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公開番号2025038598
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2023145318
出願日2023-09-07
発明の名称防護柵用分割式支柱
出願人株式会社プロテックエンジニアリング
代理人個人,個人,個人
主分類E01F 7/04 20060101AFI20250312BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】分割式支柱の連結位置を自由に選択できて、分割支柱の曲げ耐力の向上と靭性の改善の両立が可能な防護柵用分割式支柱を提供すること。
【解決手段】
充填鋼管製の下部支柱10Aと、充填鋼管製の上部支柱10Bとからなり、下部支柱10Aおよび上部支柱10Bは外管11内の充填材14a,14bに複数の補強筋12a,12bが埋設してあり、下部支柱10Aと上部支柱10Bの一端に形成したフランジ16,16間を複数のボルト要素で連結してフランジ継手を形成し、下部支柱10Aまたは上部支柱10Bの何れか一方の外管内に下部支柱10Aの補強筋12aと上部支柱10Bの補強筋12bを重合させて筒状に配置すると共に、下部支柱10Aまたは上部支柱10Bの何れか一方の外管11内に充填した連結用充填材14cで以て筒状に配置した補強筋12a,12b群を位置決めして補強連結部20を形成した。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下部を支持面に埋設して立設する充填鋼管製の下部支柱と、前記下部支柱と同軸線上に配置して連結する充填鋼管製の上部支柱とからなる充填鋼管製の防護柵用分割式支柱であって、
前記下部支柱および上部支柱は外管内の充填材に複数の補強筋が埋設してあり、
同軸線上に配置した前記下部支柱と上部支柱の一端に形成したフランジ間を複数のボルト要素で連結してフランジ継手を形成し、
前記下部支柱または上部支柱の何れか一方の外管内に下部支柱の補強筋と上部支柱の補強筋を重合させて筒状に配置すると共に、
前記下部支柱または上部支柱の何れか一方の外管内に充填した連結用充填材で以て前記外管内に重合させて筒状に配置した補強筋群を位置決めして補強連結部を形成したことを特徴とする、
防護柵用分割式支柱。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記下部支柱が外管内に配列した複数の第1補強筋を具備し、前記上部支柱が外管内に配列した複数の第2補強筋を具備し、前記第1補強筋または第2補強筋の何れか一方の補強筋が下部支柱または上部支柱の全長を超える長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の防護柵用分割式支柱。
【請求項3】
前記第2補強筋が上部支柱の端面から突出し、前記下部支柱の上部に連結空間を形成し、前記連結空間内に第1補強筋および第2補強筋を重合させて筒状に配置したことを特徴とする、請求項2に記載の防護柵用分割式支柱。
【請求項4】
前記第1補強筋が下部支柱の端面から突出し、前記上部支柱の下部に連結空間を形成し、前記連結空間内に第1補強筋および第2補強筋を重合させて筒状に配置したことを特徴とする、請求項2に記載の防護柵用分割式支柱。
【請求項5】
外管内に配置する前記第1補強筋と第2補強筋が外管の中心から同一の半径で、かつ、均等の間隔で配置してあることを特徴とする、請求項2に記載の防護柵用分割式支柱。
【請求項6】
前記上部支柱の第2補強筋の径が下部支柱の第1補強筋と比べて小径であることを特徴とする、請求項2に記載の防護柵用分割式支柱。
【請求項7】
前記外管の中心部で軸方向に沿って金属製で断面が円形を呈する複数の内管を配置し、前記複数の内管を外管内に充填した充填材で以て位置決めし、曲げモーメントが生じたときに前記内管が扁平状に変形するように構成したことを特徴とする、請求項1に記載の防護柵用分割式支柱。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は落石、土砂、雪崩等の崩落物を捕捉する防護柵用の支柱に関し、特に支柱を複数に分割して構成する分割式支柱に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般に防護柵は、複数の支柱と、隣り合う支柱の間に取り付けた防護ネットを具備していて、防護ネットに作用した衝撃力を最終的に支柱の強度で支持している。
支柱には一般的に中空鋼管やH鋼等が用いられるが、高強度が要求される防護柵では、コンクリート充填鋼管製の支柱が用いられる。
【0003】
支柱は全長が比較的長く重量物であることから、車両輸送が困難な現場や、防護柵の設置現場が狭隘地である場合は、分割式の支柱が用いられる。
特許文献1には、支柱を上下二つに分割して支柱下部と支柱上部で構成する分割式の支柱が開示されている。
【0004】
図10を参照して従来の分割式の支柱50について説明する。
分割式の支柱50は支柱下部51と支柱上部52とからなる。
各支柱下部51と支柱上部52は充填鋼管製であり、鋼管53内に複数の補強筋54を配置しつつ、コンクリートやモルタル等の充填材55を充填してある。
各鋼管53の端部には環状のフランジ56が拡径方向に突設してある。
分割した形態で支柱下部51と支柱上部52を現場へ搬入した後に、フランジ56,56同士を突合せて複数のボルト要素57で連結して一本もの支柱50に組み立てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-162486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の分割式の支柱50にはつぎのような改善すべき点がある。
<1>分割式の支柱50は、支柱下部51と支柱上部52との間で補強筋54が分断されるので、連結部が塑性ヒンジとなって強度的に弱点となる。
そのため、分割式の支柱50は、分割しない一本ものの支柱と比べて、曲げ耐力が低くなる。
<2>分割式の支柱50は、ボルト要素57が破断すると、支柱50が連結箇所で折れてしまい、一瞬にして支柱機能を喪失してしまう。
<3>連結部の強度を高めるために、ボルト要素57の数を増やしたり、フランジ56と鋼管53の間に複数の補強リブ58を追加設置したりする対策が講じられているが、補強コストが高くつく。
<4>支柱下部51と支柱上部52との連結位置は、曲げモーメントの小さい支柱50の地上部のうちの上位位置に限定されて、支柱下部51と支柱上部52との連結位置を自由に選択できない。
【0007】
本発明の目的は以上の問題点を解決できる、防護柵用分割式支柱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下部を支持面に埋設して立設する充填鋼管製の下部支柱と、前記下部支柱と同軸線上に配置して連結する充填鋼管製の上部支柱とからなる充填鋼管製の防護柵用分割式支柱であって、前記下部支柱および上部支柱は外管内の充填材に複数の補強筋が埋設してあり、同軸線上に配置した前記下部支柱と上部支柱の一端に形成したフランジ間を複数のボルト要素で連結してフランジ継手を形成し、前記下部支柱または上部支柱の何れか一方の外管内に下部支柱の補強筋と上部支柱の補強筋を重合させて筒状に配置すると共に、前記下部支柱または上部支柱の何れか一方の外管内に充填した連結用充填材で以て前記外管内に重合させて筒状に配置した補強筋群を位置決めして補強連結部を形成したものである。
本発明の他の形態において、前記下部支柱が外管内に配列した複数の第1補強筋を具備し、前記上部支柱が外管内に配列した複数の第2補強筋を具備し、前記第1補強筋または第2補強筋の何れか一方の補強筋が下部支柱または上部支柱の全長を超える長さを有する。
本発明の他の形態において、前記第2補強筋が上部支柱の端面から突出し、前記下部支柱の上部に連結空間を形成し、前記連結空間内に第1補強筋および第2補強筋を重合させて筒状に配置する。
本発明の他の形態において、前記第1補強筋が下部支柱の端面から突出し、前記上部支柱の下部に連結空間を形成し、前記連結空間内に第1補強筋および第2補強筋を重合させて筒状に配置する。
本発明の他の形態において、外管内に配置する前記第1補強筋と第2補強筋が外管の中心から同一の半径で、かつ、均等の間隔で配置する。
本発明の他の形態において、前記上部支柱の第2補強筋の径が下部支柱の第1補強筋と比べて小径の寸法関係にある。
本発明の他の形態において、前記外管の中心部で軸方向に沿って金属製で断面が円形を呈する複数の内管を配置し、前記複数の内管を外管内に充填した充填材で以て位置決めし、曲げモーメントが生じたときに前記内管が扁平状に変形するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は少なくとも次の一つの効果を奏する。
<1>本発明の分割式支柱は、分割式支柱に作用した曲げ力を、フランジ継手と補強連結部とに分散して支持する構造である。
そのため、フランジ継手が強度的な弱点にならずに済むため、地上に突出した地上部において、分割式支柱の連結位置を自由に選択することができる。
<2>本発明の分割式支柱は、補強連結部が大きな曲げ力に対抗するので、すべてのボルト要素が破断したとしても、分割支柱の曲げ耐力が急激に低下するのを効果的に防止できる。
そのため、ボルト要素が破断した後も、支柱機能を持続することができる。
<3>分割式支柱に作用した曲げ力を補強連結部が支持するために、フランジ継手の荷重負担を軽減できる。
そのため、フランジ継手に使用するボルト要素の設置数を削減できると共に、フランジと外管との間に補強リブを追加設置する必要がなくなる。
<4>補強連結部においける外管だけでなく、外管の内側で筒状に配置した複数の補強筋群等の複数の要素が連結結用充填材の拘束部材として機能する。
こそのため、連結用充填材の拘束効果が高くなって、補強連結部の曲げ耐力が高くなる。
<5>下部支柱と上部支柱に跨って補強筋を配置することで、分割式支柱の全体で曲げ力を支持することができる。
<6>下部支柱と上部支柱の連結部に補強連結部を形成したことで、分割支柱の曲げ耐力が向上すると同時に、靭性の大幅な改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一部を省略した本発明の実施例1に係る分割式支柱の説明図
一部を破断した下部支柱の説明図
図2におけるIII-IIIの断面図
図2におけるIV-IVの断面図
一部を破断した上部支柱の説明図
図2におけるVI-VIの断面図
分割式支柱の組立方法の説明図
分割式支柱の組立方法の説明図
図8に示した下部支柱の断面図で、(A)は充填材の充填前における下部支柱の断面図、(B)充填材の充填後における下部支柱の断面図
本発明が前提とする分割式の支柱の説明図で、(A)は連結前における分割式の支柱のモデル図、(B)は連結前後おける分割式の支柱のモデル図
【発明を実施するための最良の形態】
(【0011】以降は省略されています)

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