に記載の積層シートの製造方法。
【請求項4】
工程3の加熱温度が110℃以上130℃以下である、請求項1または2に記載の積層シートの製造方法。
【請求項5】
熱可塑性樹脂基材を構成する熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の積層シートの製造方法。
【請求項6】
樹脂層(1A)形成用塗工液がポリカーボネートを含む、請求項1または2に記載の積層シートの製造方法。
【請求項7】
繊維層形成用塗工液が含有する固形分中、微細繊維状セルロースの含有量が50質量%以上である、請求項1または2に記載の積層シートの製造方法。
【請求項8】
さらに、下記工程4を有する、請求項1または2に記載の積層シートの製造方法。
工程4:繊維層の樹脂層(1A)とは反対側の面に、樹脂と、イソシアネート化合物およびブロックイソシアネート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種とを含む樹脂層(2A)形成用塗工液を塗工乾燥して、樹脂層(2a)を形成する工程
【請求項9】
工程4の乾燥温度が60℃以上85℃以下である、請求項8に記載の積層シートの製造方法。
【請求項10】
さらに、下記工程5を有する請求項8に記載の積層シートの製造方法。
工程5:工程4を経たシートを加熱して樹脂層(2A)を形成する工程
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シートの製造方法および積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、石油資源の代替および環境意識の高まりから、再生産可能な天然繊維を利用した材料が着目されている。天然繊維の中でも、繊維幅が10μm以上50μm以下の繊維状セルロース、特に木材由来の繊維状セルロース(パルプ)は、主に紙製品としてこれまで幅広く使用されてきた。
繊維状セルロースとしては、繊維幅が1,000nm以下の微細繊維状セルロースも知られている。また、このような微細繊維状セルロースから構成されるシートや、微細繊維状セルロースと樹脂とを含む複合シート、および成形体が開発されている。
【0003】
特許文献1には、微細繊維状セルロースを含む繊維層と樹脂層を有する積層シートであって、高い透明性を有し、かつ着色が抑制された積層シートを提供することを目的として、繊維層と、前記繊維層の少なくとも一方の面に配される樹脂層と、を有する積層シートであって、前記繊維層は、置換基導入量が0.5mmol/g未満であり、かつ繊維幅が1~10nmである繊維状セルロースを含む、積層シートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-181673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には上記積層シートが、光学部材、および、各種乗り物や建物の窓材等の用途に適していると記載されている。本発明者らの検討により、上記積層シートを上記用途に用いた場合に、上記積層シートの補強材としての機能を高めるためには、繊維層を厚くすることが必要であり、さらに、繊維層を厚くするためには、繊維層と樹脂層の層間密着性を向上させる必要があることがわかった。
本発明は、繊維層と樹脂層の層間密着性に優れる積層シートの製造方法および当該積層シートの製造方法により得られる積層シートを用いた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、繊維層および樹脂層の形成工程を含む積層シートの製造方法において、特定のイソシアネート化合物を用いて樹脂層を形成すること、繊維層および樹脂層の形成工程における乾燥または加熱する温度を、工程ごとに、特定のイソシアネート化合物の解離温度未満または以上に制御することにより、上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の<1>~<15>に関する。
<1>熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の面に、樹脂層(1A)および繊維層をこの順に有する積層シートの製造方法であって、
下記工程1~3を有し、
工程1:熱可塑性樹脂基材の少なくとも一方の面に、樹脂と、ブロックイソシアネート化合物とを含む樹脂層(1A)形成用塗工液を塗工乾燥して、樹脂層(1a)を形成する工程
工程2:樹脂層(1a)の熱可塑性樹脂基材とは反対側の面に、樹脂と、繊維幅1nm以上1,000nm以下の微細繊維状セルロースとを含む繊維層形成用塗工液を塗工乾燥して、繊維層を形成する工程
工程3:繊維層が形成されたシートを加熱して樹脂層(1A)を形成する工程
工程1および2の乾燥温度が、ブロックイソシアネート化合物のブロック剤の解離温度未満であり、かつ、工程3の加熱温度がブロックイソシアネート化合物のブロック剤の解離温度以上である、
積層シートの製造方法。
<2>工程1の乾燥温度が70℃以上95℃以下である、<1>に記載の積層シートの製造方法。
<3>工程2の乾燥温度が70℃以上100℃以下である、<1>または<2>に記載の積層シートの製造方法。
<4>工程3の加熱温度が110℃以上130℃以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<5>熱可塑性樹脂基材を構成する熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<6>樹脂層(1A)形成用塗工液がポリカーボネートを含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<7>繊維層形成用塗工液が含有する固形分中、微細繊維状セルロースの含有量が50質量%以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<8>さらに、下記工程4を有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
工程4:繊維層の樹脂層(1A)とは反対側の面に、樹脂と、イソシアネート化合物およびブロックイソシアネート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種とを含む樹脂層(2A)形成用塗工液を塗工乾燥して、樹脂層(2a)を形成する工程
<9>工程4の乾燥温度が60℃以上85℃以下である、<8>に記載の積層シートの製造方法。
<10>さらに、下記工程5を有する<8>または<9>に記載の積層シートの製造方法。
工程5:工程4を経たシートを加熱して樹脂層(2A)を形成する工程
<11>工程5の加熱温度が80℃以上135℃以下である、<10>に記載の積層シートの製造方法。
<12>樹脂層(2A)形成用塗工液がポリカーボネートを含む、<8>~<11>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<13>樹脂層(2a)がイソシアネート化合物を含有する、<8>~<12>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<14>ブロックイソシアネート化合物がヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアナト基がブロックされてなる化合物である、<1>~<13>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法。
<15><10>~<14>のいずれか1つに記載の積層シートの製造方法により得られた積層シートの樹脂層(2A)と、樹脂板とを接着させることを含む、積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、繊維層と樹脂層の層間密着性に優れる積層シートの製造方法および当該積層シートの製造方法により得られる積層シートを用いた積層体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態の積層シートの製造方法により得られる積層シートの構成を説明する断面図である。
図2は、本発明の別の一実施形態の積層シートの製造方法により得られる積層シートの構成を説明する断面図である。
図3は、リンオキソ酸基を有する繊維状セルロース含有スラリーに対するNaOH滴下量とpHの関係を示すグラフである。
図4は、カルボキシ基を有する繊維状セルロース含有スラリーに対するNaOH滴下量とpHの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、本明細書において、数値範囲の上限および下限は任意に組み合わせることができる。また、本明細書において、積層シートの各層形成用塗工液が含有する成分(必須成分)および含有し得る成分(任意成分)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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