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公開番号2025040894
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147973
出願日2023-09-12
発明の名称亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 28/00 20060101AFI20250317BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】平板部耐食性、加工部耐食性、塩が蓄積する環境下での平板部耐食性、及び耐汗性に優れる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を製造可能で、貯蔵安定性に優れる表面処理液を提供する。
【解決手段】特定のビスフェノール骨格を有する樹脂化合物と、特定のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂エマルションと、特定の反応性官能基を有するシランカップリング剤と、有機チタンキレート化合物と、4価のバナジウム化合物と、リン酸化合物と、水とを、特定の割合で含有し、かつpHが5.5以下である、亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の一般式(I)で表されるビスフェノール骨格を有する樹脂化合物(A)と、
第1~3アミノ基及び第4級アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも一種のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂エマルション(B)と、
活性水素含有アミノ基、エポキシ基、メルカプト基及びメタクリロキシ基から選ばれる少なくとも一種の反応性官能基を有するシランカップリング剤(C)と、
有機チタンキレート化合物(D)と、
4価のバナジウム化合物(E)と、
リン酸化合物(F)と、
水(G)と
を、以下の(1)~(5)の条件を満足する範囲で含有し、かつpHが5.5以下である、亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(1)前記樹脂化合物(A)の固形分質量(A

)、前記カチオン性ウレタン樹脂エマルション(B)の固形分質量(B

)、及び前記シランカップリング剤(C)の固形分質量(C

)の合計に対する、前記カチオン性ウレタン樹脂エマルション(B)の固形分質量(B

)の比[(B

)/{(A

)+(B

)+(C

)}]が0.10以上
(2)前記樹脂化合物(A)の固形分質量(A

)、前記カチオン性ウレタン樹脂エマルション(B)の固形分質量(B

)、及び前記シランカップリング剤(C)の固形分質量(C

)の合計に対する、前記シランカップリング剤(C)の固形分質量(C

)の比[(C

)/{(A

)+(B

)+(C

)}]が0.85以下
(3)前記有機チタンキレート化合物(D)のチタン換算質量(D
Ti
)に対する、前記シランカップリング剤(C)の固形分質量(C

)の比{(C

)/(D
Ti
)}が50~70
(4)前記有機チタンキレート化合物(D)のチタン換算質量(D
Ti
)に対する、前記4価のバナジウム化合物(E)のバナジウム換算質量(E

)の比{(E

)/(D
Ti
)}が0.30以上
(5)前記表面処理液の全固形分質量(T

)に対する、前記リン酸化合物(F)のりん換算質量(F

)の比{(F

)/(T

)}が0.015~0.400
TIFF
2025040894000023.tif
45
131
式(I)中、ベンゼン環に結合しているY

及びY

は、それぞれ互いに独立に、水素原子、又は、以下の一般式(II)若しくは(III)により表されるZ基であり、1ベンゼン環当たりのZ基の置換数の平均値は0.2~1.0であり、nは2~50の整数を表す。
TIFF
2025040894000024.tif
25
170
TIFF
2025040894000025.tif
20
136
式(II)及び(III)中、R

、R

、R

、R

及びR
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
請求項1に記載の表面処理液を、亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、次いで最高到達板温が40~180℃の条件で乾燥させて、片面当たりの付着量が0.2g/m

以上である表面処理皮膜を形成する工程を有する、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法により製造された表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
亜鉛系めっき鋼板は、自動車、家電、建材等の分野で広く利用されている。亜鉛系めっき鋼板の耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、無機化合物、有機化合物、有機高分子材料、あるいはこれらを組み合わせた組成物を用いて亜鉛系めっき鋼板の表面に表面処理皮膜を形成させる技術がこれまでに提案されている。
【0003】
また、亜鉛系めっき鋼板を人が直接触った場合に、その触った部分が時間と共に変色する現象が確認されている。これは、弱酸性である人の汗が亜鉛系めっき鋼板表面に付着することによって、亜鉛系めっき鋼板表面が変色する現象である。汗が付着した部分のみ色調が変化すると、亜鉛系めっき鋼板表面の外観が不均一となり問題視される。そこで、亜鉛系めっき鋼板における表面処理皮膜は、汗が付着したとしても亜鉛系めっき鋼板表面で外観が不均一にならないこと、すなわち、耐汗性に優れることも要求されている。
【0004】
特許文献1には、特定の樹脂化合物と、特定のカチオン性を有するウレタン樹脂エマルションと、特定の官能基を有するシランカップリング剤と、特定の有機チタンキレート化合物と、4価のバナジウム化合物と、モリブデン酸化合物と、フッ素化合物と、水とを特定の割合で含む表面処理液を用いて亜鉛系めっき鋼板の表面を処理することにより、耐食性に優れた表面処理皮膜を形成させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-67369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の表面処理皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板(表面処理鋼板)の耐食性は、特許文献1に記載のように、塩水噴霧試験(SST、JIS-Z-2371-2000)で評価するのが一般的であった。しかしながら、発明者らが検討したところ、SSTにおける耐食性に優れる表面処理鋼板であっても、軒下のような塩が蓄積する環境下で用いられる場合においては、優れた耐食性を示さない場合があることが分かった。
【0007】
一般的な大気腐食環境下では、表面処理鋼板の表面には飛来してきた塩が付着するが、降雨時には表面処理鋼板の表面に付着した塩は洗い流される。一方、例えば軒下のような環境下では、降雨時にも表面処理鋼板の表面に雨が降りかからないため、塩は洗い流されることなく蓄積する。さらに、軒下のような環境下は日当たりが悪く、湿潤時間が長くなる傾向にある。そのため、軒下のような塩が蓄積する環境下での表面処理鋼板の腐食機構と、一般的な大気腐食環境下での表面処理鋼板の腐食機構は異なると考えられ、このような環境下においても耐食性を確保できる表面処理鋼板の設計が求められていた。
【0008】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、表面処理皮膜にクロム化合物を含まず、平板部耐食性、加工部耐食性、塩が蓄積する環境下での平板部耐食性、及び耐汗性に優れる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を製造可能で、貯蔵安定性に優れる表面処理液を提供することを目的とする。また、本発明は、当該表面処理液を用いた表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法と、当該製造方法により製造された表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の知見を得た。塩が蓄積する環境下では、塩の吸湿作用により表面処理皮膜の表面に水膜が形成された際に表面処理皮膜から溶出可能な成分であり、かつ、亜鉛系めっき鋼板の表面でバリアー性を発現可能な化合物を形成できる成分を、表面処理皮膜に含有させることが重要である。そのため、表面処理液がリン酸化合物を所定の量含有することで、塩が蓄積する環境下での平板部耐食性に優れた表面処理皮膜を製造することができる。本発明者らはさらに、表面処理液がリン酸化合物を所定の量含有することで、表面処理皮膜の耐汗性も向上することを発見した。
【0010】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(【0011】以降は省略されています)

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