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公開番号2025037418
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2023144344
出願日2023-09-06
発明の名称電動流体ポンプ及びその製造方法
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F04C 2/10 20060101AFI20250311BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】モータ部とポンプ部の軸方向間に配された滑り軸受のみでシャフトが支持された電動流体ポンプにおいて、インナロータとハウジングとの干渉を回避して、ポンプ性能の低下や異音の発生を防止する。
【解決手段】モータ部2のロータ22とポンプ部3のインナロータ31とを連結するシャフト6は、モータ部2とポンプ部3との軸方向間に設けられた円筒状の滑り軸受7のみで支持される。滑り軸受7による支持領域の軸方向長さA、軸受クリアランスB(滑り軸受7の内径B1とシャフト6の外径B2との差)、ポンプサイドクリアランスC(ポンプ収容空間55の軸方向幅C1とポンプ部3のインナロータ31の軸方向幅C2との差)、インナロータ31の外接円直径Dは、C>D・B/Aを満たす。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングに固定されたステータ及び前記ステータの内周に配されたロータを有するモータ部と、前記ハウジングに形成されたポンプ収容空間に収容されたインナロータ及びアウタロータを有するポンプ部と、前記モータ部のロータと前記ポンプ部のインナロータを連結するシャフトと、前記モータ部と前記ポンプ部との軸方向間に設けられ、前記シャフトを支持する円筒状の滑り軸受とを有し、前記シャフトが前記滑り軸受のみで支持された電動流体ポンプであって、
前記滑り軸受による前記シャフトの支持領域の軸方向長さをA、前記滑り軸受の内径と前記シャフトの外径との差をB、前記ポンプ収容空間の軸方向幅と前記インナロータの軸方向幅との差をC、前記インナロータの外接円直径をDとしたとき、
C>D・B/A ・・・式(1)
を満たす電動流体ポンプ。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記滑り軸受と前記モータ部との軸方向間に、前記シャフトの外周面に摺接するシール部材を設け、
前記シャフトの外周面のうち、前記シール部材が摺接する領域及びそれよりも前記ポンプ部側の軸方向領域がストレートな円筒面であり、
前記シャフトの前記円筒面が、前記ポンプ部のインナロータの内周に圧入された請求項1に記載の電動流体ポンプ。
【請求項3】
前記滑り軸受が焼結含油軸受である請求項1に記載の電動流体ポンプ。
【請求項4】
前記滑り軸受、前記シャフト、及び前記インナロータのうちの少なくとも一つが、前記式(1)を満たすようにマッチングにより選定されたものである請求項1に記載の電動流体ポンプ。
【請求項5】
ハウジングと、前記ハウジングに固定されたステータ及び前記ステータの内周に配されたロータを有するモータ部と、前記ハウジングに形成されたポンプ収容空間に収容されたインナロータ及びアウタロータを有するポンプ部と、前記モータ部のロータと前記ポンプ部のインナロータを連結するシャフトと、前記モータ部と前記ポンプ部との軸方向間に設けられ、前記シャフトを支持する円筒状の滑り軸受とを有し、前記シャフトが前記滑り軸受のみで支持された電動流体ポンプの製造方法であって、
前記滑り軸受、前記シャフト、及び前記インナロータのうちの少なくとも一つの部品を、寸法によってランク分けする工程と、
前記滑り軸受による前記シャフトの支持領域の軸方向長さをA、前記滑り軸受の内径と前記シャフトの外径との差をB、前記ポンプ収容空間の軸方向幅と前記インナロータの軸方向幅との差をC、前記インナロータの外接円直径をDとしたとき、ランク分けされた前記部品の中から、
C>D・B/A
を満たすランクの前記部品を選定する工程とを有する電動流体ポンプの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動流体ポンプ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年の自動車等の車両では、車両各部へのオイルの供給を電動オイルポンプを用いて行う場合がある。例えばアイドリングストップ機構(停車時にエンジンを自動停止する機構)を備えた車両やハイブリッド車両では、エンジン停止中にトランスミッションに油圧を供給する電動オイルポンプが設けられる。
【0003】
電動オイルポンプは、インナロータ及びアウタロータを有するポンプ部と、ポンプ部を回転駆動するモータ部とを有し、ポンプ部のインナロータとモータ部のロータとがシャフトで連結される。モータ部を駆動してモータ部のロータ、ポンプ部のインナロータ、及びシャフトを一体に回転駆動することで、ポンプ部のアウタロータとインナロータとの間に形成されるポンプ室でオイルが圧縮され、吐出口から吐出される。
【0004】
シャフトは、軸方向に離間した複数箇所(例えば、モータ部側の端部と、ポンプ部とモータ部との軸方向間領域)に配置された軸受で支持されることが多い。しかし、電動オイルポンプの小型化や低コスト化を図るために、ポンプ部とモータ部との軸方向間に配された滑り軸受のみでシャフトを支持する場合もある(例えば、下記の特許文献1)。この場合、シャフトの複数箇所を軸受で支持する場合と比べてシャフトの傾きが大きくなる傾向にある。特に、ポンプ作動時には、流体の吸入、吐出時のポンプ室の油圧により、シャフトの端部に固定されたインナロータに径方向の力が加わるため、シャフトが傾きやすくなる。
【0005】
例えば、下記の特許文献1には、インナロータが傾いたときに、インナロータの歯先がアウタロータの歯面に衝突して異音が発生するという課題を解消するために、インナロータの歯先形状を曲面状にした構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5824391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
インナロータが傾くと、インナロータとアウタロータとが干渉するだけでなく、インナロータの軸方向両側面とハウジングとが干渉し、ポンプ性能の低下や異音等を招くおそれがある。上記の特許文献1には、インナロータとアウタロータとの干渉を回避する手段は示されているが、インナロータとハウジングとの干渉を回避する手段は一切示されていない。
【0008】
そこで、本発明は、モータ部とポンプ部の軸方向間に配された滑り軸受のみでシャフトが支持された電動流体ポンプにおいて、ポンプ部のインナロータに径方向の大きな力が作用した場合でも、インナロータとハウジングとの干渉を回避して、ポンプ性能の低下や異音の発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するためになされた本発明は、ハウジングと、前記ハウジングに固定されたステータ及び前記ステータの内周に配されたロータを有するモータ部と、前記ハウジングに形成されたポンプ収容空間に収容されたインナロータ及びアウタロータを有するポンプ部と、前記モータ部のロータと前記ポンプ部のインナロータを連結するシャフトと、前記モータ部と前記ポンプ部との軸方向間に設けられ、前記シャフトを支持する円筒状の滑り軸受とを有し、前記シャフトが前記滑り軸受のみで支持された電動流体ポンプであって、
前記滑り軸受による前記シャフトの支持領域の軸方向長さをA、前記滑り軸受の内径と前記シャフトの外径との差をB、前記ポンプ収容空間の軸方向幅と前記インナロータの軸方向幅との差をC、前記インナロータの外接円直径をDとしたとき、
C>D・B/A
を満たす電動流体ポンプを提供する。
【0010】
上記のように、滑り軸受によるシャフトの支持領域の軸方向長さA、滑り軸受の内径とシャフトの外径との差B、ポンプ収容空間の軸方向幅とポンプ部のインナロータの軸方向幅との差C、及びポンプ部のインナロータの外接円直径Dが上記の関係を満たすことで、シャフトが滑り軸受に対して最大限傾いた場合でも、ポンプ部のインナロータとハウジングとの間の軸方向隙間を確保することができるため、インナロータとハウジングとの干渉を回避できる。
(【0011】以降は省略されています)

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