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公開番号2025063401
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023172549
出願日2023-10-04
発明の名称床版の撤去方法
出願人西松建設株式会社,コンクリートコーリング株式会社,株式会社デーロス・ジャパン
代理人弁理士法人MIP
主分類E01D 24/00 20060101AFI20250409BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】合成桁における床版撤去作業にかかる時間を短縮し、主桁(箱桁)を傷つけることなく、床版を効率的に撤去できる方法を提供すること。
【解決手段】床版の撤去方法は、合成桁における箱桁の幅方向の両端部に該箱桁の軸方向へ向けてずれ止め部材が列設された該箱桁上に接合した鉄筋コンクリートからなる床版の上面側から高圧水を噴射させてコンクリートを除去し、各端部に列設されたずれ止め部材を露出させる工程と、露出させた両端部に列設されたずれ止め部材間の箱桁上の床版に、箱桁の軸方向へ延びる所定の深さの隙間を形成する工程と、形成した隙間に、内部を加圧することにより膨張する膨張部材を挿入する工程と、隙間に挿入された膨張部材の内部を加圧し、該膨張部材を膨張させる工程とを含む。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
合成桁において床版を撤去する方法であって、
前記合成桁における箱桁の幅方向の両端部に該箱桁の軸方向へ向けてずれ止め部材が列設された該箱桁上に接合した鉄筋コンクリートからなる床版の上面側から高圧水を噴射させてコンクリートを除去し、各端部に列設されたずれ止め部材を露出させる工程と、
露出させた両端部に列設されたずれ止め部材間の箱桁上の床版に、箱桁の軸方向へ延びる所定の深さの隙間を形成する工程と、
形成した前記隙間に、内部を加圧することにより膨張する膨張部材を挿入する工程と、
前記隙間に挿入された前記膨張部材の内部を加圧し、該膨張部材を膨張させる工程と
を含む、床版の撤去方法。
続きを表示（約 610 文字）【請求項２】
前記床版に埋設される鉄筋は、鉛直方向に上下二段に配筋されており、
前記隙間を形成する工程では、前記床版の上面から下段の鉄筋を超え、前記箱桁に到達しない深さの隙間を形成する、請求項１に記載の床版の撤去方法。
【請求項３】
前記合成桁は、２つの前記箱桁を有し、
前記２つの箱桁のそれぞれに対し、前記露出させる工程と、前記形成する工程と、前記挿入する工程と、前記膨張させる工程とを実施する、請求項１または２に記載の床版の撤去方法。
【請求項４】
前記ずれ止め部材間の箱桁上の床版に、箱桁の幅方向へ延びる所定の深さの第２の隙間を形成する工程をさらに含む、請求項１または２に記載の床版の撤去方法。
【請求項５】
前記ずれ止め部材を露出させる工程では、前記高圧水を２つのノズルから噴射させ、衝突させることにより切削深さを制御するコリジョンノズルを用い、前記切削深さを制御しながら前記コンクリートを切削する、請求項１または２に記載の床版の撤去方法。
【請求項６】
前記膨張させる工程により前記箱桁から剥離した前記床版を揚重し、前記箱桁上から撤去する工程を含む、請求項１または２に記載の床版の撤去方法。
【請求項７】
加圧手段により水を加圧して前記膨張部材内へ供給する工程を含む、請求項１または２に記載の床版の撤去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、合成桁において床版を撤去する方法に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
道路橋等の橋梁の床版は、経時的な劣化や損傷等に伴い、撤去し、新しいものと取り替える必要がある。橋梁を構成する主桁・床版の構造には、合成桁と、非合成桁とがあり、合成桁では、主桁の桁フランジ上にジベル筋を設け、主桁とその上に構築される床版とを強固に接合した構造が取られている。このため、合成桁において床版を撤去する作業は、手間や時間を要する作業となっている。
【０００３】
合成桁において床版を撤去する方法として、床版の上面から鋼桁の長さ方向に沿って高圧ウォータージェットによりコンクリートのみを除去してジベルおよび床版に埋設された鉄筋の一部を露出させて縁切りを行い、上方に引き剥がす方法が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第４８７５７７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記の従来の技術では、合成桁の主桁が箱桁である場合、高圧ウォータージェットにより主桁端部のずれ止め部材を露出させて縁切りした後、箱桁上の床版を、箱桁を損傷することなく切断し、所要の大きさのブロック片にして上方に引き剥がすことは困難である。このため、縁切り後の箱桁上の床版については、手斫りやウォータージェット（ＷＪ）工法等により撤去する必要があり、合成桁における床版撤去作業に時間がかかり、床版を効率的に撤去することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、合成桁において床版を撤去する方法であって、
合成桁における箱桁の幅方向の両端部に該箱桁の軸方向へ向けてずれ止め部材が列設された該箱桁上に接合した鉄筋コンクリートからなる床版の上面側から高圧水を噴射させてコンクリートを除去し、各端部に列設されたずれ止め部材を露出させる工程と、
露出させた両端部に列設されたずれ止め部材間の箱桁上の床版に、箱桁の軸方向へ延びる所定の深さの隙間を形成する工程と、
形成した隙間に、内部を加圧することにより膨張する膨張部材を挿入する工程と、
隙間に挿入された膨張部材の内部を加圧し、該膨張部材を膨張させる工程と
を含む、床版の撤去方法が提供される。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、合成桁における床版撤去作業にかかる時間を短縮し、合成桁の主桁（箱桁）を傷つけることなく、床版を効率的に撤去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
道路橋の構造の一例を示した図。
道路橋における主桁と床版の接合部の一例として、その接合部を模した模擬合成桁箱桁を示した図。
高圧水によりコンクリートを切削する切削装置の一例を示した図。
切削装置が備える高圧水を噴射するノズルを拡大して示した図。
床版を撤去する作業を説明する図。
膨張部材の一例を示した図。
床版を撤去する作業の一例を示したフローチャート。
高圧水によりコンクリートを除去した後の接合部の様子を示した図。
道路カッターにより床版に隙間を形成している様子を示した図。
形成した隙間に膨張部材を挿入した様子を示した図。
膨張部材の膨張により隙間が拡張した様子を示した図。
起重機により床版を揚重し、箱桁上から撤去している様子を示した図。
床版を撤去した後の箱桁の様子を示した図。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１は、床版を有する構造物として、主桁（箱桁）２基と床版を有する構造とした、道路橋の構造の一例を示した図である。道路橋は、橋梁の１つであり、他の橋梁としては、鉄道橋、歩道橋等がある。橋梁は、河川等を超えるため、桁下に空間を残し、架設される道路構造物で、橋長が２ｍ以上のものである。
【００１０】
道路橋１０は、橋脚等の下部構造（下部工）と、下部工上に構築され、歩行者や車両等を直接支持する上部構造（上部工）とから構成される。上部工は、荷重を下部工に伝達する支承１１と、上部工全体を支持し、荷重を、支承１１を介して下部工へ伝達する支承１１から鉛直方向に延びる主桁１２と、主桁１２間を繋ぐ横桁１３と、歩行者や車両等の重量を荷重として主桁１２および横桁１３へ伝達する板である床版１４とを含む。
（【００１１】以降は省略されています）

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