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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025063018
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-15
出願番号
2024188699,2023061429
出願日
2024-10-28,2019-03-22
発明の名称
ヘテロ核酸のBBB通過脂質リガンド
出願人
国立大学法人東京科学大学
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12N
15/11 20060101AFI20250408BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、神経系、特にBBB機構により薬剤送達が阻まれる中枢神経系へ効率的
に送達され、かつ送達場所で標的転写産物に対してアンチセンス効果をもたらす核酸剤、
及びそれを含む組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】標的転写産物の一部にハイブリダイズし、標的転写産物に対してアンチセン
ス効果を有する第1核酸鎖と、第1核酸鎖に相補的な塩基配列を含み、トコフェロール若
しくはその類縁体、コレステロール若しくはその類縁体、又は置換された若しくは置換さ
れていないC
1
~
30
のアルキル基、若しくは置換された若しくは置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、若しくは置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアル
コキシ基と結合している第2核酸鎖がアニールしてなる二本鎖の核酸複合体を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
第1核酸鎖と第2核酸鎖とを含む核酸複合体であって、
該第1核酸鎖は、標的転写産物の少なくとも一部にハイブリダイズすることが可能な塩
基配列を含み、かつ、標的転写産物に対してアンチセンス効果を有し、
該第2核酸鎖は、該第1核酸鎖に相補的な塩基配列を含み、かつ、
(1)トコフェロール若しくはその類縁体、
(2)コレステロール若しくはその類縁体、又は
(3)置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、若しくは置換され
た若しくは置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、若しくは置換された若しくは置
換されていないC
1
~
30
のアルコキシ基
と結合しており、
該第1核酸鎖は、該第2核酸鎖にアニールしている、核酸複合体。
続きを表示(約 3,700 文字)
【請求項2】
前記トコフェロール又はその類縁体が、下式(I):
TIFF
2025063018000129.tif
33
62
(式中、R
1
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基又は置換
された若しくは置換されていないC
2
~
30
アルケニル基を表す)
で表される、請求項1に記載の核酸複合体。
【請求項3】
前記コレステロール又はその類縁体が、下式(II)、(V)、(VI)、及び(VII):
TIFF
2025063018000130.tif
32
66
(式中、
環Aは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキサン又は置換された若しくは置
換されていないベンゼンを表し、
環Bは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキセン、置換された若しくは置換
されていないシクロヘキサン又は置換された若しくは置換されていないシクロヘキサジエ
ンを表し、
環Cは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキセン又は置換された若しくは置
換されていないシクロヘキサンを表し、
R
2
は、水素原子、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、置換
された若しくは置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、置換された若しくは置換さ
れていないC
1
~
6
アルキル-カルボニル基、置換された若しくは置換されていないC
1
~
6
アルキル-カルボニル-オキシ基、又はオキソ基を表し、
R
3
は、水素原子を表し、
R
2
及びR
3
は、一緒になって、置換された若しくは置換されていない1,6-ジオキサ
スピロ[4.5]デカン環を形成してもよく、
L
1
は、-O-、-NH-、
TIFF
2025063018000131.tif
25
66
、又は
TIFF
2025063018000132.tif
31
66
を表す)、
TIFF
2025063018000133.tif
22
66
(式中、R
4
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、又は置
換された若しくは置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基を表す)、
TIFF
2025063018000134.tif
30
49
(式中、R
5
及びR
6
は、それぞれ独立して、置換された若しくは置換されていないC
1
~
【請求項4】
前記コレステロール又はその類縁体が、下式(IIa):
TIFF
2025063018000136.tif
37
71
(式中、
環Aは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキセン、置換された若しくは置換
されていないシクロヘキサン又は置換された若しくは置換されていないシクロヘキサジエ
ンを表し、
R
1
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、置換された若し
くは置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、置換された若しくは置換されていない
C
1
~
6
アルキル-カルボニル基、置換された若しくは置換されていないC
1
~
6
アルキ
ル-カルボニル-オキシ基、又はオキソ基を表し、
L
1
は、-O-、-NH-、
TIFF
2025063018000137.tif
28
71
、又は
TIFF
2025063018000138.tif
34
71
を表す)
で表される、請求項1に記載の核酸複合体。
【請求項5】
前記コレステロール又はその類縁体が、下式(IIa-1)、(IIa-2)、(IIa-3)、及び
(IIa-4):
TIFF
2025063018000139.tif
43
67
(IIa-1)、
TIFF
2025063018000140.tif
33
67
(IIa-2)、
TIFF
2025063018000141.tif
34
67
(IIa-3)、
TIFF
2025063018000142.tif
37
67
(IIa-4)
(式中、
L
1
は、-O-、-NH-、
TIFF
2025063018000143.tif
25
50
、又は
TIFF
2025063018000144.tif
34
50
を表す)、
から成る群より選択される式で表される、請求項1に記載の核酸複合体。
【請求項6】
第2核酸鎖が、下式(VIII):
TIFF
2025063018000145.tif
23
62
(式中、
L
2
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
12
のアルキレン基、置換された若
しくは置換されていないC
3
~
8
シクロアルキレン基、-(CH
2
)
2
-O-(CH
2
)
2
-O-(CH
2
)
2
-O-(CH
2
)
3
-、又はCH(CH
2
-OH)-CH
2
-O-
(CH
2
)
2
-O-(CH
2
)
2
-O-(CH
2
)
2
-O-(CH
2
)
3
-を表し、
L
3
は、-NH-又は結合を表し、
L
4
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
12
のアルキレン基、置換された若
しくは置換されていないC
3
~
8
のシクロアルキレン基、-(CH
2
)
2
-[O-(CH
2
)
2
]
m
-、又は結合を表し、ここで、mは1~25の整数を表し、
L
5
は、-NH-(C=O)-、-(C=O)-、又は結合を表す)
で表されるリンカーを介して、
(1)トコフェロール若しくはその類縁体、
(2)コレステロール若しくはその類縁体、又は
(3)置換された若しくは置換されていないC
【請求項7】
前記第1核酸鎖が、少なくとも4個の連続するデオキシリボヌクレオシドを含む、請求
項1~6のいずれか一項に記載の核酸複合体。
【請求項8】
前記第1核酸鎖が、ギャップマーである、請求項1~7のいずれか一項に記載の核酸複
合体。
【請求項9】
前記第2核酸鎖が、前記第1核酸鎖中の少なくとも4個の連続するデオキシリボヌクレ
オシドに相補的な、少なくとも4個の連続するリボヌクレオシドを含む、請求項7又は8
に記載の核酸複合体。
【請求項10】
前記第1核酸鎖が、ミックスマーである、請求項1~6のいずれか一項に記載の核酸複
合体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経系、特に中枢神経系においてアンチセンス効果をもたらし得る核酸複合
体又はその塩、及びそれを含む組成物等に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、核酸医薬と呼ばれる医薬品の現在進行中の開発において、オリゴヌクレオチドが
関心を集めており、また特に、標的遺伝子の高い選択性及び低毒性の点から考えて、アン
チセンス法を利用する核酸医薬の開発が積極的に進められている。アンチセンス法とは、
標的遺伝子より転写されたmRNAやmiRNAの部分配列を標的センス鎖として、それに相補的
なオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド:本明細書ではしばしば「ASO
(AntiSense Oligonucleotide)」と表記する)を細胞に導入することによって、標的遺
伝子によってコードされたタンパク質の発現やmiRNAの活性を選択的に改変又は阻害する
ことを含む方法である。
【0003】
特許文献1では、第1オリゴマー化合物、及びコレステロール等の共役基を含む第2オリ
ゴマー化合物からなり、肝外組織若しくは肝外細胞、又は肝組織若しくは肝細胞における
標的核酸の量や活性を調節することのできる二本鎖核酸分子や、該二本鎖核酸分子からな
るアンチセンス化合物が開示されている。
【0004】
ところで、脳を含む中枢神経系においてアンチセンス効果を発揮させるためには前記AS
O等の核酸剤を中枢神経系に送達させる必要がある。しかし、脳には、血液を介して脳へ
移行される物質を選択し、制限する血液脳関門(Blood Brain Barrier:以下、本明細書
ではしばしば「BBB」と表記する)と呼ばれる機構が存在する。このBBB機構は、有害物質
から脳を保護する一方で、脳への薬剤送達の障壁にもなっている。それ故に脳を含む中枢
神経系へASO等の核酸剤を送達する方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2017/053999号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、神経系、特にBBB機構により薬剤送達が阻まれる中枢神経系へ効率的に送達
され、かつ送達場所で標的転写産物に対してアンチセンス効果をもたらす核酸剤、及びそ
れを含む組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、ASOと、トコフェロ
ール若しくはコレステロール又はその類縁体等を結合させたASOの相補鎖とをアニールさ
せた核酸複合体が中枢神経系に効率的に送達され、そこで高いアンチセンス効果を示すこ
とを見出した。これらの知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。すなわ
ち本発明は以下の態様を包含する。
【0008】
[1]第1核酸鎖と第2核酸鎖とを含む核酸複合体又はその塩であって、
該第1核酸鎖は、標的転写産物の少なくとも一部にハイブリダイズすることが可能な塩
基配列を含み、かつ、標的転写産物に対してアンチセンス効果を有し、
該第2核酸鎖は、該第1核酸鎖に相補的な塩基配列を含み、かつ、
(1)トコフェロール若しくはその類縁体、
(2)コレステロール若しくはその類縁体、又は
(3)置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、置換された若しく
は置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、若しくは置換された若しくは置換されて
いないC
1
~
30
のアルコキシ基
と結合しており、
該第1核酸鎖は、該第2核酸鎖にアニールしている、核酸複合体又はその塩。
[2](1)トコフェロール若しくはその類縁体、
(2)コレステロール若しくはその類縁体、又は
(3)置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、置換された若しく
は置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、若しくは置換された若しくは置換されて
いないC
1
~
30
のアルコキシ基
と結合している核酸鎖であって、標的転写産物の少なくとも一部にハイブリダイズするこ
とが可能な塩基配列を含み、かつ、標的転写産物に対してアンチセンス効果を有する、前
記核酸鎖又はその塩。
[3]前記トコフェロール又はその類縁体が、下式(I):
TIFF
2025063018000001.tif
31
62
(式中、R
1
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基又は置換
された若しくは置換されていないC
2
~
30
アルケニル基を表す)
で表される、[1]又は[2]記載の核酸複合体、核酸鎖、又はその塩。
[4]前記コレステロール又はその類縁体が、下式(II)、(V)、(VI)、及び(VII)
:
TIFF
2025063018000002.tif
33
66
(式中、
環Aは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキサン又は置換された若しくは置
換されていないベンゼンを表し、
環Bは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキセン、置換された若しくは置換
されていないシクロヘキサン又は置換された若しくは置換されていないシクロヘキサジエ
ンを表し、
【0009】
TIFF
2025063018000007.tif
30
62
(式中、R
7
は、ヒドロキシ基、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
アルキ
ル-カルボニル-オキシ基、又は置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
アルケ
ニル-カルボニル-オキシ基を表す)
から成る群より選択される式で表される、[1]~[3]のいずれかに記載の核酸複合体
、核酸鎖、又はその塩。
[5]前記コレステロール又はその類縁体が、下式(IIa):
TIFF
2025063018000008.tif
36
72
(式中、
環Aは、置換された若しくは置換されていないシクロヘキセン、置換された若しくは置換
されていないシクロヘキサン又は置換された若しくは置換されていないシクロヘキサジエ
ンを表し、
R
1
は、置換された若しくは置換されていないC
1
~
30
のアルキル基、置換された若し
くは置換されていないC
2
~
30
のアルケニル基、置換された若しくは置換されていない
C
1
~
6
アルキル-カルボニル基、置換された若しくは置換されていないC
1
~
6
アルキ
ル-カルボニル-オキシ基、又はオキソ基を表し、
L
1
は、-O-、-NH-、
TIFF
2025063018000009.tif
26
72
、又は
TIFF
2025063018000010.tif
33
72
を表す)
で表される、[1]又は[2]記載の核酸複合体、核酸鎖、又はその塩。
[6]前記コレステロール又はその類縁体が、下式(IIa-1)、(IIa-2)、(IIa-3)、
及び(IIa-4):
TIFF
2025063018000011.tif
39
64
(IIa-1)、
TIFF
2025063018000012.tif
32
65
(IIa-2)、
TIFF
2025063018000013.tif
32
65
(IIa-3)、
TIFF
2025063018000014.tif
38
65
(IIa-4)
(式中、
L
1
は、-O-、-NH-、
【発明の効果】
【0010】
本発明により、中枢神経系へ効率的に送達し、かつ送達場所でアンチセンス効果をもた
らす核酸剤、及びそれを含む組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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