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公開番号
2025089946
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-16
出願番号
2023204938
出願日
2023-12-04
発明の名称
食品に曵糸性を付与する乳酸菌
出願人
国立大学法人東京科学大学
,
株式会社ぐるなび
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20250609BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】発酵物に対し曵糸性を付与可能な新たな乳酸菌の提供を目的とする。
【解決手段】漬物から単離した新規の乳酸菌であるラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)KY5-ES5株(受託番号:NITE P-04000)の発酵物が曵糸性を有することを見出した。ラクチプランチバチルス・プランタラムの公開株であるJCM1100株、JCM1149T株、さらに自社保有株35種と比較検討を行ったところ、驚くべきことにKY5-ES5株で培養された発酵物においてのみ高い曵糸性を有することを見出し、新規株としてKY5-ES5株を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
受託番号:NITE P-04000のラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)である乳酸菌。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の乳酸菌を含む、培養物。
【請求項3】
曵糸性を有する請求項2に記載の培養物。
【請求項4】
前記培養物が、発酵豆乳又は発酵乳である、請求項3に記載の培養物。
【請求項5】
請求項1に記載の乳酸菌、及びその培養物を含む、食品。
【請求項6】
請求項1に記載の乳酸菌又はその培養物を含む、スターターカルチャ。
【請求項7】
曵糸性を有する発酵食品の製造方法であって
食品原料に、受託番号:NITE P-04000のラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)である乳酸菌を植菌し;
15℃~30℃で培養する工程を含む、前記製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新たに単離されたラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)の新規株、並びに当該新規株を培養することにより得られる曵糸性を有する食品に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
乳酸菌は、整腸作用やヒトの健康に有益な効果をもたらすプロバイオティクスとして知られている。乳酸菌とは、乳酸を生成する細菌の総称であり、乳酸菌と呼ばれる微生物群は分類学上の多数の属や種にまたがっている。代表的な乳酸菌として、ラクトバチルス属、ラクチプランチバチルス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、ロイコノストック属、ストレプトコッカス属等に属する細菌が知られている。こうした乳酸菌の分類には、16SrRNA遺伝子及びrecA遺伝子の塩基配列に基づく系統解析が利用されている。乳酸菌の生態や生理学的な特徴は極めて多様である。一部の乳酸菌は、投与された際に、整腸作用を有するほか、免疫調節作用、血圧低下作用、アレルギー低下作用、抗コレステロール作用などの生理作用を発揮することが見出されている。
【0003】
ラクチプランチバチルス・プランタラムは、グラム陽性の桿菌であり、植物由来の発酵物から分離されることの多い乳酸菌として知られている。耐塩性を有する株が多く、ぬか漬け、キムチ、ザワークラウトなどの発酵に寄与している。また、漬物以外にも、ワイン、茶葉(特許文献1:特開2022-073998号公報)、ソーセージ、鮒ずし(特許文献2:国際公開第2020/116365号)等の発酵に関与することが知られている。ラクチプランチバチルス・プランタラムの特定の菌株については、免疫調節作用、血糖改善効果、エリスロポエチン産生促進作用、脂質減少作用を有する菌株が単離されている(特許文献1:特開2022-073998号公報、特許文献2:国際公開第2020/116365号、特許文献3:特表2023-507895号公報、特許文献4:特開2020-132561号公報)。このような機能性を有する乳酸菌を利用して、漬物、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、さらには乳酸菌を含むサプリメント又は医薬品などの製品が開発されている。
【0004】
また、乳酸菌は、培養を行うことで、発酵物の物性を変化させる。乳汁を乳酸菌で発酵させることで、ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品が伝統的に製造されており、また曵糸性の高い発酵物を提供する乳酸菌も知られている。曵糸性を有する発酵物を生成する乳酸菌として、ラクトコッカス ラクチス サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)が知られている。曵糸性を付与する乳酸菌は、通常、菌体外多糖(EPS)を多く産生し、それにより発酵物に高い曵糸性を付与する(特許文献5:特開2019-198270号公報、特許文献6:特開2016-182049号公報、特許文献7:特開2016-178911号公報、非特許文献1:Food Bioscience 55 (2023)103026)。この乳酸菌で発酵された発酵物として、コーカサス地方で伝統的に食されてきたカスピ海ヨーグルトが知られている。カスピ海ヨーグルトは、高い曵糸性を有し、独特な食感を提供する。一方、この乳酸菌は酸性での生育性が悪いため、生成する乳酸を消費する酢酸菌との複合培養が行われており、培養の管理が難しいとともに、発酵物の酸味が低い。菌体外多糖によらずに発酵物に曵糸性を与える乳酸菌も知られており、乳酸菌が生成するプロテアーゼが培養原料のタンパク質に作用することで曵糸性が生じる(特許文献8:特開2022-026233号公報)。高い曵糸性を有する食品は、なめらかさなどの食感を有する。これにより独特の食感を有する製品の開発が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-073998号公報
国際公開第2020/116365号
特表2023-507895号公報
特開2020-132561号公報
特開2019-198270号公報
特開2016-182049号公報
特開2016-178911号公報
特開2022-026233号公報
【非特許文献】
【0006】
Food Bioscience 55 (2023)103026
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発酵物に対し曵糸性を付与可能な新たな乳酸菌の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、漬物から単離した新規の乳酸菌であるラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)KY5-ES5株(受託番号:NITE P-04000)の発酵物が曵糸性を有することを見出した。ラクチプランチバチルス・プランタラムの公開株であるJCM1100株及びJCM1149T株、さらに自社保有の同種の菌株35種と比較検討を行ったところ、驚くべきことにKY5-ES5株で培養された発酵物においてのみ高い曵糸性を有することを見出し、新規株としてKY5-ES5株を提供する。
【0009】
したがって、本発明は、以下の発明に関する:
[1] 受託番号:NITE P-04000のラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum )である乳酸菌。
[2] 項目1に記載の乳酸菌を含む、培養物。
[3] 曵糸性を有する 項目2に記載の培養物。
[4] 前記培養物が、発酵豆乳又は発酵乳である、項目3に記載の培養物。
[5] 項目1に記載の乳酸菌、及びその培養物を含む、食品。
[6] 項目1に記載の乳酸菌又はその培養物を含む、スターターカルチャ。
[7] 曵糸性を有する発酵食品の製造方法であって
食品原料に、受託番号:NITE P-04000のラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)である乳酸菌を植菌し;
15℃~30℃で培養する工程を含む、前記製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の乳酸菌は、発酵物において高い曵糸性を提供する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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