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公開番号
2025024794
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023129063
出願日
2023-08-08
発明の名称
液式鉛蓄電池及びその製造方法
出願人
古河電池株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01M
10/12 20060101AFI20250214BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】大きなコスト上昇や寿命低下を招くことなく、RCを高めて液式鉛蓄電池の性能ランクを向上させる。
【解決手段】積層体6は、正極板10が収納された袋状セパレータ3と負極板20とが交互に配置されて形成され、袋状セパレータ3は、多孔性合成樹脂製でオイルを含むものであって、板状のベース部31と、ベース部31の板面から突出する複数のリブ32とを有し、リブ32が内側に配置されている。正極集電板は、鉛合金製の圧延板からなる打ち抜き加工品であって、正極合剤が保持された格子状部が、複数のリブ32と対向し、一つのセル室における、ベース部31と、複数のリブ32と、正極合剤が保持された格子状部と、で形成される空間の体積(Ve〔cm
3
〕)の、正極合剤の質量(W〔g〕)に対する比(Ve/W)が0.150以上である。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板の間にセパレータが配置され、前記正極板が収納された袋状セパレータと前記負極板とが交互に配置されて形成された積層体を有し、
前記正極板は、格子状部を含む正極集電板と、前記格子状部の前記電槽の上下方向の上側に突出する正極耳部と、前記格子状部に保持された正極合剤と、を有し、
前記負極板は、格子状部を含む負極集電板と、前記格子状部の前記電槽の上下方向の上側に突出する負極耳部と、前記格子状部に保持された負極合剤と、を有し、
前記正極耳部は、前記格子状部の幅方向の中心から一方にずれた位置に配置され、前記負極耳部は、前記格子状部の幅方向の中心から他方にずれた位置に配置され、
前記極板群は、さらに、複数枚の前記正極耳部を連結する正極ストラップおよび複数枚の前記負極耳部を連結する負極ストラップを有し、
前記袋状セパレータは、多孔性合成樹脂製でオイルを含むものであって、板状のベース部と、前記ベース部の板面から突出する複数のリブとを有し、前記リブが内側に配置され、
前記正極集電板は、鉛合金製の圧延板からなるエキスパンド加工品または打ち抜き加工品であって、前記正極合剤が保持された前記格子状部が、前記複数のリブと対向し、
一つの前記セル室における、前記ベース部と、前記複数のリブと、前記正極合剤が保持された前記格子状部と、で形成される空間の体積(Ve〔cm
3
〕)の、前記正極合剤の質量(W〔g〕)に対する比(Ve/W)が0.150以上である液式鉛蓄電池。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記正極集電板は、鉛合金製の圧延板からなる打ち抜き加工品である請求項1記載の液式鉛蓄電池。
【請求項3】
前記袋状セパレータのオイル含有率は、5質量%以上20質量%以下である請求項1または2記載の液式鉛蓄電池。
【請求項4】
セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板の間にセパレータが配置され、前記正極板が収納された袋状セパレータと前記負極板とが交互に配置されて形成された積層体を有し、
前記正極板は、格子状部を含む正極集電板と、前記格子状部の前記電槽の上下方向の上側に突出する正極耳部と、前記格子状部に保持された正極合剤と、を有し、
前記負極板は、格子状部を含む負極集電板と、前記格子状部の前記電槽の上下方向の上側に突出する負極耳部と、前記格子状部に保持された負極合剤と、を有し、
前記正極耳部は、前記格子状部の幅方向の中心から一方にずれた位置に配置され、前記負極耳部は、前記格子状部の幅方向の中心から他方にずれた位置に配置され、
前記極板群は、さらに、複数枚の前記正極耳部を連結する正極ストラップおよび複数枚の前記負極耳部を連結する負極ストラップを有し、
前記袋状セパレータは、多孔性合成樹脂製でオイルを含むものであって、板状のベース部と、前記ベース部の板面から突出する複数のリブとを有し、前記リブが内側に配置され、
前記正極集電板は、鉛合金製の圧延板からなるエキスパンド加工品または打ち抜き加工品であり、前記正極合剤が保持された前記格子状部が、前記複数のリブと対向する液式鉛蓄電池の製造方法であって、
一つの前記セル室における、前記ベース部と、前記複数のリブと、前記正極合剤が保持された前記格子状部と、で形成される空間の体積(Ve〔cm
3
〕)の、前記正極合剤の質量(W〔g〕)に対する比(Ve/W)が0.150以上となるように、前記袋状セパレータのリブを設計する液式鉛蓄電池の製造方法。
【請求項5】
前記正極集電板は、鉛合金製の圧延板からなる打ち抜き加工品である請求項4記載の液式鉛蓄電池の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液式鉛蓄電池及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
一般的な鉛蓄電池である液式鉛蓄電池は、セル室を有する電槽と、セル室に収納された極板群と、セル室に注入された電解液と、を備えている。極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、を備える積層体を有する。
正極板は、格子状部を含む正極集電板と、格子状部に保持された正極合剤(正極活物質を含む合剤)と、を有し、格子状部の両板面に正極合剤からなる層が形成されている。負極板は、格子状部を含む負極集電板と、格子状部に保持された負極合剤(負極活物質を含む合剤)と、を有し、格子状部の両板面に負極合剤からなる層が形成されている。
【0003】
正極板は、格子状部を含む正極集電板と、格子状部の電槽の上下方向の上側に突出する正極耳部と、格子状部に保持された正極合剤(正極活物質を含む合剤)と、を有し、負極板は、格子状部を含む負極集電板と、格子状部の電槽の上下方向の上側に突出する負極耳部と、格子状部に保持された負極合剤と、を有する。
正極耳部は、格子状部の幅方向(電槽の上下方向と積層体の積層方向の両方に垂直な方向に沿わせる方向)の中心から一方にずれた位置に配置され、負極耳部は、格子状部の幅方向の中心から他方にずれた位置に配置されている。極板群は、さらに、複数枚の正極板および負極板の耳部をそれぞれ連結する正極ストラップおよび負極ストラップを有する。電解液としては希硫酸が使用されている。このような液式鉛蓄電池は自動車用バッテリーなどとして広く使用されている。
【0004】
自動車用の鉛蓄電池では、多くの場合、正極集電板として、カルシウム(Ca)系鉛合金製の圧延板を、エキスパンド法や打ち抜き法で加工したもの(エキスパンド加工品、打ち抜き加工品)を用いている。その理由は、この方法では集電板が連続的に生産できることから、鋳造法と比較して生産性とコスト面で優れるためである。
しかし、正極集電板が鉛合金製の圧延板からなるエキスパンド加工品および打ち抜き加工品の場合、高温過充電環境下において、正極板に、腐食による格子状部の伸び(いわゆる「グロース」)が生じることが知られている。そのため、エキスパンド加工品よりも、格子状部の四方が枠で囲われている打ち抜き加工品を正極集電板として用いる方が、強度が高いため、グロース対策としては有利である。
【0005】
一方、鉛蓄電池は、電池サイズの他、性能ランク毎に製品種が分類される。性能ランクは、「√(リザーブキャパシティ(RC)×コールドクランキング・アンペア(CCA))/2.8」で算出される値であり、鉛蓄電池の性能を比較するための指標の一つである。この性能ランクを向上させるには、RCの値および/またはCCAの値を高める必要がある。
【0006】
RCは、満充電した蓄電池を、25℃±2℃、一定電流25Aで連続放電し、端子電圧が10.5Vに達するまでの持続時間(分)である。CCAは、-18℃の環境でバッテリーを定電流放電させて、30秒後のバッテリー電圧が7.2V以上を保つことができる、限界の放電電流値のことである。
CCAを高めたい場合は電気抵抗を小さくすることが重要である。これに関連し、特許文献1、2には、オイルを含むセパレータのオイル含有率と電気抵抗との関係についての記載がある。
【0007】
特許文献1には、以下の記載がある。
リブ付きセパレータの耐酸化性の低下を防ぐための手段の一つとして、セパレータに鉱物オイルを含有させる方法がある。この方法では、セパレータの内外表面をオイルにより被覆できるので、酸化雰囲気に弱いポリオレフィン系樹脂の表面を保護でき、酸化劣化の進行を遅らせることができる。
【0008】
通常は、押出成形の原料混合物に配合する可塑剤として予め鉱物オイルを用いておき、有機溶剤による可塑剤(鉱物オイル)の抽出除去工程において、可塑剤のすべてを除去せず、一定量をシート中に残留させるといった方法によるのが一般的である。
鉱物オイルを含有させて耐酸化性の向上を図るには、鉱物オイルは、セパレータの質量に対して5~30質量%含有している必要がある。5質量%未満では、リブ付きセパレータに鉛蓄電池用セパレータとして充分な耐酸化性を付与することができない。また、30質量%を越える場合は、オイルが微孔空間(空隙)を埋める割合が大きくなることによる電気抵抗の増大や、希硫酸電解液中へのオイルの溶出による電槽内の汚染をもたらす。この場合の鉱物オイルは、可塑剤としての機能の他に、微孔形成剤や耐酸化性付与剤の機能も併せ持っている。
【0009】
特許文献2には、以下の記載がある。
セパレータ中のオイルの含有量は、例えば、10質量%以上であり、13質量%以上が好ましい。オイルの含有量がこのような範囲である場合、優れた高温過充電寿命を確保し易い。セパレータ中のオイルの含有量は、例えば、20質量%以下であり、18.0質量%以下であることが好ましく、17.5質量%以下であることがさらに好ましい。オイルの含有量がこのような範囲である場合、セパレータは低抵抗になる。なお、評価は低温環境下での大電流放電試験により行っている。
【0010】
特許文献1、2には、RCを高めることで性能ランクを向上させることについて記載されていないし、そのような記載は他の文献においても見当たらない。
また、特許文献1には、セパレータについて、袋状に加工して陽極板または陰極板を収納して用いられると記載され、特許文献2には、未化成の各負極板を、袋状セパレータに収容し、セル当たり未化成の負極板7枚と未化成の正極板6枚とで極板群を形成した、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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