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公開番号2025029015
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-05
出願番号2024207519,2022040414
出願日2024-11-28,2022-03-15
発明の名称特定の熱膨張挙動を示すガラスセラミック
出願人ショット アクチエンゲゼルシャフト,SCHOTT AG
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人
主分類C03C 10/12 20060101AFI20250226BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】改善された熱膨張挙動を示すガラスセラミック、および精密部品におけるその使用を提供する。
【解決手段】本発明によるガラスセラミックを含む精密部品の有利な実施形態は、高いCTE均一性を示す。CTE均一性は、部品の材料のCTEではなく、該当部分または精密部品全体にわたるCTEの空間的なばらつきを指す。CTE均一性を決定するために、精密部品から異なる位置で多数のサンプルを採取し、それぞれについてCTE値を求める。CTEの空間的なばらつきは、精密部品全体にわたって、有利には多くても5ppb/K、好ましくは多くても4ppb/K、最も好ましくは多くても3ppb/Kである。ガラスセラミックは、少なくとも10℃~35℃の温度範囲において<0.1ppmの熱ヒステリシスを示すため、ヒステリシスフリーである。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
LASガラスセラミックであって、0℃~50℃の範囲における平均熱膨張係数CTEが最大で0±0.1×10
-6
/Kであり、少なくとも10℃~35℃の温度範囲における熱ヒステリシスが<0.1ppmであり、かつ(酸化物ベースでモル%単位にて)以下の成分:
TIFF
2025029015000017.tif
23
169




、R

O、およびROからなる群から選択される少なくとも1つの成分であって、ここで、R

Oは、Na

Oおよび/またはK

Oおよび/またはCs

Oおよび/またはRb

Oであってよく、ROは、CaOおよび/またはBaOおよび/またはSrOであってよいものとする、成分
1.5~6モル%の含有量を有する核形成剤であって、前記核形成剤は、TiO
2、
ZrO
2、
Ta



、Nb



、SnO

、MoO

、WO

からなる群から選択される少なくとも1つの成分である、核形成剤
を含む、LASガラスセラミック。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記LASガラスセラミックは、Al



を10~22モル%、好ましくは11~21モル%の含有量で含み、かつ/またはP



を0.1~6モル%、好ましくは0.3~5モル%の含有量で含む、請求項1記載のLASガラスセラミック。
【請求項3】
ZnO+MgOの合計の含有量は、≦0.55モル%、有利に≦0.5モル%、有利に<0.5モル%、有利に≦0.45モル%、有利に≦0.4モル%、好ましくは≦0.3モル%、好ましくは≦0.2モル%であり、かつ/またはMgOの含有量は、≦0.35モル%、好ましくは≦0.3モル%、好ましくは≦0.25モル%、好ましくは≦0.2モル%、より好ましくは≦0.1モル%であり、かつ/またはZnOの含有量は、≦0.5モル%、好ましくは≦0.45モル%、好ましくは≦0.4モル%、好ましくは≦0.3モル%、好ましくは≦0.2モル%、より好ましくは≦0.1モル%である、請求項1または2記載のLASガラスセラミック。
【請求項4】
SiO

の含有量は、≦70モル%、好ましくは≦69モル%、特に好ましくは≦68.5モル%である、請求項1から3までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
【請求項5】
RO(CaO+BaO+SrO)の合計の含有量は、≧0.1モル%、好ましくは≧0.2モル%、有利に≧0.3モル%、好ましくは≧0.4モル%であり、かつ/または≦6モル%、好ましくは≦5モル%、有利に≦4.5モル%、有利に≦4.0モル%、好ましくは≦3.8モル%、好ましくは≦3.5モル%、好ましくは≦3.2モル%である、請求項1から4までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
【請求項6】


O(Na

O+K

O+Cs

O+Rb

O)の合計の含有量は、≧0.1モル%、好ましくは≧0.2モル%、有利に≧0.3モル%、好ましくは≧0.4モル%であり、かつ/または≦6モル%、有利に≦5モル%、好ましくは≦4モル%、好ましくは≦3モル%、好ましくは≦2.5モル%である、請求項1から5までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
【請求項7】
前記核形成剤の合計の含有量は、≧1.5モル%、好ましくは≧2.5モル%、有利に≧3モル%であり、かつ/または≦6モル%、有利に≦5モル%、好ましくは≦4.5モル%、好ましくは≦4モル%である、請求項1から6までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
【請求項8】
SiO

のモル分率+(5×Li

Oのモル分率)≧106、好ましくはSiO

のモル分率+(5×Li

Oのモル分率)≧107.5という条件が成り立ち、かつ/またはSiO

のモル分率+(5×Li

Oのモル分率)≦115.5、好ましくはSiO

のモル分率+(5×Li

Oのモル分率)≦114.5という条件が成り立つ、請求項1から7までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
【請求項9】
処理温度Vaは、最高で1330℃、好ましくは最高で1320℃である、請求項1から8までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
【請求項10】
主結晶相は、高石英固溶体であり、有利に、前記高石英固溶体の平均晶子サイズは、<100nm、有利に<80nm、好ましくは<70nmであり、かつ/または結晶相の割合は、70体積%未満である、請求項1から9までのいずれか1項記載のLASガラスセラミック。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の熱膨張挙動を示すと同時に良好な溶融性、成形性およびセラミゼーション性をも示すガラスセラミック、ならびに精密部品における本発明によるガラスセラミックの使用に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【0002】
発明の背景
低熱膨張性あるいは低CTE(Coefficient of Thermal Expansion)の材料や精密部品は、既に先行技術から知られている。
【0003】
室温付近の温度範囲において低熱膨張性である精密部品用材料としては、セラミック、Tiドープ石英ガラスおよびガラスセラミックが知られている。低熱膨張性のガラスセラミックは、特にリチウムアルミニウムシリケートガラスセラミック(LASガラスセラミック)であり、これは例えば、米国特許第4,851,372号明細書、米国特許第5,591,682号明細書、欧州特許出願公開第587979号明細書、米国特許第7,226,881号明細書、米国特許第7,645,714号明細書、独国特許出願公開第102004008824号明細書、独国特許出願公開第102018111144号明細書に記載されている。さらなる精密部品用材料は、コージエライトセラミックまたはコージエライトガラスセラミックである。
【0004】
このような材料は、その特性(例えば、機械的、物理的、光学的特性)に関して特に厳しい要求を満たす必要がある精密部品にしばしば使用されている。このような材料は、特に、地上および宇宙空間をベースとする天文学および地球観測、LCDリソグラフィー、マイクロリソグラフィーおよびEUVリソグラフィー、計測学、分光学および測定工学に使用されている。この場合、特定の用途に応じて特に熱膨張性が極めて低い部品であることが必要である。
【0005】
一般に、材料の熱膨張性は、特定の温度区間の開始時および終了時の試験体の長さを求め、その長さの差から平均膨張係数αあるいはCTE(Coefficient of Thermal Expansion)を算出する静的方法により測定される。その場合、CTEは、この温度区間での平均値として示され、例えば0℃~50℃の温度区間では、CTE(0;50)あるいはα(0;50)と示される。
【0006】
高まり続ける需要に応えるべく、材料から形成される部品の使用分野により良好に適したCTEを有する材料が開発されてきた。例えば、平均CTEは、標準的な温度区間でのCTE(0;50)についてだけでなく、例えば、実際の使用温度付近の温度区間、例えば19℃~25℃の区間、すなわち特定のリソグラフィー用途のCTE(19;25)についても最適化することが可能である。平均CTEを定めるだけでなく、試験体の熱膨張を非常に小さな温度区間で定め、CTE-T曲線として表すこともできる。好ましくは、そのようなCTE-T曲線は、1つ以上の温度、好ましくは予定される使用温度またはその付近でゼロ交差を有することができる。CTE-T曲線のゼロ交差では、温度変化に対する長さの相対的変化量が特に小さい。ガラスセラミックによっては、適切な温度処理によって、こうしたCTE-T曲線のゼロ交差を部品の使用温度側にシフトさせることができる。また、微少な温度変化に対しても部品の長さ変化をできるだけ小さくするために、CTEの絶対値に加えて、使用温度付近でのCTE-T曲線の傾きをできるだけ小さくすることが望ましい。こうした特定のゼロ膨張性ガラスセラミックでは、通常、同じ組成を維持したままセラミゼーション条件を変化させることで、上記のCTEあるいは熱膨張性の最適化が行われる。
【0007】
公知の精密部品や材料、特にLASガラスセラミックなどのガラスセラミックにおける不利な作用は「熱ヒステリシス」であり、これを以下で「ヒステリシス」と略記する。ここでいうヒステリシスとは、冷却速度と加熱速度の大きさが同じであっても、一定の加熱速度で加熱したときの試験体の長さ変化と、その後一定の冷却速度で冷却したときの試験体の長さ変化とが異なることをいう。長さ変化を加熱あるいは冷却の温度の関数としてグラフ化すると、古典的なヒステリシスカーブが得られる。また、ヒステリシスカーブの形状は、温度変化の速度にも依存する。温度変化が速いほど、ヒステリシス効果は顕著になる。ヒステリシス効果により、LASガラスセラミックの熱膨張が温度および時間に依存すること、すなわち、例えば温度変化の速度に依存することは明らかであり、このことは既に、例えば、O. Lindig und W. Pannhorst, “Thermal expansion and length stability of ZERODUR
(R)
in dependence on temperature and time”, APPLIED OPTICS, Vol. 24, No. 20, Okt. 1985; R. Haug et al., “Length variation in ZERODUR
(R)
M in the temperature range from -60°C to +100°C”, APPLIED OPTICS, Vol. 28, No.19, Okt. 1989; R. Jedamzik et al., “Modeling of the thermal expansion behavior of ZERODUR
(R)
at arbitrary temperature profiles”, Proc. SPIE Vol. 7739, 2010; D.B. Hall, “Dimensional stability tests over time and temperature for several low-expansion glass ceramics”, APPLIED OPTICS, Vol. 35, No. 10, April 1996といった専門書にも時々記載されている。
【0008】
熱ヒステリシスを示すガラスセラミックは、長さ変化が温度変化に比べて遅いあるいは早いため、材料あるいはそれから製造された精密部品は、障害となる等温長さ変化を示し、すなわち、温度変化後に既に温度が一定に保たれている(いわゆる「等温保持」)時点でも材料の長さ変化が依然として起こり、それが、安定状態に達するまで生じる。その後、材料が再び加熱および冷却されると、再び同じ効果が現れる。
【0009】
従来知られているLASガラスセラミックでは、同じ組成でセラミゼーション条件を変化させても、他の特性に影響を与えることなく熱ヒステリシス効果を排除することはこれまで不可能であった。
【0010】
精密部品に使用される材料、特にガラスセラミックの特性に関しては、0℃~50℃、特に10℃~35℃、または19℃~25℃の温度範囲がしばしば関係し、その際、通常は22℃の温度が室温と呼ばれる。精密部品は0℃から室温までの温度範囲において使用されることが多いため、熱ヒステリシス効果や等温長さ変化を示す材料は、例えばリソグラフィーミラーや天体または宇宙用ミラーなどの光学部品で光学的障害が発生する可能性があるため不利である。測定工学に用いられる他のガラスセラミック製精密部品(例えば、精密測定器、干渉計の参照プレート)では、それが測定誤差の原因となることがある。
(【0011】以降は省略されています)

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