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公開番号
2025058603
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2023168639
出願日
2023-09-28
発明の名称
生体ガス計測方法及び生体ガス計測装置
出願人
国立大学法人東京科学大学
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
G01N
33/50 20060101AFI20250402BHJP(測定;試験)
要約
【課題】生体ガス中の二種類の対象物質の濃度を同時かつ正確に把握することの可能な生体ガス計測方法。
【解決手段】繊維性メッシュに少なくとも第一酵素を固定化した上で少なくとも第一酵素の補酵素である第一補酵素を含有する溶液で浸潤させた第一メッシュと、繊維性メッシュに少なくとも第二酵素を固定化した上で少なくとも第二酵素の補酵素である第二補酵素を含有する溶液で浸潤させた第二メッシュとに、第一基質及び第二基質を含有すると想定される検体ガスを流通させ、第一基質の酵素反応に基づき増減する第一反応物質を励起する第一励起光と、第二基質の酵素反応に基づき増減する第二反応物質を励起する第二励起光とを、第一メッシュ及び第二メッシュに照射し、第一励起光による第一蛍光と、第二励起光による第二蛍光とを動画撮影し、撮影した動画像に基づき検体ガス中の第一基質及び第二基質の濃度を解析する、生体ガス計測方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維性メッシュに少なくとも第一酵素を固定化した上で少なくとも前記第一酵素の補酵素である第一補酵素を含有する溶液で浸潤させた第一メッシュと、
繊維性メッシュに少なくとも第二酵素を固定化した上で少なくとも前記第二酵素の補酵素である第二補酵素を含有する溶液で浸潤させた第二メッシュとに、
第一基質及び第二基質を含有すると想定される検体ガスを流通させ、
前記第一基質の酵素反応に基づき増減する第一反応物質を励起する第一励起光と、前記第二基質の酵素反応に基づき増減する第二反応物質を励起する第二励起光とを、前記第一メッシュ及び前記第二メッシュに照射し、
前記第一励起光による第一蛍光と、前記第二励起光による第二蛍光とを動画撮影し、
撮影した動画像に基づき前記検体ガス中の前記第一基質及び前記第二基質の濃度を解析する、生体ガス計測方法。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
前記第一補酵素は酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
+
)であり、
前記第一酵素はNAD
+
を補酵素として利用して還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を生成する酵素であり、
前記第一基質は前記第一酵素により酵素反応を被る物質であり、
前記第二補酵素はNADHであり、
前記第二酵素はNADHを補酵素として利用してNAD
+
を生成する酵素であり、
前記第二基質は前記第二酵素により酵素反応を被る物質であり、
前記第一メッシュには前記第一酵素とともに、NADHを補酵素として利用してNAD
+
を生成する追加酵素が固定され、
前記第一メッシュはNAD
+
とともに前記追加酵素の基質である追加基質を含有する溶液で浸潤され、
前記第一励起光は、前記追加酵素による酵素反応で前記追加基質から生成される前記第一反応物質を励起する波長を有し、
前記第二補酵素はNADHであり、
前記第二酵素はNADHを補酵素として利用してNAD
+
を生成する酵素であり、
前記第二基質は前記第二酵素により酵素反応を被る物質であり、
前記第二励起光はNADHを励起する波長を有する、
請求項1に記載の生体ガス計測方法。
【請求項3】
前記第一基質はエタノールであり、
前記第一酵素はアルコール脱水素酵素(ADH)であり、
前記第二基質はアセトアルデヒドであり、
前記第二酵素はADHであり、
前記追加酵素はジアホラーゼであり、
前記追加基質はレサズリンであり、
前記第一反応物質はレゾルフィンである、
請求項2に記載の生体ガス計測方法。
【請求項4】
前記第一メッシュと前記第二メッシュとは、前記検体ガスの流路方向に沿って重ね合わされている、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の生体ガス計測方法。
【請求項5】
繊維性メッシュに少なくとも第一酵素を固定化した上で少なくとも前記第一酵素の補酵素である第一補酵素を含有する溶液で浸潤させた第一メッシュと、
繊維性メッシュに少なくとも第二酵素を固定化した上で少なくとも前記第二酵素の補酵素である第二補酵素を含有する溶液で浸潤させた第二メッシュと、
前記第一メッシュ及び前記第二メッシュに、第一基質及び第二基質を含有すると想定される検体ガスを流通させるガス流通装置と、
前記第一基質の酵素反応に基づき増減する第一反応物質を励起する第一励起光と、前記第二基質の酵素反応に基づき増減する第二反応物質を励起する第二励起光とを、前記第一メッシュ及び前記第二メッシュに照射する照射装置と、
前記第一励起光による第一蛍光と、前記第二励起光による第二蛍光とを動画撮影する撮影装置と、
撮影した動画像に基づき前記検体ガス中の前記第一基質及び前記第二基質の濃度を解析する解析装置と、を備える生体ガス計測装置。
【請求項6】
前記第一補酵素は酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
+
)であり、
前記第一酵素はNAD
+
を補酵素として利用して還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を生成する酵素であり、
前記第一基質は前記第一酵素により酵素反応を被る物質であり、
前記第二補酵素はNADHであり、
前記第二酵素はNADHを補酵素として利用してNAD
+
を生成する酵素であり、
前記第二基質は前記第二酵素により酵素反応を被る物質であり、
前記第一メッシュには前記第一酵素とともに、NADHを補酵素として利用してNAD
+
を生成する追加酵素が固定され、
前記第一メッシュはNAD
+
とともに前記追加酵素の基質である追加基質を含有する溶液で浸潤され、
前記第一励起光は、前記追加酵素による酵素反応で前記追加基質から生成される前記第一反応物質を励起する波長を有し、
前記第二補酵素はNADHであり、
前記第二酵素はNADHを補酵素として利用してNAD
+
を生成する酵素であり、
前記第二基質は前記第二酵素により酵素反応を被る物質であり、
前記第二励起光はNADHを励起する波長を有する、
請求項5に記載の生体ガス計測装置。
【請求項7】
前記第一基質はエタノールであり、
前記第一酵素はアルコール脱水素酵素(ADH)であり、
前記第二基質はアセトアルデヒドであり、
前記第二酵素はADHであり、
前記追加酵素はジアホラーゼであり、
前記追加基質はレサズリンであり、
前記第一反応物質はレゾルフィンである、
請求項6に記載の生体ガス計測装置。
【請求項8】
前記第一メッシュと前記第二メッシュとは、前記検体ガスの流路方向に沿って重ね合わされている、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の生体ガス計測装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体ガス中に含まれる対象物質を計測する方法及びその装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
生体ガス中には代謝及び疾病に由来する揮発性化合物が含まれており、非侵襲的計測を行うことで、代謝機能評価や疾病スクリーニングが可能になると考えられる。皮膚から発生する生体ガス中の揮発性成分を捕集して計測する技術として、下記特許文献1に記載の技術が開示されている。また、外耳から放出される生体ガス中の対象物質を捕集して計測する技術として、下記特許文献2に記載の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO 2019/103130 A1
WO 2022/092219 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記先行技術では、生体ガス中の対象物質に対する酵素反応で生じた物質に特定波長の励起光を照射し、発生した特定波長の蛍光の強度を計測することで、対象物質の濃度を算出している。一方、生体ガス中の複数の対象物質を上記先行技術で計測しようとする場合、サンプルとして採取した生体ガスを複数に分け、そのそれぞれで対象物質に応じた酵素反応に供する必要があった。
【0005】
本開示は、生体ガス中の二種類の対象物質の濃度を同時かつ正確に把握することの可能な生体ガス計測方法及びその装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の生体ガス計測方法は、繊維性メッシュに少なくとも第一酵素を固定化した上で少なくとも前記第一酵素の補酵素である第一補酵素を含有する溶液で浸潤させた第一メッシュと、繊維性メッシュに少なくとも第二酵素を固定化した上で少なくとも前記第二酵素の補酵素である第二補酵素を含有する溶液で浸潤させた第二メッシュとに、第一基質及び第二基質を含有すると想定される検体ガスを流通させ、前記第一基質の酵素反応に基づき増減する第一反応物質を励起する第一励起光と、前記第二基質の酵素反応に基づき増減する第二反応物質を励起する第二励起光とを、前記第一メッシュ及び前記第二メッシュに照射し、前記第一励起光による第一蛍光と、前記第二励起光による第二蛍光とを動画撮影し、撮影した動画像に基づき前記検体ガス中の前記第一基質及び前記第二基質の濃度を解析する。
【0007】
本開示の生体ガス計測装置は、繊維性メッシュに少なくとも第一酵素を固定化した上で少なくとも前記第一酵素の補酵素である第一補酵素を含有する溶液で浸潤させた第一メッシュと、繊維性メッシュに少なくとも第二酵素を固定化した上で少なくとも前記第二酵素の補酵素である第二補酵素を含有する溶液で浸潤させた第二メッシュと、前記第一メッシュ及び前記第二メッシュに、第一基質及び第二基質を含有すると想定される検体ガスを流通させるガス流通装置と、前記第一基質の酵素反応に基づき増減する第一反応物質を励起する第一励起光と、前記第二基質の酵素反応に基づき増減する第二反応物質を励起する第二励起光とを、前記第一メッシュ及び前記第二メッシュに照射する照射装置と、前記第一励起光による第一蛍光と、前記第二励起光による第二蛍光とを動画撮影する撮影装置と、撮影した動画像に基づき前記検体ガス中の前記第一基質及び前記第二基質の濃度を解析する解析装置と、を備える。
【0008】
本開示の生体ガス計測方法では、第一基質及び第二基質という二種類の基質の、生体ガス中の濃度が同時に解析される。第一基質が、第一酵素及び第一補酵素が関与する酵素反応を受けることにより、第一反応物質が増減する。また、第二基質が、第二酵素及び第二補酵素が関与する酵素反応を受けることにより、第二反応物質が増減する。ここで、第一反応物質及び第二反応物質とは、それぞれ第一基質及び第二基質の酵素反応に起因して増減する物質であり、第一基質又は第二基質が酵素反応を受けて直接精製される物質であってもよいし、あるいは、第一基質又は第二基質の酵素反応により間接的に増減する物質であってもよい。また、第一反応物質及び第二反応物質は、それぞれ第一補酵素及び第二補酵素又はこれらと酸化還元状態を異にする物質であってもよい。ここで、第一反応物質及び第二反応物質の増減とは、酵素反応により生成が進んで増加する場合もあれば、酵素反応により消費されて減少する場合もある、ということを意味する。なお、第一酵素及び第二酵素は、異なる酵素であっても、同じ酵素であってもいずれでもよい。
【0009】
第一メッシュ及び第二メッシュには、それぞれ第一酵素及び第二酵素が固定化されるが、基質及び酵素反応に応じてそれら以外の物質が固定化されることもある。また、それぞれ第一酵素及び第二酵素が固定化された第一メッシュ及び第二メッシュは、検体ガスを流通させる前(望ましくは、直前)に、それぞれ第一補酵素及び第二補酵素を含有する溶液で浸潤される。この溶液には、基質及び酵素反応に応じてそれら以外の物質が含有されることもある。
【0010】
検体ガスは、第一基質及び第二基質を含有すると想定される気体検体である。検体ガスとしては、たとえば、被験者の呼気又は皮膚ガスが挙げられる。この検体ガスは、第一メッシュ及び第二メッシュに対して流通される。この流通は、たとえば、気体の流路及びポンプを備えたガス流通装置によって行われる。
(【0011】以降は省略されています)
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