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公開番号
2025047864
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2023156618
出願日
2023-09-22
発明の名称
3次元プリンター金属造形物用の焼付硬化型電着液
出願人
ハニー化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09D
5/44 20060101AFI20250327BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】本発明は、良好な粘度と安定性を有し、複雑な構造を有する3次元プリンター金属造形物(例えば、金属機械、一般金属用具、金属装飾物等)に対して、均一性、平滑性、密着性、耐食性、付き回り性のバランスに優れた電着塗膜を形成することができる焼付硬化型電着液、および電着塗膜の形成方法を提供することを課題とする。
【解決手段】溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有する3次元プリンター金属造形物用の焼付硬化型電着液であって、焼付硬化型電着液は、水溶性または水分散性を有する共重合体(A)と、硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、共重合体(A)は、特定の官能基を有する単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)の特定質量分率の共重合体であり、溶剤(C)は特定の水系溶剤である、焼付硬化型電着液。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
3次元プリンター金属造形物用の焼付硬化型電着液であって、
該3次元プリンター金属造形物は、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有し、
該焼付硬化型電着液は、共重合体(A)と、硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、
該共重合体(A)は、
水酸基と、カルボキシル基あるいは第3級アミノ基とを有し、
水溶性または水分散性であって、
単量体(a)と、単量体(b)と、単量体(c)との共重合体であり、
該共重合体(A)中の、該単量体(a)に由来する構造部の質量分率は、2~15質量%であり、
該共重合体(A)中の、該単量体(b)に由来する構造部の質量分率は、2~15質量%であり、
該単量体(a)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、カルボキシル基または第3級アミノ基とを有し、
該単量体(b)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、水酸基とを有し、
該単量体(c)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基を有し、該単量体(a)および該単量体(b)以外の単量体であり、
該溶剤(C)は、水系有機溶剤と水とを含有する水系溶剤である、
前記焼付硬化型電着液。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記共重合体(A)/前記硬化剤(B)の質量比は、60/40以上、95/5以下であり、
前記焼付硬化型電着液中の、該共重合体(A)および該硬化剤(B)の合計含有量は、8質量%以上、12質量%以下であり、
該焼付硬化型電着液中の、前記水系有機溶剤の含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下であり、
該焼付硬化型電着液の、B型粘度計にL型ローター及び低粘度アダプターを取り付けて、回転数100rpmで測定した際の粘度は、1.50mPa・s以上、2.70mPa・s以下である、
請求項1に記載の焼付硬化型電着液。
【請求項3】
前記共重合体(A)は、
ガラス転位温度(Tg)が、20~40℃であり、
溶解度パラメーター(SP)値が、10.5~11.5(cal/cm
3
)
0.5
である、
請求項1に記載の焼付硬化型電着液。
【請求項4】
顔料(D)を、さらに含有する前記焼付硬化型電着液であって、
該顔料(D)の含有率は、該焼付硬化型電着液中に、0.1~1質量%である、
請求項1に記載の焼付硬化型電着液。
【請求項5】
前記単量体(a)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、カルボキシル基とを有し、
前記共重合体(A)は、カルボキシル基を有し、
前記焼付硬化型電着液は、前記3次元プリンター金属造形物にアニオン電着される、
請求項1に記載の焼付硬化型電着液。
【請求項6】
前記単量体(a)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、第3級アミノ基とを有し、
前記共重合体(A)は、第3級アミノ基を有し、
前記焼付硬化型電着液は、前記3次元プリンター金属造形物にカチオン電着される、
請求項1に記載の焼付硬化型電着液。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の焼付硬化型電着液を用いて作製された、焼付硬化電着塗膜付き3次元プリンター金属造形物。
【請求項8】
請求項1~6の何れか1項に記載の焼付硬化型電着液を用いて、3次元プリンター金属造形物の表面に電着塗膜を形成する、電着塗膜の形成方法であって、
該3次元プリンター金属造形物は、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有し、
該形成方法は、下記の(1)~(7)の工程をこの順で含み、
(1)該3次元プリンター金属造形物の表面に対する脱脂工程、
(2)該3次元プリンター金属造形物の表面に対する水洗工程、
(3)該3次元プリンター金属造形物の該焼付硬化型電着液への浸漬工程、
(4)該3次元プリンター金属造形物の表面からの気泡除去工程、
(5)該3次元プリンター金属造形物の表面への電着塗膜形成工程、
(6)該電着塗膜の水洗・水切り工程、
(7)該電着塗膜の焼付硬化工程、
ここで、
工程(3)は、該3次元プリンター金属造形物を、表面が水で濡れている状態で該焼付硬化型電着液に浸漬する工程を含み、
工程(4)は、該焼付硬化型電着液を攪拌し、該3次元プリンター金属造形物を上下に動かす工程を含み、
工程(5)は、該焼付硬化型電着液の攪拌および該3次元プリンター金属造形物の上下動を停止した状態で印加する工程を含む、
前記電着塗膜の形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有する、形状が複雑な3次元プリンター(3Dプリンター)金属造形物(例えば、金属機械、一般金属用具、金属装飾物等)の表面塗装に用いられる、焼付硬化型電着液に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
構造物への優れた付き回りが必要な場合には、アルマイト等にはアニオン電着がよく利用され、自動車などにはカチオン電着がよく利用されている。
しかしながら、被塗装物の形状が複雑化するにつれ、狭い凹部の壁面にも十分な付きまわりで均一な塗膜を形成することが困難になりつつあり、特に、3次元プリンター造形物は、形状が複雑であり狭い凹部を有するものが多いことから、付きまわりと均一な塗膜形成性が大幅に改善された電着塗料の開発が望まれるようになった。
特定の水溶性又は水分散性ビニル系共重合体と、アミノ樹脂と、アルコキシアミンとを含有し、塗料安定性、光沢安定性、外観、耐候性に優れるアニオン型電着塗料用組成物が検討され(特許文献1)、特定の水溶性又は水分散性ビニル系共重合体と、特定のアミノ基を有する共重合性ビニル系単量体と、上記以外の共重合性ビニル系単量体と、1分子中にビニル基を3個以上有する多官能アクリレートと、多官能チオールと、光重合開始剤とを含有する、塗料安定性、感度に優れる電着塗装用のネガ型カチオン性電着フォトレジスト用樹脂組成物が検討されている(特許文献2)が、依然として十分なものは得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-111687
特開2016-126174
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記したような従来技術における問題を解決し、良好な粘度と安定性を有し、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有するような、複雑な構造を有する3次元プリンター金属造形物(例えば、金属機械、一般金属用具、金属装飾物等)に対して、均一性、平滑性、密着性、耐食性、付き回り性のバランスに優れた電着塗膜を形成することができる焼付硬化型電着液、該焼付硬化型電着液を用いた、焼付硬化電着塗膜付き3次元プリンター金属造形物、および電着塗膜の形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究の結果、特定の共重合体(A)と、特定の硬化剤(B)と、特定の溶剤(C)とを、特定の含質量比で含有する、3次元プリンター金属造形物用の焼付硬化型電着液が、上記問題点を克服できることを見出して本発明に至った。
そして本発明は、以下の点を特徴とする。
1.3次元プリンター金属造形物用の焼付硬化型電着液であって、
該3次元プリンター金属造形物は、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有し、
該焼付硬化型電着液は、共重合体(A)と、硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有し、
該共重合体(A)は、
水酸基と、カルボキシル基あるいは第3級アミノ基とを有し、
水溶性または水分散性であって、
単量体(a)と、単量体(b)と、単量体(c)との共重合体であり、
該共重合体(A)中の、該単量体(a)に由来する構造部の質量分率は、2~15質量%であり、
該共重合体(A)中の、該単量体(b)に由来する構造部の質量分率は、2~15質量%であり、
該単量体(a)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、カルボキシル基または第3級アミノ基とを有し、
該単量体(b)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、水酸基とを有し、
該単量体(c)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基を有し、該単量体(a)および該単量体(b)以外の単量体であり、
該溶剤(C)は、水系有機溶剤と水とを含有する水系溶剤である、
前記焼付硬化型電着液。
2.前記共重合体(A)/前記硬化剤(B)の質量比は、60/40以上、95/5以下であり、
前記焼付硬化型電着液中の、該共重合体(A)および該硬化剤(B)の合計含有量は、8質量%以上、12質量%以下であり、
該焼付硬化型電着液中の、前記水系有機溶剤の含有量は、0.1質量%以上、5質量%以下であり、
該焼付硬化型電着液の、B型粘度計にL型ローター及び低粘度アダプターを取り付けて、回転数100rpmで測定した際の粘度は、1.50mPa・s以上、2.70mPa・s以下である、
上記1に記載の焼付硬化型電着液。
3.前記共重合体(A)は、
ガラス転位温度(Tg)が、20~40℃であり、
溶解度パラメーター(SP)値が、10.5~11.5(cal/cm
3
)
0.5
である、
上記1または2に記載の焼付硬化型電着液。
4.顔料(D)を、さらに含有する前記焼付硬化型電着液であって、
該顔料(D)の含有率は、該焼付硬化型電着液中に、0.1~1質量%である、
上記1~3の何れかに記載の焼付硬化型電着液。
5.前記単量体(a)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、カルボキシル基とを有し、
前記共重合体(A)は、カルボキシル基を有し、
前記焼付硬化型電着液は、前記3次元プリンター金属造形物にアニオン電着される、
上記1~4の何れかに記載の焼付硬化型電着液。
6.前記単量体(a)は、重合性炭素-炭素不飽和結合基と、第3級アミノ基とを有し、
前記共重合体(A)は、第3級アミノ基を有し、
前記焼付硬化型電着液は、前記3次元プリンター金属造形物にカチオン電着される、
上記1~5の何れかに記載の焼付硬化型電着液。
7.上記1~6の何れかに記載の焼付硬化型電着液を用いて作製された、焼付硬化電着塗膜付き3次元プリンター金属造形物。
8.上記1~6の何れかに記載の焼付硬化型電着液を用いて、3次元プリンター金属造形物の表面に電着塗膜を形成する、電着塗膜の形成方法であって、
該3次元プリンター金属造形物は、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有し、
該形成方法は、下記の(1)~(7)の工程をこの順で含み、
(1)該3次元プリンター金属造形物の表面に対する脱脂工程、
(2)該3次元プリンター金属造形物の表面に対する水洗工程、
(3)該3次元プリンター金属造形物の該焼付硬化型電着液への浸漬工程、
(4)該3次元プリンター金属造形物の表面からの気泡除去工程、
(5)該3次元プリンター金属造形物の表面への電着塗膜形成工程、
(6)該電着塗膜の水洗・水切り工程、
(7)該電着塗膜の焼付硬化工程、
ここで、
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、良好な粘度および安定性を有し、溝状凹部、円筒形凹部、多角形筒形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有するような、複雑な構造を有する、3次元プリンター金属造形物(例えば、金属機械、一般金属用具、金属装飾物等)に対して、均一性、平滑性、密着性、耐食性、付き回り性のバランスに優れた電着塗膜を形成することができる焼付硬化型電着液、該焼付硬化型電着液を用いた、焼付硬化電着塗膜付き3次元プリンター金属造形物、および電着塗膜の形成方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の焼付硬化型電着液によって電着される、溝状凹部を有する3次元プリンター金属造形物の一例である。
本発明の焼付硬化型電着液によって電着される、多角形凹部を有する3次元プリンター金属造形物の一例である。
本発明の焼付硬化型電着液によって電着される、ラティス構造部を有する3次元プリンター金属造形物の一例である。
【0008】
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について更に詳しく説明する。
<焼付硬化型電着液>
本発明の焼付硬化型電着液は、付き回り性に優れ、溝状凹部、円筒形凹部、多角形凹部、ラティス構造部からなる群から選ばれる1種または2種以上の構造部を有するような、複雑な構造を有する3次元プリンター金属造形物(例えば、金属機械、一般金属用具、金属装飾物等)に対して、均一に電着塗装を行うことができる。
また、本発明の焼付硬化型電着液を用いた電着塗装は、エアースプレー方式の塗装よりも隅々まで行き届いた塗装を行うことができ、且つ、単なるディッピング方式の塗装よりも塗料タレが生じ難い。
【0010】
本発明の焼付硬化型電着液は、共重合体(A)と、硬化剤(B)と、溶剤(C)とを含有する。
本発明の焼付硬化型電着液は、均一溶液であってもよく、エマルジョンであってもよい。
そして、本発明の焼付硬化型電着液は、顔料(D)を、さらに含有することができる。
また、本発明の焼付硬化型電着液は、必要に応じて、共重合体(A)をイオン化して水溶性または水分散性を高める為の中和剤(E)を、更に含有することができる。
さらに、必要に応じて、各種の硬化促進剤を含有したり、塗膜が意匠性を有し易いように染料、フィラー等を更に含有したり、塗膜形成時の作業性の向上や塗膜への様々な機能付与の為に、光安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、レベリング剤、消泡剤等の各種添加剤や、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の他の樹脂を更に含有することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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