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公開番号2025034018
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140134
出願日2023-08-30
発明の名称摺動式等速自在継手及びこれを備えた車輪駆動装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16D 3/227 20060101AFI20250306BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ダブルオフセット型の摺動式等速自在継手の誘起スラストを低減して、電動モータを駆動源とした車両(EVやHEV)の動力伝達系に好適に使用可能とする。
【解決手段】電動モータを駆動源とした車両の動力伝達系に設けられるダブルオフセット型の摺動式等速自在継手1において、保持器5のポケット12とボール4との間に軸方向隙間(ポケット隙間)δ1を形成し、保持器5の内周面の球面部15と内側継手部材3の球状外周面8との間に、0.6mm以上の軸方向隙間δ2を形成する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
円筒状内周面に複数の直線状のトラック溝が形成された外側継手部材と、球状外周面に複数の直線状のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に配された複数のボールと、前記外側継手部材の円筒状内周面と摺接する球面部が形成された外周面、前記内側継手部材の球状外周面と摺接する球面部が形成された内周面、及び、前記複数のボールを保持する複数のポケットを有する保持器とを備え、電動モータを駆動源とした車両の動力伝達系に設けられる摺動式等速自在継手において、
前記保持器のポケットと前記ボールとの間に軸方向隙間が形成され、
前記保持器の内周面の球面部と前記内側継手部材の球状外周面との間に、0.6mm以上の軸方向隙間が形成された摺動式等速自在継手。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記保持器の内周面の球面部と前記内側継手部材の球状外周面との間の前記軸方向隙間が1.5mm以下である請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項3】
前記保持器の内周面の球面部の曲率半径が、前記内側継手部材の球状外周面の曲率半径よりも大きい請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項4】
前記保持器の内周面が、軸心と平行な円筒面と、前記円筒面の軸方向両側に設けられ、前記円筒面と滑らかに連続した前記球面部とを有する請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項5】
前記外側継手部材の前記トラック溝の表面及び前記円筒状内周面と、前記内側継手部材の前記トラック溝の表面が鍛造面である請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項6】
前記電動モータのみを駆動源とした車両の動力伝達系に設けられる請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
【請求項7】
前記電動モータと、車輪と、前記電動モータの駆動力を、請求項1に記載の摺動式等速自在継手を介して前記車輪に伝達する前記動力伝達系とを備えた車輪駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動式等速自在継手及びこれを備えた車輪駆動装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに適用される等速自在継手は、二軸間の角度変位および軸方向相対移動の双方を許容する摺動式と、二軸間の角度変位を許容するが、二軸間の軸方向相対移動は許容しない固定式とに大別される。
【0003】
摺動式等速自在継手としては、回転トルクを伝達する転動体としてボールを用いたダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)や、転動体としてローラを用いたトリポード型等速自在継手(TJ)が知られている。例えば下記の特許文献1には、ボールの個数を6個から8個に増やすことで、軽量コンパクト化を図ったダブルオフセット型等速自在継手が示されている。また、下記の特許文献2には、最大作動角を30°以上まで高角化すると共に、さらなる軽量コンパクト化を図ったダブルオフセット型等速自在継手が示されている。
【0004】
ダブルオフセット型等速自在継手は、トリポード型等速自在継手と比べて、円周方向ガタが少なく応答性に優れ、製造コストが安価であるというメリットがある一方、摺動抵抗(スライド抵抗)が大きく、車両振動、特にアイドリング時のエンジンの振動が伝達されやすいというデメリットがある。そこで、ダブルオフセット型等速自在継手では、様々なアイドリング振動対策が検討されてきた。例えば、下記の特許文献3には、内輪の外周面と保持器の内周面との間に隙間を設けることで、アイドリング振動を吸収する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-73129号公報
特開2007-85488号公報
特開2013-231518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車両の乗り心地改善が進むにつれ、等速自在継手に求められるNVH(Noise,Vibration,Harshness)特性もより厳しくなっている。ダブルオフセット型等速自在継手は、構造上、部品同士の滑り接触が発生することは避けられないため、上記特許文献3に示されているような対策を施したとしても、部品同士が主に転がりで接触するトリポード型の摺動式等速自在継手と同等レベルまでスライド抵抗を下げることは難しい。このようなスライド抵抗の問題、特にアイドリング振動の問題がネックとなり、近年では、ダブルオフセット型等速自在継手の適用範囲は、エンジンの振動を受けにくい部位(例えば、リヤ用ドライブシャフト)にほぼ限定されている。
【0007】
ところで、近年は車両の電動化が進んでおり、電動モータの動力のみで走行する電気自動車(以下、EVと言う。)や、電動モータ及びエンジンの動力で走行するハイブリット車(以下、HEVと言う。)が増えている。電動モータは、エンジンと比べて応答性に優れているため、電動モータの動力を伝達する等速自在継手にも、円周方向ガタが少なく応答性に優れたものが求められる。また、EVではエンジンの振動が発生することが無く、HEVでは、走行停止中(アイドリング中)には基本的にエンジンが停止されるため、これらの車両では、ダブルオフセット型等速自在継手の適用が限定される主要因であるアイドリング振動の問題が生じない。以上の観点から、EVやHEVでは、ドライブシャフトやプロペラシャフト等の動力伝達系に設けられる摺動式等速自在継手として、円周方向ガタが少なく応答性に優れたダブルオフセット型の採用が検討されている。
【0008】
一方、摺動式等速自在継手では、作動角を取って回転する際に内部部品間の摩擦力に起因して軸方向荷重(誘起スラスト)が発生する。この誘起スラストが車体と共振することにより、発進時の横揺れやこもり音等の様々な振動問題を引き起こすことがある。このような問題は、静粛性に優れたEVやHEVにおいて特に顕著となる。従って、誘起スラストを低減することができれば、ダブルオフセット型等速自在継手を、EVやHEVに好適に使用できる可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、ダブルオフセット型等速自在継手の誘起スラストを低減して、電動モータを駆動源とした車両(EVやHEV)の動力伝達系に好適に使用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の通り、誘起スラストは、摺動式等速自在継手の内部部品間の摩擦力に起因して発生する軸方向荷重である。具体的には、図12に示すように、外側継手部材101のトラック溝101aとボール102との接触部の摩擦力に起因する軸方向抵抗Qxと、保持器103の外球面103aと外側継手部材101の円筒状内周面101bとの接触部の摩擦力に起因する軸方向抵抗Hxの合力が誘起スラストとなる。図13に、8個のボールを有するダブルオフセット型等速自在継手の誘起スラストFx(=Qx+Hx)を機構解析により求めた結果を示す。同図に示されるように、ダブルオフセット型等速自在継手では、ボールの個数(同図では8個)と同数の次数成分の誘起スラストが主に発生すると考えられていた。
(【0011】以降は省略されています)

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