TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025032704
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-12
出願番号
2023138135
出願日
2023-08-28
発明の名称
プリプレグの製造方法等
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B29B
15/08 20060101AFI20250305BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】100℃未満の環境下で長期間に亘り、優れた誘電特性を維持したガラスクロスを用いた、プリプレグの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスクロスに樹脂組成物を含浸させ、そしてプリプレグを作製する工程を有する、プリプレグの製造方法であって、
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(a):
(Tdp-14)×D ≦1500 ・・・(a)
(式中、Tdpは、保管環境の気圧下における露点であり、Dは、保管日数である)
を満たす条件で保管したもの、かつ、保管後の10GHzにおける誘電正接が0.00200以下である該ガラスクロスを用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ガラスクロスに樹脂組成物を含浸させ、そしてプリプレグを作製する工程を有する、プリプレグの製造方法であって、
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(a):
(Tdp-14)×D ≦1500 ・・・(a)
(式中、Tdpは、保管環境の気圧下における露点であり、Dは、保管日数である)
を満たす条件で保管したもの、かつ、保管後の10GHzにおける誘電正接が0.00200以下である該ガラスクロスを用いる、
プリプレグの製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記ガラスクロスは、複数本のフィラメントを含むガラス糸を経糸、及び緯糸として有しており、
前記ガラス糸におけるケイ素(Si)含量が、二酸化ケイ素(SiO
2
)換算で95.0~100質量%である、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項3】
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(b):
(Tdp-8)×D ≦800 ・・・(b)
を満たす条件で保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項4】
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(c):
(Tdp-2)×D ≦800 ・・・(c)
を満たす条件で保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、請求項3に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項5】
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(d):
(Tdp-(-4))×D ≦1500 ・・・(d)
を満たす条件で保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、請求項4に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項6】
下記条件(i)、及び(ii):
(i)600~1500℃の温度、かつ、10分以下の時間で前記ガラスクロスを加熱脱油する工程;及び
(ii)大気圧下での露点温度が15℃以下の雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度、かつ、24時間以上の時間で前記ガラスクロスを加熱脱油する工程;
の少なくとも一方に基づいて加熱脱油した後に保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項7】
下記式(1):
X(R)
3-n
SiY
n
・・・(1)
(式中、Xは、アミノ基、及びラジカル反応性を有する不飽和二重結合基の少なくとも一方を有する基であり、Yは、各々独立して、アルコキシ基であり、nは、1以上3以下の整数であり、そしてRは、各々独立して、メチル基、エチル基、及びフェニル基から成る群から選ばれる基である)
で示される前記シランカップリング剤を含む表面処理剤で表面処理した後に保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項8】
前記樹脂組成物の硬化物の、10GHzにおける誘電正接が0.0025以下である、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項9】
前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、シクロペンタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及びフッ素樹脂から成る群から選択される少なくとも1つ以上の樹脂を含む、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項10】
前記樹脂組成物が、無機粒子、及び架橋剤の少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリプレグの製造方法等に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォン等の情報端末の高性能化、及び5G通信に代表される高速通信化が進んでいる。この背景に伴い、例えば、高速通信用のプリント配線基板に対して、耐熱性の向上だけでなく、その絶縁材料の更なる誘電特性の向上(例えば、誘電正接の低減)が望まれている。同様に、プリント配線基板の絶縁材料に用いられるプリプレグに対しても、誘電特性の向上が望まれている。ここで、プリプレグは、ガラスクロスに樹脂組成物を含浸させる工程を経て作製される。ゆえに、プリプレグの作製に用いられる、上記ガラスクロスに対して、また、プリプレグの作製に用いられる上記樹脂組成物の硬化物に対しても、誘電特性の向上が望まれている背景がある。
【0003】
誘電特性を向上させる手段として、例えば、低誘電ガラスを用いてプリプレグを作製する手法が知られている(特許文献1、及び2参照)。具体的に、特許文献1は、二酸化ケイ素(SiO
2
)組成量が98~100質量%のガラス糸を用いてプリプレグを作製すること、特許文献2は、石英ガラスクロスを加熱処理すること、をそれぞれ記載している。
【0004】
また、石英ガラス表面のSi-OH基は、活性が強く、特に高温雰囲気で水分を水素結合で取り込み、Si-O-Si結合を開裂させることによりSi-OH基が生じ(SiO
2
+H
2
O⇔Si-OH)、生じたSi-OH基がガラスクロスの誘電正接を悪化させることが知られている(例えば、特許文献3段落[0006]参照)。特許文献3は、Si-OH基を再度結合させてSi-O-Si結合を形成し、これによりガラスクロスを低誘電正接化することを目的の一つとした手法を開示している。かかる手法は、石英ガラスクロスを加熱炉に入れ、真空又は露点15℃以下の気体中で、最高加熱温度が100~600℃、かつ「100℃以上の加熱温度(℃)」×「加熱時間(h)」で表される加熱量が450(℃・h)以上となる条件で加熱する、上記石英ガラスクロスの加熱方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-127747号公報
特開2021-63320号公報
特許第7269416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、100℃未満の温度領域では、水はガラスクロスの低誘電正接化に寄与しないと考えられてきた。このことは、特許文献3における平衡反応(SiO
2
+H
2
O⇔Si-OH)についての「100℃未満ではSi-OH基同士の反応における活性化エネルギーが足りないためにSi-OH基の量が低下せず誘電正接も低下しない。」(特許文献3段落0025)旨の開示にも裏付けられる。
【0007】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1~3に開示されるような手段でガラスクロスの製造時の誘電正接を低下させたとしても、ガラスクロスを長期間に亘って保管するとき、100℃未満の環境下においても上記平衡反応によるシラノール基の生成が進行し、そしてガラスクロスの誘電正接が増加してしまうということを、初めて見出した。
【0008】
そこで、本開示は、100℃未満の環境下で長期間に亘り、優れた誘電特性を維持したガラスクロスを用いた、プリプレグの製造方法を提供することを目的の一つとする。
また、本開示は、プリント配線基板用の上記プリプレグを製造する、プリント配線基板用のプリプレグの製造方法を提供することも目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]
ガラスクロスに樹脂組成物を含浸させ、そしてプリプレグを作製する工程を有する、プリプレグの製造方法であって、
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(a):
(Tdp-14)×D ≦1500 ・・・(a)
(式中、Tdpは、保管環境の気圧下における露点であり、Dは、保管日数である)
を満たす条件で保管したもの、かつ、保管後の10GHzにおける誘電正接が0.00200以下である該ガラスクロスを用いる、
プリプレグの製造方法。
[2]
前記ガラスクロスは、複数本のフィラメントを含むガラス糸を経糸、及び緯糸として有しており、
前記ガラス糸におけるケイ素(Si)含量が、二酸化ケイ素(SiO
2
)換算で95.0~100質量%である、項目1に記載のプリプレグの製造方法。
[3]
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(b):
(Tdp-8)×D ≦800 ・・・(b)
を満たす条件で保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、項目1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
[4]
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(c):
(Tdp-2)×D ≦800 ・・・(c)
を満たす条件で保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、項目3に記載のプリプレグの製造方法。
[5]
前記ガラスクロスとして、
下記条件式(d):
(Tdp-(-4))×D ≦1500 ・・・(d)
を満たす条件で保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、項目4に記載のプリプレグの製造方法。
[6]
下記条件(i)、及び(ii):
(i)600~1500℃の温度、かつ、10分以下の時間で前記ガラスクロスを加熱脱油する工程;及び
(ii)大気圧下での露点温度が15℃以下の雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度、かつ、24時間以上の時間で前記ガラスクロスを加熱脱油する工程;
の少なくとも一方に基づいて加熱脱油した後に保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、項目1~5のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
[7]
下記式(1):
X(R)
3-n
SiY
n
・・・(1)
(式中、Xは、アミノ基、及びラジカル反応性を有する不飽和二重結合基の少なくとも一方を有する基であり、Yは、各々独立して、アルコキシ基であり、nは、1以上3以下の整数であり、そしてRは、各々独立して、メチル基、エチル基、及びフェニル基から成る群から選ばれる基である)
で示される前記シランカップリング剤を含む表面処理剤で表面処理した後に保管した前記ガラスクロスを用いて製造する、項目1~6のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
[8]
前記樹脂組成物の硬化物の、10GHzにおける誘電正接が0.0025以下である、項目1~7のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
[9]
前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、シクロペンタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及びフッ素樹脂から成る群から選択される少なくとも1つ以上の樹脂を含む、項目1~8のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
[10]
前記樹脂組成物が、無機粒子、及び架橋剤の少なくとも一方を含む、項目1~9のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
[11]
前記ガラスクロスとして、
前記条件式(a)満たす条件での保管前、及び保管後のいずれにおいても、10GHzにおける誘電正接が0.00200以下である該ガラスクロスを用いる、項目1~10のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
[12]
前記ガラスクロスとして、
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、100℃未満の環境下で長期間に亘り、優れた誘電特性を維持したガラスクロスを用いた、プリプレグの製造方法を提供することができる。
また、本開示は、プリント配線基板用の上記プリプレグを製造する、プリント配線基板用のプリプレグの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
旭化成株式会社
包装材
20日前
旭化成株式会社
RFタグ
26日前
旭化成株式会社
内装吸音材
16日前
旭化成株式会社
車両用シート
21日前
旭化成株式会社
巻回体収容箱
2か月前
旭化成株式会社
ローラモールド
1か月前
旭化成株式会社
塗料組成物及び塗膜
26日前
旭化成株式会社
塗料組成物、及び塗膜
26日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物
2か月前
旭化成株式会社
細胞培養物の濾過方法
26日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物
2か月前
旭化成株式会社
塗料組成物、及び塗膜
26日前
旭化成株式会社
繊維及び繊維の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
冷却プレート及び構造体
21日前
旭化成株式会社
冷却プレート及び構造体
21日前
旭化成株式会社
ポリアセタールの製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物、成形品
22日前
旭化成株式会社
樹脂組成物及び樹脂硬化物
2か月前
旭化成株式会社
車両用空調装置の機構部品
2か月前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物
1か月前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
8日前
旭化成株式会社
成形体の製造方法及び成形体
19日前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
1日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂フィラメント
26日前
旭化成株式会社
増粘剤、及びキャストフィルム
1か月前
旭化成株式会社
グミキャンディ及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
メタクリル系樹脂組成物及び成形体
20日前
旭化成株式会社
共役ジエン系重合体及びゴム組成物
1か月前
旭化成株式会社
深紫外線照射装置及びその製造方法
20日前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミドの精製方法
5日前
旭化成株式会社
高連通膜による細胞培養物のろ過方法
26日前
旭化成株式会社
植物ミルク含有飲料及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ゴム状重合体及びそれを含むゴム組成物
7日前
旭化成株式会社
難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形体
26日前
旭化成株式会社
セルロース微細繊維を含むウェットケーク
2か月前
旭化成株式会社
ポリエーテルケトン樹脂及びその製造方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る