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公開番号
2025030789
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023136373
出願日
2023-08-24
発明の名称
プラスチック分解微生物
出願人
株式会社Enzyme Labo
,
国立大学法人福島大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20250228BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】プラスチック分解微生物を提供すること。
【解決手段】一つの態様において、本開示は、Acinetobacter属、Achromobacter属、Pseudomonas属、Serratia属、Amycolatopsis属およびBacillus属からなる群から選択される属の微生物であって、プラスチックを分解する能力を有する、微生物を提供する。一つの態様において、分解されるプラスチックには、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)およびエチレン-ビニルアルコールコポリマー(EVOH)のうち少なくとも一つが含まれる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Acinetobacter属、Achromobacter属、Pseudomonas属、Serratia属、Amycolatopsis属およびBacillus属からなる群から選択される属の微生物であって、プラスチックを分解する能力を有する、微生物。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記プラスチックが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)およびエチレン-ビニルアルコールコポリマー(EVOH)のうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の微生物。
【請求項3】
前記微生物が、Acinetobacter属、Achromobacter属およびPseudomonas属からなる群から選択される属の微生物であり、ポリプロピレン(PP)を分解する能力を有する、請求項1に記載の微生物。
【請求項4】
前記微生物が、A. beijerinckii、A. junii、A. venetianus、A. haemolyticus、A. halotolerans、A. nosocomialis、A. baumannii、A. seifertii、A. pittii、A. lactucae、A. calcoaceticus、A. soliおよびA. baylyiからなる群から選択されるAcinetobacter属微生物である、請求項3に記載の微生物。
【請求項5】
前記微生物が、2-4-2A(受領番号AP-03962の株)、5-3-1A(受領番号AP-03963の株)、17-5-3D(受領番号AP-03964の株)またはその近縁株である、請求項3に記載の微生物。
【請求項6】
配列番号1~4のいずれかの配列と少なくとも90%の配列同一性を有する16S rDNAを含む、請求項3に記載の微生物。
【請求項7】
受領番号AP-03962、AP-03963およびAP-03964からなる群から選択される株である、請求項3に記載の微生物。
【請求項8】
前記微生物が、Serratia属、Acinetobacter属、Achromobacter属またはPseudomonas属の微生物であり、ポリエチレン(PE)を分解する能力を有する、請求項1に記載の微生物。
【請求項9】
前記微生物が、TIKK4D(受領番号AP-03965の株)、2-4-2A(受領番号AP-03962の株)、5-3-1A(受領番号AP-03963の株)、17-5-3D(受領番号AP-03964の株)またはその近縁株である、請求項8に記載の微生物。
【請求項10】
配列番号5~6のいずれかの配列と少なくとも90%の配列同一性を有する16S rDNAを含む、請求項8に記載の微生物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラスチックを分解する能力を有する微生物、およびこのような微生物の使用に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)
【背景技術】
【0002】
石油系成分から合成されるプラスチックは何十年にもわたって使用されており、廃棄プラスチックは、主に埋立処分や焼却処分される。これらのプラスチック廃棄物は、自然環境下での分解性が低いことから、いったん自然界に放出されてしまうとその回収、処理が難しいものとなってしまう。このようなプラスチックを分解する微生物は、わずかしか知られていないため、新たなプラスチック分解微生物が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは、鋭意研究した結果、プラスチックを分解する能力を有する新規微生物を見出した。本開示は、このように見出された微生物およびその誘導株、ならびにその使用を提供する。また、本開示は、プラスチックを分解する能力を有する微生物を取得するための方法も提供する。
【0004】
したがって、本開示は以下を提供する。
(項目1)
Acinetobacter属、Achromobacter属、Pseudomonas属、Serratia属、Amycolatopsis属およびBacillus属からなる群から選択される属の微生物であって、プラスチックを分解する能力を有する、微生物。
(項目2)
前記プラスチックが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)およびエチレン-ビニルアルコールコポリマー(EVOH)のうち少なくとも一つを含む、前記項目のいずれかの微生物。
(項目3)
前記微生物が、Acinetobacter属、Achromobacter属およびPseudomonas属からなる群から選択される属の微生物であり、ポリプロピレン(PP)を分解する能力を有する、前記項目のいずれかの微生物。
(項目4)
前記微生物が、A. beijerinckii、A. junii、A. venetianus、A. haemolyticus、A. halotolerans、A. nosocomialis、A. baumannii、A. seifertii、A. pittii、A. lactucae、A. calcoaceticus、A. soliおよびA. baylyiからなる群から選択されるAcinetobacter属微生物である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目5)
前記微生物が、2-4-2A(受領番号AP-03962の株)、5-3-1A(受領番号AP-03963の株)、17-5-3D(受領番号AP-03964の株)またはその近縁株である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目6)
配列番号1~4のいずれかの配列と少なくとも90%の配列同一性を有する16S rDNAを含む、前記項目のいずれかの微生物。
(項目7)
受領番号AP-03962、AP-03963およびAP-03964からなる群から選択される株である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目8)
前記微生物が、Serratia属、Acinetobacter属、Achromobacter属またはPseudomonas属の微生物であり、ポリエチレン(PE)を分解する能力を有する、前記項目のいずれかの微生物。
(項目9)
前記微生物が、TIKK4D(受領番号AP-03965の株)、2-4-2A(受領番号AP-03962の株)、5-3-1A(受領番号AP-03963の株)、17-5-3D(受領番号AP-03964の株)またはその近縁株である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目10)
配列番号5~6のいずれかの配列と少なくとも90%の配列同一性を有する16S rDNAを含む、前記項目のいずれかの微生物。
(項目11)
受領番号AP-03965、AP-03962、AP-03963およびAP-03964からなる群から選択される株である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目12)
前記微生物が、Amycolatopsis属またはBacillus属の微生物であり、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を分解する能力を有する、前記項目のいずれかの微生物。
(項目13)
前記微生物が、5Acc(受領番号AP-03966の株)またはその近縁株である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目14)
配列番号7~8のいずれかの配列と少なくとも90%の配列同一性を有する16S rDNAを含む、前記項目のいずれかの微生物。
(項目15)
受領番号AP-03966の株である、前記項目のいずれかの微生物。
(項目16)
前記項目のいずれかの微生物の菌体、培養上清、破砕物、その抽出物またはそれらの組み合わせを含む、プラスチック分解剤。
(項目17)
プラスチックを分解する方法であって、
前記項目のいずれかの微生物の菌体、培養上清、破砕物、その抽出物またはそれらの組み合わせをプラスチックと接触させる工程
を含む、方法。
(項目18)
前記接触させる工程の前にプラスチックを変性させる工程を含まない、前記項目のいずれかの方法。
(項目19)
プラスチック分解微生物を取得する方法であって、
候補微生物をプラスチックを唯一の炭素源として含む環境で培養する工程、および
培養後に見出されたコロニーから微生物を単離する工程
を含む、方法。
(項目20)
プラスチック分解剤を作製する方法であって、
前記項目のいずれかの方法で取得した微生物を使用して組成物を調製する工程
を含む、方法。
【0005】
本開示において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供されうることが意図される。本開示のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0006】
本開示の微生物は、プラスチックを分解し得るので、石油製品の廃棄物の処理などにおいて利用でき、環境負荷を低下させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
見出されたPP分解菌の画線培養の写真を示す。
2-3-1A、5-3-1A、2-4-2Aおよび6-3-1F株の16S rDNA塩基配列に基づく分子系統樹解析のクラスター図を示す。
13-3-1C、17-4-2C、17-4-1Fおよび17-5-3D株の16S rDNA塩基配列に基づく分子系統樹解析のクラスター図を示す。
それぞれの分離株のPP分解能についての試験結果を示す。それぞれの培養期間は以下の通りであった:_1:2-3-1A、17-5-3D、ctrlいずれも55日間培養。_2:2-4-2Aは9日、ctrlは63日間培養。_3:5-3-1Aは1日、6-3-1Fとctrlは56日間培養。_4:13-3-1Cは2日間、ctrlは7日間培養。17-4-1F:22日間培養。_5:17-4-2Cとctrlいずれも95日間培養。縦軸は、(開始時のPP片重量-培養後のPP片重量)/(開始時のPP片重量)で計算した分解率を示す。
(左)17-5-3D株を添加して培養した場合のPPキャップ片の写真を示す。(右)菌添加なしの対照条件培養のPPキャップ片の写真を示す。
TIKK4A、TIKK4DおよびAPKK9-2B株の16S rDNA塩基配列に基づく分子系統樹解析のクラスター図を示す。
取得されたプラスチック分解菌のLDPE片分解能(上)およびHDPE片分解能(下)を評価した結果を3回の実験の平均値および標準誤差とともに示す。
PE分解菌がPEフィルムに吸着することを示す写真である。(左)洗浄前、(右)洗浄後。(上段)TIKK4D、(中断)APKK9-2B、(下段)TIKK4A。
PE分解菌が吸着したPEフィルムのFT-IR分析結果を示す。
PVDC分解菌5Aの画線培養の写真を示す。
7B、5A、7Aおよび5C株の16S rDNA塩基配列に基づく分子系統樹解析のクラスター図を示す。
5Acc株の16S rDNA塩基配列に基づく分子系統樹解析のクラスター図を示す。
取得されたPVDC分解菌のPVDCを唯一の炭素源とする培地中における増殖能を濁度に基づいて評価した結果を示す。
取得されたプラスチック分解菌のEVOHを唯一の炭素源とする培地中における増殖能を濁度に基づいて評価した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。
【0009】
(定義等)
本明細書において「分解」とは、対象となった物質(例えば、プラスチック)がそれより小さな分子になることを指す。プラスチックの分解を判定するために、必ずしもこの小さな分子を検出することは必要ではなく、プラスチック重量の減少、プラスチックの改変(酸化など)、プラスチックを唯一の炭素源とする環境における微生物の増殖などを検出することで分解が判定され得る。
【0010】
本明細書で使用される「近縁株」は、好ましくは、限定を意図するものではないが、対象となる微生物のDNAに実質的に相同な領域を含む遺伝子(例えば、16S rDNA)を含む。例えば、近縁株は、当該分野で公知のコンピュータ相同性プログラムによってアラインメントを行って元となる株の全ゲノムの配列と比較した際、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%同一である全ゲノム配列、および/または元となる株の16S rDNAの配列と比較した際、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%同一である16S rDNAを有する。これは、遺伝子の変異、置換、欠失および/または付加によって改変された微生物であり、その近縁株は、元の微生物の生物学的機能を、必ずしも同じ度合いでなくてもよいが示すことが好ましい。例えば、遺伝子の変異は、任意の公知の変異剤、UV、プラズマ、ゲノム編集技術などを使用して導入することができる。本明細書において「同一性」は、特に断りのない限りNCBIのBLASTによって測定された値で表すことができる。BLASTで塩基配列を比較するときのアルゴリズムには、Blastpをデフォルト設定で使用できる。測定結果はPositivesまたはIdentitiesとして数値化される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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