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公開番号
2025044521
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-02
出願番号
2023152125
出願日
2023-09-20
発明の名称
熱発電コイル及び熱発電モジュール
出願人
国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類
H10N
10/17 20230101AFI20250326BHJP()
要約
【課題】熱電対に使われている汎用金属を用いた熱発電モジュールを提供する。
【解決手段】熱電対の-脚となる金属材料よりなる金属芯線(100)と、熱電対の+脚となる金属材料よりなる管状金属体(200)とからなり、金属芯線の周面を管状金属体の内周面で被覆するように接合された高温端同軸接合部(300)と、金属芯線の低温端と、高温端同軸接合部との間で、細長く伸長した金属芯線連結部(108)と、管状金属体の低温端と、高温端同軸接合部との間で、細長く伸長した管状金属体連結部(208)と、管状金属体連結部の低温端と接続された冷却フィン(500)と、管状金属体連結部の低温端と熱的には接合され、電気的には絶縁されている金属芯線の低温端と、を単位ユニットとし、単位ユニットにおける高温端接合部と低温端を含む電気的接続が直列的、並列的、もしくは直列的且つ並列的に繰り返される。
【選択図】図1A
特許請求の範囲
【請求項1】
熱電対の-脚となる金属材料よりなる金属芯線(100)と、前記熱電対の+脚となる金属材料よりなる管状金属体(200)とからなり、前記金属芯線の周面を前記管状金属体の内周面で被覆するように接合された高温端同軸接合部(300)と、
前記金属芯線の低温端と、前記高温端同軸接合部との間で、細長く伸長した金属芯線連結部(108)と、
前記管状金属体の低温端と、前記高温端同軸接合部との間で、細長く伸長した管状金属体連結部(208)と、
前記管状金属体連結部の低温端と接続された冷却フィン(500)と、
前記管状金属体連結部の低温端と熱的には接合され、電気的には絶縁されている前記金属芯線の低温端と、
を単位ユニットとし、前記単位ユニットにおける前記高温端接合部と前記低温端を含む電気的接続が直列的、並列的、もしくは直列的且つ並列的に繰り返されることを特徴とする熱発電コイル。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記高温端同軸接合部(300)は、
前記金属芯線(100)が、金属芯線連結部108と接続される第1の領域(102)と、前記管状金属体連結部(208)と接続される第2の領域(106)と、前記第1の領域(102)と前記第2の領域(106)とを接続するU字状又はコの字状の第3の領域(104)を有し、
前記管状金属体(200)が、前記第1の領域(102)を被覆する第4の領域(202)と、前記第2の領域(106)を被覆する第5の領域(206)と、前記第3の領域(104)を被覆する第6の領域(204)を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱発電コイル。
【請求項3】
さらに、
前記高温端同軸接合部を被覆するセラミック部(400)と、
前記セラミック部(400)で被覆された高温端同軸接合部(300)を覆う耐火レンガ部(600)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱発電コイル。
【請求項4】
前記熱電対の+脚となる金属材料は、銅、鉄、アルミ若しくはこれらの合金から選択される金属材料であり、
前記熱電対の-脚となる金属材料は、コンスタンタン系合金であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱発電コイル。
【請求項5】
前記熱電対の+脚となる金属材料は、クロメルであり、
前記熱電対の-脚となる金属材料は、アルメルであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱発電コイル。
【請求項6】
前記単位ユニットは、更に前記管状金属体連結部の前記低温端を超えて延長した領域に位置する冷却フィン(500)を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱発電コイル。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の単位ユニットが、請求項3に記載の耐火レンガ部の内部で、前記高温端同軸接合部の積層方向に積層された熱発電コイルを複数有することを特徴とする熱発電モジュール。
【請求項8】
複数の前記熱発電コイルを収容する筐体と、
この筐体と前記熱発電コイルとの隙間を充填する絶縁充填材であって、前記熱発電コイルの相互を絶縁すると共に、前記熱発電コイルの熱変位を吸収する可塑性を有する前記絶縁充填材を用いて一体化することを特徴とする請求項7に記載の熱発電モジュール。
【請求項9】
前記筐体は耐火レンガ部(600)であり、
前記絶縁充填材はセラミック部(400)であり、
前記熱発電コイルを前記絶縁充填材と共に前記耐火レンガ部に収容して、高温酸化を防止することを特徴とする請求項8に記載の熱発電モジュール。
【請求項10】
請求項1に記載の金属芯線連結部及び管状金属体連結部の直径を1mm以上3mm以下とし、
前記金属芯線連結部及び管状金属体連結部の長さを5cm以上50cm以下とし、
前記金属芯線連結部及び管状金属体連結部を連結部用断熱ケースに収容することを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の熱発電モジュール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電対に使われる金属材料を用いた熱発電コイル及び熱発電モジュールに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
省エネのため、熱エネルギーを直接電気に変換するゼーベック効果を利用し、半導体又は2種類の異種金属の両端に温度差を与えて発生する熱起電力が利用される。
半導体を用いた熱発電では、高温部で運動エネルギーの大きくなったキャリア(電子と正孔)が、温度の低い方に拡散して発生する起電力を利用する。n型半導体とp型半導体では電位差が逆になるため、金属電極を介してn型半導体とp型半導体を交互に接続したπ型構造の素子を直列接続して起電力を大きくすることができる。(特許文献1)
【0003】
電子は電気のキャリアであると同時に熱を運ぶキャリアなので、熱電材料には熱伝導度が小さく、且つ電気伝導度が大きいという二つの特性が要求される。そのようなトレードオフ関係にある特性を有する材料は少なく、有害なビスマス・テルル合金(Bi
2
Te
3
)等の半導体が熱発電に使われている。
金属を用いた熱発電には、p型半導体の代わりに金属Niを用いて、n型半導体と金属Niを交互に傾斜接合してチューブに加工し、熱流と電流の向きを直交させた熱発電モジュールが開示されている。この技術は、熱発電のチューブ内と表面の間に温度差を与えると、n型半導体の層よりも熱伝導の良い金属Niの層を熱が優先的に伝わるため、各層の温度勾配にz軸方向の成分が生じる。このため、各層にゼーベック効果によってz軸方向の起電力が発生する。(特許文献2)
【0004】
しかし、上記の熱発電チューブの積層間は絶縁されてなく、電気的に一体構造なので、熱流がミクロ的に変動すると積層間に無効電流が発生して熱電変換効率が低下する。熱が金属Ni層を伝わるために熱ロスが大きい等の問題がある。実施例では、n型半導体としてBi
2
Te
3
が使われており、Te化合物が人体に有害なことに加え、高温になると起電力が低下する半導体固有の問題が解消されていない。このような金属と半導体を併用した場合に発生する問題を解決するために、金属だけを用いた同軸型熱発電コイルを開発した。
【0005】
温度測定に用いる熱電対に使われる金属は、ゼーベック係数が小さく、熱伝導率が大きいため、熱発電の材料には不適とされてきた。原理的には熱電対に使われる金属を用いて熱発電することは可能であるが、熱電対を直列接続すると、電圧は増加するが、内部抵抗が増加するために出力は余り増加しない。熱電対メーカが熱電対を用いた熱発電の実験を行い、熱電対では有効な熱発電ができないことを確認して公開した。(非特許文献1)
【0006】
熱電対に必要な材料特性は、温度に比例した電圧が発生すること、温度の測定範囲が広いこと、耐久性が高いこと等であり、電流が少ないことは問題にならない。そのため、電流が少ない原因である、熱電対の内部抵抗を小さくする研究は行われなかった。近年になって、本出願人の提案により、内部抵抗を小さくするために、高温端を2種類の異種金属を櫛歯型に接合して接合面を大きくすることで内部抵抗を30%に減少させる技術が開示され、熱電対に使われる金属を用いた熱発電に道が開かれた。(特許文献3)
しかし、特許文献3の技術は、異種金属の薄板を接合してスリット加工した櫛歯形状であるため、高温で使用すると高温端の接合部が変形し、接合端面から剥離するという課題が発生する。高温での耐久性を高めるために、高温端の構造を改良する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-016685号公報
特開2016-63075号公報
特開2021-40084号公報
【非特許文献】
【0008】
熱の実験室・熱電対電池を作ろう 2004年11月 (株)八光電機https://www.hakko.co.jp/expe/new/exnew0301.htm
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、熱発電に使われる半導体のゼーベック係数は高いけれど、高温になると減少する半導体固有の問題があり、その問題を解決するために、長年に亘り半導体の熱電材料開発が行われてきた。しかし、半導体の熱電材料開発では、まだ700℃の壁を越えていないという課題があった。
一方、熱電対に使われる金属材料は、ゼーベック係数が小さく、熱電対を直列接続すると電圧が増加するが、同時に内部抵抗が増加するため、起電力は殆ど増加しない。そのため熱電対の材料を用いた熱発電は実用化されてない。熱電対に使われる金属材料では、ゼーベック係数は低いものの、900℃の高温まで一様に増加する。熱電対の直列接続数を増やすと、ゼーベック係数が低いことは補うことができるが、増加する内部抵抗を小さくするためには並列接続数を増す必要があるため、デバイス構造に更なる改善の余地があった。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決したもので、熱電対に使われる金属材料を用いた熱発電コイル及び熱発電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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