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公開番号2025029448
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-06
出願番号2023134111
出願日2023-08-21
発明の名称スクリュー圧縮機
出願人株式会社日立産機システム
代理人弁理士法人開知
主分類F04C 29/02 20060101AFI20250227BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】軸受室から作動室への液体の回収量を軸受室の圧力を高めずに確保できるスクリュー圧縮機を提供する。
【解決手段】スクリュー圧縮機は、軸受7に供給された潤滑用の液体を軸受室52から収容室45に回収する液体回収機構70を備える。液体回収機構70は、ケーシング4の接合面41aの位置において収容室45の内周面47上に開口すると共に内周面47の周方向に延在する給液溝72と、接合面41aの位置に形成され給液溝72のうちスクリューロータ3の回転方向の後方側の一方側端部に接続される導入路73と、軸受室52と導入路73を接続する回収路71とを有する。給液溝72と導入路73の接続部74は、給液溝72の底面72a上の一方側端部72aPの接線L1を含む面が導入路73に対する境界面とされる。接続部74は、内周面47上に開口する開口部74aの開口面積S1が境界面の面積S2より小さくなるように構成される。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つのスクリューロータと、
前記スクリューロータを回転可能に支持する軸受と、
前記スクリューロータを回転可能に収容する収容室及び前記軸受が配置される軸受室を有し、前記スクリューロータと共に作動室を形成するケーシングと、
前記軸受に供給された潤滑用の液体を前記軸受室から前記収容室内に回収する液体回収機構とを備え、
前記ケーシングは、互いに接合された第1のケーシングセグメントと第2のケーシングセグメントを含み、
前記液体回収機構は、
前記ケーシングの接合面の位置において前記収容室を形成する壁面の一部である内周面上に開口すると共に前記内周面の周方向に延在する給液溝と、
前記接合面の位置に形成され、前記給液溝のうち前記スクリューロータの回転方向の後方側に位置する一方側端部に接続される導入路と、
前記軸受室と前記導入路を接続する回収路とを有し、
前記給液溝と前記導入路は、接続部が介在して接続されており、
前記接続部は、前記給液溝の底面上の前記一方側端部の接線を含む面が前記導入路に対する境界面とされ、
前記接続部は、前記内周面上に開口する開口部の開口面積が前記境界面の面積よりも小さくなるように構成されている
スクリュー圧縮機。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記給液溝は、前記接合面の位置において前記作動室が吸込行程となる領域に対応した前記内周面の周方向の位置に配置されている
スクリュー圧縮機。
【請求項3】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記給液溝は、その延在方向の長さが前記スクリューロータの歯先の厚みよりも大きくなるように構成されている
スクリュー圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記導入路は、前記給液溝の延在方向に対して鈍角となる傾斜をもって前記給液溝に接続されている
スクリュー圧縮機。
【請求項5】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記接続部は、前記開口部の前記開口面積が0となるように構成されている
スクリュー圧縮機。
【請求項6】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記液体回収機構は、前記給液溝及び前記導入路を複数有し、
前記給液溝は、前記内周面の周方向に間隔をあけて配置されている
スクリュー圧縮機。
【請求項7】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記少なくとも1つのスクリューロータは、一対のスクリューロータで構成され、
前記ケーシングの前記収容室は、前記一対のスクリューロータのうちの一方の径方向外側に位置する第1内周面及び前記一対のスクリューロータのうちの他方の径方向外側に位置する第2内周面を有し、
前記液体回収機構は、前記給液溝及び前記導入路を複数有し、
前記給液溝の1つは、前記ケーシングの前記接合面の位置において前記第1内周面上に開口すると共に前記第1内周面の周方向に延在するように構成され、
前記給液溝の別の1つは、前記ケーシングの前記接合面の位置において前記第2内周面上に開口すると共に前記第2内周面の周方向に延在するように構成されている
スクリュー圧縮機。
【請求項8】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記ケーシングの前記接合面上に、前記内周面に開口するように第1溝が設けられ、
前記ケーシングの前記接合面上に、前記収容室の壁面から離れた位置で開口するように孔部が設けられ、
前記ケーシングの前記接合面上に、前記第1溝に接続されると共に前記孔部の開口に接続されるように第2溝が設けられ、
前記給液溝は、前記第1溝の前記接合面上の開口が前記第1のケーシングセグメントと前記第2のケーシングセグメントの接合により閉塞されることで構成され、
前記導入路は、前記第2溝の前記接合面上の開口が前記第1のケーシングセグメントと前記第2のケーシングセグメントの接合により閉塞されることで構成され、
前記回収路の下流側端部は、前記孔部により構成されている
スクリュー圧縮機。
【請求項9】
請求項8に記載のスクリュー圧縮機において、
前記接続部は、前記開口部における前記ケーシングの前記接合面からの深さが前記境界面における前記ケーシングの前記接合面からの深さよりも小さくなるように構成されている
スクリュー圧縮機。
【請求項10】
請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
前記軸受は、前記スクリューロータの軸方向吸込側を支持する吸込側軸受であり、
前記軸受室は、前記吸込側軸受が配置される吸込側軸受室である
スクリュー圧縮機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュー圧縮機に係り、更に詳しくは、スクリューロータを支持する軸受に供給された潤滑用の液体をケーシング内に回収するスクリュー圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
スクリュー圧縮機は、スクリューロータと、スクリューロータを回転自在に支持する軸受と、スクリューロータ及び軸受を収容するケーシングとを備えている。スクリュー圧縮機は、スクリューロータの歯溝とケーシングの内壁面とで形成された作動室の容積がスクリューロータの回転に伴い増減することで気体を吸い込み圧縮するものである。軸受は、圧縮機の外部から供給される液体(例えば、潤滑油)によって潤滑される。
【0003】
スクリュー圧縮機では、ケーシング内における作動室の上流側に形成された吸込空間に対して軸受を潤滑した液体を回収する構造が多く採用されている。この構造の場合、吸込空間に回収された液体は軸受の潤滑により昇温して相対的に高温の状態となっている。このため、吸込空間に流入した低温の吸込気体が吸込空間に回収された高温の液体により加熱されると、吸込損失が発生する。そこで、軸受室の液体をケーシング内の吸込空間でなく作動室に回収することで、吸込損失が抑制されて省エネ性の向上が期待できる。
【0004】
この問題の対応策を実現する方策として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の油冷式スクリュー圧縮機は、吐出側軸受を収容している軸受室から吐出側軸受を潤滑した油をスクリューロータ側に回収するため、吐出ケーシングに形成された油回収通路と、この油回収通路の開口端面に設けられスクリューロータの周方向に長く構成した凹部とを備えている。この凹部は、軸受室の圧力よりも低いスクリューロータの作動空間に連通する位置に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-36879号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の油冷式スクリュー圧縮機は、軸受室からスクリューロータの作動空間(作動室)への油の回収の駆動力として、軸受室と作動室の差圧を用いている。軸受室内の油を作動室に回収するためには、油が流れる回収経路の流動抵抗に抗すると共にスクリューロータの回転により生じる遠心力を上回るような駆動力が必要である。しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、軸受室と作動室の差圧によって油回収の駆動力を得ようとする場合、軸受室に隣接する低圧空間(例えば、吸込側軸受室に対する吸込空間)へ油の漏洩を防ぐためのシール機構が必要になると考えられる。そのようなシール機構を新たに設けると、摺動損失の発生や信頼性低下のリスク、製造コストの増加などの新たな問題が発生する。そのため、軸受室から作動室への油回収の駆動力として、軸受室と作動室の差圧以外の力が求められている。
【0007】
本願発明者は、軸受室から作動室への液体回収の駆動力として、回転するスクリューロータとの接触により液体に生じるせん断力を利用する手段を見出した。スクリューロータとの接触により液体にせん断力が発生して引き摺られることで当該液体がスクリューロータの移動方向に加速される。これにより、軸受室内の液体を作動室内に引き込むことが可能となる。
【0008】
特許文献1に記載の技術においても、軸受室から作動室への液体回収の駆動力として、回転するスクリューロータとの接触により液体に生じるせん断力を利用することが可能なように見える。凹部内に存在する油にはスクリューロータの回転方向の接線方向にせん断力が発生するので、凹部内の油を作動室内に引き込む効果が得られる。しかし、軸受室から作動室への液体回収の駆動力として液体のせん断力を利用する場合、液体の回収量を十分に確保するためには、構造上の条件があることを本願発明者は見出した。特許文献1に記載の凹部と油回収通路の接続構造の場合(図6参照)、凹部内の油を作動室内に引き込む効果が得られたとしても、油回収通路から凹部への液体の流入の際に、逆流渦が発生してしまうことで、軸受室から作動室へ油の回収量が大幅に減少してしまう虞がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、軸受室から作動室への液体の回収量を軸受室の圧力を高めずに確保することができるスクリュー圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は、上記課題を解決する手段として、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。スクリュー圧縮機の一例は、少なくとも1つのスクリューロータと、前記スクリューロータを回転可能に支持する軸受と、前記スクリューロータを回転可能に収容する収容室及び前記軸受が配置される軸受室を有し、前記スクリューロータと共に作動室を形成するケーシングと、前記軸受に供給された潤滑用の液体を前記軸受室から前記収容室内に回収する液体回収機構とを備え、前記ケーシングは、互いに接合された第1のケーシングセグメントと第2のケーシングセグメントを含み、前記液体回収機構は、前記ケーシングの接合面の位置において前記収容室を形成する壁面の一部である内周面上に開口すると共に前記内周面の周方向に延在する給液溝と、前記接合面の位置に形成され、前記給液溝のうち前記スクリューロータの回転方向の後方側に位置する一方側端部に接続される導入路と、前記軸受室と前記導入路を接続する回収路とを有し、前記給液溝と前記導入路は、接続部が介在して接続されており、前記接続部は、前記給液溝の底面上の前記一方側端部の接線を含む面が前記導入路に対する境界面とされ、前記接続部は、前記内周面上に開口する開口部の開口面積が前記境界面の面積よりも小さくなるように構成されている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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