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公開番号
2025090032
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2024211557
出願日
2024-12-04
発明の名称
蛍光繊維体及び蛍光繊維体の製造方法
出願人
国立大学法人東京科学大学
,
国立大学法人京都工芸繊維大学
,
学校法人昭和大学
代理人
個人
,
個人
主分類
D06M
13/07 20060101AFI20250609BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】本発明の目的は、外科手術においてガーゼなどの残置事故を簡便で高感度に防ぐ方法を提供するとともに、手術を円滑に行うための蛍光発光性の標識(マーカー)を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明の式(1)で表される化合物又はその塩が、セルロース系繊維体、ポリウレタン繊維体、獣毛繊維体、シルク繊維体、アセテート系繊維体、脂肪族ポリアミド繊維体、及びアクリル系繊維体からなる群から選択される繊維体の繊維に結合している、蛍光繊維体によって解決することができる。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1):
JPEG
2025090032000018.jpg
40
128
(式中、R
1
は、それぞれ独立して-(CH
2
)n-R
3
であり、
R
2
は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミド基であり、
R
3
は、-SO
3
-
、又は-CO-R
4
であり、R
4
は、酸素原子、-O-(CH
2
)m-R
5
、又は-NH-(CH
2
)m-R
5
であり、mは0~3の整数であり、R
5
は置換基を有することのあるジオキソピロリジン基、炭素数3~5のアルキン基、アミノ基、又はアジ基(-N
3
)であり、
R
1
のいずれか1つは、-(CH
2
)n-SO
3
-
であり、
nは3~10の整数である。)
で表される化合物又はその塩が、セルロース系繊維体、ポリウレタン繊維体、獣毛繊維体、シルク繊維体、アセテート系繊維体、及び脂肪族ポリアミド繊維体からなる群から選択される繊維体の繊維に結合している、蛍光繊維体であって、
(1)前記化合物を溶液の状態で繊維体に付着させた後に前記繊維体を蒸熱処理されたか、
(2)前記化合物を溶液の状態で繊維体に付着させながら蒸熱処理されたか、又は
(3)前記化合物を溶液の状態で繊維体に付着させながら蒸熱処理された後、さらに蒸熱処理された、
蛍光繊維体。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
蛍光イメージングシステムを用いた外科手術用である、請求項1に記載の蛍光繊維体。
【請求項3】
(A)下記式(1):
JPEG
2025090032000019.jpg
40
128
(式中、R
1
は、それぞれ独立して-(CH
2
)n-R
3
であり、
R
2
は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミド基であり、
R
3
は、-SO
3
-
、又は-CO-R
4
であり、R
4
は、酸素原子、-O-(CH
2
)m-R
5
、又は-NH-(CH
2
)m-R
5
であり、mは0~3の整数であり、R
5
は置換基を有することのあるジオキソピロリジン基、炭素数3~5のアルキン基、アミノ基、又はアジ基(-N
3
)であり、
R
1
のいずれか1つは、-(CH
2
)n-SO
3
-
であり、
nは3~10の整数である。)
で表される化合物又はその塩を、溶液の状態でセルロース系繊維体、ポリウレタン繊維体、獣毛繊維体、シルク繊維体、アセテート系繊維体、及び脂肪族ポリアミド繊維体からなる群から選択される繊維体に付着させる工程、及び
(B)前記化合物が付着した繊維体を蒸熱処理(高温高圧水蒸気処理)する工程、を含む、蛍光繊維体の製造方法。
【請求項4】
前記工程(A)及び前記工程(B)をその順序で実施するか、又は前記工程(A)及び前記工程(B)を一緒に実施する、請求項3に記載の蛍光繊維体の製造方法。
【請求項5】
前記工程(A)及び前記工程(B)を一緒に実施した後に(B2)前記繊維体を蒸熱処理(高温高圧水蒸気処理)する工程を更に含む、請求項4に記載の蛍光繊維体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光繊維体及び蛍光繊維体の製造方法に関する。本発明によれば、蛍光イメージングシステム(FIS)を用いた外科手術に効果的に用いることができる。
続きを表示(約 8,400 文字)
【背景技術】
【0002】
外科手術に使用されるガーゼや医療器具が手術後に体内に残置され、事故として報告されている。これを防ぐ方法として、金属糸を織り込んだガーゼを使用し、術後にX線を患者に照射し、その透視画像を観察することが一般に行われている。また、患者の体内に挿入・留置された医療器具の体内での位置を確認する場合、X線を患者に照射し、その透視画像を観察することによって行われる。しかし、これらの方法は施術している間に術者と患者がX線の被爆を受け続けるという問題がある。またX線を透過する繊維や樹脂製の医療器具には利用し難いという問題もある。
一方、外科手術において腹腔鏡手術やロボット手術が主流になるにつれ、外科手術室には近赤外蛍光色素であるインドシアニングリーン(ICG)の励起/発光波長に合わせた蛍光イメージングシステム(FIS)が標準装備されつつある。さらに最近は、プロジェクションマッピングの技術を応用し、患者の体表や臓器にリアルタイムで直接手術ガイド情報を投影できるMedical Imaging Projection System(MIPS)手術支援装置と呼ばれる蛍光イメージングシステムが実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-104147号公報
米国特許出願公開2017/0303817号明細書
【非特許文献】
【0004】
「クリニカル・ケース・リポーツ(Clinical Case Reports)」2022年(米国)vol.10、e6356
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の手術事故を防ぐために、特許文献1には、ガーゼに蛍光体マーカーを取り付け、近赤外線により励起し、発光をカメラで検出する方法が開示されている。しかしながら、発光をカメラで検出するため、新たな機器の導入が必要であった。さらに、特許文献1の方法では、十分な感度が得られなかった。また、特許文献2及び非特許文献1には、ICGでスポンジを処理することが記載されている。しかしながら、これらの処理では、十分な蛍光が得られなかった。
本発明の目的は、外科手術においてガーゼなどの残置事故を簡便で高感度に防ぐ方法を提供することである。また、手術を円滑に行うための解剖学的位置情報の獲得や、手術の進行方向を正確に誘導(ガイド)するための蛍光発光性の標識(マーカー)として、患者の患部組織に一時的に密着させるか、または患者の体内に一時的に挿入・留置して使用することができる、各種繊維体からなる医療器具(ガーゼ、スポンジ、ステント、カテーテル、チューブ、手術糸等)を提供することである。さらに、これらの医療器具から蛍光発光性の色素が容易に漏洩しない染色堅牢性の高い医療器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、外科手術におけるガーゼなどの残置事故を防ぐ簡便で高感度な方法について、鋭意研究した結果、ガーゼなどの繊維体を特定の蛍光物質で染色した蛍光発光性の繊維体を用いることにより、外科手術においてガーゼなどの残置事故を、簡便且つ確実に防ぐことができることを見出した。また、特定の蛍光化合物に染色した蛍光繊維体をガーゼやスポンジ、多種類の医療器具として用いることにより、患者の体内に一時的に挿入・留置して使用することができ、かつ手術を円滑に行うための解剖学的位置情報の獲得や、手術の進行方向を正確に誘導(ガイド)するための蛍光発光性の標識(マーカー)として使用できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]下記式(1):
JPEG
2025090032000001.jpg
40
128
(式中、R
1
は、それぞれ独立して-(CH
2
)n-R
3
であり、
R
2
は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミド基であり、
R
3
は、-SO
3
-
、又は-CO-R
4
であり、R
4
は、酸素原子、-O-(CH
2
)m-R
5
、又は-NH-(CH
2
)m-R
5
であり、mは0~3の整数であり、R
5
は置換基を有することのあるジオキソピロリジン基、炭素数3~5のアルキン基、アミノ基、又はアジ基(-N
3
)であり、
R
1
のいずれか1つは、-(CH
2
)n-SO
3
-
であり、
nは3~10の整数である。)
で表される化合物又はその塩が、セルロース系繊維体、ポリウレタン繊維体、獣毛繊維体、シルク繊維体、アセテート系繊維体、及び脂肪族ポリアミド繊維体からなる群から選択される繊維体の繊維に結合している、蛍光繊維体であって、
(1)前記化合物を溶液の状態で繊維体に付着させた後に前記繊維体を蒸熱処理されたか、
(2)前記化合物を溶液の状態で繊維体に付着させながら蒸熱処理されたか、又は
(3)前記化合物を溶液の状態で繊維体に付着させながら蒸熱処理された後、さらに蒸熱処理された、
蛍光繊維体、
[2]蛍光イメージングシステムを用いた外科手術用である、[1]に記載の蛍光繊維体、
[3](A)下記式(1):
JPEG
2025090032000002.jpg
40
128
(式中、R
1
は、それぞれ独立して-(CH
2
)n-R
3
であり、
R
2
は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミド基であり、
R
3
は、-SO
3
-
、又は-CO-R
4
であり、R
4
は、酸素原子、-O-(CH
2
)m-R
5
、又は-NH-(CH
2
)m-R
5
であり、mは0~3の整数であり、R
【発明の効果】
【0007】
本発明の蛍光繊維体によれば、蛍光イメージングシステム(FIS)を用いた外科手術において、簡便に且つ高感度にガーゼなどの残置事故を防ぐことができ、また蛍光ガイドとして使用することができる。本発明によれば、蛍光繊維体が臓器の内部や裏側に位置している場合も、組織の厚さが15mm以下であれば、FISによって簡易に検出することができる。また、本発明の蛍光繊維体は、外科手術において、体内で蛍光発光性の色素が容易に漏洩しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
化合物付着工程(A)のみの製造方法(蒸熱処理工程(B)を行わない)で得られた綿蛍光繊維体の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
化合物付着工程(A)のみの製造方法(蒸熱処理工程(B)を行わない)において、異なる濃度のICG水溶液で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
化合物付着工程(A)のみの製造方法(蒸熱処理工程(B)を行わない)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体、(7)絹蛍光繊維体の蛍光を発した写真(A)と発光差スペクトル(B)のグラフである。
本発明の実施態様1の製造方法で得られた綿蛍光繊維体の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
本発明の実施態様1の製造方法において、異なる濃度のICG水溶液で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
本発明の実施態様2の製造方法で得られた綿蛍光繊維体の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
本発明の実施態様2の製造方法において、異なる濃度のICG水溶液で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
本発明の実施態様2の製造方法で得られた綿蛍光繊維体の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
本発明の実施態様3の製造方法において、異なる濃度のICG水溶液で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)の、蛍光を発した写真(A)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(B)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(C)である。
本発明の実施態様2の製造方法において、異なる染色時間で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)(A)と、それらさらに蒸熱処理した実施態様3の製造方法によって得られた蛍光繊維体(B)の、発光差スペクトルを示したグラフである。
参考例(化合物付着工程(A)のみの方法)、本発明の実施態様1、実施態様2、及び実施態様3の製造方法で得られた綿蛍光繊維体を、ヒトの体液を模した模擬体液中で継続的に撹拌した場合に、綿蛍光繊維体から模擬体液中に漏出したICG濃度の時間変化を示したグラフである。
本発明の実施態様1の製造方法で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体、(7)絹蛍光繊維体の蛍光を発した写真(A)と発光差スペクトル(B)のグラフである。
本発明の実施態様2の製造方法(ICG水溶液濃度:4.5x10
-5
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様2の製造方法(ICG水溶液濃度:1.5x10
-5
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様2の製造方法(ICG水溶液濃度:4.5x10
-6
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様2の製造方法(ICG水溶液濃度:7.5x10
-7
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様2の製造方法(ICG水溶液濃度:4.5x10
-7
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様3の製造方法(ICG水溶液濃度:4.5x10
-5
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様3の製造方法(ICG水溶液濃度:1.5x10
-5
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様3の製造方法(ICG水溶液濃度:1.5x10
-6
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様3の製造方法(ICG水溶液濃度:7.5x10
-7
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様3の製造方法(ICG水溶液濃度:4.5x10
-7
M)で得られた(1)ジアセテート蛍光繊維体、(2)綿蛍光繊維体(織布)、(3)ナイロン66蛍光繊維体、(4)ポリエステル蛍光繊維体、(5)アクリル系蛍光繊維体、(6)羊毛蛍光繊維体の白色灯下および蛍光発光を写した写真と発光差スペクトルのグラフである。
本発明の実施態様2の製造方法において、異なる染色温度で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)の蛍光を発した写真(A)と発光差スペクトル(B)のグラフである。
化合物付着工程(A)のみの製造方法、本発明の実施態様1、実施態様2の製造方法で得られたポリウレタンスポンジ蛍光繊維体の、蛍光を発した写真(A)及び発光差スペクトルを示したグラフ(B)である。
本発明の実施態様2の製造方法で得られた綿不織布蛍光繊維体と、異なる染色温度で得られたポリウレタン透明チューブの蛍光を発した写真(A)及び発光差スペクトルを示したグラフ(B)である。
本発明の実施態様2の製造方法において、蒸留水洗浄5回で得られた綿蛍光繊維体、および生理食塩水洗浄4回と蒸留水洗浄1回で得られた綿蛍光繊維体の蛍光を発した写真(1a,2a)、蛍光繊維体と未染色の繊維体の発光スペクトルのグラフ(1b,2b)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(1c,2c)である。
蛍光イメージングシステム(FSI)を用いて、本発明の実施態様2の製造方法で得られた綿ガーゼ蛍光繊維体を蛍光緑色モード、蛍光青/橙モード、又は蛍光モノクロモードで検出した写真である。
実施態様3の製造方法において異なる溶液濃度で得られたICG染色の綿ガーゼをヒトの大腸の裏側に配置し、FISによりディスプレイを通して観察した写真である。
実施態様3の製造方法で得られたICG染色の綿ガーゼをMIPS手術支援装置によりディスプレイを通さずに直接観察した写真である。
FISを用いて、実施態様2の製造方法で得られた綿蛍光繊維体(綿ガーゼ)を、実際の消化器系外科手術で用いた際に、綿ガーゼを蛍光緑色モードで検出した過程を示す写真である。
化合物付着工程(A)のみの製造方法、本発明の実施態様1、及び実施態様2の製造方法で得られた絹蛍光繊維体の発光スペクトルのグラフ(1a,2a,3a)、及び発光差スペクトルを示したグラフ(1b,2b,3b)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1]蛍光繊維体
本発明の蛍光繊維体は、下記式(1):
JPEG
2025090032000003.jpg
40
128
(式中、R
1
は、それぞれ独立して-(CH
2
)n-R
3
であり、R
2
は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、カルボキシル基、スルホニル基、又はアミド基であり、R
3
は、-SO
3
-
、又は-CO-R
4
であり、R
4
は、酸素原子、-O-(CH
2
)m-R
5
、又は-NH-(CH
2
)m-R
5
であり、mは0~3の整数であり、R
5
は置換基を有することのあるジオキソピロリジン基、炭素数3~5のアルキン基、アミノ基、又はアジ基(-N
3
)であり、R
1
のいずれか1つは、-(CH
2
)n-SO
3
-
であり、nは3~10の整数である。)
で表される化合物又はその塩が、セルロース系繊維体、ポリウレタン繊維体、獣毛繊維体、シルク繊維体、アセテート系繊維体、及び脂肪族ポリアミド繊維体からなる群から選択される繊維体の繊維に結合している。
前記繊維体と、式(1)で表される化合物との結合は、限定されるものではなく、化学的結合であっても、物理的結合であってもよいが、化学的結合が好ましい。
ここで、化学的結合とは、式(1)で表される化合物が繊維体表面と静電的な相互作用により結合を形成していることを指す。静電的な相互作用とは、水素結合、イオン間相互作用(イオン結合)などを指す。また、物理的結合とは、式(1)で表される化合物がファンデルワールス力による物理吸着により繊維体表面と結合を形成していることを指す。
また、式(1)で表される化合物同士が、例えば水素結合等により結合して2分子以上積層している部分があってもよい。
【0010】
《式(1)の化合物》
本発明に用いる式(1)で表される化合物(以下、化合物Aと称することがある)は、近赤外波長域に発光スペクトルを示す蛍光性化合物(蛍光物質)である。化合物Aはインドシアニングリーン(以下、ICGと称することがある)、又はインドシアニン誘導体である。この化合物Aは、長波長可視光または近赤外光(波長:650~810nm)により励起され、より長波長の近赤外光の蛍光を発色する。例えば、ICGは、医療診断に用いられる蛍光色素であり、好適な励起波長は730~810nm、発光波長は、780~880nmである。ICGは現時点で、ヒトで唯一使用が認められている近赤外蛍光物質であり、心拍出量、肝機能、肝臓又は胃の血流測定、眼血管造影又は脳血管造影などに広く使用されている。
(【0011】以降は省略されています)
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