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公開番号2025032941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-12
出願番号2023138475
出願日2023-08-28
発明の名称カーボンニュートラル生成物、フリント調ガラス、及びガラスの製造方法
出願人日本山村硝子株式会社,国立大学法人京都工芸繊維大学
代理人個人
主分類C03C 1/00 20060101AFI20250305BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】ガラス以外の材料から再生された再生素材を用いて形成され、主原料に由来する二酸化炭素等の副生成物の排出量を最小限に抑制しつつ、ガラスを主生成物として含むカーボンニュートラル生成物、及びガラスの製造方法の提供を目的とした。
【解決手段】カーボンニュートラル生成物は、ケイ素系素材と、カルシウム系素材と、ナトリウム系素材とを主原料として形成され、主原料をなすケイ素系素材、カルシウム系素材、及びナトリウム系素材のうち少なくともいずれかが、ガラス以外の材料を用いて再生したものであって、材料に由来する炭素を含んだ再生素材を少なくとも一部として含むものを用いることにより形成されたガラスからなる主生成物と、主原料に由来して生成されるとともに、実質的に新たに生成されたものではない炭素酸化物を含む気体からなる副生成物と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ケイ素成分を含有するケイ素系素材と、
カルシウム成分を含有するカルシウム系素材と、
ナトリウム成分を含有するナトリウム系素材と、
を主原料として形成され、
前記主原料をなす前記ケイ素系素材、前記カルシウム系素材、及び前記ナトリウム系素材のうち少なくともいずれかが、ガラス以外の材料を用いて再生したものであって、前記材料に由来する炭素を含んだ再生素材を少なくとも一部として含むものを用いることにより形成されたガラスからなる主生成物と、
前記主原料に由来して生成されるとともに、実質的に新たに生成されたものではない炭素酸化物を含む気体からなる副生成物と、
を含むことを特徴とするカーボンニュートラル生成物。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記ケイ素系素材の一部又は全部として、植物に由来する材料から再生された前記再生素材が用いられること、を特徴とする請求項1に記載のカーボンニュートラル生成物。
【請求項3】
前記カルシウム系素材の一部又は全部として、カルシウム成分を含有するケイ酸塩が用いられること、を特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンニュートラル生成物。
【請求項4】
前記ナトリウム系素材の一部又は全部として、ナトリウム成分を含有するケイ酸塩が用いられること、を特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンニュートラル生成物。
【請求項5】
フリントの属性を有するフリント調ガラスであって、
ケイ素成分を含有するケイ素系素材と、
カルシウム成分を含有するカルシウム系素材と、
ナトリウム成分を含有するナトリウム系素材と、
鉄成分を含有する鉄系素材と、
を含むガラス原料を用いて形成され、
前記ケイ素系素材が、ガラス以外の材料を用いて再生したものであって、前記材料に由来する炭素を含んだ再生素材を少なくとも一部として含むものを用いることにより形成されたものであり、
前記カルシウム系素材、及び前記ナトリウム系素材が、それぞれカルシウム成分を含有するケイ酸塩、及びナトリウム成分を含有するケイ酸塩を少なくとも一部として含むものを用いることにより形成されたものであり、
前記鉄系素材が、前記ガラス原料において0.026mass%以上0.35mass%以下の範囲で含まれていること、を特徴とするフリント調ガラス。
【請求項6】
ケイ素成分を含有するケイ素系素材、カルシウム成分を含有するカルシウム系素材、及びナトリウム成分を含有するナトリウム系素材を主原料として含むガラス原料を準備するガラス原料準備工程と、
前記ガラス原料を用いて、ガラスを主生成物とするカーボンニュートラル生成物を作成することによりガラスを得るガラス形成工程と、
を有し、
前記ガラス原料準備工程が、
前記ケイ素系素材、前記カルシウム系素材、及び前記ナトリウム系素材の少なくともいずれかとして、ガラス以外の材料を用いて再生したものであって、前記材料に由来する炭素を含んだ再生素材を少なくとも一部として含むものを前記主原料として準備する工程であり、
前記ガラス形成工程が、
前記主原料を用いることにより、前記カーボンニュートラル生成物として、前記ガラスからなる主生成物と、前記主原料に由来し、かつ実質的に新たに生成されたものではない炭素酸化物を含む気体からなる副生成物と、を含むものを作成することにより、前記ガラスを得る工程であること、を特徴とするガラスの製造方法。
【請求項7】
前記ケイ素系素材の一部又は全部として、植物に由来する材料から再生された前記再生素材が用いられること、を特徴とする請求項6に記載のガラスの製造方法。
【請求項8】
前記カルシウム系素材の一部又は全部として、カルシウム成分を含有するケイ酸塩が用いられること、を特徴とする請求項6又は7に記載のガラスの製造方法。
【請求項9】
前記ナトリウム系素材の一部又は全部として、ナトリウム成分を含有するケイ酸塩が用いられること、を特徴とする請求項6又は7に記載のガラスの製造方法。
【請求項10】
前記ガラス原料準備工程において、前記ガラス原料として、0.026mass%以上0.35mass%以下の範囲で鉄成分を含有する鉄系素材を含み、前記ケイ素系素材の一部又は全部としてガラス以外の材料を用いて再生したものを含み、前記カルシウム系素材の一部又は全部としてカルシウム成分を含有するケイ酸塩を含み、かつ前記ナトリウム系素材の一部又は全部としてナトリウム成分を含有するケイ酸塩を含むものが準備されること、を特徴とする請求項6又は7に記載のガラスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンニュートラル生成物、フリント調ガラス、及びガラスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、下記非特許文献1や非特許文献2に開示されているように、ガラスびんは、リユースやリサイクルの形態により再活用されてきた。具体的には、ガラスびんは、非特許文献1に開示されているように、回収した使用済みのびんに洗浄等を施して繰り返し使用する、リユースと呼ばれる形態で再活用することができる。また、ガラスびんは、非特許文献2に開示されているように、使用済みのびんを細かく砕くことによって得られたカレットを、新しいびんなどのガラス製品を作るために活用する、リサイクルと呼ばれる形態でも再活用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
ガラスびん3R推進協議会ウェブサイト(https://www.glass-3r.jp/learn/reuse.html)
ガラスびん3R推進協議会ウェブサイト(https://www.glass-3r.jp/learn/recycle.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述したように、ガラスびんを砕いてカレットの形態にして、ガラス製品を形成するための資源として再活用する等の形態においては、新しいガラス容器のガラス製品を作成するために使用済みのガラスを活用することができる。しかしながら、限りある資源の有効活用を図ることを鑑みれば、使用済みのガラスだけでなく、ガラス以外の材料もガラスを製造するための材料として活用できるようにすることが好ましい。
【0005】
また、近年問題視されている地球温暖化等の環境問題の観点からすれば、ガラスの製造に際して排出される二酸化炭素や一酸化炭素等の炭素酸化物からなる気体の排出量を抑制することが望ましい。一方、従来技術において提供されているガラスの多くは、ケイ素系素材として珪砂、ナトリウム系素材としてソーダ灰、カルシウム系素材として石灰石を含む主原料を用いることにより製造されている。そのため、従来技術に係るガラスは、製造過程において、主原料に由来する二酸化炭素等の炭素酸化物からなる気体が副生成物として排出されてしまうといった問題があった。
【0006】
そこで本発明は、ガラス以外の材料から再生された再生素材を用いて形成され、主原料に由来する二酸化炭素等の副生成物の排出量を最小限に抑制しつつ、ガラスを主生成物として含むカーボンニュートラル生成物、フリント調ガラス、及びガラスの製造方法の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明のカーボンニュートラル生成物は、ケイ素成分を含有するケイ素系素材と、カルシウム成分を含有するカルシウム系素材と、ナトリウム成分を含有するナトリウム系素材と、を主原料として形成され、前記主原料をなす前記ケイ素系素材、前記カルシウム系素材、及び前記ナトリウム系素材のうち少なくともいずれかが、ガラス以外の材料を用いて再生したものであって、前記材料に由来する炭素を含んだ再生素材を少なくとも一部として含むものを用いることにより形成されたガラスからなる主生成物と、前記主原料に由来して生成されるとともに、実質的に新たに生成されたものではない炭素酸化物を含む気体からなる副生成物と、を含むことを特徴とするものである。
【0008】
本発明のカーボンニュートラル生成物は、上記(1)のようなものとすることにより、ガラス以外の材料を用いて再生した再生素材を、主原料の少なくとも一部として用いたガラスを提供できる。また、本発明のカーボンニュートラル生成物において、主原料に由来して副生成物として生成される気体は、炭素酸化物を含むものの、実質的に新たに生成されたものではない。これにより、本発明のカーボンニュートラル生成物は、主生成物であるガラスの製造に伴い、実質的に新たに生成される二酸化炭素や一酸化炭素等の炭素酸化物を含む気体の発生を最小限に抑制できる。
【0009】
(2)本発明のカーボンニュートラル生成物は、前記ケイ素系素材の一部又は全部として、植物に由来する材料から再生された前記再生素材が用いられること、を特徴とするものであると良い。
【0010】
本発明のカーボンニュートラル生成物は、上記(2)のようなものとすることにより、植物由来の材料から再生された再生素材を用いて主生成物であるガラスを得ることができる。また、本発明のカーボンニュートラル生成物は、再生素材が植物を原料とするものであるため、当該植物が削減する二酸化炭素等の炭素酸化物と、主生成物であるガラスを得る際に発生する二酸化炭素等の炭素酸化物とを相殺し、カーボンニュートラルやカーボンオフセットの観点からして、実質的に新たに生成される炭素酸化物を含む気体の発生を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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