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公開番号2025057097
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023166763
出願日2023-09-28
発明の名称カーテンエアバッグ装置
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B60R 21/232 20110101AFI20250402BHJP(車両一般)
要約【課題】カーテンエアバッグ装置を改良する。
【解決手段】カーテンエアバッグ装置は、膨張用ガスを供給されることにより膨張し展開するバッグ本体と、少なくとも一部が前記バッグ本体内に配されており、外部から膨張用ガスを供給されて前記バッグ本体内への膨張用ガスの流れを制御するインナチューブと、を備える。前記バッグ本体は、膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第1膨張室と、前記第1膨張室内に流入する膨張用ガスが流通する第1オリフィスと、前記第1膨張室の膨張の仕方を調整するために設けられ膨張用ガスを受け入れる第1副室と、前記第1副室内に流入する膨張用ガスが流通する第2オリフィスと、を備える。前記インナチューブは、前記第1オリフィスと向かい合う位置に配され、膨張用ガスを吐出する第1膨張室開口を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
移動体用のカーテンエアバッグ装置であって、
膨張用ガスを供給されることにより膨張し展開するバッグ本体と、
少なくとも一部が前記バッグ本体内に配されており、外部から膨張用ガスを供給されて前記バッグ本体内への膨張用ガスの流れを制御するインナチューブと、を備え、
前記バッグ本体は、
膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第1膨張室と、
前記第1膨張室内に流入する膨張用ガスが流通する第1オリフィスと、
前記第1膨張室の膨張の仕方を調整するために設けられ膨張用ガスを受け入れる第1副室と、
前記第1副室内に流入する膨張用ガスが流通する第2オリフィスと、を備え、
前記インナチューブは、
前記第1オリフィスと向かい合う位置に配され、膨張用ガスを吐出する第1膨張室開口を備える、カーテンエアバッグ装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1記載のカーテンエアバッグ装置であって、
前記インナチューブは、さらに、
前記第2オリフィスと向かい合う位置に配され、膨張用ガスを吐出する第1副室開口を備える、カーテンエアバッグ装置。
【請求項3】
請求項2記載のカーテンエアバッグ装置であって、
前記バッグ本体は、さらに、
膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第2膨張室であって、前記第1膨張室に対して前側に配される第2膨張室と、
膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第3膨張室であって、前記第1膨張室に対して後ろ側に配される第3膨張室と、を備え、
前記インナチューブは、さらに、
前記第2膨張室に膨張用ガスを吐出する第2膨張室開口と、
前記第3膨張室に膨張用ガスを吐出する第3膨張室開口と、を備える、カーテンエアバッグ装置。
【請求項4】
請求項3記載のカーテンエアバッグ装置であって、
前記バッグ本体は、さらに、
前記第1膨張室と前記第2膨張室とを連通する連通オリフィスと、
膨張用ガスを受け入れる第2副室であって、前記第1膨張室に接続されており、前記第1副室よりも容量が小さい第2副室と、
前記第2副室内に流入する膨張用ガスが流通する第2副室オリフィスであって、前記連通オリフィスに対して前記第1オリフィスとは逆の側に配される第2副室オリフィスと、を備える、カーテンエアバッグ装置。
【請求項5】
請求項4記載のカーテンエアバッグ装置であって、
前記第1膨張室は、移動体の前後方向について、前記第2膨張室および前記第3膨張室よりも、前記移動体の屋根と前記移動体のドアとの少なくとも一方を支持する支柱の近くに位置する、カーテンエアバッグ装置。
【請求項6】
請求項4記載のカーテンエアバッグ装置であって、
膨張用ガスの流れの方向に沿った前記第1副室の奥行きの大きさは、前記第2オリフィスの幅よりも長く、
膨張用ガスの流れの方向に沿った前記第2副室の奥行きの大きさは、前記第2副室オリフィスの幅よりも長い、カーテンエアバッグ装置。
【請求項7】
請求項2記載のカーテンエアバッグ装置であって、
膨張用ガスの流れの方向に沿った前記第1副室の奥行きの大きさは、前記第2オリフィスの幅よりも長い、カーテンエアバッグ装置。
【請求項8】
請求項6または7記載のカーテンエアバッグ装置であって、
前記第1副室は、
前記インナチューブの下方の位置から後方に延びる第1部分と、
前記第1部分の下方に配され、前記インナチューブの下方の位置から後方に延びる第2部分と、
前記第1部分の後端と前記第2部分の後端とを接続する第3部分と、を有する、カーテンエアバッグ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、カーテンエアバッグ装置に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、車両が側面への衝突を他の車両から受けた場合や車両が横転した場合に乗員を保護する、カーテンエアバッグ装置が存在する。特許文献1のカーテンエアバッグ装置は、膨張用ガスを供給するインフレータと、膨張用ガスを供給されることにより、車両の側壁部よりも上方から乗員と側壁部との間に膨張し展開するエアバッグと、を備える。エアバッグは、バッグ本体とインナチューブとを備える。バッグ本体は接続部を備える。インナチューブは、バッグ本体内に配置されガス流出口を有するチューブ本体と、バッグ本体の接続部内に配置されインフレータの一部が挿入される挿入部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-42944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、カーテンエアバッグは、エアバッグ上に定められる多数の打点において、それぞれ、車両内の基準位置からの距離、展開時間、最大荷重、エネルギー吸収量などの複数のパラメータについて、要求仕様を満たす必要がある。しかし、たとえば、バッグ本体の全体を早期に膨張させるのに十分な速さで膨張用ガスをバッグ本体に供給すると、バッグ本体のうち保護対象への衝撃を緩和すべき部位において、保護対象にかかる反力が大きくなり、最大荷重の要求仕様を満たせなくなる場合がある。このように、カーテンエアバッグにおいて、エアバッグ上に定められる各打点において、複数のパラメータについて高度な要求を満たすことは、容易ではない。また、すべての打点において、複数のパラメータについての要求を満たすために、大量の膨張用ガスを供給している場合もある。このため、カーテンエアバッグ装置の構成においては、さらに改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の技術の一形態によれば、移動体用のカーテンエアバッグ装置が提供される。この移動体用のカーテンエアバッグ装置は、膨張用ガスを供給されることにより膨張し展開するバッグ本体と、少なくとも一部が前記バッグ本体内に配されており、外部から膨張用ガスを供給されて前記バッグ本体内への膨張用ガスの流れを制御するインナチューブと、を備える。前記バッグ本体は、膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第1膨張室と、前記第1膨張室内に流入する膨張用ガスが流通する第1オリフィスと、前記第1膨張室の膨張の仕方を調整するために設けられ膨張用ガスを受け入れる第1副室と、前記第1副室内に流入する膨張用ガスが流通する第2オリフィスと、を備える。前記インナチューブは、前記第1オリフィスと向かい合う位置に配され、膨張用ガスを吐出する第1膨張室開口を備える。
このような態様においては、インナチューブの第1膨張室開口の大きさ、ならびに第1オリフィスと第2オリフィスと第1副室との形状を調整することにより、以下の効果が得られる。すなわち、膨張用ガスの供給開始からの時間経過に沿った、第1膨張室に流入する膨張用ガスの量と、第1副室に流入する膨張用ガスの量と、を調整することができる。その結果、膨張用ガスの供給開始からの時間経過に沿った、第1膨張室の膨張の仕方を適切に制御することができる。
(2)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、前記インナチューブが、さらに、前記第2オリフィスと向かい合う位置に配され、膨張用ガスを吐出する第1副室開口を備える、態様とすることもできる。
このような態様においては、インナチューブの第1膨張室開口と第1副室開口の大きさ、ならびに第1オリフィスと第2オリフィスと第1副室との形状を調整することにより、以下の効果が得られる。すなわち、膨張用ガスの供給開始からの時間経過に沿った、第1膨張室に流入する膨張用ガスの量と、第1副室に流入する膨張用ガスの量と、をより適切に調整することができる。
(3)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、前記バッグ本体が、さらに、膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第2膨張室であって、前記第1膨張室に対して前側に配される第2膨張室と、膨張用ガスで膨張されることにより前記移動体内の保護対象への衝撃を緩和する第3膨張室であって、前記第1膨張室に対して後ろ側に配される第3膨張室と、を備え、前記インナチューブが、さらに、前記第2膨張室に膨張用ガスを吐出する第2膨張室開口と、前記第3膨張室に膨張用ガスを吐出する第3膨張室開口と、を備える、態様とすることもできる。
このような態様においては、インナチューブの第1膨張室開口と第1副室開口の大きさ、ならびに第1オリフィスと第2オリフィスと第1副室との形状に加えて、第2膨張室開口と第3膨張室開口の大きさを調整することにより、以下の効果が得られる。すなわち、第1膨張室に流入する膨張用ガスの量と、第2膨張室に流入する膨張用ガスの量と、第3膨張室に流入する膨張用ガスの量と、第1副室に流入する膨張用ガスの量と、を調整することができる。その結果、第1膨張室と、第2膨張室と、第3膨張室と、の膨張の仕方を適切に制御することができる。
(4)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、前記バッグ本体が、さらに、前記第1膨張室と前記第2膨張室とを連通する連通オリフィスと、膨張用ガスを受け入れる第2副室であって、前記第1膨張室に接続されており、前記第1副室よりも容量が小さい第2副室と、前記第2副室内に流入する膨張用ガスが流通する第2副室オリフィスであって、前記連通オリフィスに対して前記第1オリフィスとは逆の側に配される第2副室オリフィスと、を備える、態様とすることもできる。
このような態様においては、さらに、連通オリフィスの大きさおよび配置と、第2副室の大きさおよび配置と、第2副室オリフィスの大きさおよび配置と、を調整することにより、少なくとも第1膨張室と、第2膨張室と、の膨張の仕方をより適切に制御することができる。
(5)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、前記第1膨張室が、移動体の前後方向について、前記第2膨張室および前記第3膨張室よりも、前記移動体の屋根と前記移動体のドアとの少なくとも一方を支持する支柱の近くに位置する、態様とすることもできる。
このような態様においては、第1膨張室の膨張の仕方を適切に制御することにより、移動体内の保護対象が支柱に、衝突しないようにすることができる。
(6)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、膨張用ガスの流れの方向に沿った前記第1副室の奥行きの大きさは、前記第2オリフィスの幅よりも長く、膨張用ガスの流れの方向に沿った前記第2副室の奥行きの大きさは、前記第2副室オリフィスの幅よりも長い、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、各副室の奥行きの大きさが各副室オリフィスの幅よりも小さい態様に比べて、より長い時間について、第1膨張室と、第2膨張室と、の膨張の仕方を適切に制御することができる。
(7)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、膨張用ガスの流れの方向に沿った前記第1副室の奥行きの大きさは、前記第2オリフィスの幅よりも長い、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、第1副室の奥行きの大きさが第2オリフィスの幅よりも小さい態様に比べて、より長い時間、第1膨張室の膨張の仕方を適切に制御することができる。
(8)上記形態のカーテンエアバッグ装置において、前記第1副室は、前記インナチューブの下方の位置から後方に延びる第1部分と、前記第1部分の下方に配され、前記インナチューブの下方の位置から後方に延びる第2部分と、前記第1部分の後端と前記第2部分の後端とを接続する第3部分と、を有する、態様とすることもできる。
このような態様とすることにより、第1副室の奥行きの寸法を確保して、長い時間、第1膨張室の膨張の仕方を適切に制御することを可能にしつつ、第1副室により、前後方向および上下方向について広い範囲で、移動体内の保護対象を受け止めることができる。
本開示の技術は、カーテンエアバッグ装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、カーテンエアバッグ装置の製造方法やカーテンエアバッグ装置の設計方法、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
車両MV用のカーテンエアバッグ装置100の構成を示すための説明図である。
折り畳まれた状態のバッグ本体110の断面を示す説明図である。
インナチューブ120の構成を示す平面図である。
バッグ本体110の内部構成の詳細を説明するための説明図である。
第1膨張室MC1と第1副室SC1と第2副室SC2との構成の詳細を説明するための説明図である。
バッグ本体110の膨張および展開が完了した状態を示す写真である。
バッグ本体110の膨張および展開が開始されており、かつ完了する前の状態を示す写真である。
第2実施形態のカーテンエアバッグ装置100bの構成を示すための説明図である。
第3実施形態のカーテンエアバッグ装置100cの構成を示すための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、車両MV用のカーテンエアバッグ装置100の構成を示すための説明図である。図1に示されるカーテンエアバッグ装置100は、車両MVの右の側壁に沿って展開されるカーテンエアバッグ装置100である。車両MVにおいては、図1に示されるカーテンエアバッグ装置100と略対称の構成を有するカーテンエアバッグ装置が、車両MVの左の側壁に沿って展開される。図1においては、カーテンエアバッグ装置100の内部の構造が示されている。図1において、車両MVの概形が破線で示されている。
【0009】
図1において、上を矢印UDで示し、下を矢印DDで示す。車両MVの前方向を矢印FDで示し、車両MVの後ろ方向を矢印BDで示す。他の図において示される矢印UD,DD,FD,BDは、図1の矢印UD,DD,FD,BDに対応する。本明細書において言及される、上下、前後、および左右は、移動体としての車両MVにおける上下、前後、および左右である。本明細書において、上下方向を符号「UD/DD」で示す。前後方向を符号「FD/BD」で示す。
【0010】
図1に示す保護対象PO1は、車両MVの前席に座っている乗員である(図1の中段左部および中段右部参照)。図1に示す保護対象PO2は、車両MVの後席に座っている乗員である。カーテンエアバッグ装置100は、車両MVに衝撃が加えられた際に、車両MVの天井から車両MVの側壁および窓に沿って展開する。車両MV内の保護対象PO1,PO2は、車両MVに与えられた衝撃および自らの慣性力により、車両MVの側壁および窓に向かって相対的に移動する。保護対象PO1,PO2は、側壁および窓に直接、衝突せずに、展開したカーテンエアバッグ装置100に衝突する。その結果、保護対象PO1,PO2に加えられ得る衝撃が緩和される。
(【0011】以降は省略されています)

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