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公開番号2025035273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142205
出願日2023-09-01
発明の名称フロア式パーキングブレーキ装置
出願人豊田鉄工株式会社
代理人弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類B60T 7/10 20060101AFI20250306BHJP(車両一般)
要約【課題】通常の車両におけるフロア式パーキングブレーキ装置に付加機構を設けて、競技用車両のドリフト走行においては、レバー本体に設置されるばね部材により付勢される操作ノブの手動操作を不要とする。
【解決手段】
フロア式パーキングブレーキ装置10の操作機構部14のレバー本体24には、セクター30のラチェット歯44と噛合ことのできる係止歯42を備えたポール32が回動可能に設置される。ポール32は通常はコイルスプリング36により係止歯42がラチェット歯44と噛合う方向に回動付勢されている。ポール32の第3の分岐片32には固定機構60(セクターとポールの噛合い状態切替手段54)が設置されており、ねじ付きボルト66によりポール32の係止歯42がラチェット歯から離れた位置に常時固定される。これにより、競技用車両のドリフト走行においては操作ノブ28を操作しなくても操作部位26を操作可能とする。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項１】
車両のフロアに固定されたベース部材に回動軸を軸心として回動可能に設けられたレバー本体の回動位置によりパーキング作動状態とパーキング非作動状態が設定されており、前記レバー本体には当該レバー本体の回動軸から離間した位置に操作部位が設定されており、当該操作部位に設けられた操作ノブの操作により前記パーキング作動状態とパーキング非作動状態の切替えが可能とされており、
前記ベース部材には前記レバー本体の回動軸を中心として円弧状にラチェット歯が形成されたセクターが配設されており、他方、前記レバー本体には前記セクターのラチェット歯に係合する係止歯を形成したポールが回動可能に配設されており、
前記ポールは、前記レバー本体の操作部位に設けられた操作ノブとリンク機構により連結されていると共に、前記操作ノブに付勢されたばね部材のばね力により、前記セクターのラチェット歯と前記ポールの係止歯を噛合い状態とすることのできる構成とされている、フロア式パーキングブレーキ装置であって、
前記レバー本体の操作ノブと前記ポールとを連結する連結構成部材の何れかの部材に、前記セクターのラチェット歯と前記ポールの係止歯との関係を噛合い可能状態とするか、常時非噛合い状態にするかを選択することのできるセクタ―とポールの噛合い状態切替手段が設定されている、フロア式パーキングブレーキ装置。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
請求項１に記載のフロア式パーキングブレーキ装置であって、
前記セクタ―とポールの噛合い状態切替手段は、前記ポールと前記レバー本体を形成する側板との部材間に設定された両部材の相対位置関係を固定する固定機構であり、当該固定機構は両部材間の固定状態が解除可能な機構とされている、フロア式パーキングブレーキ装置。
【請求項３】
請求項２に記載のフロア式パーキングブレーキ装置であって、
前記固定機構は、前記ポールに穿設された単純挿通孔と、前記レバー本体の側板に穿設されたねじ形成挿通孔と、前記ねじ形成挿通孔と前記単純挿通孔に挿通されるねじ付きボルトとからなり、前記ねじ付きボルトが前記ねじ形成挿通孔に螺合されることにより前記ポールと前記レバー本体の側板が固定される構成となっている、フロア式パーキングブレーキ装置。
【請求項４】
請求項２又は請求項３に記載のフロア式パーキングブレーキ装置であって、
前記固定機構の設定位置は、前記ポールの係止歯と前記セクターのラチェット歯との噛合い位置から離間した位置で、前記ポールの回動中心よりもさらに離間した位置である、フロア式パーキングブレーキ装置。
【請求項５】
請求項４に記載のフロア式パーキングブレーキ装置であって、
前記固定機構を形成するポールはＹ字形状の３つの分岐片形状に形成されており、第１の分岐片の先端部に前記係止歯が形成されており、第２の分岐片の先端部に前記操作ノブと連結されるリンク機構の一端が係止されており、第３の分岐片に前記固定機構を形成する単純挿通孔が形成されている、フロア式パーキングブレーキ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、フロア式パーキングブレーキ装置に関する。特に、通常の自動車等車両と競技用車両の両方に適用可能なフロア式パーキングブレーキ装置に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
通常の自動車等車両においては、駐車時に確実に車両を固定しておくためのパーキングブレーキ装置が備えられる。パーキングブレーキ装置は各種の方式があるが、その一つとして、車両のフロアに備えられるフロア式パーキングブレーキ装置がある。このフロア式パーキングブレーキ装置はフロア上に設置されるレバー本体を手動で上下方向に操作することにより、車両をパーキング位置と非パーキング位置に選択できるようになっている。そして、通常の車両では、非パーキング位置状態で車両の走行が行われる。
【０００３】
フロア式パーキングブレーキ装置は、通常、車両の後輪を固定する方式であるが、後輪を固定するための操作機構は、次のように構成されている（下記特許文献１参照）。先ず、車両のフロアに固定されたベース部材に回動軸を軸心として回動可能に設けられたレバー本体により車両のパーキング作動状態とパーキング非作動状態が設定される構成となっている。そして、レバー本体には当該レバー本体の回動軸から離間した位置に操作部位が設定されており、当該操作部位に操作ノブが設けられており、この操作ノブの操作により前述のパーキング作動状態とパーキング非作動状態の切替えが可能とされている。
【０００４】
更に、車両のフロアに固定されたベース部材には、レバー本体の回動軸を中心として円弧状にラチェット歯を形成したセクターが配設されており、他方、レバー本体には、セクターのラチェット歯に係合する係止歯を形成したポールが回動可能に配設されている。ポールは、レバー本体の操作部位に設けられた操作ノブとリンク機構により連結されて操作されるようになっており、操作ノブに付勢されたばね部材のばね力により、セクターのラチェット歯とポールの係止歯を噛合い状態とすることのできる構成されている。そして、操作ノブを手動で操作することによりレバー本体の回動位置を切替えて、パーキング作動状態とパーキング非作動状態とすることができるようになっている。
【０００５】
ところで、競技用車両においては、このフロア式パーキングブレーキ装置のパーキング作動状態を利用して走行が行われる場合がある。すなわち、車両の後輪を固定（ロック）状態として走行するドリフト走行である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０２１－１４６９７３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
通常の車両において、レバー本体のパーキング作動状態の位置は、手動操作でレバー本体を上方に引き上げた位置とされている。かかるパーキング作動状態の位置では、セクターのラチェット歯にポールの係止歯が噛合った状態として、レバー本体を確実にパーキング作動状態とする。このパーキング作動状態の位置を確実に設定することは、駐車機能の安全上重要とされている。
【０００８】
そして、通常の車両において、パーキング非作動状態とするためには、レバー本体を引き下げた位置に手動操作で行う必要がある。このパーキング作動状態からパーキング非作動状態にする手動操作は、レバー本体の操作部位に設けられた操作ノブを操作して、セクターのラチェット歯とポールの係止歯の噛合いを外す操作をしなければならない。
【０００９】
すなわち、通常の車両においては、パーキング作動状態とパーキング非作動状態の切替えは、レバー本体の操作部位に設定された操作ノブを手動操作で操作しなければ、切替えられない構成となっている。
【００１０】
ところで、競技用車両においては、前述もしたように車両の後輪を固定（ロック）状態として走行するいわゆるドリフト走行が行われる。このドリフト走行を通常の車両におけるフロア式パーキングブレーキ装置を用いて行う場合は、レバー本体をパーキング作動状態の引き上げた位置として、後輪をロック状態とする。
（【００１１】以降は省略されています）

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