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公開番号2025040507
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147361
出願日2023-09-12
発明の名称スラグの管理方法及びスラグ材の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21C 5/28 20060101AFI20250317BHJP(鉄冶金)
要約【課題】スラグの処理コストの増加を抑制できるスラグの管理方法及びスラグ材の製造方法を提供する。
【解決手段】スラグの管理方法であって、溶鉄の精錬に使用される副原料の成分組成及び精錬前の溶鉄のSi濃度から精錬で発生するスラグに含まれる最大遊離石灰含有量を推定する推定工程と、推定工程で推定されたスラグの最大遊離石灰含有量が予め定められる第1の閾値以上か否かを判定する第1の判定工程と、第1の判定工程で判定された結果に基づいてスラグの処理方法を決定する決定工程と、を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶鉄の精錬に使用される副原料の成分組成及び精錬前の溶鉄のSi濃度から、前記精錬で発生するスラグに含まれる最大遊離石灰含有量を推定する推定工程と、
前記推定工程で推定されるスラグの最大遊離石灰含有量が予め定められる第1の閾値以上か否かを判定する第1の判定工程と、
前記第1の判定工程で判定された結果に基づいて前記スラグの処理方法を決定する決定工程と、
を有する、スラグの管理方法。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記推定工程では、前記副原料及び精錬前の溶鉄のSi濃度からT.CaO及びT.SiO

を算出し、前記T.CaO及びT.SiO

を用いて前記最大遊離石灰含有量を推定する、請求項1に記載のスラグの管理方法。
【請求項3】
前記推定工程では、下記(1)式を用いて前記スラグの最大遊離石灰含有量を推定する、請求項2に記載のスラグの管理方法。
最大遊離石灰含有量=T.CaO-1.86×T.SiO

・・・(1)
【請求項4】
前記第1の判定工程で前記第1の閾値以上であると判定されたスラグの遊離石灰含有量を分析する分析工程と、
前記分析工程で分析される遊離石灰含有量が予め定められた第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定工程と、
を有し、
前記決定工程では、前記第1の判定工程及び前記第2の判定工程で判定された結果に基づいて前記スラグの処理方法を決定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスラグの管理方法。
【請求項5】
前記第1の閾値は、15kg/t-溶鉄である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスラグの管理方法。
【請求項6】
前記決定工程において、前記第2の判定工程で前記遊離石灰含有量が前記第2の閾値以上であると判定されたスラグは蒸気エージング処理しないことを決定する、請求項4に記載のスラグの管理方法。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスラグの管理方法における決定工程で決定された処理方法で前記スラグを処理してスラグ材を製造する、スラグ材の製造方法。
【請求項8】
請求項4に記載のスラグの管理方法における決定工程で決定された処理方法で前記スラグを処理してスラグ材を製造する、スラグ材の製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載のスラグの管理方法における決定工程で決定された処理方法で前記スラグを処理してスラグ材を製造する、スラグ材の製造方法。
【請求項10】
請求項6に記載のスラグの管理方法における決定工程で決定された処理方法で前記スラグを処理してスラグ材を製造する、スラグ材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スラグの管理方法及びスラグ材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、鉄鋼業では、高炉、予備処理プロセス、転炉、電気炉等の操業時にスラグが副生される。これらのスラグの内、予備処理プロセス、転炉、電気炉等の製鋼工程で副生されるスラグを特に製鋼スラグという。製鋼工程では、溶銑中に含まれる燐や珪素などを除去するため、副原料として多量の石灰が投入される。そのため、製鋼スラグには未溶解の石灰や冷却時に晶出した石灰が遊離石灰(以下、遊離石灰を「f-CaO」と記載することがある。)として残留している。
【0003】
このf-CaOは、水和反応によってCa(OH)

になり、約2倍程度に体積膨張する性質を有している。このため、f-CaOを多量に含む製鋼スラグが水と接触するとf-CaOの水和反応によって当該スラグが膨張崩壊する。製鋼スラグの用途として路盤材などがあるが、f-CaOを含む製鋼スラグを路盤材に用いると、f-CaOの水和膨張により路盤の隆起が生じるという問題が発生する。
【0004】
このため、路盤材として製鋼スラグを用いる際には、特許文献1に開示されているように、製鋼スラグに蒸気エージング処理等の事前処理を実施ことが必要になる。蒸気エージング処理とは、製鋼スラグに含まれるf-CaOを水和反応によってCa(OH)

に変化させて安定化させる処理である。蒸気エージング処理は、専用の処理場に製鋼スラグを積み付け、その下部から水蒸気を流すことで実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-12053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
f-CaOを多く含むスラグに対しては、蒸気エージング処理を実施しても完全に膨張崩壊性を無くすことが困難である。従来は全てのスラグに対してf-CaO分析を行い、スラグのf-CaOの含有量に応じて蒸気エージング処理の要否や蒸気エージング処理条件を決定していた。この方法では、作業負荷の大きいf-CaO分析を膨大な数のスラグに対して行うことになるので、スラグの処理コストが増加してしまうという課題があった。
【0007】
本発明はこのような従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、スラグの処理コストの増加を抑制できるスラグの管理方法及びスラグ材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]溶鉄の精錬に使用される副原料の成分組成及び精錬前の溶鉄のSi濃度から、前記精錬で発生するスラグに含まれる最大遊離石灰含有量を推定する推定工程と、前記推定工程で推定されるスラグの最大遊離石灰含有量が予め定められる第1の閾値以上か否かを判定する第1の判定工程と、前記第1の判定工程で判定された結果に基づいて前記スラグの処理方法を決定する決定工程と、を有する、スラグの管理方法。
[2]前記推定工程では、前記副原料及び精錬前の溶鉄のSi濃度からT.CaO及びT.SiO

を算出し、前記T.CaO及びT.SiO

を用いて前記最大遊離石灰含有量を推定する、[1]に記載のスラグの管理方法。
[3]前記推定工程では、下記(1)式を用いて前記スラグの最大遊離石灰含有量を推定する、[2]に記載のスラグの管理方法。
最大遊離石灰含有量=T.CaO-1.86×T.SiO

・・・(1)
[4]前記第1の判定工程で前記第1の閾値以上であると判定されたスラグの遊離石灰含有量を分析する分析工程と、前記分析工程で分析される遊離石灰含有量が予め定められた第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定工程と、を有し、前記決定工程では、前記第1の判定工程及び前記第2の判定工程で判定された結果に基づいて前記スラグの処理方法を決定する、[1]から[3]のいずれかに記載のスラグの管理方法。
[5]前記第1の閾値は、15kg/t-溶鉄である、[1]から[3]のいずれかに記載のスラグの管理方法。
[6]前記決定工程において、前記第2の判定工程で前記遊離石灰含有量が前記第2の閾値以上であると判定されたスラグは蒸気エージング処理しないことを決定する、[4]に記載のスラグの管理方法。
[7][1]から[6]のいずれかに記載のスラグの管理方法における決定工程で決定された処理方法で前記スラグを処理してスラグ材を製造する、スラグ材の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、溶鉄の精錬で発生するスラグの最大遊離石灰含有量を推定し、推定された最大遊離石灰含有量を第1の閾値を用いて判定する。この判定結果により、スラグのf-CaOの含有量が多くなり得るスラグ及びf-CaOの含有量が少ないスラグを把握できるので、f-CaOの含有量が少ないスラグに対しては、従来実施していたf-CaO分析を省くことで、スラグの処理コスト増加を抑制できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な一例を示すものであり、これらの実施形態によって、本発明は何ら限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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