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公開番号
2025032678
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-12
出願番号
2023138099
出願日
2023-08-28
発明の名称
ニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法とニッケル酸化鉱石の湿式製錬法およびシックナー
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22B
23/00 20060101AFI20250305BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】ニッケル酸化鉱石スラリー(Niスラリー)のSolid%が効率的に高められるNiスラリーの前処理方法と、処理後のNiスラリーを用いるNi酸化鉱石の湿式製錬法とシックナーを提供する。
【解決手段】
Ni酸化鉱石を水と混合して調製したNiスラリーを鉱酸と共に加圧容器に装入しNiを浸出させる湿式製錬法の前処理方法であって、Niスラリーを加圧容器に装入する前にNiスラリーをシックナー1に装入してNiスラリーを固液分離するNiスラリーの前処理方法において、Ni酸化鉱石由来の磁性化合物を0.5質量%以上含むNiスラリーに対し磁束密度が0.1T(テスラ)以上の磁力を作用させてNiスラリーを固液分離することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ニッケル酸化鉱石を水若しくはアルコールと混合して調製したニッケル酸化鉱石スラリーを鉱酸と共に加圧容器に装入して高圧下でニッケルを浸出させる湿式製錬法の前処理方法であって、ニッケル酸化鉱石スラリーを上記加圧容器に装入する前にシックナーに装入してニッケル酸化鉱石スラリーを固液分離するニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法において、
上記ニッケル酸化鉱石由来の磁性化合物を0.5質量%以上含むニッケル酸化鉱石スラリーに対し、磁束密度が0.1T以上の磁力を作用させて該ニッケル酸化鉱石スラリーを固液分離することを特徴とするニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
上記ニッケル酸化鉱石スラリーに対し磁束密度が2.0T以下の磁力を作用させてニッケル酸化鉱石スラリーを固液分離することを特徴とする請求項1に記載のニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法。
【請求項3】
シックナー本体の底面側に磁石を設置して上記シックナーに装入されたニッケル酸化鉱石スラリーに対し磁力を作用させることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法。
【請求項4】
固液分離後のニッケル酸化鉱石スラリーを上記加圧容器に供給するスラリー供給管とポンプがシックナー本体の底面側に設けられたスラリー抜出管に連結されており、ポンプ近傍に磁石を設置して上記シックナーに装入されたニッケル酸化鉱石スラリーに対し磁力を作用させることを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法。
【請求項5】
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬法において、
ニッケル酸化鉱石を水若しくはアルコールと混合して調製したニッケル酸化鉱石スラリーをシックナーに装入して固液分離する前処理工程と、
固液分離後のニッケル酸化鉱石スラリーを鉱酸と共に加圧容器に装入し、高圧下でニッケルを浸出させて浸出液と残渣からなる浸出スラリーを得る浸出工程と、
上記浸出スラリーを連続する複数のシックナーに導入し、向流で流れる洗浄液で洗浄しながら上記残渣を分離除去して浸出液を回収する向流多段洗浄工程と、
回収された浸出液に中和剤を添加し、浸出液に含まれる不純物元素を中和澱物として分離除去して中和終液を得る中和工程と、
得られた中和終液に硫化剤を添加し、ニッケルを硫化物の形態で回収する硫化工程と、
上記硫化物の回収時に排出されるニッケル貧液に中和剤を添加し、無害化処理を行なう最終中和工程を有すると共に、
上記前処理工程において、ニッケル酸化鉱石由来の磁性化合物を0.5質量%以上含むニッケル酸化鉱石スラリーに対し、磁束密度が0.1T以上の磁力を作用させてニッケル酸化鉱石スラリーを固液分離することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬法。
【請求項6】
上記ニッケル酸化鉱石スラリーに対し、磁束密度が2.0T以下の磁力を作用させてニッケル酸化鉱石スラリーを固液分離することを特徴とする請求項5に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬法。
【請求項7】
円筒状の直胴部とその下部に位置し中心部に向かって次第に低くなる円錐状の底部とで構成されたシックナー本体を備えると共に、ニッケル酸化鉱石を水若しくはアルコールと混合して調製されたニッケル酸化鉱石スラリーを上記シックナー本体に装入して固液分離するシックナーにおいて、
上記シックナー本体に装入されるニッケル酸化鉱石スラリーに対して磁束密度が0.1T以上の磁力を作用させる磁石が設けられていることを特徴とするシックナー。
【請求項8】
上記シックナー本体の底面側に上記磁石が配置されていることを特徴とする請求項7に記載のシックナー。
【請求項9】
上記シックナー本体の底面側に設けられたスラリー抜出管と、該スラリー抜出管に連結されて固液分離後のニッケル酸化鉱石スラリーを加圧容器に供給するスラリー供給管とポンプとを備え、該ポンプ近傍に上記磁石が配置されていることを特徴とする請求項7に記載のシックナー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル酸化鉱石スラリーを鉱酸と共に加圧容器に装入して高圧下でニッケルを浸出させるニッケル酸化鉱石の湿式製錬法に係り、特に、ニッケル酸化鉱石スラリーを加圧容器に装入する前にシックナーに装入して固液分離するニッケル酸化鉱石スラリーの前処理方法とニッケル酸化鉱石の湿式製錬法およびこれらの方法に使用されるシックナーの改良に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
低品位ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する方法として、高圧酸浸出(High Pressure Acid Leach:HPAL)法を用いた湿式製錬法が知られている。この湿式製錬法では、高圧酸浸出工程に送られて処理されるニッケル酸化鉱石は、ニッケルを浸出しやすいように、予め解砕機や湿式篩を使用して所定の大きさ以下に破砕および分級され、次いで水やアルコールを加えてスラリー化されたニッケル酸化鉱石スラリーが用いられている。
【0003】
このニッケル酸化鉱石スラリーは、高圧酸浸出工程における酸消費量、得られる浸出液のニッケル濃度、および、その他の不純物濃度が所定の割合となるように、数種類の酸化ニッケル鉱石をブレンドして作られることが多い。
【0004】
また、ニッケル酸化鉱石スラリーでは、鉱石スラリーを構成する鉱石スラリー中の固形物存在割合(以下「Solid%」と記載することがある)が高いと、高圧酸浸出工程での単位時間あたりのニッケル通過量が増加するため、単位設備あたりの生産量が増加して運転コストの低減およびニッケル回収効率を高めることが見込まれる。
【0005】
しかし、ニッケル酸化鉱石スラリー中の固形物存在割合は、一般的に20Solid%未満となる。この理由は、鉱石のもつ電荷が大きいと、鉱石同士が反発し合って分散するためである。
【0006】
そして、固形物存在割合が低いニッケル酸化鉱石スラリーを用いた場合、高圧酸浸出工程で得られる浸出液のニッケル濃度が低くなってしまうため、ニッケルを効率的に回収することは困難であった。
【0007】
そこで、固形物存在割合が低いニッケル酸化鉱石スラリーを固液分離して固形物存在割合の高いニッケル酸化鉱石スラリーを得ようとする場合、鉱石スラリー中における固形分の沈降速度をできるだけ大きくすることが好ましく、鉱石スラリーの沈降速度を制御する方法として、例えば、特許文献1に開示された方法が知られている。特許文献1には、ニッケル酸化鉱石から湿式製錬法によりニッケル等の有価金属を回収する際、浸出工程等に固形物存在割合(Solid%)の高いニッケル酸化鉱石スラリーを効率的に供給するため、鉱石スラリーの沈降速度を向上させて固液分離する際の沈降濃縮に要する時間を短縮させ、あるいは、鉱石スラリーの降伏応力を低下させて流送する際の鉱石スラリーの固形物濃度を高める方法が開示され、具体的には、ニッケル酸化鉱石の水性スラリーに中和剤を添加し、pHを等電点近傍に調整することにより鉱石スラリーの沈降速度または降伏応力を制御する方法が開示されている。
【0008】
しかし、連続して流入してくるニッケル酸化鉱石スラリーのpHを連続的に測定しながらpHを制御する方法は容易でなく、必ずしも好適な方法とは言えなかった。
【0009】
また、特許文献2には、第1および第2シックナーを用い、かつ、高分子炭化水素を主成分とする凝集剤を上記第1シックナーに添加してニッケル酸化鉱石スラリーの固形物存在割合を高める方法が開示されている。
【0010】
しかし、凝集剤を添加してニッケル酸化鉱石スラリーの固形物存在割合を高める方法は添加量の調整が容易でなく、かつ、薬剤コストに見合う上記固形物存在割合の増加には高い技術力を要する。更に、凝集剤に起因する炭素により液中の全有機炭素(TOC)濃度が上昇し、排水処理の工程数を増やしてしまう等の問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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