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公開番号2025027661
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-28
出願番号2023132647
出願日2023-08-16
発明の名称全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質、及び、全固体リチウムイオン二次電池
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 4/525 20100101AFI20250220BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】全固体リチウムイオン二次電池において、高い放電容量を有する正極活物質を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の一次粒子が凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物1と、二次粒子の表面を被覆する被覆層2と、を有する全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質10であって、リチウム遷移金属複合酸化物1は、リチウムと、ニッケルと、任意にコバルト、及び元素M(ただし、元素Mは、リチウム、ニッケル、コバルト及び酸素以外の添加元素)と、を含有し、被覆層2は、少なくともリチウムとタングステンを含む化合物を含み、XPS分析を用いて、下記(式1)で算出される、二次粒子表面のタングステンの被覆率P(%)が30%以上95%以下である、全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
P=(W/(W+Ni+Co+M))×100(%)…(式1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の一次粒子が凝集してなる二次粒子から構成されるリチウム遷移金属複合酸化物と、前記二次粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムと、ニッケルと、任意にコバルト、及び元素M(ただし、元素Mは、リチウム、ニッケル、コバルト、及び酸素以外の添加元素)と、を含有し、
前記被覆層は、少なくともリチウムとタングステンを含む化合物を含み、
下記(式1)で算出される、前記二次粒子表面のタングステンの被覆率P(%)が30%以上95%以下である、
全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
P=(W/(W+Ni+Co+M))×100(%) …(式1)
W :X線光電子分光分析法(XPS分析)で定量されたタングステンの物質量
Ni:X線光電子分光分析法(XPS分析)で定量されたニッケルの物質量
Co:X線光電子分光分析法(XPS分析)で定量されたコバルトの物質量
M :X線光電子分光分析法(XPS分析)で定量された元素M(ただし、タングステンを除く元素)の物質量
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記リチウム遷移金属複合酸化物が下記の(式2)で表される、請求項1に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
Li

Ni
1-x-y
Co




2+z
…(式2)
但し、Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Cu、Zr、Nb、Mo、W、Ta、Si、P、及びBから選ばれる1種以上の元素であり、0.9≦a≦1.2、0.01≦x≦0.5、0.01≦y≦0.5、0.02≦x+y<1.0、-0.1≦z≦0.1を満たす。
【請求項3】
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記二次粒子内部の一次粒子間にタングステンを含む化合物が存在する、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項4】
前記被覆率Pが60%以上95%以下である、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項5】
前記被覆率Pが80%以上95%以下である、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項6】
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、体積平均粒子径Mvが1μm以上10μm以下である、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項7】
前記正極活物質に含まれるタングステンの含有量は、正極活物質全量に対して、0.1質量%以上6質量%以下である、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項8】
前記正極活物質の細孔容積が0.001cm

/g以上0.008cm

/g以下であり、前記正極活物質の平均細孔径が1nm以上10nm以下である、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項9】
請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質を含む正極と、負極と、固体電解質とを備える、全固体リチウムイオン二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質、及び、全固体リチウムイオン二次電池に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の普及にともない、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な二次電池の開発が強く望まれている。このような二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び、電解質を備える。負極および正極の活物質としては、リチウムを脱離および挿入することが可能な材料が用いられている。
【0003】
現在、一般的なリチウムイオン二次電池では、正極活物質にLiCoO

、LiNiO

、LiMn



などのリチウム遷移金属複合酸化物が用いられ、負極活物質にリチウム金属、リチウム合金、金属酸化物、カーボン等が用いられ、電解質として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO

、LiPF

などのLi塩を支持塩として溶解させた電解液が用いられている。
【0004】
上記のリチウムイオン二次電池の構成要素の中で、特に電解液は、耐熱性、電位窓などの化学的特性から、高速充電や安全性、寿命といった電池の性能を制限する要因となっている。そこで、電解質として、電解液に替わり固体電解質を用いることで電池の性能を向上させた全固体リチウムイオン二次電池(以下、単に「全固体電池」ともいう)については、現在、研究開発が盛んに行われている。
【0005】
その研究開発の中で、例えば、特許文献1には、固体電解質の中でも、硫化物系固体電解質はリチウムイオンの伝導性が高く、全固体電池に用いるのに好ましいことが提案されている。しかしながら、非特許文献1に開示されているように、硫化物系固体電解質と酸化物である正極活物質が接触すると、充放電中に固体電解質と正極活物質との接触界面において反応が起こり、界面に高抵抗層が生成して電池の作動を阻害する。
【0006】
例えば、特許文献2には、この高抵抗層の生成を抑制するためには、正極活物質の表面にリチウムイオン伝導性酸化物被覆層を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-056661号公報
国際公開第2007/004590号
【非特許文献】
【0008】
Narumi Ohta et al., “LiNbO3-coated LiCoO2 as cathode material for all solid-state lithium secondary batteries”, Electrochemistry Communications 9 (2007) 1486-1490
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、特許文献2の実施例では、リチウムイオン伝導性酸化物の中でもLiNbO

からなる被覆層を正極活物質の表面に設けることで高抵抗層の生成を抑制し、全固体電池の放電容量増加できることが開示されるものの、電解質として電解液を用いたリチウムイオン二次電池と比較して、その充放電容量は依然として低く、充放電容量のさらなる増加が望まれている。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みて、被覆層を有する全固体リチウムイオン二次電池用正極活物質として、より高い放電容量を有する正極活物質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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