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公開番号2025034061
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140209
出願日2023-08-30
発明の名称放射線検出素子、放射線検出デバイス及び放射線像撮像装置
出願人国立大学法人東京科学大学,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類G01T 1/24 20060101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約【課題】Cd等の有害元素を含まない材料を用いた放射線直接検出装置を提供する。
【解決手段】放射線吸収層と電極とを備える放射線検出素子であって、前記電極は前記放射線吸収層の両面に位置し、前記放射線吸収層は、以下(a)~(c)を満たす放射線吸収部材を備える、放射線検出素子。
(a)放射線の入射に応じて電荷を生じる性質を示す。
(b)下記式(1)で表される組成の結晶相を含む。
(c)短径の長さが1mm以上の単結晶子を備える。
ABxCy・・・(1)
(上記式(1)中、A、B、Cは化合物を構成する元素を指し、AはK、Rb、及びCsから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、Bは少なくともCuを含み、CはCl、Br、及びIから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、x、yはそれぞれAを1とした時のB及びCのモル比を示し、1.5≦x≦2.5、2.5≦y≦3.5である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
放射線吸収層と電極とを備える放射線検出素子であって、
前記電極は前記放射線吸収層の両面に位置し、
前記放射線吸収層は、以下(a)~(c)を満たす放射線吸収部材を備える、放射線検出素子。
(a)放射線の入射に応じて電荷を生じる性質を示す。
(b)下記式(1)で表される組成の結晶相を含む。
(c)短径の長さが1mm以上の単結晶子を備える。
AB



・・・(1)
(上記式(1)中、A、B、Cは化合物を構成する元素を指し、
AはK、Rb、及びCsから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、
Bは少なくともCuを含み、
CはCl、Br、及びIから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、
x、yはそれぞれAを1とした時のB及びCのモル比を示し、
1.5≦x≦2.5、2.5≦y≦3.5
である。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記式(1)で表される組成の結晶相の結晶構造が直方晶、空間群Cmcmに属する、請求項1に記載の放射線検出素子。
【請求項3】
前記(a)~(c)を満たす放射線吸収部材が単結晶から成る、請求項1に記載の放射線検出素子。
【請求項4】
更に、コンデンサ及び電気信号出力部を備え、
前記コンデンサは前記放射線検出素子における電極のいずれかに接続され、
前記電気信号出力部は前記コンデンサに蓄積した電荷を電気信号として出力する、請求項1に記載の放射線検出素子。
【請求項5】
前記放射線吸収層が、更に別の放射線吸収部材を備え、該別の放射線吸収部材は下記式(2)で表される組成の結晶相を含む、請求項1に記載の放射線検出素子。






・・・(2)
(上記式(1)中、A、B、Cは化合物を構成する元素を指し、
AはK、Rb、及びCsから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、
Bは少なくともCuを含み、
CはCl、Br、及びIから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、
z、wはそれぞれAを3とした時のB及びCのモル比を示し、
1.5≦z≦2.5、4.0≦w≦6.0
である。)
【請求項6】
前記放射線検出層が、前記(a)~(c)を満たす放射線吸収部材と、前記別の放射線吸収部材とが積層した構造を含む、請求項5に記載の放射線検出素子。
【請求項7】
前記放射線吸収層が、1以上の表面の一部または全部に、一価の金属元素もしくは二価の金属元素とハロゲン元素とを含む化合物から成る層を備える、請求項1に記載の放射線検出素子。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の放射線検出素子を1以上備える、放射線検出デバイス。
【請求項9】
前記放射線検出素子として、更に、コンデンサ及び電気信号出力部を備え、
前記コンデンサは前記放射線検出素子における電極のいずれかに接続され、
前記電気信号出力部は前記コンデンサに蓄積した電荷を電気信号として出力する、放射線検出素子を備える、請求項8に記載の放射線検出デバイスと、
前記電気信号出力部からの信号を画像に変換する画像変換部とを備える、放射線像撮像装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出素子、放射線検出デバイス及び放射線像撮像装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
放射線検出はセキュリティ、医療、資源探索等様々な分野で活用されており、例えば、放射線を電気信号に変換する放射線変換素子(以下、単に「変換素子」と記載する場合もある)をアレイ状に並べ、対象物に放射線を照射することで、対象物の位置ごとに放射線の吸収率が異なる場合に、前記各変換素子に入射する放射線量が異なることを利用し、変換素子ごとの検出線量に基づいて対象物の像を描画する。
放射線を電気信号に変換する主な手法として、シンチレータと光電変換部を含む放射線検出素子(以降、単に「検出素子」と記載する場合もある)を用い、放射線をシンチレータにより可視光などの電磁波に変換した後、該電磁波を光電変換部により電気信号に変換する手法(間接変換法)と、半導体等の変換素子により放射線を直接電気信号に変換する手法(直接変換法)が存在する。
【0003】
間接変換法はシンチレータが放出する電磁波が全方位に放出され、さらにシンチレータ中で散乱するため、ある検出素子内のシンチレータから放出された電磁波が近傍の検出素子で検出される所謂「クロストーク」が起きやすく、位置分解能が低下する傾向にある。
これに対し、直接変換法は例えば、放射線を電荷に変換する放射線吸収層の両面に電極を配置し、一方の電極に対して電圧を印加することで放射線吸収層内に電界を発生させた状態で放射線を照射することで、放射線吸収層で生じた電荷が電界方向に従って移動し、他方の電極に到達する。ここでこの電極への電荷の蓄積、もしくはそれによる電極間の電圧の変化を電気信号として取り出すという原理で放射線を検出する。
このように放射線吸収層で生じた電荷を特定の方向に誘導することで、前記クロストークの発生を抑えることができるため、直接変換法は間接変換法より位置分解能に優れているが、サイズの大きい結晶性素子を必要とする。
【0004】
間接変換法による放射線検出装置として、例えばCsI、CsI及び混晶系などのハライド系材料を用いたものが挙げられる(特許文献1,2)。しかし、特許文献1,2の材料は、いずれも蒸着による薄膜や針状結晶などの形状をしており、用途も前述のクロストークの問題を抱える間接変換法に留まり、位置分解能に優れる直接変換法への応用、及びこれに必要となる大きなサイズの結晶性素子は報告されていない。
直接変換法による放射線検出装置の例として、例えばCdTe、CdZnTe等の無機化合物単結晶を放射線吸収層に用い、高い感度で放射線を検出するものが報告されている(特許文献3,4)。しかし、これらの材料はいずれも変換素子製造のコストが非常に高いほか、有害なCdを含むという課題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-147343号公報
特開2015-045636号公報
特開2016-202901号公報
特開2017-096798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術の課題に鑑み、本発明は、Cd等の有害元素を含まない材料を用いた放射線直接検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定の組成を示す結晶相を有し、かつ結晶性の高い放射線吸収層を備える放射線検出素子を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
【0009】
[1] 放射線吸収層と電極とを備える放射線検出素子であって、
前記電極は前記放射線吸収層の両面に位置し、
前記放射線吸収層は、以下(a)~(c)を満たす放射線吸収部材を備える、放射線検出素子。
(a)放射線の入射に応じて電荷を生じる性質を示す。
(b)下記式(1)で表される組成の結晶相を含む。
(c)短径の長さが1mm以上の単結晶子を備える。
AB



・・・(1)
(上記式(1)中、A、B、Cは化合物を構成する元素を指し、
AはK、Rb、及びCsから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、
Bは少なくともCuを含み、
CはCl、Br、及びIから成る群より選ばれる1種以上の元素を含み、
x、yはそれぞれAを1.0とした時のB及びCのモル比を示し、
1.5≦x≦2.5、2.5≦y≦3.5
である。)
【0010】
[2] 前記式(1)で表される組成の結晶相の結晶構造が直方晶、空間群Cmcmに属する、[1]に記載の放射線検出素子。
(【0011】以降は省略されています)

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