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公開番号2025029608
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-06
出願番号2024193752,2023134197
出願日2024-11-05,2023-08-21
発明の名称アンモニアガスの処理装置及び処理方法
出願人株式会社三井E&S
代理人個人,個人,個人
主分類F01N 3/08 20060101AFI20250227BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留したアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を船外へ排出せず船内で有効的に処理でき、追加のアンモニア水供給タンクが不要であるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供すること。
【解決手段】エンジン3の燃料供給ラインに残留したアンモニアガスは、除害装置6においてアンモニア水とされる。選択式還元触媒ユニット17には、エンジン3の排ガスと、尿素水タンク8からの尿素水と、除害装置6で生成されたアンモニア水とが導入され、排ガスの脱硝処理が行われ、アンモニア水の無害化処理が行われる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載し、選択式還元触媒ユニットを備えた船舶におけるアンモニアガスの処理装置であって、
前記選択式還元触媒ユニット内には、前記船舶の機関の排ガスが導入され、還元剤である尿素水が供給可能であり、前記排ガスの脱硝処理を行う選択式還元触媒が配置されており、
前記船舶の機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガス、又は、前記貨物から揮発したアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする除害装置を備え、
前記除害装置で生成されたアンモニア水を、前記選択式還元触媒ユニットに供給し、前記アンモニア水の無害化処理を行う
ことを特徴とするアンモニアガスの処理装置。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
前記アンモニア水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路は、前記尿素水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路とは独立して、前記選択式還元触媒ユニットに至っており、
前記選択式還元触媒ユニットへは、ノズルを通して前記尿素水及び前記アンモニア水を同時に供給することができ、
前記ノズルは、空気供給源に繋がり前記尿素水及び/又は前記アンモニア水を拡散させる空気を供給する流路と、前記尿素水の供給路に繋がり前記尿素水を噴霧する流路と、前記アンモニア水の供給路に繋がり前記アンモニア水を噴霧する流路とを有する3流体ノズルであって、前記選択式還元触媒ユニット内の上流側に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項3】
前記アンモニア水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路は、前記尿素水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路とは独立して、前記選択式還元触媒ユニットに至っており、
前記選択式還元触媒ユニットへは、ノズルを通して前記尿素水及び前記アンモニア水を同時に供給することができ、
前記ノズルは、第1ノズルと、第2ノズルとからなり、
前記第1ノズルは、前記空気供給源に繋がり空気を供給する流路と、前記尿素水の供給路に繋がり前記尿素水を噴霧する流路との2つの流路を有する2流体ノズルであって、前記選択式還元触媒ユニット内の上流側に配置され、
前記第2ノズルは、前記空気供給源に繋がり空気を供給する流路と、前記アンモニア水の供給路に繋がり前記アンモニア水を噴霧する流路との2つの流路を有する2流体ノズルであって、前記選択式還元触媒ユニット内の上流側に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項4】
前記アンモニア水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路は、前記尿素水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路とは独立して、前記選択式還元触媒ユニットに至っており、
前記選択式還元触媒ユニットへは、ノズルを通して前記尿素水及び前記アンモニア水を同時に供給することができ、
前記ノズルは、第1ノズルと、第2ノズルとからなり、
前記第1ノズルは、前記空気供給源に繋がり空気を供給する流路と、前記尿素水の供給路に繋がり前記尿素水を噴霧する流路との2つの流路を有する2流体ノズルであって、前記選択式還元触媒ユニット内の上流側に配置され、
前記第2ノズルは、前記空気供給源に繋がり空気を供給する流路と、前記アンモニア水の供給路に繋がり前記アンモニア水を噴霧する流路との2つの流路を有する2流体ノズルであって、前記選択式還元触媒ユニットの前に前記排ガスが経る排気レシーバ内に配置され、この排気レシーバを経て、前記空気及び前記アンモニア水を前記選択式還元触媒ユニット内に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項5】
前記アンモニア水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路は、前記尿素水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路に、前記選択式還元触媒ユニットに至る前に合流しており、
前記選択式還元触媒ユニットへは、ノズルを通して前記尿素水又は前記アンモニア水の何れかが供給され、
前記ノズルは、空気供給源に繋がり空気を供給する流路と、前記尿素水の供給路及び前記アンモニア水の供給路が合流して繋がり前記尿素水又は前記アンモニア水を噴霧する流路との2つの流路を有する2流体ノズルであって、前記選択式還元触媒ユニット内の上流側に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項6】
前記アンモニア水の密度を計測する計器を備え、
前記尿素水及び前記アンモニア水を、前記選択式還元触媒ユニットに同時供給し、
前記アンモニア水の密度を計測する計器により計測された前記アンモニア水の密度をアンモニア水の濃度に換算し、この濃度から、前記選択式還元触媒ユニットに供給されるアンモニア水のモル当量を算出し、
前記尿素水の既知の濃度から、前記選択式還元触媒ユニットに供給される尿素水のモル当量を算出し、
前記選択式還元触媒ユニットに供給されるアンモニア水のモル当量及び尿素水のモル当量を合算し、合算されたモル当量に応じて、前記尿素水及び前記アンモニア水の流量を調節して、前記無害化処理として、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項7】
前記アンモニア水の前記選択式還元触媒ユニットへの供給路には、前記船舶の燃料供給装置から供給される液化アンモニアが合流されており、前記アンモニア水と前記液化アンモニアとが混合されてアンモニア水となって、前記選択式還元触媒ユニットに供給され、
前記アンモニア水と前記液化アンモニアとが混合されたアンモニア水の密度を計測する計器を備え、
前記アンモニア水の密度を計測する計器により計測された前記アンモニア水の密度から、前記選択式還元触媒ユニットに供給されるアンモニア水のモル当量を算出し、算出されたモル当量に応じて、前記アンモニア水の流量を調節して、前記無害化処理として、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項8】
前記排ガス中のリークアンモニア濃度を計測する計器を備え、
前記機関の排ガス流量を計測し、計測された排ガス流量と前記リークアンモニア濃度とから、または、前記機関の出力から負荷情報により算出された排ガス流量と前記リークアンモニア濃度とから、リークアンモニア量を算出し、
前記尿素水及び/又は前記アンモニア水により前記選択式還元触媒ユニット内に供給されるアンモニア量と、前記リークアンモニア量との合算量が、前記選択式還元触媒ユニットで処理されるアンモニア量となるように、前記尿素水又は前記アンモニア水の流量を調節して、前記無害化処理として、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項9】
前記選択式還元触媒ユニット内には、アンモニアスリップ触媒が配置されており、
前記アンモニアスリップ触媒により、前記選択式還元触媒ユニットに供給したアンモニア水の無害化処理を行う
ことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
【請求項10】
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載し、選択式還元触媒ユニットを備えた船舶におけるアンモニアガスの処理方法であって、
前記選択式還元触媒ユニット内に、前記船舶の機関の排ガスが導入され、還元剤である尿素水が供給可能であり、前記排ガスの脱硝処理を行う選択式還元触媒を設け、
除害装置により、前記船舶の機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガス、又は、前記貨物から揮発したアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とし、
前記除害装置により生成したアンモニア水を、前記選択式還元触媒ユニットに供給し、前記アンモニア水の無害化処理を行う
ことを特徴とするアンモニアガスの処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物又はエンジン燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置及び処理方法に関し、詳しくは、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留したアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を船外へ排出せず船内で有効的に処理でき、追加のアンモニア水供給タンクが不要であるアンモニアガスの処理装置及び処理方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、エンジンから排出される排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を浄化するための排ガス浄化装置として、尿素SCR(選択式還元)システムが知られている。
【0003】
尿素SCRシステムは、排ガス中に噴射した尿素水が排ガスの熱により加水分解されることで生成されるアンモニアガスを還元剤とし、SCR触媒の存在下でNOxをアンモニアガスと化学反応させ、窒素及び水に還元するものである。
【0004】
船舶のNOx排出規制の強化により、船舶への尿素SCRシステムの導入がされている。
【0005】
一方、近年の地球温暖化問題に伴い、船舶推進用エンジンの燃料として、液化アンモニアの利用が想定されている。液化アンモニアを燃料として利用した場合には、燃料の供給ライン内のパージや、異常時に燃焼範囲以内に収めるため、燃料供給系内を空にする必要がある。また、液化アンモニアを貯留するタンクにおいては、液化アンモニアは揮発性を有するので、自然入熱等によりボイルオフガスと呼ばれるアンモニアガスが発生する。アンモニアガスが生じるままにしておくとタンク内の圧力が上昇し設計圧力以上になってしまう。
【0006】
しかも、アンモニアガスは、可燃性及び毒性を有するので、アンモニアガスをそのまま保管することは、人体に影響を与える虞がある。そのため、アンモニアガスの毒性を除害装置によって除去する必要がある。除害装置としては、アンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする装置が用いられている。
【0007】
また、アンモニア水は、現行の環境規制では、船外に排出することはできないため、船内で回収されるアンモニア水は、船内で処理する必要がある。
さらに、船舶は限られたスペースに種々の装置等を設置する必要があるため、少ないスペースで処理できる方法が望ましい。
【0008】
特許文献2においては、選択式還元触媒装置に燃料である液化アンモニアを供給して脱硝処理を行っている。
【0009】
特許文献3においては、燃料供給系内の残留アンモニアを回収し、回収したアンモニア水の船内処理として、回収したアンモニア水を所定の高濃度(例えば、数十%)にして、選択式還元触媒装置(SCR)に供給する。アンモニア成分は、エンジン排ガスの脱硝処理で消費される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2020-045769号公報
特表2022-528443号公報
特開2022-179983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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