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公開番号2025026336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024109474
出願日2024-07-08
発明の名称ステアリング装置
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B62D 1/06 20060101AFI20250214BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】乗員によって把持される部位によって、把持の検出精度にばらつきが生じる可能性を低減するステアリング装置の技術の提供。
【解決手段】回転部と把持部とを備え、把持部は回転部をはさんで対称に構成される芯金部と芯金部の少なくとも一部を覆う被覆部とを備え、被覆部は芯金部の対称面に対して一方の側に配置される第1導電部であって導電性を有する材料によって形成されている第1導電部と、芯金部の対称面に対して他方の側に配置される第2導電部であって導電性を有する材料によって形成されている第2導電部とを有し、第1導電部と第2導電部とは互いに独立しており、ステアリング装置はさらに、第1導電部と第2導電部とを電気的に接続するハーネスと、第1導電部と第2導電部の少なくとも一方で生じる静電容量の変化に基づいて、把持部の把持の状況を検出する検出器を備える、ステアリング装置。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
移動体に設けられたステアリング装置であって、
前記移動体に対して回転可能に取り付けられる回転部と、
前記回転部に接続されている把持部と、
を備え、
前記把持部は、
前記回転部をはさんで対称に構成される芯金部と、
前記芯金部の少なくとも一部を覆う被覆部と、
を備え、
前記被覆部は、
前記芯金部の対称面に対して一方の側に配置される第1導電部であって、導電性を有する材料によって形成されている第1導電部と、
前記芯金部の対称面に対して他方の側に配置される第2導電部であって、導電性を有する材料によって形成されている第2導電部と、
を有し、
前記第1導電部と、前記第2導電部と、は互いに独立しており、
前記ステアリング装置は、さらに、
前記第1導電部と、前記第2導電部と、を電気的に接続するハーネスと、
前記ハーネスを介して、前記第1導電部と、前記第2導電部と、に電気的に接続された検出器であって、前記第1導電部と前記第2導電部の少なくとも一方で生じる静電容量の変化に基づいて、前記把持部の把持の状況を検出する検出器を備える、ステアリング装置。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
請求項1に記載のステアリング装置であって、
前記把持部は乗員に把持される部分であり、
前記芯金部の表面のうち、前記乗員と向かい合う側の部分を表面部とし、前記表面部と逆側の部分を裏面部とするときに、
前記第1導電部は、前記表面部に接して配置される第1前導電部と、前記裏面部に接して配置される第1後導電部と、を備え、
前記第2導電部は、前記表面部に接して配置される第2前導電部と、前記裏面部に接して配置される第2後導電部と、を備え、
前記ハーネスは、
前記第1前導電部と前記第2前導電部とを電気的に接続する第1ハーネスと、
前記第1後導電部と前記第2後導電部とを電気的に接続する第2ハーネスと、を備える、ステアリング装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のステアリング装置であって、
前記芯金部は、環状の外形を有しており、
前記回転部が基準の角度位置にあるときに、
前記芯金部の鉛直方向の最も上側の部位である最上部は、前記回転部に対して鉛直方向の上側に位置し、
前記被覆部は、前記芯金部のうち前記回転部の回転の中心に対して上側の部分であって、前記最上部を含まない部分から、前記芯金部の鉛直方向の最も下側の部位である最下部にかけて配置されている、ステアリング装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のステアリング装置であって、
前記把持部は乗員に把持される部分であり、
前記芯金部の表面のうち、前記乗員と向かい合う側の部分を表面部とし、前記表面部と逆側の部分を裏面部とし、
前記芯金部は、環状の外形を有しており、
前記把持部は、さらに、
前記回転部が基準の角度位置にあるときの前記回転部に対して鉛直方向の上側、かつ前記芯金部のうち前記表面部に、配置される一つ以上の光源体であって、前記移動体の状況に応じて光を照射することが可能に構成される光源体を備え、
前記被覆部は、前記芯金部のうち、前記一つ以上の光源体が配置される部分以外に配される、ステアリング装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ステアリング装置に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1において、乗員によって把持されているかどうかを検出する機能を有するステアリングホイールが開示されている。特許文献1のステアリングホイールは、乗員によって把持されて回転操作される部分であるリム部を備えている。リム部は乗員側から見て略円環状をなしている。リム部の骨格部分をなす部分である芯金の周囲に、発泡ポリウレタンで形成された軟質被覆部が配置されている。そして、軟質被覆部の周囲に、それぞれ異なる材料で形成された三つの層からなる表皮が配置されている。表皮のうち、最も外側の層として、発泡ポリウレタンによって形成された軟質層が配置されている。表皮のうち、中間の層として、繊維で形成された基布が配置されている。表皮のうち、最も内側の層として、導電材料によって形成された導電層が配置されている。導電層は、導電性を有する塗料が基布の内側に塗布されることで形成された塗膜である。導電層によって表皮全体に導電性が付与され、電極として機能する。乗員がリム部を把持した場合、表皮と乗員との間の静電容量が、リム部が把持されていないときの静電容量に対して変化する。検出基板は、変化した静電容量に基づいて、リム部の把持の状況を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-165940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のステアリングホイールにおいては、略円環状のリム部の全周にわたって、導電層が配置されている。導電層のうち、電源が接続されている部分と、電源が接続されている部分から遠い部分との間では、電位が異なってしまう場合がある。また、導電層は、全体にわたって理想的に均一に構成されるわけではない。そのため、特許文献1のステアリングホイールにおいては、乗員によって把持される部位によって、把持の検出精度にばらつきが生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、ステアリング装置が提供される。このステアリング装置は、移動体に設けられたステアリング装置であって、前記移動体に対して回転可能に取り付けられる回転部と、前記回転部に接続されている把持部と、を備え、前記把持部は、前記回転部をはさんで対称に構成される芯金部と、前記芯金部の少なくとも一部を覆う被覆部と、を備え、前記被覆部は、前記芯金部の対称面に対して一方の側に配置される第1導電部であって、導電性を有する材料によって形成されている第1導電部と、前記芯金部の対称面に対して他方の側に配置される第2導電部であって、導電性を有する材料によって形成されている第2導電部と、を有し、前記第1導電部と、前記第2導電部と、は互いに独立しており、前記ステアリング装置は、さらに、前記第1導電部と、前記第2導電部と、を電気的に接続するハーネスと、前記ハーネスを介して、前記第1導電部と、前記第2導電部と、に電気的に接続された検出器であって、前記第1導電部と前記第2導電部の少なくとも一方で生じる静電容量の変化に基づいて、前記把持部の把持の状況を検出する検出器を備える。
この形態のステアリング装置によれば、第1導電部と、第2導電部が、対称面に対してそれぞれ異なる側に位置しており、互いに独立している。このため、一つの導電部が芯金部の外周の全体を覆う態様と比較して、各導電部の面積は小さくなる。その結果、第1導電部と第2導電部のそれぞれについて、把持される部位の違いに起因する検出精度のばらつきを低減できる。
(2)上記形態のステアリング装置において、前記把持部は乗員に把持される部分であり、前記芯金部の表面のうち、前記乗員と向かい合う側の部分を表面部とし、前記表面部と逆側の部分を裏面部とするときに、前記第1導電部は、前記表面部に接して配置される第1前導電部と、前記裏面部に接して配置される第1後導電部と、を備え、前記第2導電部は、前記表面部に接して配置される第2前導電部と、前記裏面部に接して配置される第2後導電部と、を備え、前記ハーネスは、前記第1前導電部と前記第2前導電部とを電気的に接続する第1ハーネスと、前記第1後導電部と前記第2後導電部とを電気的に接続する第2ハーネスと、を備えていてもよい。
(3)上記形態のステアリング装置において、前記芯金部は、環状の外形を有しており、前記回転部が基準の角度位置にあるときに、前記芯金部の鉛直方向の最も上側の部位である最上部は、前記回転部に対して鉛直方向の上側に位置し、前記被覆部は、前記芯金部のうち前記回転部の回転の中心に対して上側の部分であって、前記最上部を含まない部分から、前記芯金部の鉛直方向の最も下側の部位である最下部にかけて配置されていてもよい。
この形態のステアリング装置によれば、第1導電部と第2導電部のそれぞれが芯金部の最上部から最下部にかけて配置されている態様と比較して、第1導電部と第2導電部のそれぞれについて、把持される部位の違いに起因する検出精度のばらつきを低減できる。
なお、ステアリング装置が把持されていることの検知は、移動体の乗員が移動体を操作できる状態にあることを検知するために行われる。一方、把持部のうち、鉛直方向の上側に位置する最上部が乗員によって把持されている場合は、乗員は、瞬時にステアリング装置を意図した向きに意図した量で操作できない可能性がある。このため、芯金部の最上部が把持されている場合に、ステアリング装置が把持されているものとしてこれを検知する要請は低い。
(4)上記形態のステアリング装置において、前記把持部は乗員に把持される部分であり、前記芯金部の表面のうち、前記乗員と向かい合う側の部分を表面部とし、前記表面部と逆側の部分を裏面部とし、前記芯金部は、環状の外形を有しており、前記把持部は、さらに、前記回転部が基準の角度位置にあるときの前記回転部に対して鉛直方向の上側、かつ前記芯金部のうち前記表面部に、配置される一つ以上の光源体であって、前記移動体の状況に応じて光を照射することが可能に構成される光源体を備え、前記被覆部は、前記芯金部のうち、前記光源体が配置される部分以外に配されていてもよい。
この形態のステアリング装置によれば、光源体と、被覆部と、を把持部が備えることができる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、ステアリング装置を搭載した車両、ステアリング装置の製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1実施形態のステアリング装置が設けられた車両を示す説明図。
図1のステアリング装置を、+Y方向に向かって見た図。
図2の表皮を省略した図。
図3の第1被覆部と回転部を省略した図。
図4を+X方向に向かって見た図。
芯金部を覆っていない状態の第1被覆部と、ハーネスと、が表された図。
図6の模式図。
図3のVIII-VIII断面図。
第2実施形態のステアリング装置の模式図。
第2被覆部を説明する図。
芯金部を覆っていない状態の第2被覆部を表した図。
第3実施形態の第3被覆部を説明する図。
上記第1実施形態の変形例のステアリング装置1vの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態のステアリング装置1が設けられた車両VWを示す説明図である。図1において、ステアリング装置1が簡略化されて表されている。図1において、互いに直行するX軸、Y軸、Z軸を示している。X軸は、車両VWの左右方向である。図1の紙面の手前から奥側に向かう向きが、X軸の正方向である。Y軸は、後に説明する回転軸ARが伸びる方向と平行な方向である。Z軸は、X軸、Y軸と直交する方向である。後に説明する図2ないし図5、図8、ないし図10においても同様である。また、図1において、鉛直方向の向きがVU軸で表されている。鉛直方向の上向きが、VU軸の正方向である。
【0009】
図2は、図1のステアリング装置1を、+Y方向に向かって見た図である。図2において、ステアリング装置1が簡略化されて表されている。図3は、図2に示されたステアリング装置1から表皮25を省略した図である。表皮25については後に説明する。図1に示すステアリング装置1は、車両VWの乗員である運転手DRによって操作されることで、車両VWの操舵を実現する装置である。ステアリング装置1は、車両VWのフロント部FRO内部から突出する回転軸ARと接続している(図1の回転軸AR参照)。回転軸ARを介して、ステアリング装置1は、車両VWに取り付けられている。図2および図3に示すように、ステアリング装置1は、回転部10と、把持部20と、ハーネス30と、検出器40と、を備えている。なお、図2および図3において、図1に示す回転軸ARは省略されている。図4と図9および図10においても同様である。
【0010】
回転部10は、車両VWに対して回転可能に取り付けられる。具体的には、回転部10は、図1に示す回転軸ARが回転部10に形成された穴101に通され固定されることで、車両VWに対して、回転可能に取り付けられる。また、図2に示す回転部10は、把持部20と接続している。本実実施形態において、回転部10が回転されていない状態において、回転部10は、Y軸とZ軸を含む面に対して対称である。回転部10の対称面が、Y軸とZ軸を含む回転部10の位置を、「回転部10の基準の角度位置」とする。回転部10が、回転部10の基準の角度位置に位置していることを、「回転部10が基準の角度位置にある」と表記する。図2において、回転部10が基準の角度位置にある状態を表している。図3ないし図5、図9、図10においても同様である。
(【0011】以降は省略されています)

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